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映画『シンデレラガール』

【インタビュー】伊礼姫奈「音羽は義足ですが、強くて明るい女の子。私もパワーをもらいました」映画『シンデレラガール』

映画『シンデレラガール』(11/18公開)で主演を務める伊礼姫奈(いれいひめな/17歳)。義足の女子高校生モデル・音羽を演じる彼女に、本作に込められたメッセージや、4歳から始めた俳優活動における自身の分岐点などについて話を聞いた。

本作は、進行性筋ジストロフィー(PMD)と診断されたモデルでもある森山風歩らの監修の元、「義足は障がいの象徴」とネガティブに捉えていた主人公の義足のモデルやそのマネージャーが、ポジティブに捉えられるようになるまでの心の変化を描く。
シンデレラコンプレックス(Cinderella complex)とは、男性に高い理想を追い求め続ける、女性の潜在意識にある「依存的願望」を指摘したシンドロームの名称。本作『シンデレラガール』は、「魔法」や「白馬の王子様」に依存した他力本願な、前時代的女性像である「シンデレラ」へのアンチテーゼとなる作品である。

伊礼姫奈 インタビュー&撮り下ろしフォト

■等身大で演じることができた

‐本作出演は、2000人のオーディションを勝ち抜いたそうで。初主演映画の『18歳、つむぎます』もオーディションでしたか?

伊礼姫奈(佐々木音羽 役)
オーディションです。

‐勝ち抜き率が高いですね。

伊礼姫奈
嬉しいです。

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伊礼姫奈

‐演じられた“佐々木音羽/ささきおとは”というキャラクターをどう捉え、取り組まれましたか?

伊礼姫奈
音羽は、芯があって強く、前向きな女の子です。演じている私も大きなパワーをもらえました。
緒方監督とも共通の認識を持てて、等身大で演じることができました。

‐緒方監督からはどういう演出がありましたか?

伊礼姫奈
演出はあまりされない方なんですが、セリフの意味や演じる上でわからないことがあれば、監督に相談すれば、それをちゃんと言葉で返してくれるので安心して撮影に取り組めました。

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佐々木音羽(演:伊礼姫奈) ©2023映画『シンデレラガール』製作委員会

■義足は生活の一部

‐劇中、スタジオでランウェイを歩く練習をしているシーンがありますが、映像を見る限り、義足を付けているとは思えないほど歩き方が自然に見えました。ここでの歩き方はどういう指導がありましたか?

伊礼姫奈
義足を付けてるからと不自然に歩くのは避けたいと監督がおっしゃっていました。本作への取り組みとして、義足の方のお話を伺ったり、歩いているところを見させてもらったんですけれど、実際にズボンをめくって義足を見せてもらうまで、義足だとわからなかったぐらい自然に歩いていらっしゃる方が多いんです。
なので、撮影でもできるだけ自然に歩いているように見えるように演じました。なので、わざと足を引き摺るとか、そういう表現はしていません。

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‐本作出演を通して、義足について勉強になったことはありますか?

伊礼姫奈
この作品に出るまで、義足の詳しいことはぜんぜん知らなかったんですけれど、お話を伺うと、生活する上で困っていることはそれほどなく、歩くし、電車にも乗るし。
もちろん、最初は違和感もあるし、リハビリも必要なんですけれど、だんだんと、生活の一部になっていくんだなと思いました。音羽もきっとそうなんだろうなって。

‐本作のあらすじに「義足を障がいの象徴でなく、個性として捉えてほしい」という理念が書かれています。劇中でも、筒井真理子さん演じる“五十嵐衣織”が、「義足はあなたのアイデンティティであることは間違いない。でも、義足だけがあなたのアイデンティティでもない」と語りかけますが、これについて、伊礼さん自身はどう感じられていますか?

伊礼姫奈
いろんな意味が込められた素敵なセリフだなと思いました。音羽の場合はそれが義足ですが、私の場合で言うと、俳優はもちろん誇れる仕事だけど、俳優だけが私のすべてではない。というように、いろんな方に通じる部分があると思うし、観る人自身に置き換えることができるセリフだなと思いました。

‐緒方監督のコメントに「義足のモデルが歩いているのを見てカッコいいと思った」とありますが、本作を作るきっかけにもなった監督の想いだと感じました。話が少し飛躍しますが、例えばハリウッド映画化もされた日本のアニメ映画「攻殻機動隊/GHOST IN THE SHELL」で描かれている未来では、生身の人間の方が少ないくらい、人々が自ら義体化しています。このように人々の意識が変化した未来についてどう思われますか?

伊礼姫奈
音羽も元々は義足のことを隠し気味でしたが、あるときから見せるという変化が映画で描かれています。義足を隠さない未来も近いんだろうなって思っていて、義足だからっていうよりかは、義足もその人の生活の一部なだけであって、それを差別する・しないという話ではなく、当たり前になる未来は近いんだろうなって思います。そういった未来が実現したら素敵だなって思います。

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■監督の「OK」はほんとうにOKなんだなって。

‐撮影全体を通して印象に残っていることは?

伊礼姫奈
松葉杖で廊下を往復するシーンは「大事なシーンにしたい」と、監督がとてもこだわっていたところです。セリフはひとつも無いですけれど、音羽が今まで抱えてきたものや、これから先どのように進んでいくのかを表情で表現しています。
いろんな想いが込められたシーンで、作品全体を通しても観る人の目を引くシーンだと思います。

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音羽(演:伊礼姫奈)  ©2023映画『シンデレラガール』製作委員会

‐辻千恵(音羽のマネージャー・唯 役)さん、筒井真理子(五十嵐衣織 役)さんなど、共演者について印象に残っていることは?

伊礼姫奈
作品の最初と最後で、音羽とマネージャーの関係性が大きく変わっていくのが描かれていますが、辻さんは、そこを大切にしたいと監督とお話をされていましたし、私にも「ここはどのようにしたら音羽としてやりやすい?」って聞いてくださって、一緒に作品を作っているという感覚がありました。
筒井さんはとてもかっこいい方でした。居るだけでオーラがあって、共演シーンは多くはないんですが、とても印象に残っています。

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音羽のマネージャー(演:辻千恵)/音羽(演:伊礼姫奈)  ©2023映画『シンデレラガール』製作委員会

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五十嵐衣織(演:筒井真理子)  ©2023映画『シンデレラガール』製作委員会

‐緒方監督はどういう方だと感じられましたか?

伊礼姫奈
私の意見を聞いてくださって、その上でちゃんと説明をしていただけるので、監督の「OK」はほんとうにOKなんだろうなって、とても安心感がある監督です。そのおかげで不安なく撮影に取り組めました。

■俳優としての分岐点

‐伊礼さんの以前のインタビューで、内田英治監督の『向こうの果て』(2021年、WOWOW)という作品で、松本まりかさんの幼少期を演じたことが、役者としての転機になったと語られていましたが、お芝居への取り組み方がどう変わったのか、改めて教えてください。

伊礼姫奈
中学3年生のときに撮った作品なんですが、その時もそれまでも、私はその場で生まれるエネルギーや、自分の直感に任せてやることが大きかったんです。もちろんそれが必要とされるときもありますけれども。
この作品のときも、自分はあやふやな気持ちのまま、いろんな感情を抱えたまま現場に居たというのもあって、それを見透かした内田英治監督からいろんな言葉をいただきました。それによって、台本をいただいたときから、台本に書かれていないこともしっかり考えて準備していこうと考えるきっかけになりました。現場でお芝居をする前の段階から考えるようになりました。

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‐なるほど。そういったことも踏まえて、今後の俳優としての抱負などありますか?

伊礼姫奈
私は、学生や部活をテーマにした作品が好きなんです。なにかに熱くなっている姿を見たときにもらうパワーが大きいから。なので私もそういった作品で、同世代の共演者たちと演じて、観る人にパワーを伝えられたらなと思います。

‐オフの日の好きな過ごし方や、最近ハマってることなどは?

伊礼姫奈
お散歩が好きです。夏は日中は暑いので、朝早く起きて歩いたり、日が落ちてから音楽を聴きながら歩くこともあります。

‐写真もお好きだそうですが、散歩しているときに撮影されることも?

伊礼姫奈
調べないで散歩するんですけれど、いろんなところに行って、それまで気づかなかった場所や面白いことが起きたりすると、写真に収めたりします。

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■最後にメッセージ

‐最後に『シンデレラガール』の見どころ含めたPRメッセージをお願いします。

伊礼姫奈
音羽は義足ですが、強くて明るい女の子で、周りの人たちも含めて、生きていく過程で成長する姿が丁寧に描かれています。最初と最後で表情もぜんぜん違うし、発する言葉やエネルギーも違うので、そういった成長が、観てくださる皆さんにとって前を向くきっかけになったり、伝わるものがあれば嬉しいなと思います。

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伊礼姫奈(いれいひめな)プロフィール
2006年2月7日生まれ。群馬県出身。
4歳から女優活動をスタート。主な出演作にNHK「とと姉ちゃん」(16)、WOWOW「向こうの果て」(21)、TBS「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(21)、 映画『マイブロークン・マリコ』、『ちひろさん』(23)、朝日放送「推しが武道館にいってくれたら死ぬ」(22)及び劇場版など。
配信中のDMM TVのドラマ「EVOL」でトリプル主演。CM「JTB いよいよ、海外旅行はじまる。」にも出演中。

■伊礼姫奈さん直筆サイン入りチェキ読者プレゼント

伊礼姫奈さんの直筆サイン入り撮り下ろしチェキを抽選で1名様にプレゼントします。
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当選者には、TwitterのDMにてお知らせいたします。(参考:個人情報の取扱いについて
応募締め切り:2023年12月3日(日)23時59分

伊礼姫奈

■撮り下ろしフォトギャラリー

[ヘアメイク:塩田勝樹/スタイリスト:世良啓/写真・インタビュー:三平准太郎]

<衣装クレジット>
●トップス
ブランド名 HUNDRED COLOR
値段 ¥50,600(税込)

●スカート
ブランド名 HUNDRED COLOR
値段 ¥41,800(税込)

お問い合わせ先:03-6821-1727

映画『シンデレラガール』

《INTRODUCTION》
大阪2児放置死事件を基にした『子宮に沈める』(13)、フェイクニュースによって自殺に追い込まれる少女とメディアの過熱報道による現代社会の歪みを描いた『飢えたライオン』(17)。誰もが被害者にも加害者にもなりうる世界を容赦なく描き、問題作を発表し続けてきた緒方貴臣監督が、最新作『シンデレラガール』では、進行性筋ジストロフィー(PMD)と診断されたモデルでもある森山風歩らの監修の元、「義足は障がいの象徴」とネガティブに捉えていた主人公の義足のモデルやそのマネージャーが、ポジティブに捉えられるようになるまでの心の変化を描く。
シンデレラコンプレックス(Cinderella complex)とは、男性に高い理想を追い求め続ける、女性の潜在意識にある「依存的願望」を指摘したシンドロームの名称。本作『シンデレラガール』は、「魔法」や「白馬の王子様」に依存した他力本願な、前時代的女性像である「シンデレラ」へのアンチテーゼとなる作品である。
主演は「推しが武道館いってくれたら死ぬ」では主人公の推しを演じ、JTB「いよいよ海外旅行はじまる」などCMでも活躍中の伊礼姫奈。演技力の高さと圧倒的な存在感で、今後ブレイクすること必至である。主人公・音羽の人生に大きな影響を与えるファッションデザイナー・五十嵐役で、『淵に立つ』、『よこがお』、『波紋』主演の国内外から圧倒的な支持を得る筒井真理子が参加し、作品の世界観により厚みを持たせている。
マネージャー・唯役で、主演映画『たまつきの夢』がTAMA NEW WAVE2022の「ある視点」部門に正式出品された辻千恵、看護師・桜役で、「個人差あります」の泉マリン、医師の内藤役で、純猥談 短編映画第3作『私もただの女の子なんだ』主演の太田将熙、母・多佳子役でベテランの輝有子が出演するほか、一緒にTikTok動画などを撮影する音羽の仲良しグループのメンバー役に、『なのに、千輝くんが甘すぎる。』の佐月絵美、自身フォロワー210万人超えの三原羽衣、ABEMAの恋愛リアリティー番組「今日好きになりました。小夏編」の田口音羽が集結した。
撮影監督は、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞の『淵に立つ』や『よこがお』の根岸憲一。『飢えたライオン』でもタッグを組んだ緒方監督が、根岸による撮影の繊細な機微を求め、再タッグが実現した。

《STORY》
12歳の時に病気で片脚を切断した音羽。その後も入退院を繰り返し、中学校の卒業式にも参加できなかった。そんな音羽のために、クラスメイトたちがサプライズの卒業式を病院の屋上でして、その動画がSNSで話題になり、音羽にモデルのオファーが舞い込む。義足の女子高校生モデルという特異性もあり、一時的に注目されるも、その後のモデルとしての仕事は義足を隠したものばかりだった。
一方、マネージャー・唯は、音羽と一緒に義足のファッションブランドで「義足を障がいの象徴でなく、個性として捉えてほしい」という理念を聞き、心を動かされる。義足をもっと押し出していこうと決める二人。やがてファッションショーに出演できるチャンスがやってくるが…

出演:伊礼姫奈
辻千恵 泉マリン 太田将熙 輝有子
佐月絵美 三原羽衣 田口音羽 山本海里 梶刀織
アライジン 小関翔太 イトウハルヒ 中村颯夢 嶋貫妃夏
筒井真理子

監督:緒方貴臣
脚本:脇坂豊、緒方貴臣
音楽:田中マコト、菱野洋平(WALL)
制作:杉山晴香、箱田准一、長谷川穣
義足監修:臼井二美男
グラフィックデザイン:木下デザイン事務所
プロデューサー:榎本桜、緒方貴臣、塩月隆史、杉山晴香、夏原健、森山風歩
製作:paranoidkitchen、リアルメーカーズ、ラフター
配給:ミカタ・エンタテインメント
©2023映画『シンデレラガール』製作委員会
公式サイト:https://cinderella-girl.paranoidkitchen.com/
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/C_G_2023
公式Facebook:https://www.facebook.com/c.g.movie2023/

11月18日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開

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