香取慎吾「SMAP×SMAP時代からの縁でこの舞台と『質問』という楽曲が繋がった」舞台『テラヤマキャバレー』舞台挨拶【完全レポ】
2024年2月8日、日生劇場にて、舞台『テラヤマキャバレー』舞台挨拶&公開ゲネプロが行われ、香取慎吾、成河、伊礼彼方、村川絵梨、平間壮一、凪七瑠海(宝塚歌劇団)、池田亮(脚本) デヴィッド・ルヴォー(演出)が舞台挨拶に登壇し、本舞台に込めた想いを語った。
『テラヤマキャバレー』は、寺山修司役初挑戦となる香取慎吾を主演、寺山修司をリスペクトし、寺山修司に刺激を受け、斬新な切り口で物語を書き下ろした池田亮、ウエストエンド、ブロードウェイ、日本とさまざまな国で活躍してきたデヴィッド・ルヴォーを演出に迎えて届けられる。
舞台挨拶【完全】レポート
‐この作品をどのような思いで手がけられましたか?
池田亮(脚本)
この戯曲は、寺山修司さんがこれまで手掛けられてきた作品や、歌詞、エッセイなどの書物などを読み漁り、ルヴォーさんとも相談しながら、現代の私たちに寺山修司さんの言葉をどう紡いでいくのかを考えました。そして、私を含め、演劇やさまざまなものを創り続けている人たちに影響を与えた寺山修司さんの言葉を、今を生きている私たちがどう面白く表現できるかということと対峙し続けた脚本を書こうとしました。
その脚本が、俳優とスタッフのみなさんによって、肉体を伴って、歌やセリフでこれほどまでに立体的なものになるとは思いも寄らないことでした。脚本を書いたのは自分なんですけれど、この作品は皆さんによって完成して、且つ、観てくださる観客の皆さんによって更に完成していくと思っております。
‐この作品を仕上げるにあたり工夫された点や、面白さを感じられた点は?
デヴィッド・ルヴォー(演出)
ずいぶん前になりますが、私と寺山修司さんとの出会いというのは、寺山修司の劇団がロンドンに来たときに、初めて日本の現代劇に出会ったときのことです。
その当時の僕はまだまだ若くて、その時は自分が日本の演劇に関わることになるとは夢にも思っていませんでした。なので、今回のことは私にとって大きなチャンスでした。
そこで、池田亮さんと何回も打ち合わせをしながら、我々はエンターテイメントを作っていきたいと、その中で、一人の芸術家が一体何者なんだと探っていくような作品にしたいと考えました。そのことによって、この作品は、日本のいろんな芸術を旅する形となりました。
個人的な想いで言わせていただければ、この作品は、日本の演劇に対するラブレターです。日本の演劇の世界で、私が学ばせていただいたほんとに素晴らしく楽しいものへのお返しです。
そして、今回は幸いにもほんとうに素晴らしい役者の皆さんが出演してくれました。我々の芸術作品としての演劇というものを全く変えてしまった世界的な芸術家を祝う祭典としてご覧になっていただければなと思います。
‐死の直前まで創作を続けようとする寺山修司さんの役をオファーされた時の最初のお気持ちは?また、実際に演じるにあたってどのように挑まれてますか?
香取慎吾(寺山修司 役)
皆さんこんにちは。香取慎吾です。
いつもの慎吾ちゃんとはちょっと違う様子で、この日生劇場の舞台に立っています。
寺山修司さんが亡くなるお話なんですが、寺山さんが亡くなったときの年齢と同じ年齢に、稽古中、僕はなりました。
寺山修司役なんですが、このキャバレーのオーナーでもあるんですが、寺山修司じゃなくなるときもあったり、時には香取慎吾だったりするような気もします。
とっても不思議なお話で、(ここに登壇しているキャストの皆さんを)見ていただいたらわかるとおり、みんなとんでもない格好です。寺山修司の夢の中を脚本の池田さんが寺山さんの言葉を拾い集めて、紡いでくれて、そして、演出のデヴィッド・ルヴォーさんが、それを優しく僕ら一人一人に植え付けてくれました。
稽古の中でだんだんだんだん、この世界が好きになっていく自分がいました。観に来てくれた方が一人でも多く好きになっていただいて、日常では味わえない、このショー、エンターテイメントの楽しさ、夢の世界をたくさん感じていただける作品になっていると思います。是非、遊びに来てもらえたらなと思います。
よろしくお願いします。
‐出演者の皆さんは、どのような役で、どのような想いでこの公演に挑まれているのかお聞かせください。
成河(白粥 役)
寺山修司の夢の中の劇団員の一人“白粥”という役です。
劇中、とあるとても有名な芸術家の役割を担うということもあるので、是非お楽しみに。
日本で、演劇を作る外国人演出家はたくさんいらっしゃいますが、デヴィッド・ルヴォーさんほど、日本の演劇、古典、近代、現代の日本の芸能だったり、日本語や日本という国そのものに強い関心を持ち続けて創作されている方というのはとても稀だと思います。30年間、そういう想いで日本と、近くから、遠くから、日本のことをたくさん考えてきたデヴィッドさんの集大成のような作品になっているんじゃないかなと思いますので、そのメッセージを最後まで自分自身も受け取れたらなと思っています。
伊礼彼方(蚊 役)
いつもはシュッとした役だったり、悪役が多い私にとって新しいチャレンジなる役だと思っています。
“蚊”は劇団員ではなく、寺山さんが運営するキャバレーの下に住んでいる近隣なんです。ある日から仲間に加えてもらうんですけれど、寺山さんが肝硬変になられたという説がありますが、その肝硬変になった時の血が混ざったりとか、そういうイメージで“蚊”という役が生まれました。
この作品、最初に脚本を読んだときはチンプンカンプンで訳が分からなかったです。池田亮の頭の中はよくわからん。なおかつ、それを演出するルヴォーさんの頭の中が宇宙すぎてついていけない。
でも、昨日一幕を通して、今日は二幕を通しましたけど、ものすごいエネルギッシュで、とてもじゃないですけれど、32公演全部をやる気がしません(笑)
それほどほんとにスゴイので、私個人的には“蚊”はいろんな人の血を混ぜて、ミックスさせて、新しい刺激を求めていく、混ざっていくキャスト・スタッフのエネルギーが客席に伝わったとき、客席にいる一人一人の方のエネルギーが混ざっていって最終的にはすごい刺激的なショックを受けていただけるんじゃないかなと思っています。
是非、池田さん、ルヴォーさん、そして慎吾さんの熱量、スタッフの熱量全部を受け止めて帰ってください!よろしくお願いします!
凪七瑠海(宝塚歌劇団)(死 役)
まだ自分が亡くなることに気づいていらっしゃらない寺山さんに、「あなたの時計の針はもう止まったよ」と告げる役です。そこからいろいろな物語が発展していきます。
私自身、宝塚以外の舞台公演に出演するのは初めてですので、もうすべてが新鮮で、刺激的で、衝撃で、ただただ圧倒される日々でしたけれど、ルヴォーさんの演出の元、キャストの皆さんからたくさんのことを勉強させていただいてます。
座長の香取さん率いる素晴らしいカンパニーの皆様に付いていけるように。そして私も“死”として、この作品にきちんとエッセンスを加えられるように頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
村川絵梨(アパート 役)
寺山修司さんと関わりがとても深い役です。この作品はまるで何も想像ができないまま稽古に入って、ルヴォーさんが漕ぐ壮大で、寛大な船に乗って、未知の旅をあれよあれよと来て、いつの間にか明日が初日という、ほんとうに素晴らしい体験をさせていただいています。
観に来てくださるお客様にも、ほんとうに想像できないと思いますが、先ほど伊礼さんもおっしゃったように、熱量と、ジェットコースターのような環境が待ち受けていますので、どうか楽しんでいただけたらと思います。これほどまでに、観客の皆さんの感想が本当に楽しみな演劇はなかなかないです。
平間壮一(暴言 役)
稽古中にルヴォーさんが、戦争の話をしてくださって、「日本と僕たちの国(英国)は、敵同士だったときもあるし、こんな2つの国の人種が共に作品を作っているということは奇跡的なことだなよね。」と。
なんでこのタイミングでルヴォーさんがそういうお話をするんだろう?って思ったときに、このテラヤマキャバレーって、人間とか愛とか、正しい、間違っている、人間のいろんなことがテーマになっているんだなって、なんとなく思いました。正しいだけがすべてじゃないというか、僕のセリフで「不完全なものが消え去っていってしまうんです」というのがあるんですけども、最近の国や人々は完璧なものを求めがちですが、間違っていることに面白さがあったり、不完全だからこそ深みがあったり、みんなでこれってどういうことだろう?ってひとつのことを考えることによって、コミュニケーションが広がったりとか、人間がテーマになっている作品なんだなって、その時に思いました。
そして、僕は慎吾さん演じる寺山さんの夢の中に出てくる人物の役ですが、どうやって存在したらいいんだろう?って考えたときに、寺山さんになってしまえばいいんだって僕は考えました。
だから、どうでもいいシーンとかでも、寺山さんが真剣に演じている目を見ているだけで、泣けてきそうになったりとか、愛が生まれていたりとか、人間って素敵だなぁって直感的に感じる部分がこの作品にはすごく多い気がします。
セリフだけ聞いていると、「何やってんだあの人は?」とか、「えっ?どういうこと?」とかがよくあると思いますが、そこ以外で感じられる部分ですごく温かみのある作品だなと思います。
それはやっぱり池田さんのアイディアや、ルヴォーさんが日本に対して思っている愛、慎吾さんの僕たちが想像もつかないようなこれまでの仕事の現場での経験という、大先輩たちの熱量というものを感じるだけで、すごく心が揺さぶられる作品になっているので、そういう深い愛を受け取りに、この劇場に来ていただけたら嬉しいなと思っています。
‐ルヴォーさんに伺います。香取慎吾さんの寺山役はどのように仕上がってますか?
デヴィッド・ルヴォー(演出)
役者としての香取慎吾さんを本当に尊敬しています。彼には類まれない才能があると思います。それは、自然と観客の皆さんと一体化して繋がることができるところだと思います。
そして特にこの作品では、寺山修司という役が客席と必ず繋がらなくてはならないという役目があります。物語の語り部としてほんとうに素晴らしいと思っています。
今回、初めてご一緒させていただいたんですが、稽古初日に「舞台に立って観客の皆さんと繋がってください」と言いましたが、その時からマジックのようにそれが実現されていて、これはいい作品になるなと確信しました。
この物語を慎吾さんと一緒に作っていくという作業、そのすべてを楽しく経験しています。
稽古期間中に、慎吾さんが歳を一つ重ねられて、寺山修司が亡くなられた年齢と同じになったというのは、ほんとに不思議だなと思いました。
‐香取さん、先ほど稽古中に歳を一つ重ねられたということですが、そのほかのエピソードがあればご紹介ください。
香取慎吾(寺山修司 役)
稽古は、1月4日にスタートしてそれからほぼ毎日続いています。そんなに舞台の経験が多い方ではないので、ほんとに毎日(稽古が)あるんだとビックリしました(笑)ほんっとに毎日やるんです!(そのおかげで)すごい良い生活になりました。
そして、稽古始まってすぐにルヴォーさんから「君はシャイなのかい?」って言われました。それで初めて気付いたんですけれど、役者としてのお仕事のときは、共演者の方とワイワイ会話が弾んだり、そんな時間を過ごすのが苦手というか、あんまりそういう時間を作らないように今までもやってきたんですけれど、その理由が、ルヴォーさんの今回の質問で自分で気づきました。
「シャイなのかい?」って聞かれて「シャイじゃないです。必死なんです。」
あっ、そうかと。今までも僕は必死だったんだと。
こういう舞台に向けてのときもそうですし、映像作品でもギリギリまで台本を持っている方なんですけれど、今回もけっこうギリギリまで持ってはいたんですけれど、今までよりは早く、劇場入りした時には台本を外すことができました!とっても楽しくここまで来れました!
ルヴォーさんは怒ることはなく、違うときも「そっちの道じゃない、こっちに進んで」って笑顔で教えてくれるんで、その演出と池田さんの台本を信じて、進んでここまで来たので、千秋楽を必ず迎えられると思っています。頑張ります!
‐池田さん、脚本を書かれるときに、香取さんをイメージされた部分はあるのでしょうか?
池田亮(脚本)
かなりあります。脚本の書き方としては、寺山修司さんの書物、エッセイ、詩などを、ひたすら寝るのも惜しんで読むようにして、眠気の限界というときに香取さんのことを思ったんです。僕は世代的に、香取慎吾さんといえば、慎吾ママをまずイメージしてしまうんですが、寺山修司さんの作品を読み続けて大変だなってなったときに、慎吾ママを観て、それから爆睡して、そのときの夢を書き出したりという感じで脚本を作っていきました。
その時に、自分の頭の中に、慎吾さんと寺山修司さんが合わさっているような感じで。でもそれは寺山修司さんであって、香取慎吾さんではないけれど、でも、その2つが共存しているようなものをイメージしました。
そうなった時に、寺山修司役ということで、慎吾さんを書いていった時に、2人を当て書きしていったような感じになりました。
それは、慎吾さんにこういうセリフ言ってもらいというだけでなく、こういう歌も歌ってもらいたいとも思ったりして、今回の作品でキーとなる「質問」という曲がありますが、これは僕から慎吾さんに、こういうのをやってくださいますか?って、台本自体が質問になっていたような感覚があります。
なので、「慎吾さん、是非やってください」というよりは、「慎吾さん、こういうのをやっていただけますか?」というニュアンスのメッセージを込めて脚本を執筆しました。
‐香取さん、寺山修司さんのことをどのように掘り下げて役作りされましたか?
香取慎吾(寺山修司 役)
僕は、寺山修司さんのことは、お名前は知っていましたが、作品のことまでは詳しくは知りませんでした。この舞台をやることになって、池田さんとルヴォーさんからいろんなことを教えてもらって、そして自分の中で役が少しずつ育っていきました。でも複雑な部分、難しさを最初は感じていましたが、その先にあるのは、僕も感じたことのある、生きている中での難しさであったりとか、苦しさ、自分も生きていて感じていることと同じような“生きる”ということが、寺山修司さんなのかな?というところに、今は来ています。
‐「質問」(作詞:寺山修司)という楽曲についてもコメントいただけますでしょうか?
香取慎吾(寺山修司 役)
この舞台で「質問」という曲を歌います。それとは別のこの曲の配信も決まっています。それについては縁を感じていまして、音楽プロデューサーの朝妻一郎さんという方のこの曲へ想いが強く、その想いを受け取った「SMAP×SMAP」という番組のプロデューサーとして一緒に番組を作っていた黒木彰一さんが、僕のスタッフに、この楽曲を持ってきてくれました。それが3年ほど前のことでした。で、いつの日か歌えたらなと思っていたところに、この舞台のお話が来て。そこで寺山修司さん作詞の曲とこの舞台が繋がって、今回、配信させていただくことになりました。
この「質問」という曲も、「質問」という言葉も、とても大切な言葉になっています。僕もたくさんの“質問”をこの舞台から、これからいろんな人に投げかけていきたいと思います。是非聴いてください。
‐最後に、公演を楽しみにされているお客様へのメッセージをお願いします。
香取慎吾(寺山修司 役)
日常生活の中で、上を向いて笑顔でいられる時間ばかりじゃないと思います。下を向いてしまうこともあると思いますけども、この劇場に来ていただいて、この作品を観ていただけたら、劇場から帰る時には、どこか上を向いて何か自分の中に残った言葉を見つめる時間が訪れると思います。
少しでも先の未来の笑顔に向かって行ける作品になっていると思います。是非劇場に足を運んでいただいて、少しでも何かを感じ取ってもらえたらなと思います。よろしくお願いします!
■フォトギャラリー
[記事・写真:三平准太郎]
■ゲネプロフォトギャラリー
■香取慎吾が主演舞台「テラヤマキャバレー」の中で歌う楽曲「質問」2月16日(金)より各音楽配信サービスにて配信スタート!
月9日(金)より開幕する香取慎吾主演舞台「テラヤマキャバレー」の中で歌う楽曲「質問」が各音楽配信サービスにて配信されることが決定した。
2023年に日本各地で行ったLIVE「Black Rabbit」を成功させソロアーティストとしても活動を広げる香取慎吾が現代風にカバーした「質問」は2月16日(金)から配信スタートとなる。
グローバル化が進む一方で、人々はお互いの多様性を認め合い、共存共栄できるようになるのか、そんなことを憂いた音楽プロデューサーである朝妻一郎は、まずは “Keep Asking”=一人一人が問い続けることこそが大切だと考えた。
そんな朝妻の想いを受け取った、テレビプロデューサーの黒木彰一が3年ほど前に香取の所属事務所へ「質問」という楽曲を提案。その後、時を経て「質問」の作詞家である寺山修司を舞台で演じることになった香取が現代風にカバーし舞台で歌唱、この度配信もスタートすることになった。
今回、編曲を担当したのは作編曲家でマルチインストゥルメンタルアーティストである宅見将典。2023年開催の第65回グラミー賞にて “最優秀グローバルミュージックアルバム賞”を日本人で初めて受賞という快挙を達成した。
◆作品クレジット
「質問」
歌唱:香取慎吾
作詞:寺山修司 作曲:田中未知 編曲:宅見将典
Produced by 朝妻一郎・黒木彰一
〇寺山修司
詩人、歌人、劇作家、シナリオライター、映画監督
1967年から演劇実験室「天井桟敷(さじき)」を組織。主宰。
〇田中未知
作曲家、楽器作家、実験映画監督
演劇実験室「天井桟敷」の初期メンバーとして入団。1983年に寺山修司が亡くなるまでの16年間、秘書兼マネージャーを務めた。1977年、著書「質問」刊行。寺山修司作詞・田中未知作曲のコンビで数多く作品を世に送り出していた。
〇朝妻一郎
音楽評論家、音楽プロデューサー
フジパシフィックミュージック、Fuji Music Group, Inc.代表取締役会長
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【宅見将典コメント】
歌のレコーディングに立ち合った際に、香取さんが、歌われるイメージに対してたくさんお話をしてくださり、クリエイティビティにとても真剣に向き合っていらっしゃる香取さんの情熱に感動しました。同時に刺激も頂き、こんな素敵なプロジェクトに参加できる事を光栄に思いました。テラヤマキャバレーの大成功を心より願っております!
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【リリース情報】
2024年2月16日(金)0:00配信リリース
香取慎吾「質問」
配信リンク: https://shingokatori.lnk.to/shitsumon
◆原曲 楽曲情報
「質問」(JASRACコード:039-4491-3) / 1970年6月21日発売
作詞:寺山修司 作曲:田中未知 / 歌手:吉川ひろみ
レーベル:EXPRESS(東芝音楽工業株式会社)/品番:EP-1227
A面「質問」吉川ひろみ B面「もしも(僕が戦争に行く時)」栗田伸一
※「もしも(僕が戦争に行く時)」も作詞:寺山修司/作曲:田中未知の作品
◆リリース時の時代背景
1960年代はまさに、高度経済成長期として知られています。1964年の東京オリンピック、東海道新幹線が開通。エネルギー革命などなど。当時のトピックをあげたらきりがないほどでありました。
1965年11月から1970年7月まで続いた「いざなぎ景気」と呼ばれる戦後最長の好景気の時代。この「質問」という楽曲はちょうど、この「いざなぎ景気」が終わるタイミングでリリースされた作品です。
1970年は、3月から9月まで日本万国博覧会 EXPO’70(通称:大阪万博)開催され、当時の楽曲ヒットには「戦争を知らない子供たち」があります。そして、よど号ハイジャック事件(3月)、作家三島由紀夫氏の割腹自殺(11月)。70年代の日本は「団塊ジュニア」「ベビーブーム」「カラーテレビ」「オイルショック」など、教科書に出てくる出来事が多くありました。
舞台『テラヤマキャバレー』
Inspired by Shuji Terayama
ぜんぶ素晴らしくて、くだらない。
《INTRODUCTION》
没後40年を迎え、その稀有な才能に再び注目が集まる寺山修司。もし寺山が今生きていたら、何を思い、何を表現したのか。虚実に満ちた寺山のパワフルな世界が、新進気鋭の作家池田亮の脚本とデヴィッド・ルヴォーの演出、香取慎吾主演で立ち上がります。舞台は生と死が交錯するキャバレー。寺山の詞による多くの昭和の名曲を織り交ぜた、これまでにない驚きの音楽劇。
《STORY》
1983年5月3日(火)、寺山修司はまもなくその生涯を終えようとしていた。寺山の脳内では、彼を慕う劇団員がキャバレーに集まっている。寺山が戯曲『手紙』のリハーサルを劇団員と始めたところへ、死が彼のもとにやってきた。死ぬのはまだ早いと、リハーサルを続けようとする寺山。死は彼に日が昇るまでの時間と、過去や未来へと自由に飛べるマッチ3本を与える。その代わりに感動する芝居を見せてくれ、と。
寺山は戯曲を書き続けるが、行き詰まってしまう。そこで、死はマッチを擦るようにすすめた。1本目、飛んだのは過去。近松門左衛門による人形浄瑠璃「曽根崎心中」の稽古場だ。近松の創作を目の当たりにしたことで、寺山の記憶が掻き立てられる。2本目は近未来、2024年のバレンタインデーの歌舞伎町へ。ことばを失くした家出女や黒蝶服、エセ寺山らがたむろするこの界隈。乱闘が始まり、その騒ぎはキャバレーにまで伝播。よりけたたましく、激しく肉体がぶつかり合う。
寺山は知っている。今書いている戯曲が、死を感動させられそうもない、そして自身も満足できないことを。いまわの時まで残りわずか。寺山は書き続けた原稿を捨て、最後のリハーサルへと向かう。
出演:香取慎吾
成河 伊礼彼方 村川絵梨 平間壮一
花王おさむ 福田えり 横山賀三 凪七瑠海(宝塚歌劇団)他
演出:デヴィッド・ルヴォー
脚本:池田 亮
企画・制作・主催 梅田芸術劇場
公式サイト:https://www.umegei.com/terayama_cabaret2024/
公式X:@TerayamaCabaret #テラヤマキャバレー
[東京]2024年2月9日(金)~29日(木) 日生劇場
[大阪]2024年3月5日(火)~10日(日) 梅田芸術劇場メインホール
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