田中道子

【インタビュー】アクション俳優としてもがんばりたい!「プレバト!!」水彩画部門単独トップ名人8段、田中道子の素顔

「プレバト!!」(TBS系)の水彩画部門で3ランク昇格して単独トップの名人8段になった、俳優・田中道子。現在放送中のドラマ「六本木クラス」(テレビ朝日系)にも、3話からレギュラー出演している彼女に、これまでのことと、これからのことを伺った。

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■5年ぶりに再会した監督との「六本木クラス」の撮影現場

-「六本木クラス」(テレビ朝日系、毎週木曜夜9時~)で、主人公・宮部新(演・竹内涼真)や楠木優香(演・新木優子)の行きつけのダイニングバーの店主・理沙ガルシアを演じられるそうですが、役どころをご紹介ください。

田中道子
シリアスなドラマの中で、理沙ガルシアが経営するバーでのシーンはコメディ色が強くなっています。監督もちょっと遊んでいいでしょってことで、緑のウィッグを被って、着物を着くずした日本が好きなスペイン人と日本人のハーフです。

理沙ガルシア(田中道子)

理沙ガルシア(田中道子)©Kwang jin/tv asahi

-理沙ガルシア役を演じる上で取り組まれていることは?

田中道子
理沙ガルシアは、新木優子さん演じる優香から、竹内涼真さん演じる宮部新を奪おうとちょっかいをかけますが、ぜんぜん見向きもされていない(笑)
そういうとても個性が強い役をいただけたのと、私にとっての初めてのスペイン語にも一ヶ月以上かけて取り組んでいます。スペイン育ちという設定なので、挨拶や掛け声、あるいはムカついたりと感情が高ぶるとついスペイン語が出ます。

-スペイン育ちという設定なら、発音もネイティブっぽくしないといけないので大変ですね。

田中道子
ほんとに大変です!私にとっては撮影現場がスペイン語教室なほどに(笑)
特に日本語と大きな違いを感じたのは、怒った時の感情表現。日本人って、怒ると早口になりがちですが、スペイン人は逆にゆっくりとした口調になるそうなんです。怒っているシーンを演じたいのに、ゆっくりセリフを言わないといけないので、そのやりづらさはあります。
でも、スペイン人の先生からは、「スペイン人が聞いても綺麗に聞こえる」と言っていただけるようには頑張りました!

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-撮影現場の雰囲気はいかがですか?

田中道子
竹内さんとは別のドラマでもご一緒していたのものあって、今回はとてもやりやすかったです。
あと、田村直己監督は、私のドラマデビューとなった「ドクターX」でもお世話になった監督で、それが本当に嬉しかったんです。「ドクターX」では、初めてとのドラマということで不眠になるくらい大変だったので、その時に支えてくださった監督だからです。5年ぶりにご一緒できる嬉しさと、5年経って成長した私を見てほしいという気持ちもあり、監督もいろいろトライさせていただけるので、楽しい現場になっています。

-「ドクターX」ではどのへんが大変でしたか?

田中道子
初めてのドラマの初日が、泉ピン子さんを押しのけて、西田敏行さんの元に駆け寄るというクライマックスシーンだったんですが、ほんとに押しのけていいのかな?って思ってしまうくらい役者として右も左もわからない状態で怖かったんです。
いざ撮影が始まる時は、泉ピン子さんも「思いっきりやっちゃっていいのよ」って言ってくださって、そこは安心できた反面、西田さんはアドリブ全開でうまく対応できず半ベソ状態になったり(笑)

-ほとんど初めてのお芝居でアドリブはなかなかキツイですね(笑)

田中道子
そうなんですよ!撮影が始まるまでは、初日だからさすがに大丈夫だよって聞かされていたんですが・・・
最近思ったのは、アドリブは振られる前にこちらから振れば勝ちなんじゃないかって(笑)なので、アドリブを振ってくる方には先に振れるようになりたいですね。

-田村監督には5年間の成長を感じていただけた実感はありますか?

田中道子
「ドクターX」の時は台本どおりの撮影だけだったんですが、今回は細かなところですが、現場で臨機応変なシーン変更の相談をしていただけるようになって、そこは以前とは違うところで、役者として信頼してくれているのかなと嬉しく思いました。

田中道子

■舞台初出演で初主演!!

-9月上演の「赤羽焼肉劇場」(東京・池袋シアターグリーン BIG TREE THEATER)で、初舞台、初主演だと伺ってますが、まず最初に田中さんの役どころを教えてください。

田中道子
実際にあった話に基づいた物語で、赤羽にある焼肉屋さんがコロナ禍で行政やマスコミに振り回されながら、来なくなったお客さんを再び取り戻すところまでの様が描かれています。
私も以前は外食派だったんですが、コロナ禍は一気に自炊派になってしまった側の一人なんです。なので、この物語を聞いた時に心が痛くなりました。実際、私が好きだったお店が何軒も閉店してしまいましたし。
私の役どころは、この焼肉屋さんの店主の妹で、一緒にお店を盛り上げるために奮闘します。お店側の立場で演じることはとても楽しみです。

-初舞台・初主演というお話を受けた時のお気持ちは?

田中道子
お話をいただいた最初は主演とは聞いておらず、主演とわかったのは最近でパニックです(笑)
ドラマでも舞台でも、主演とは、全体を引っ張っていく座長の立場。何年ものキャリアがある先輩たちを私が引っ張る?って。台本もまだ出来上がってないし、皆さんとの顔合わせもまだなので不安が大きいです。さらに初舞台で、2時間分のセリフを覚えることも初めてですし。

-乗り越えられたらとても良い経験になるんでしょうけどね。

田中道子
そうなんです。終わったら、乗り切ったぜ!ってとても楽しかった!ってなると思うんですけどね(笑)

田中道子

-ちなみに焼肉はお好きですか?

田中道子
好きです。タンから始まってハラミもよくいただきます。焼肉はみんなで行くのが楽しいですね。

-お酒は?

田中道子
好きです、1杯目はビールと決めています。今日は暑いので、今飲みたくなってきました(笑)
でも、コロナ禍の間にアルコールに弱くなりましたね。1杯目のビールでけっこう酔っ払ってしまいます。

-「赤羽焼肉劇場」の見どころ含めてPRメッセージをお願いします。

田中道子
地域に根付いた飲食店の人たちがコロナ禍で奮闘するお話で、皆さんにとってもきっと身近なことですし知っておいていただきたいです。
あと、初舞台・初主演で緊張しまくっている私を是非笑いに観に来てほしいです!

田中道子

■「プレバト!!」で3ランク昇格して単独トップ!

-ダウンタウン浜田さんに「鬼の目にも涙」と言われてましたが、7月7日放送の「プレバト!!」の水彩画部門で3ランク昇格して単独トップの名人8段になった時のお気持ちは?

田中道子
「プレバト!!」は、たくさんの方がご覧になっていますし、親も大好きなんですが、絵が得意ということで出させていただくことは本当に嬉しいんです。そもそも建築科の大学に通っていながら芸能界に入ったことで、親からは「なんのために大学に行ったの?」って言われていたので、「この番組で活かすためなんだよ」って、後付けですが言えますし(笑)
でも実は大学ではデッサンの成績は良くなかったんです。それがこの番組を通して、ついに暫定1位にまでなれるほどに上達できて、数年かかりましたけど、こうして評価いただけたことはほんとうに嬉しいです。出演当初は自信が無かったんですが、回を重ねるごとに自分でも上手くなっているっていう実感がありました。
この番組は親も観ているので、普段は放送日までネタバレしないようにしているんですが、1位を獲った時だけはすぐに親に電話しちゃいました。今年1番嬉しかったことだったので。

-1位に登りつめた時の工場の夜景の絵は、建物の直線的な描写がまるで定規を使ったように正確に描かれていてすごいですね。

田中道子
ありがとうございます。夜だったので実際はあまりよく見えてなかったので、自分でプラスアルファしたところもありますし、建物を描く時に気をつけることとして、一点透視図法などのパースの付け方も大切です。でも、工場のように細かい部品で成り立っている建物は、描いている途中でどこを描いているのか迷うこともありました。あと、ついつい建築基準法的にどうか?という観点でも見ながら(笑)

田中道子

-あと、番組内でも説明がありましたが、構図も2つの建物をくっつけて、実際には無い風景を描かれていました。

田中道子
はい。あれは評価が分かれる点でもあって、人によってはやりすぎだと言う人もいますので。
ただ、私の場合、「プレバト!!」では写真や実際の風景どおりに描いたことはほぼなくて、空の色を変えたり、実際にはいない人を加えたり、絵だからこその自由な発想で描いています。今回はそうやって自分の中で挑戦したことを認めてもらえたことも嬉しかったです。

-1位になったことのプレッシャーはありますか?

田中道子
それがぜんぜん無くて、「女王」と書いたTシャツを作ろうかと思っているほどです(笑)

-今後、個展を開かれるつもりはありますか?

田中道子
2019年に二科展に出展させてもらったんですが、2年くらい時間をかけて油絵のスキルを磨き直したいと思っています。当時、入選させていただいたので、見に行ったんですが、他の作品が私にはとうてい思いつかない素晴らしさで、私の未熟さ、独学の限界を実感したからです。
やっぱり先人の技を改めて勉強して、もう1回チャレンジしたいなと思っています。

田中道子

■ピアノを弾くことで不安な時期を乗り越えた

-絵以外にも楽器演奏やスポーツもお得意だそうですが、そもそも子どもの頃はどんなお子さんでしたか?

田中道子
今とあまり変わらなくて、絵を含めてものづくりとピアノが大好きで、ほとんどの時間をそれらに費やしていました。絵についても幼稚園の頃から自分でコラージュした絵を描いて先生に提出することをよくやっていて「今までこんなに出してきた子はいない」と言われるほどでした。
ピアノも弾き始めると親の声が聞こえなくなるぐらい没頭していました。
大人になって上京した時も、お布団よりも先に電子ピアノを買ったんです。お布団がなくても死なないけど、ピアノが無かったらもしかしたら心が折れるかもしれないと思って。
最初はオーディションもぜんぜん通らなくて、不安ばかりが募る中、なけなしのお金で買った電子ピアノを弾くことで乗り越えられたと思います。弾いている間は悩みが消えるんです。その時はゲーム音楽や映画音楽をよく弾いていました。

-ピアノを弾くこと以外でオフの日の過ごし方で好きなことは?

田中道子
競馬などをしますが、一人で近場のパワースポットに出かけることが好きです。
あとは、月々の出費が食事より多いくらい漫画が好きでよく買って読んでいます。最近のお気入りは、先日TVアニメ化が発表されたばかりの「俺だけレベルアップな件」です。

田中道子

■アクション俳優としてもがんばりたい

-「ドクターX」で俳優デビューと伺いましたが、当時俳優の道を進もう!と思われたきっかけや決心の理由について教えてください。

田中道子
女優という仕事を最初に意識して、アクション俳優になりたいと思ったのが中学生の頃でした。当時は洋画をよく観ていて、アンジェリーナ・ジョリーやミラ・ジョヴォヴィッチが出演しているアクション映画が特に好きだったんです。でも、すぐに俳優という仕事に就けるものではないとも思って、すぐに諦めてもいました。
その後、自分の意志でミスコンを受けるようになった頃、知人から「演技のレッスンを受けてみないか」とお声がけしていただいて、忘れるようにしていた中学生の頃の俳優になりたいという夢が蘇ってきて、一度は挑戦しないと後悔すると思って、反対する親を押し切って上京しました。親は教師をやっているせいか安定志向なところがあり、「何もわかっていないお前はきっと地獄を見るよ」と言われつつ「地獄を見る前に帰ってくるから」と説得して。

田中道子

-そんな田中さんがついに舞台主演ですもんね。

田中道子
あ、まだ親に言ってない(笑)公演が始まったら是非観に来てほしいですね。配信もありますし。

-アクション俳優になりたかったというお話もありましたが、今後やってみたい作品ジャンルやキャラクターがあれば教えてください。

田中道子
アクション俳優になるためのレッスンはずっと受けていて、ちょうど今、撮影している作品で、初めてアクションの撮影をすることができて、ほんとに嬉しかったんです。
男性たちを女手ひとつでボコボコにして、峰不二子みたいにバイクを乗り回してみたいなのは、アニメならともなく実写では少ないじゃないですか。でも海外ではそういうのが普通だったりする。なので、そういうことが日本でもできたことが嬉しくて、ちょっとひとつ夢が叶った感じがして、中学生の頃の私に言ってあげたいです。
これからももっともっとそういう女性の役柄が増えてほしいと願っています。
もうひとつ、先日、『極主夫道 ザ・シネマ』に出演することができたんですけど、まだまだ映画作品の撮影にどっぷりと入ったことがないので、これからは映画の世界へと自分の幅を拡げていきたいという目標もあります。

田中道子

田中道子(たなか みちこ)プロフィール
【生年月日】1989年8月24日
【出身地】静岡県
【血液型】O型
【サイズ】身長172cm
【趣味】楽器演奏(ピアノ・ハープ)・テニス・ダーツ・スキューバダイビング・登山・映画
【特技】ピアノ・テニス
2016年(27歳の時)、『女優宣言お披露目記者発表会』にて女優へ転身することを発表[3]。『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』第4シーズンでテレビドラマ初出演。

■撮り下ろしフォトギャラリー

[写真・記事:三平准太郎]

ドラマ「六本木クラス」

出演:竹内涼真 新木優子 平手友梨奈 早乙女太一 中尾明慶 鈴鹿央士 さとうほなみ 田中道子 光石研 矢本悠馬 緒形直人 稲森いずみ 香川照之
原作:チョ・グァンジン「六本木クラス~信念を貫いた一発逆転物語~」(ウェブ漫画アプリ「ピッコマ」掲載)
監督:田村直己 樹下直美 ほか
制作協力:アズバーズ
制作著作:テレビ朝日
放送:テレビ朝日系、毎週木曜夜9時~
配信:TELASA、ABEMA等

六本木クラス

舞台『赤羽焼肉劇場』

【ストーリー】
​赤羽に実在する焼き肉屋が舞台。
コロナ渦中、経営難に直面する中、酒の提供をめぐり非難、誹謗中傷を浴びる。
主人公マーシーが青森から出てきて裸一貫で作りあげてきた人生の集大成の城。人との関わりが微弱、淡白になってきている社会の在り方、人通しのあり方を真正面から見つめた、歌ありダンスありのエンターテイメント社会派劇です。

出演:田中道子 山内としお 山崎真実 ほか
日程:2022年9月7日(水)~9月11日(日)
劇場:シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都豊島区南池袋2-20-4​1F)
公式サイト:https://broadwayb.official.ec/

 

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