撮影現場の草彅剛は「変なやつ」？ドラマ『終幕のロンド－もう二度と、会えないあなたに－』制作発表レポート

2025年10月3日、東京メディアシティにて、カンテレドラマ『終幕のロンド－もう二度と、会えないあなたに－』制作発表が行われ、草彅剛、中村ゆり、八木莉可子、塩野瑛久、小澤竜心、要潤、国仲涼子、古川雄大、月城かなと、中村雅俊、風吹ジュンが登壇。本作の魅力を撮影現場の振り返りを語った。

 

本ドラマは、2025年10月13日（月）よる10時スタート（初回15分拡大）。草彅演じる遺品整理人、鳥飼樹（とりがい・いつき）が、遺品整理会社「Heaven’s messenger」の仲間たちと共に、さまざまな事情を抱えた家族に寄り添うヒューマンドラマだ。

制作発表レポート

‐本作は、妻を亡くし幼い息子を育てるシングルファーザーの遺品整理人・鳥飼樹（草彅剛）が、遺品整理会社ヘブンズメッセンジャーの仲間たちと共に、遺品整理や生前整理を通じて、様々な事情を抱える家族に寄り添っていく心温まるヒューマンドラマです。故人の最後のメッセージを解き明かす人間ドラマの他、切ない大人の恋も描かれるオリジナルストーリーとなっています。

‐それでは、皆さん、ご挨拶をお願いいたします。

 

皆様こんにちは。鳥飼樹を演じました草彅剛です。本日はお集まりいただきありがとうございます。短い時間ですが、よろしくお願いいたします。

完成した第1話を拝見しましたが、とても素晴らしいドラマになっていると思います。今日はその魅力をたくさんお伝えできればと思います。

この作品はいろんな形の愛を描いたものだと思っています。ぜひ皆さんに見ていただけると嬉しいです。

矢作海斗役を演じました塩野瑛久です。本日は短い時間ではございますが、よろしくお願いします。

碧は口べたな子ですが、人に愛される良い役だと思っています。皆さん今日はよろしくお願いします。

御厨利人を演じました要潤です。どこか冷たい夫で、中村さん（真琴）とは色々ギクシャクしてしまうのですが、現場ではとても仲良くやっております。本当に素晴らしい作品になっていますので、ぜひ皆さんお楽しみに。

森山を演じています国仲涼子です。私は第1話から少し怪しい女性を演じています。この場は初めてお会いする方が本当に多く、新鮮で嬉しいです。今日はよろしくお願いします。

遺品整理人という、いまだかつてスポットが当たることのなかった職業に光を当てることで、こんなに魅力的なドラマが仕上がるのだと感じています。本来伝わるはずのなかった思いが伝わっていくという温かさと、同時に儚さも感じる、とても新しいドラマだと思います。本日はよろしくお願いします。

御厨彩芽を演じました月城かなとです。とても濃い御厨家の皆様の中で、私自身とても楽しんで挑戦することができました。ぜひたくさんの方に見ていただきたい作品です。どうぞよろしくお願いいたします。

このドラマは、遺品整理のエピソードを積み重ねるのかと思いきや、実はサスペンスであり、かつラブストーリーでもあるという、非常に贅沢なドラマになっていると思います。

私は小春の役を通して、素晴らしい経験ができたことをお伝えできたらと思います。とても学びのあるお話で、現場でも色々な経験をし、楽しかったです。

現場の雰囲気・役柄について

‐草彅さん、現場の雰囲気はいかがでしたか？

 

もう本当に楽しくて。この素晴らしいメンバーの中で主人公をやらせていただくことは嬉しい限りです。

大変暑い夏でしたが、衣装が秋物だったので大変でしたが、みんなと一緒にお芝居ができて楽しかったです。風吹さんがおっしゃる通り、先輩方からも若い方々からも学びのある現場でした。

‐草彅さんはカンテレドラマ10作目の主演となりますが、中村雅俊さんから見て、現場の座長としての草彅さんはいかがでしたか？

 

撮影現場の草彅剛さんは「変なやつだな」と思いました（笑）。とにかく異常に元気で、スタッフが言うはずの「はい、次本番行きます」という合図を、主役の本人が言ってのけていました。元気でみんなをよく引っ張っていく、非常に良い主役の方だと感心しました。

 

草彅剛
僕も中村さんからたくさん教えていただいて。

 

中村雅俊
僕が教えたのはアワビの食べ方だけですよ（笑）

 

草彅剛
この歳になってアワビが美味しいということを知りました。

 

‐中村ゆりさんは、草彅剛さんと共演していかがでしたか？

 

中村ゆり
自分が子供の頃というか学生の頃からもうテレビで見ていた大スターの草彅さんのイメージとはいい意味で違ってほんとに明るくて。剛さんがいらっしゃるだけで現場が華やかに明るくなって。ずっとふざけてるし、いい意味で、ほんとにずっと楽しいんですよね、一緒にいると。
だから、本当に細かいふざけたことをいっぱいぶっこんできてくれて、私も本当に笑いが絶えなかったです。
そして何よりも、こんなに紳士でレディーファーストな男性が日本にいるのかってぐらい、もう細かいことに気づいて褒めてくださるし。
現場で、私が疲れて首のあたりに肌荒れの吹き出物があった日があって、子役の子が「あ、なにかできてるよ」って言ったとき、草彅さんがその子に「女優さんにそんなことを言うもんじゃないよ」って声をかけてくれて。まるでイタリア人男性のように優しくて細やかなことに気づいて褒めてくださり、本当に素晴らしかったです。

（なまった日本語で）パスタ食べます？

 

（笑）

 

‐古川さんにお伺いします。古川さんは、主役の草彅さんよりもセリフ量が一番多いと伺っていますが、現場はいかがでしたか？

 

説明のセリフが多くて緊張していたのですが、草彅さんが本当に現場を温かくしてくださったので、すごく助けていただきました。

‐八木さん、このドラマは重たいテーマも扱いますが、現場はいかがでしたか？

 

お話の内容が死についても扱うので重たいところもあるのですが、草彅さんが現場を明るく引っ張っていってくださり、現場は物語とは打って変わってすごく明るく、行くのが楽しかったです。

‐要さんにお伺いします。ゆくゆくは草彅さんと敵対するような関係になっていくと思いますが、対峙してみて草彅さんの印象は？

 

草彅さんの現場はいつも楽しいです。スタッフも素晴らしいですし、何より草彅さんが現場を和ませてくれる。草彅さんが温度を取り、テンポを作ってくれるので、自然と共演者やスタッフにも浸透して良い現場になるんです。

‐国仲さん、今回のテーマの一つである大人の恋について、見どころは？

 

私は第1話から「何なんだこの女性は」という怪しい役で登場します。目的や強い思いを持ってそこにいるので、そこを探り探り見ていただけると嬉しいです。私がどんどん怪しさを増していくところが見どころかなと思います。

‐草彅さん、これまでの戦争シリーズとは全く違ったテイストのドラマですが、改めていかがですか？

 

僕はカンテレさんからいつもいい役をいただき、人生を学ばせていただいています。

このドラマも、自分の人生に寄り添ってくれるもので、またターニングポイントになるのではないかと思っています。

戦争シリーズは復讐などが絡んだパッション溢れるお芝居が多かったですが、今回はすごく温かいお芝居が多く、見やすいドラマです。

‐中村さんと要さんは共演されていかがでしたか？

 

（中村さん演じる真琴の夫役として劇中セリフでは）とても卑劣な言葉ばかりを浴びせまして、結構ひどい役ですよね。本当に最低なこと言ってるので、一緒にお芝居するの本当に苦しかったですね。

 

ちょっとした目線とかがすごい怖くて、要さんはそういう細かい役作りもされていて。それでだいぶ私もお芝居を引っ張っていただいたので、頼りになる男性が2人いて本当に助かりました。

‐風吹ジュンさん、余命宣告を受けた役柄ですが、演じてみていかがでしたか？

 

「余命3か月」というと、寝てばかりということを想像しながら台本を読んだのですが、私が思っていたものと随分違う内容でした。

こんな風に余命を過ごすことができるのか、という意外なストーリー展開もあります。考え方や心の持ちよう、新しい出会いによって日々が変わっていく、とても楽しい経験になりました。

‐中村雅俊さん、『Heaven’s messenger』の社長役として、若手の皆さんの雰囲気はいかがでしたか？

 

若手の社員たちがみんな個性豊かで、彼らと触れ合ってすごく刺激を受けました。特に八木さんは、表情、つまり芝居の見せ方がすごいですね。

‐月城かなとさんに伺います。御厨家の撮影はいかがでしたか?

 

撮影現場はとっても和やかでした。大御所のお二方（小柳ルミ子、村上弘明）に緊張していたんですけども、いろんなお芝居を受け止めてくださって。ポスターとか予告を見るだけでは、『Heaven’s messenger』に対して御厨家がどう存在していくのか、まだ未知な部分がたくさんあると思うので、そこはぜひ楽しみに見ていただきたいポイントかなと思います。

 

記者からの質疑応答

‐サブタイトルが「もう二度と、会えないあなたに」ですが、逆にいつも会えるのに、また会いたくなっちゃう人、動物、物など、教えていただけますでしょうか。

 

昔、麻布の中華料理屋にいた「おまっちゃさま～（お待たせしました）」というおじさんに会いたいですね。僕はその「おまっちゃさま～」という言葉を聞きたくて餃子をたくさん頼んでいました。

草彅さんのお話を聞いて、その「おまっちゃさま～」の人にすごく会いたくなりました（笑）

私は、20年くらい前に亡くなったドラマ『俺たちの旅』の監督に、今は会えないけれど、また会えたらいいなと思います。すごくお世話になった方です。

風吹ジュン
この芸能生活で、なかなか共演する機会がなく、「やっと会えたな」と思ったのが今回の草彅さんでした。またお会いしたいと本気で思います。

中華屋で言うと、私はラーメンが好きで愛しているのですが、美味しいラーメンは1時間並ぶ覚悟が必要なので、会いたいけどなかなか会えないという意味で、会いに行っちゃうのはラーメンです。

‐猛暑の中の撮影で絆が生まれたと思いますが、今作のテーマ「伝えきれなかった思いを伝える」にちなみ、この場で共演者に伝えたいメッセージがあればお願いします。

 

草彅さんと共演させていただいた際、最後の方にネルシャツのプレゼントをいただいたんです。普段から古着好きの草彅さんに影響され、僕も古着を着始めたのですが、ちょうどネルシャツを探していた時にいただいたので、「通じ合ってるんじゃないかな」と思いました。ありがとうございます。

 

たまたま自分の買い物中に、要さんのサイズで色も要さんがその時着ていたTシャツと一緒だと思い、買いました。

 

私は、小澤君のダンスが上手だと聞いていて、キレキレに踊っている動画を見せてもらったので、いつかそれを生で見たいです。

（ダンスと言えば）撮影の合間に、草彅さんがいつもよりノリノリでうろうろされていて、目が合ったら「ダンスバトルしよう」と言い出し、急に音もなしにダンスバトルが始まるという緊張感を味わいました。

僕は負けましたけどね。小澤君は“今”のダンスを知っているけど、僕のはアナログなロボットダンスですよ。

本番では草彅さんと敵対するヒリヒリした場面が多かったのですが、温かく引っ張ってくださり、お芝居を受け止めてくださって、本当にありがとうございました。

‐草彅さんに伺います。遺品整理人を演じるのは初めてですか？また、役作りについて教えてください。

 

はい、初めてです。実際の遺品整理のお仕事をされている方に現場に入って指導していただきました。正直、この作品で遺品整理という仕事を知ったので、監督や指導してくださる方の言葉を聞き、難しく考えず素直にやってみようという心掛けで取り組みました。

締めのメッセージ

‐最後に、草彅さんからドラマを楽しみにしている皆様にメッセージをお願いいたします。

 

この3、4か月、このチームで一緒にものを作ってきた一体感、仲の良さが伝わったのではないかと思います。

このドラマを通して、人生において一番価値があることは、いつもそばで笑ったり泣いてくれる人がいるということだと感じました。

悲しいことはあっても、その悲しみのそばには必ず誰かが優しさを生んでくれる、という気持ちがたくさん芽生えたドラマです。見ていただけると心が温かくなる作品ですので、ぜひ期待してご覧ください。

■フォトギャラリー

[写真・記事：三平准太郎]

ドラマ『終幕のロンド －もう二度と、会えないあなたに－』

ある日、女性が孤独死した部屋の特殊清掃と遺品整理をすることになった鳥飼樹（草彅剛）は、新入社員の久米ゆずは（八木莉可子）を連れ、遺体痕が残る現場へ。

10歳のときに捨てられたという依頼人であり故人の息子（吉村界人）は、母親の孤独死を「自業自得だ」と冷たく言い放ち、遺品はすべて処分してほしいと話す。しかし、樹はその部屋で故人の思いが詰まったあるものを見つける。

同じ頃、絵本作家の御厨真琴（中村ゆり）は、大企業・御厨ホールディングスの後継者である夫の利人（要潤）を伴い、自身初となる絵本の出版記念パーティーに出席していた。

一見、仲むつまじい夫婦に見える2人だが、多忙な利人は家庭を顧みず、妻がしゅうとめから子宝に恵まれないことで嫌味を言われてもわれ関せずと、愛のない結婚生活に真琴の心はすり減る一方だった。

そんな中、生前整理の見積もりのため、清掃会社に勤める鮎川こはる（風吹ジュン）の自宅を訪ねた樹。未婚で産んだ娘が10年前に結婚し、今なお清掃員として働いているというこはるだが、最近、余命3カ月の宣告を受けたという。

話を聞いた樹は早速部屋を見てまわるが、そこへ事情を知らない娘の真琴が帰ってきて…。

 

【出演】

草彅剛　中村ゆり

　八木莉可子　塩野瑛久　長井短　小澤竜心　石山順征　永瀬矢紘 ／要潤　国仲涼子　古川雄大　月城かなと　／　大島蓉子　小柳ルミ子　村上弘明　中村雅俊　風吹ジュン

 

【放送枠】

2025年10月13日スタート　毎週月曜よる10時（カンテレ・フジテレビ系全国ネット）※初回15分拡大

 

公式サイト：https://www.ktv.jp/shumaku-rondo/