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歩けない僕らは

佐藤監督2作品同時上映。宇野愛海×落合モトキ+堀春菜×細川岳 初日舞台挨拶

歩けない僕らは

佐藤監督/山中聡/宇野愛海/落合モトキ/堀春菜/細川岳

11月23日、K’s cinema(東京・新宿)にて、映画『歩けない僕らは』、そして併映作品『ガンバレとかうるせぇ』の舞台挨拶が行われた。両作品とも佐藤快麿監督で、登壇したのは、『歩けない僕らは』から、主演の宇野愛海、落合モトキ。『ガンバレとかうるせぇ』から、主演の堀春菜、細川岳、そして佐藤監督。なお、堀春菜と細川岳は『歩けない僕らは』にも出演。(ビデオ&フォト)

『歩けない僕らは』は、回復期リハビリテーション病院の新人理学療法士と彼女を取り巻く人々を描いた作品で、2019年のSKIPシティ国際Dシネマ映画祭で観客賞を受賞した。
『ガンバレとかうるせぇ』は、佐藤監督自身初の長編監督作品で、ぴあフィルムフェスティバルで2冠を受賞し、アジア最大の映画祭である釜山国際映画祭に正式出品されている。

舞台挨拶レポート

歩けない僕らは

キャストビデオコメント&舞台挨拶全編は動画でどうぞ!

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撮影中、会話をしなかった

– 新人理学療法士の遥役の宇野は、脳卒中を発症して半身不随となった患者役の落合モトキと、撮影時は挨拶しかしなくて何も話さなかったと伺いました。何かあったんでしょうか?

宇野愛海(1年目の理学療法士 宮下遥 役)
本物の理学療法士さんに、患者さんとの距離感が大切だというお話を聞いて、普段から近すぎたらいけないなと思って、あまり話をせずにいました。

宇野愛海

宇野愛海

– 落合さんは、「俺、嫌われているんじゃ?」とか思いませんでしたか?

落合モトキ(左片麻痺患者・柘植篤志 役)
思ってました(笑)
2人で決めたわけではないけれど、そんな感じの空気があって、話しかけられたら話しかけていこうかなと思っていたんですけれど、そこで馴れ合いがあっても、この映画にとってプラスにはならないのかなと思っていたので、受け入れました。

落合モトキ

落合モトキ

– ポスターにもなっている、宇野さんとと落合さんが対峙するシーンは、どんな撮影だったのでしょうか?

宇野愛海
後ろで本物の理学療法士と患者さんたちがリハビリされている中で、ぶつかるじゃないですけれど、結構思い切ったことを言うシーンだったので、すごく緊張感がありました。

歩けない僕らは

– 落合さんは身内の方に同じ症状の方がいて、この映画がきっかけに向き合い方が変わったとのことですが。

落合モトキ
以前は、見て見ぬ振りではないですけれど、そんな感じがあったんですけれど、この作品を通して、面と向かってっていうところには行きました。いざそうなってみると、1から10までやってあげたくなってしまうようなところがあって。でもそれって、その人のためにはなっていないので、1周回って、その人のためになることってなんだろうなと考えるようになっています。

落合モトキ

歩けない僕らは

意外なラストシーン

– 山中さんにお話を伺います。

山中聡(理学療法士 課長役)
映画の初日にお客さんに来てもらうというのは、映画にとってすごく大事なことなんです。今日土曜日で、東京中に色んな舞台挨拶がある中で、ここに来ていただいていて、皆ありがたいと思っています。お客さんに拍手!

山中聡

山中聡

– ロケ地となった栃木の「リハビリテーション花の舎(いえ)病院」で働いている課長役のモデルとなった理学療法士さんと撮影前に話したと伺いました。撮影を振り返っていかがですか?

山中聡
(役者は)その人が持っている内側を表現するのが仕事。参考にさせていただきました。

– 編集時に、脚本からラストシーンが変わり、意外なシーンがラストシーンになったが、

山中聡
お客さんはまだ見ていないので、ネタバレになっちゃうかもしれないですけれど、ラスト、落合くんがゾンビになって病院をぶち壊します。
(会場笑)
違う映画になっちゃいましたね(笑)
皆さんに見ていただいて、感じていただければ。

併映作品『ガンバレとかうるせぇ』

ガンバレとかうるせぇ

堀春菜/細川岳(2人は両作品に出演)

– 堀春菜さんと細川岳さんがW主演した映画『ガンバレとかうるせぇ』も、2014年にぴあフィルムフェスティバルで2冠を受賞してから初めて、本日から併映作品として劇場で公開されました。新作『歩けない僕らは』に加え、『ガンバレとかうるせぇ』も本日が公開初日となったことについて、佐藤監督のお気持ちを改めてお聞かせください。

佐藤快麿監督
『歩けない僕らは』は2年前の12月に撮影し、『ガンバレとかうるせぇ』にいたっては、6年前に撮影した作品なので、上映していただくことが当たり前ではなくて、特別なことだなと思います。
『ガンバレとかうるせぇ』は、オンラインなどの配信のお話もいただいたんですけれど、自分としては公開という形で皆さんに見ていただきたかったので、こうやって劇場で公開できて嬉しいです。

佐藤快麿監督

佐藤快麿監督

– 堀さん、ご自身が初めてカメラの前に立ったという『ガンバレとかうるせぇ』で笑顔が一度もない理由についてお聞かせください。

堀春菜(マネージャー・菜津 役)
最初の方のシーンで私とキャプテンが会話をするシーンがあって、そのシーンが監督的には一番楽しいシーンだったんですけれど、私がそのシーンで1回も笑わなかったので、監督が『じゃあこの映画では笑顔封印だね』という感じで、だんだんブスッとしたマネージャーに仕上がっていった感じです。

堀春菜

堀春菜

佐藤快麿監督
どんどん堀さんが菜津というマネージャーになっていきました。

– 堀さんは『ガンバレとかうるせぇ』では、サッカー部を辞める部員を引き止める役、そして『歩けない僕らは』では、理学療法士を社会人になって早々に辞める役。両極端な役かなとも思いますが、それぞれどんなことを心がけて演じられましたか?

堀春菜
『ガンバレとかうるせぇ』は、考える余裕もなく突っ走った感じで、『歩けない僕らは』は、宇野さんにどんな風に影響を与えるべき役なのかなと考えて取り組みました。

堀春菜

– 『ガンバレとかうるせぇ』と『歩けない僕らは』とで堀さんと細川さんの髪型やキャラクターが全然違うので、続けて上映しても、同じ人だと気づかれないと聞いています。細川さんに伺いますが、『ガンバレとかうるせぇ』の寡黙で全てを1人で背負ってしまうサッカー部のキャプテンと、『歩けない僕らは』の少しチャラく見えるロン毛の主人公の彼氏役と、どちらがご自身に近いでしょうか?

細川岳(キャプテン・豪 役)
チャラロン毛・・・
あ、いや、周りが見えなくなってしまうので、『ガンバレとかうるせぇ』の方が近いかもしれないです。

細川岳

細川岳

– 演じやすかったのはどちらですか?

細川岳
チャラロン毛(笑)

ガンバレとかうるせぇ

ガンバレとかうるせぇ

– 宇野さんが、カメラ前以外での彼氏役の細川さんとの時間が、役作りにすごく役立ったとのことですが、具体的にどういうことをなさったんですか?

細川岳
2人のシーンは少ないんですけれど、時間を埋める作業はいつも大事にしたいと思っていて、彼氏という役なので、一緒にバッティングセンターに行ったり散歩してしゃべったりしました。

宇野愛海
遥にとって彼氏である翔くんの存在は大きかったので、一緒に過ごせる時間を作っていただいて、助かりました。

宇野愛海

宇野愛海

最後に監督からメッセージ

佐藤快麿監督
『ガンバレとかうるせぇ』は僕の初期のターニングポイントとなった作品で、『歩けない僕らは』は今の全力を込めた最新作となっていて、この2本を選んで見に来てくださって、本当にありがとうございます。
今日の日を皆さんと迎えることができて嬉しいです。(今年急逝した患者・タエ役の)佐々木すみ江さんもいらっしゃれたら嬉しかったんですけれど、今日の日を喜んでくださっていると思います。楽しんでくださったら本当に嬉しいです。

歩けない僕らは

[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]

映画『歩けない僕らは』

【STORY】
宮下遥(宇野愛海)は、回復期リハビリテーション病院1年目の理学療法士。まだ慣れない仕事に戸惑いつつも、同期の幸子(堀春菜)に、彼氏・翔(細川岳)の愚痴などを聞いてもらっては、共に励まし合い頑張っている。担当していたタエ(佐々木すみ江)が退院し、新しい患者が入院してくる。仕事からの帰宅途中に脳卒中を発症し、左半身が不随になった柘植(落合モトキ)。遥は初めて入院から退院までを担当することになる。「元の人生には戻れますかね?」と聞く柘植に、何も答えられない遥。日野課長(山中聡)と田口リーダー(板橋駿谷)の指導の元、現実と向き合う日々が始まる。

宇野愛海 落合モトキ
板橋駿谷 堀春菜 細川岳 門田宗大
山中聡 佐々木すみ江

監督・脚本・編集:佐藤快磨(『ガンバレとかうるせぇ』、『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』、『きっとゲリラ豪雨』)
プロデューサー:登山里紗  撮影:加藤大志  撮影助手:勝亦祐嗣  照明:高橋拓  録音:吉方淳二  音楽:田中拓人
衣裳:馬場恭子  ヘアメイク:橋本申二  ヘアメイク助手:西田美香  助監督:葉名恒星  制作部:福島成人、原田親  スチール:西永智成
協力:医療法人社団友志会、十一合同会社、MotionGallery、独立映画鍋、ニューシネマワークショップ、アクターズ・ヴィジョン、栃木県フィルムコミッション、栃木市  配給:SPEAK OF THE DEVIL PICTURES
©映画『歩けない僕らは』  2018 / 日本 / カラー / 37分 / 16:9 / stereo

11月23日(土)より新宿K’s cinemaにて公開他全国順次

併映作品『ガンバレとかうるせぇ』

PFFアワード2014 映画ファン賞受賞
PFFアワード2014 観客賞受賞
釜山国際映画祭 ニューカレンツ・コンペティション部門 正式出品作品

<あらすじ>
試合に勝っても褒められず、負けて責められることもない、そんな存在。
山王高校サッカー部の3年生マネージャー・菜津(堀春菜)は、夏の大会に敗退したタイミングでマネージャーは引退するのが通例のなか、冬の選手権まで残ることを宣言する。しかし、顧問(ミョンジュ)からも部員からも必要とされていないことに気づいてしまう。
一方、キャプテンの豪(細川岳)は、チームの要である健吾(布袋涼太)に夏での引退を切り出され、チームメートからの信頼の薄さも浮き彫りになっていく。
刻々と近づく最後の大会を前に、菜津と豪は選択を迫られる。

出演:堀 春菜、細川 岳、布袋涼太、柳沼 侃、江國亮介、山城ショウゴ、石上真紀子、ミョンジュ
監督・脚本・編集:佐藤快磨
撮影:加藤大志/録音:内田達也/プロデューサー:渡邊翔太
配給:SPEAK OF THE DEVIL PICTURES  
2014/日本/カラー/70分/16:9/stereo

映画『歩けない僕らは』メインビジュアル

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