吉沢亮「根は暗いので役と内心がフィットする瞬間があった」若葉竜也・落合モトキも登壇、映画『AWAKE』完成報告会見
12月8日、都内にて、映画『AWAKE』(12/25公開)の完成報告会見が行われ、主演・吉沢亮、若葉竜也、落合モトキ、そしてメジャー映画デビューとなる山田篤宏監督が登壇した。
さらに、本作で吉沢亮演じる英一が作った将棋プログラムの指し手となったロボットアーム【新電王手】も登壇。監督・キャストから、撮影秘話、本作にかけた思い、そして公開に向けた思いなどを語った。(動画&フォト)
本作は、2015年に実際に行われ、当時、ネットユーザーや将棋ファンの間でかなりの物議を醸した棋士VSコンピュータの対局に着想を得て、山田監督が書き下ろした完全オリジナルストーリー。
天才に敗れ棋士になる夢をあきらめた主人公が冴えない大学生活を送っていたある日、ふとしたことで出会ったAI将棋のプログラミングに新たな夢を見出し、かつてのライバルと再戦を果たす青春物語だ。
会見レポート
吉沢亮(清田英一 役)
初めて脚本を読ませて頂いた時からすごく大好きな作品で、とても思い入れのある作品なので、着々と皆様にお届けできる日が近づいていることにドキドキしております。
若葉竜也(浅川陸 役)
このような時期に公開できるということですごく嬉しく思ってます。
落合モトキ(磯野達也 役)
完成報告会見を開けるということで、この作品は一歩前に進めたんじゃないのかなと思います。12月25日に公開できるように願うばかりです。
山田篤宏監督
素晴らしいキャストとスタッフで、とても自信を持ってお届けできるエンターテイメント作品になりました。どうぞよろしくお願いいたします。
■作品の魅力
-吉沢亮さんに伺います。これまで出演した映画の中で本作はかなり好きとおっしゃってますが、どんなところが特に惹かれたんでしょうか?
吉沢亮
脚本がとても面白くて、将棋映画だし、AIを使ってるのでちょっと難しいのかなという思いもあったんですけど、全然そんなことなく、直球のエンターテイメントでメッセージ性もわかりやすいし、すごく爽快感のある青春ストーリーになっていて、おもしろい!って思ったからです。
今まで、自分が出ている作品の完成版を見るのは、自分の芝居の嫌な部分ばっかり目立っちゃって冷静に見れないことが多かったんですが、今回は自分の芝居がどうこうとかじゃなく、単純にすごい面白いなぁと思いました。出来上がった作品を見て。
それに参加できて良かったなって思いが一番最初に思いましたし、自分の中では新鮮な感じでしたね。
■棋士役としての役づくり
-棋士役ということで取り組まれたことは?
吉沢亮(清田英一 役)
“英一”という人間は、小さな頃から将棋しかやってこなくて、将棋以外のことを何も知らない。将棋以外、こいつは何も持ってないんだっていうものを全面的に出したくて、撮影が始まる前にちょっと太ってみたりとか、将棋を指している時の姿勢や表情の変化を現場で工夫しながらやってました。
-天才棋士役を演じられた若葉さんはいかがですか?
若葉竜也(浅川陸 役)
棋士の方々の指し手や所作というのは、絶対条件として身体に落とし込まないといけないと思ったので、そこは気をつけました。
まず最初に子どもたちの将棋を見に行って、その後に映像でプロの騎士たちの立ち振舞いを見て、アマチュアからプロになっていく段階での差異みたいなものを見たりしました。でも、もちろん指し手が一番大変でした。彼らの歴史が詰まっているので。そこは軽んじて演じることできないなと思いました。
-落合さんの役はすごく早口で専門用語のセリフも多いですが、監督からはどんな演出がありましたか?
落合モトキ(磯野達也 役)
最初、監督に演技の方向性を相談した時に、「バックトゥザフューチャーのドクをイメージしてやってくれ」と言われて、「確かにそうなんだろうけど、セリフが専門用語すぎて大変だなぁ。考えて覚えるより、もう呪文のように覚えた方がいいんだろうな。」とは思いました。
吉沢亮
めちゃめちゃ大変そうでした。
聞いたこともない単語をずっとペラペラ喋ってて、すごい早口だし。
でもそれが全然違和感なく落とし込まれてる感じがやっぱりすごいなって思いました。
-監督に伺います。本作は、2015年に実際に行われた電王戦ファイナルがモデルになっているそうですが、この時の対局をご覧になってどんなところから映画にしようと思われたのでしょうか?
山田篤宏監督
2015年ファイナルの対局自体がものすごくドラマチックな対局でした。何がドラマチックだったかと言うと、まずその開発者が元奨励会員でプロになれなかったけれども、将棋システムを開発してもう一度プロと戦うという。
その前提そのものも魅力的だったんですけど、その後の実際の対局の顛末も非常にドラマチックなものとだったんです。それを見た時に、この二人が小さい時からのライバルだったらすごい面白いだろうなってことを想像して、それを元にオリジナルストーリーとして脚本を書きました。
■吉沢亮くんってめちゃくちゃ暗いよね?
-共演してみてのお互いの印象は?
落合モトキ
亮くんに会った時、開口一番に「ファンなんだよ」って言ったと思います。
年下の子と共演する機会が増えてきたんですけど、中でも亮くんは本当に素晴らしい役者さんだと思うので、嬉しい気持ちで毎日やってました。二人の空間が毎日楽しかったです。
吉沢亮
共演は初めてですけど、僕もすごく楽しかったですよ。居心地が良くてやりやすい空気感でした。
若葉竜也
僕は吉沢くんとは4シーンくらいしかなくて、あとはほぼほぼ一人で悩んでいるシーンだけなのでぜんぜん楽しくなかったです(笑)
-吉沢さんとお会いされたの印象は?
若葉竜也
僕の勝手なイメージですが、それまでは爽やかでスターな感じかなと思ってたんです。
(でも実際会ってみたら)死ぬほど暗くて、「あ、こんな感じなんだ」と思って。でも“英一”が本来の吉沢くんの姿に近いのかなと僕は勝手に思いました。どうなんですか?
吉沢亮
近いですね。英一が周りのことにほんとは興味あるんだけど、暗いからどう接していいかわからなくて興味ないフリしているところはすごい理解できます(笑)
ここまで役と内心がフィットする瞬間はあんまり無いなって思いました。
落合モトキ
じゃぁ、僕の前では気丈に振る舞ってくれてたのかな?
若葉竜也
そうそう、吉沢さんが出演しているあるラジオ番組を聴いたの。めっちゃ明るくて(笑)
俺といる時とぜんぜん違うじゃんって(笑)
吉沢亮
たぶん、どっちもホントなんですよ(笑)
根は暗いけど、ふざけたりするのは大好きだし、騒ぐのも大好きなんです。本当は。
若葉竜也
じゃ、もっと話しかけると、もっと変な吉沢亮が見れる?
吉沢亮
見れます。モトキくんと俺はその段階まで来てましたね。
落合モトキ
亮くんと2人で飲みにも行きましたね。
でも、“吉沢亮”と行く店だから値段設定がわからずに、ATMからしこたまお金をおろしましたね。
若葉竜也
(笑)
■“今年は○○超え”
-藤井聡太ニ冠の一手がAI超えとも言われた今年ですが、みなさんにとって、個人的に“今年は○○超え”というものがあれば教えて下さい。
若葉竜也
新しくチャレンジしたことでもいいですか?
俺は今まで服にはお金をかけなかったんだけど、ありえない金額のコートを急に買った。
今までは、数千円で手に入るものばっかりだったけど、一着だけ何十万円もするコートがある。
そしたらスタイリストの方が、上下スウェットにそのコートを着てたら、外人のオシャレみたいでいいねって言ってくれた(笑)
それを得意技にしようかなって思って(笑)
吉沢亮
いいね、超えましたね(笑)
(僕は)筋トレを始めました。今まではまったくやってなくて、けっこうポチャポチャしてたんですけど、人前に出る仕事だからと思って、昨年末から始めました。
落合モトキ
今年、30歳になったので、食を見直そうと思いました。
今までは昼食は、ラーメンやカレーライスだったんですけど、最近は鰻を食べるようになりました。
自分の中では、昨年の鰻を超えてます。ぜんぜん“超え”に落とせないんだけど(笑)
■挫けそうな時の立ち直り方
-主人公“英一”にちなんだ質問です。みなさんが今まで挫けそうになった時、どうやって立ち直りましたか?
若葉竜也
ほぼ毎日挫けそうになってるというか、もう挫けてます。
僕は大衆演劇出身で、ずっと芝居に触れてきたんで、正直役者業をバカにしてて、役者以外になりたいってずっと思ってたんです。
だけど、ある時から、プロボクサーとか年齢を重ねるにつれてできなくなっていく職業のことを考えると、自分の可能性がどんどん無くなっていっているなって思って。
じゃぁ、もう唯一生活できる可能性が高いのは、生まれた時からやってるこの仕事だって思うようになったんです。だから、挫折的に役者になった人間なんで、今現在、挫折してる状況ですよね。
吉沢亮
僕の場合はそういう挫折っていうのとはまた違うのかもしれないですけど、あまりにも目の前の壁が大きいとか、どうやって乗り越えたらいいか分かんないっていう時は、とりあえずめちゃくちゃ自分をネガティブに落とし込んで、いざ蓋を開けてみたら、そうでもなかったみたいなパターンが多いですね。
とにかくも絶対この芝居はできないとか、このセリフなんてもう言えない、どうしようどうしようみたいなことをずっと考えて、もうやるしかない状況まで自分を落とし込んで現場に行ってやってみたら、意外とできたみたいな。
落合モトキ
挫折は僕も本当に毎日してます。カメラの前に立ってワンシーン撮る度に挫折や後悔をしてるっていう気持ちがあります。
でもどうにか続けなくちゃっていう気持ちもあって。
挫折した時はどうするかって言ったら、きっと時間が解決するものなのかなとも思っています。
でも応急処置は必要なので、猫を二匹飼ってるんですが、家に帰って寝ている猫に顔をうずめて猫に迷惑をかけるっていうのが(僕の)応急処置です。
■最後にメッセージ
吉沢亮
12月25日公開ということで、もちろん将棋ファンの方々にも楽しんでいただける内容にはなってるんですけど、将棋の知識があまりないって方も全然関係なく楽しんでいただける内容になってます。
友情の話だったり、青春、成長という普遍的なものをテーマの根本に置いている作品なので、いろんな世代の方に観ていただきたいなと思います。
クリスマス、是非、『AWAKE』を観に来てください。
■トークノーカット動画
■フォトギャラリー
[写真・動画・記事:Jun Sakurakoji]
映画『AWAKE』
STORY
大学生の英一(吉沢亮)は、かつて奨励会(日本将棋連盟の棋士養成機関)で棋士を目指していた。
降格したら奨励会を去らなければならない大一番、同世代で圧倒的な強さと才能を誇る陸(若葉竜也)に敗れた英一は、プロの道を諦め、普通の学生に戻るべく大学に入学したのだった。
幼少時から将棋以外何もしてこなかった英一は、急に社交的になれるはずもなくぎこちない学生生活を始めるものの、なかなか友人もできない。
そんなある日、ふとしたことでコンピュータ将棋に出会う。独創的かつ強い。まさに彼が理想とする将棋を繰り出す元となるプログラミングに心を奪われた英一は、早速AI研究会の扉をたたき、変わり者の先輩・磯野(落合モトキ)の手ほどきを受けることになる。
自分の手で生んだソフトを強くしたい―将棋以外の新たな目標を初めて見つけ、プログラム開発にのめり込む英一。数年後、コンピュータ将棋の大会で優勝した英一は、棋士との対局である電王戦の出場を依頼される。
最初は申し出を拒否する英一だったが、相手がかつてのライバル・陸だと知り―。
出演:吉沢亮 若葉竜也/落合モトキ 寛 一 郎/馬場ふみか 川島潤哉 永岡佑 森矢カンナ 中村まこと
監督・脚本:山田篤宏
製作総指揮:木下直哉 エグゼクティブ・プロデューサー:武部由実子 プロデューサー:菅野和佳奈 アソシエイトプロデューサー:新野安行
音楽:佐藤望 撮影:今井哲郎 照明:酒井隆英 録音:渡辺丈彦 美術:小坂健太郎 装飾:櫻井啓介 衣裳:松下麗子 ヘアメイク:小坂美由紀 音響効果:渋谷圭介 視覚効果:豊直康 PC画面制作:北郷弘行 演技事務:平藪明香 制作担当:米田伸夫 音楽プロデューサー:杉田寿宏 ラインプロデューサー:氏家英樹
将棋協力:日本将棋連盟 将棋電王戦協力:dwango DENSO DENSO WAVE プログラミング協力:コンピューター将棋協会(CSA)
製作:木下グループ 制作・配給:キノフィルムズ
2019年/日本/日本語/119分/カラー/シネマスコープ/5.1ch
(C)2019『AWAKE』フィルムパートナーズ
公式HP:awake-film.com
公式Twitter:@awake_eiga2020
公式Instagram:@awake_eiga2020
予告篇
本編冒頭映像
12月25日、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。