2025年9月24日、東京国際フォーラム ホールAにて、映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』完成披露試写会が行われ、吉永小百合、佐藤浩市、天海祐希、のん、木村文乃、若葉竜也、工藤阿須加、茅島みずき、阪本順治監督が登壇。(動画&フォト)
本作は、女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功した登山家、田部井淳子の壮絶な生涯を描いた作品であり、吉永小百合の映画出演124本目となる記念碑的作品である。
会場には、エベレストの標高8,849mにちなんだ巨大バナーが設置され、登壇者は吉永小百合の124本目の映画出演を記念した12.4mの白銀ランウェイを一歩一歩歩む形で登場した。
舞台挨拶レポート
■動画レポート
Part 1:最初の挨拶編
Part 2:佐藤浩市&天海祐希 編
Part 3:のん&工藤阿須加&木村文乃 編
Part 4:若葉竜也&茅島みずき~ラストメッセージ 編
■ダイジェストフォトレポート

阪本順治監督/若葉竜也/木村文乃/天海祐希/吉永小百合/佐藤浩市/のん/工藤阿須加/茅島みずき



まず、登壇者一人ひとりから、完成した映画についての挨拶があった。
吉永小百合(現代・多部純子 役)
皆様、今日は、水曜日の夕方という大変お忙しい時期に、この上映会に来ていただきまして本当にありがとうございます。
この映画ができましたのも、多部井さんはじめ、様々な形でサポートしていただいた皆さまのおかげだと思っております。
田部井淳子さんという役を多部純子という名前に変えて演じましたが、今は本当に嬉しい気持ちで、胸がいっぱいです。
とても素敵な経験をさせていただきました。

吉永小百合
佐藤浩市(現代・多部正明 役)
この作品は、昨年、約3ヶ月かけて作った作品で、みんな色々な気持ちが交錯する中で、優しさでやったりとか、色々なものを感じ取っていただける映画になっていると思います。今日は気持ちを豊かにして帰っていってください。
天海祐希(現代・新聞記者/北山悦子 役)
純子さんをずっと見つめてきた悦子さんという役をやらせていただきました。もちろん実在の方なんですが、ご本人も溌剌としてパワフルでエネルギーがあり、そんな方を見つめてきた悦子さんというのはもっと素晴らしい方なのだろうと思いながら演じていました。
私が(吉永)小百合さんを思う気持ちにすごく似ているので、私としては感情を移入させていただくことがたくさんありました。
この映画が完成してとてもとても幸せです。ぜひ楽しんでいただけたらと思います。
のん(青年期・多部純子 役)
多部純子の青年期役を演じたのんです。この『てっぺんの向こうにあなたがいる』の完成した作品を見ていただける機会に立ち合えることが本当に嬉しいです。
私も勇気をもらえた作品なので、それが皆さまに届いたらいいなと思います。

のん
工藤阿須加(青年期・多部正明 役)
多部正明の青年期をやらせていただきました工藤です。こうして皆さんに完成したことを報告でき、そしてそれを見ていただける。そんな素敵な日に、一緒に同じ空間で時間を過ごせることは幸せですし、皆さんにこれから映画を見て、とても素敵な気持ちで帰っていただける作品になると思うので、ぜひ今日は楽しみにしていてほしいです。

工藤阿須加
木村文乃(長女・多部教恵 役)
多部家の長女、のりちゃんを演じさせていただきました。今日、これだけたくさんの方に見ていただける、そして愛されていくであろう作品に、吉永さんとそれから坂本監督のもとで参加できてとても幸せです。本当に素敵な映画なので、心行くまでリラックスして楽しんでいってください。

木村文乃
若葉竜也(長男・多部真太郎 役)
本当に過酷な撮影環境でしたが、怪我なくこの日を迎えられて、すごく安心しています。初日はまだですが、そこまで突っ走りたいと思います。

若葉竜也
茅島みずき(青年期・新聞記者/北山悦子 役)
北山悦子の青年期を演じさせていただいた茅島みずきです。一足先に試写を見させていただいた時に、本当に心が温かくなって、素敵な映画だなと、帰る時にすごく優しい気持ちになって帰れました。今日、皆さんも、同じような気持ちになって帰っていただけると嬉しいです。

茅島みずき
阪本順治監督
僕が15年近くお世話になった木下グループさんが初めて担う吉永さん主演映画ということで、私の魂に特別な力を込めて作らせていただいきました。どうか皆さん、最後まで楽しんで帰ってください。

阪本順治監督
吉永小百合&佐藤浩市
‐まず吉永さん、本作は女性初の偉業を成し遂げた田部井淳子さんの人生を元に描かれています。主人公である多部純子を演じられ、同じ女性としてどのようなことを感じられましたか?
吉永小百合
2012年に(田部井)淳子さんご本人にお目にかかることができました。その時に、本当に明るくて前向きな姿勢にびっくりしました。
私は女性ですが、『こんな風に生きられたらどんなにいいだろう、淳子さんのように私もこれから歩いていきたい』ということを思いました。その力や決断力は、やはり山に登る時もすごく必要だったと思いますし、だからこそ世界中の高い山、全山を登られたのだと思います。
私は年齢的にかなりいっていますが、淳子さんのように『一歩一歩前へ』という言葉を忘れずに、前に歩いていけたらと思っています。
‐そして佐藤浩市さんに伺います。5月に行われた完成報告会見の際に、まさか自分が吉永さんの夫の役をやると思っていなかったというお話をされていましたが、改めて吉永さんと夫婦役というのはいかがでしたか?
佐藤浩市
それは正直、自分の素直な気持ちだったんです。ともかく吉永さんも僕に対してすごく気を使っていただいて、ちょっと恐縮してしまうのですが、劇中のお二人のご夫婦が呼び合っていたように、『撮影期間、その間だけお母さんと呼んでもよろしいですか?』と吉永さんにお願いをしました。
吉永さんはジョークで返されたつもりだと思うのですが、『私、子供がいないんで』と仰ったので、『いや、そういう意味じゃなく』と(笑)
ご冗談でそう言ってらっしゃったのですが、撮影中は無事『お父さん』『お母さん』と呼び合うことができ、とても安心することができました。
‐吉永さんもそう呼ばれていたのですね。
吉永小百合
はい。呼ばせていただきました。

吉永小百合/佐藤浩市
天海祐希
‐天海さんにお伺いしたいのですが、天海さんが演じられた北山悦子は、純子さんの良き理解者として、どんな時でも支えになる役柄です。冒頭の挨拶で吉永さんとの関係を重ねたとも仰っていましたが、誰かの支えになるというこの関係性において、ご自身でリンクする部分を具体的に聞かせてもらってもよろしいでしょうか。
天海祐希
やはり、自分がしっかりしていないと、きっと人の支えにはなりにくいと思うんですね。
でも、この映画の中でもそうですけれども、吉永さん演じる(多部)純子さんが、ひたむきに、真っすぐに、純粋に自分の人生を歩んでらっしゃる。
きっとその姿を見て、『この人のために何かやりたい、何か役に立ちたい、何かをしてあげたい』と思わせるような方だったと思いますし、そう思えるということは、悦子さんも素敵な方だなと思ったので。私も、誰かの支えになれている人生だといいんですけれども。

天海祐希
‐そして吉永さん、天海さんにお伺いします。今回3度目のご共演ということになります。親友役にふさわしく、本当に息がぴったりなお二人ですけれども、お二人で親友役というのは、吉永さん改めて振り返っていかがですか。
吉永小百合
今回、天海さんに出演していただいて、もう本当に感謝、感謝なんです。
私にとっては、親友以上に、私にとって素晴らしい力強い存在なんですね。だからいつも頼っていますし、これからもまたチャンスがあったら、ぜひぜひご一緒させてください。
天海祐希
ちょっと、泣いちゃうからやめてください(涙)本当にありがとうございます。
3回も吉永さんとご一緒したいなんて方、たくさんいらっしゃるでしょうに、私、3回もご一緒させていただけて、こんなにありがたいことはないです。
そしてまた、こうしてずっと(吉永)小百合さんの役を見つめ続ける方の役というのは、こんなありがたいことはないなと思いながら、大切に大切に演じました。本当に、その思いが、見てくださる方にも伝わるといいなと思っています。

天海祐希/吉永小百合
撮影中のエピソード(佐藤浩市・坂本監督)
‐佐藤さんに再び伺います。吉永さんとの登山シーンもありますが、撮影中のことで特に印象に残っていることはどういったことがございますか。
佐藤浩市
ともかく、吉永さんの現場のたたずまいというか、映画に対する向き合い方ですよね。それがもうとんでもなく、高尚という言い方をすると大変ですが、ともかく現場で疲れた顔一切されないんです。
多少はしんどい撮影であったと思うのですが、吉永さんは一切おっしゃらないんですよ。そうすると、ちょっと若い僕らが『ああ、疲れた』とか言えないじゃないですか。僕はしょっちゅう現場でそういうことを口にするタイプなのですが、若葉(竜也)もそうですが、吉永さんは一切そういうことをおっしゃらないで、スっとしていらっしゃる。これは素晴らしいというか、その言い方が違うなというのを本当に感じましたね。
‐それは阪本監督も感じられましたか。
阪本順治監督
そうですね。あいつ(佐藤)とは長くやってきましたけど、大体しんどそうな顔を見せることが多いですね。
‐今回は、そのワード(「疲れた」)は出なかったのでしょうか。
阪本順治監督
いや、吉永さんがいる時といない時とで変わってましたよ。
佐藤浩市
言うなよ~(苦笑)
青年期キャストインタビュー
‐のんさんは吉永さんが演じる純子さんの青年期を演じられておりますけれども、撮影中にどのようなことを特に意識されて演じていましたか。
のん
今回の役は、田部井淳子さんにも見えなければいけないのですが、吉永さんの青年期にも見えなければいけないんだよと監督にも言われていたので。
どうにか表現できたらと思っていたのは、私が、吉永さんの持つ瞳の引力を少しでも一瞬でも出せたらいいなと意識していました。
なので、(映画をご覧になる皆さんも)どんなものだという気持ちでご覧ください(笑)
‐のんさんのクランクアップで富山の撮影にて、サプライズで吉永さんがお見えになったと伺っておりますが、その際は吉永さんとはどのようなお話をされたのでしょうか。
のん
本当に嬉しかったですね。プロデューサーの方が、『富山で撮っている所に吉永さんがいらっしゃるというご連絡をくれたのですが、来るのが結構ややこしい場所だから、お気持ちだけ』というやり取りはありましたと聞いていたんです。
でも、撮影が終わる時に吉永さんがお一人でいらっしゃってくださって、現場の皆がもう『わーっ』とテンションが上がって、報われた気持ちになって、かっこいい!と感動しました。
それでお疲れ様とハグしてくださって、チョコレートをくださったのですが、そのチョコレートが格別に美味しくて、本当に幸せでした。
‐吉永さん、クランクアップに立ち会われたのですね。チョコレートを持って行かれたのですね。
吉永小百合
最後の日だったんです。ずっと前から行きたいと思っていたんですけれども、どうしても東京でやらなければならないことがあって行けない。
でも、最後の日、雪が降って大変だという知らせを受けて、何としてもと思い、新幹線に一人で飛び乗って行きました。
皆さんが一生懸命やってる姿を見て、もう胸が熱くなりました。ありがとうございました。

吉永小百合/佐藤浩市/のん
‐貴重なエピソードありがとうございます。そして工藤さんに伺います。青年期の正明は、エベレスト登頂という純子さんの挑戦に向けられる世間の冷たい視線にも負けず、応援を続ける一途な姿が描かれています。同じ正明を演じる佐藤さんと、何か事前に話し合われたことはあったのでしょうか。
工藤阿須加
同じ現場はないのですが、現場に入る前に一度、佐藤浩市さんの撮影の日に、お邪魔させていただきました。
その時に佐藤さんがどんな感じで演じるのだろうと、ものすごいプレッシャーだったんです。
大先輩である佐藤浩市さんの若い時を演じるということ、そしてまだご存命である多部井さんの生きてきたものを少しでも僕も映画の中で生きたいと思い続けていました。
その責任とプレッシャーがある中で、佐藤浩市さんとお話しさせていただいた時に、『工藤君は工藤君の若い時でいいと思う』と言ってくださったんです。
僕、ちょっとそれがびっくりしまして。もっとこうしたほうがいいのでは?と色々言ってくれるものと思っていたのですが、『僕は僕でやるし、工藤君が演じる年齢と僕が演じる年齢では何十年も人生を歩んできて違う部分もあると思うから』と言ってくださった。
ただ、セリフの部分で、少し後々の伏線というか、ちょっとしたことはあるかもしれないと。それが僕の中では、プレッシャーを感じつつも、すごい優しいというか、優しさを感じました。
『なんて素敵な先輩なんだ』と思いながら、あとは素敵な監督も含めて、やって駄目だったらもう一度と言われるだろうと思い、信じてやろうと決めていました。でも、佐藤さんのあの言葉はすごく僕の中では大きかったです。

工藤阿須加
‐今のお話がありましたが、佐藤さんは工藤さんをご覧になっていかがでしたか。
佐藤浩市
僕らが先に撮っていたんですよね。本当は若い方からというのもあるかもしれないですが、時期の関係や山の季節、ロケーションの関係もありました。
当然、僕らのことを監督が見ているんです。
もし工藤君が何かはみ出したら、絶対に阪本さんが言ってくれるわけですから、そこは安心していい。自分が思ったこと、思った通りにやった方がいいという意味合いで言ったんです。
家族役の絆と海外映画祭での反響
‐木村さんに伺います。演じている教恵は、母の生活を支えながら家族の中を取り持つ姿が印象的です。吉永さん、佐藤さん、若葉さんとの家族役というのはいかがでしたか?
木村文乃
家族で集まってニコニコしているシーン、一つ大きなシーンがあるのですが、そこでそれぞれの方と会ってお話しして。
大先輩だらけで、若葉さんとは初めましてでしたし、大丈夫かなとちょっと心配もありました。
でも、スッと『あ、何だ』と思えた瞬間があって、『あ、大丈夫、ちゃんと多部家の位置に慣れている』と思って、パッと外を見たら、すごい数のエキストラの方がいて、監督に聞いたら、想定の3倍のエキストラの方が集まってくださったと。
吉永さんがいらっしゃるということで、多分皆さん会いたかったのだと思うのですが、それを見た時に、勝手に娘の教恵の気持ちになって、『私たちのお母さん(吉永さん)もやるでしょ』という気持ちになりました。
それが私が家族になれたなと思える瞬間だったんです。だから勝手にあのシーンで胸を張っていました。

木村文乃
‐そうだったのですね。若葉さんに伺います。真太郎という役柄は、当初は世界の田部井淳子さんの息子であることに悩みながらも、次第に母親をリスペクトするようになっていく。感情の面で難しい役だったかと思うのですが、演じてみていかがでしたか?
若葉竜也
難しかったです。僕は元々大衆演劇という出所なので、色んな人と比べられたり、兄や父などと比較されたりすることが多かったので、むしろ共鳴する部分の方が多くて、そういう部分では痛いほどわかるシーンとかもありました。

若葉竜也
‐ご家族として、ご一緒されていかがでしたか?
若葉竜也
もちろん個人的には、『わ、すごい人たちと映画やってるな』と思っていたのですが、現場ではちゃんとみんな同じように緊張して、同じように一役者としてその場にいて、坂本監督の言葉を聞いてやっていました。
そこまでこう肩肘張らずに、ちゃんとリラックスしていつも通りできました。
‐茅島さんにお伺いします。北山悦子の青年期ということで、多部純子の青年期を演じるのんさんとは、パートナーとして共演する時間も長かったかと思うのですが、のんさんとのご共演はいかがでしたか?
茅島みずき
活躍されている姿を拝見させていただいていたので、今回ご一緒できるのをとても嬉しかったと同時に、もう緊張が止まらなくて。
私はすごく人見知りなので、なかなか声をかけることも緊張していました。
(のんさんの)役作りに対しての姿勢だったり、現場での居方がすごく素敵で、気づいたら『今何やってるだろう』って目で追っちゃっていました。お芝居をしていても、台本だけでは感じ取れない感情がたくさん出てきて、お芝居の部分でもリードしていただきました。

茅島みずき

のん/工藤阿須加/茅島みずき
‐ありがとうございます。さて、本作は先日行われた第73回サンセバスチャン国際映画祭オフィシャルセレクションに選出されました。坂本監督と若葉さん、そして田部井淳子さんのご子息である田部井進也さんがご参加されたということで、ぜひ監督と若葉さんから、海外の方の反応をご覧になっていかがだったか、ご感想を伺いたいと思います。
阪本順治監督
お客さん皆さんが、映画が終わっても映画館に残っていただいて、僕らを360度囲むようにして、温かい拍手をいただきました。
そして、観客のお一人が、『この映画は、山登りを通じて描く人生の映画だね』という風におっしゃってくれて、それはとても嬉しかったです。
加えて、別の日に、8,000m級の山々を制覇したオーストリアの女性登山家のゲルリンデさんを招いて鼎談をしました。そのゲルリンデさんが、昨年ヒマラヤに登った時に一緒に登った仲間と『誰か淳子さんの映画を作ってくれないかしら』と仰っていた。それが本当にできたことを嬉しく思う、という風におっしゃいました。
あとは、若葉君が飛行機は全く駄目だという思い出もあります。
‐そうでしたか。若葉さん、飛行機苦手でいらっしゃるのですね。
若葉竜也
そうですね。僕は飛行機が大嫌いなんです。だけど、監督に『原田芳雄さんも苦手だったから』と言われて心強くなりました(笑)
‐サンセバスチャン映画祭での反応は若葉さんいかがでしたか。
若葉竜也
劇場が一眼となって、スクリーンに釘付けになっている感覚がありました。
それと、進也さんが上映前にスピーチをしていただいたのですが、その言葉は通訳を通して挨拶するのですが、通訳を通さなくても、みんなが一斉に深也さんに向けて拍手をしていて、言葉という壁は、きっとちゃんと丁寧に生きていたり、物を作れば乗り越えられるんだなというものを目撃した感じがありましね。

若葉竜也/木村文乃
‐ありがとうございます。今後も9月26日からの韓国のウルジ・マウンテンフェスティバル、10月16日からのハワイ国際映画祭、そして10月27日には東京国際映画祭のオープニング作品としても出品が決まっています。まさに世界を旅する映画として期待が高まっているのですが、監督、そして吉永さん、海外の方々にもこの作品をご覧いただける機会が広まるということについて、お気持ちはいかがでしょうか?
阪本順治監督
僕はいつも、作っている時に国際映画祭に出したいとか海外に持ってきたいとか一切思わないんです。まず日本の客さんに伝わるかどうかが一番大事なんです。その延長上に自然にその作品が海外に転がっていって、見てもらって何か評価批評してもらえればいいかなと思います。
ただ今回スペインに行って思ったのは、やはり多部井さんという方が世界中に知られた方であるということを再確認いたしました。この映画は登山だけの話ではないと言いつつも、やはり純子さんが認知されている国すべてに広まっていってほしいなと思います。
吉永小百合
本当のことを言いますと、この映画を日本以外の国が作ろうとしていらしたんですね。アメリカで田部井淳子さんの権利を持っていらして。
でも、私と監督と『この映画やりたいね』と言って待っていたら、その期限が切れて、なんとか企画として成立して、このような形に出来上がったということで、本当にラッキーですし、天国から淳子さんが応援してくださっていたんじゃないかなと思っています。
最後のメッセージ
吉永小百合
この映画は、ここにいる私たちだけでなく、スタッフもみんな一生懸命作った映画です。今日はごゆっくりと楽しんでいただけましたらと願っております。ありがとうございました。
阪本順治監督
今日来ていただいた皆さんにだけ特別にお伝えします。内緒ですよ。この映画、2回目が一番面白いです。ありがとうございました。

阪本順治監督/若葉竜也/木村文乃/天海祐希/吉永小百合/佐藤浩市/のん/工藤阿須加/茅島みずき


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[写真:山田健史/動画・記事:三平准太郎]
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