萩原みのり「生きてるのか死んでるのかわからない瞬間があった」映画『N号棟』公開記念先行上映会
2022年4月28日、新宿ピカデリーにて、映画『N号棟』公開記念先行上映会が行われ、萩原みのり、諏訪太朗、赤間麻里子、後藤庸介監督が登壇。本作のキャッチコピーにちなみ、それぞれの「夢か現実かわからなくなってしまった経験」を明かした。(動画&フォト)
本作は、2000年、岐阜県富加町にて実際に起きた幽霊団地事件基に、「世にも奇妙な物語」を数多く演出およびプロデュースした奇才・後藤庸介監督による解釈で、実際の事件を超える未知の“考察型”恐怖体験ホラーとして制作された。
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画
■フォトレポート
主演を務めた萩原みのりは「映画と同様、赤い服を着た人が劇場にチラホラいますね(笑)。とにかく完成してよかったです。この作品は、ホラーでありホラー以上の何かであるといった不思議な映画であるので、皆さんがどういった反応をされるのか楽しみです」と感無量の様子で挨拶。
ロケ地となった廃団地について萩原は、「本当に今日からここで撮影するのかと。電気も水も止まっているので、懐中電気をつけながらトイレに行ったりしないといけなかったんです。大量の虫がいたり、携帯のライトで階段上がったり。だけど慣れるものなんですよね。ただ、美術だと思ったら美術じゃない。血のりを使ってない部屋の染みがちょっとずつ増えていたような。観ちゃいけなさそうまでゴロゴロしていました」と恐怖体験とともに振り返ると、諏訪も「何かがいるんだろうなという気配はありました。言っちゃいけないのかもしれないけど、ハトの死骸のミイラとかもありましたしね」と撮影現場となった実在の廃団地について言及。
そんな廃団地での撮影について、赤間も「圧倒的な負のオーラがありました。撮影中に大きな地震があって、あっ撮影現場なくなったかもと思ったくらいでした」と、声を揃えてその団地に漂う不気味さを語ると、監督は「撮影現場としては、皆さんがおっしゃるとおり酷かったですね(笑)。正直言うと、ほとんど美術じゃありません」と告白すると、萩原は「やっぱり。誰にも聞いちゃいけない雰囲気があったんですよ。たけど、廃墟なのに生きている様な、雰囲気があったんですよね」と振り返る。
萩原の撮影時の蒼白な顔に話題が及ぶと、赤間は「あの顔色を見ていたら、何かしてあげないと」と思い、甘い差し入れをしていたことを披露。諏訪に”お前はよく頑張っている“と言ってほしくて、なんども諏訪のもとに尋ねたという萩原。この作品に並々ならぬ意気込みと全体力を注いで挑んだことが伝わってくるエピソードが語られる。
役作りについて聞かれると、萩原は「死恐怖症について書いてあるブログを読んだり、ちょっと怪しそうな団体の教祖みたいな人のスピーチを聞いたりして役作りしてました。なので、イン前が一番病んでいた」と語る。
諏訪は、「人間はだれしもですが、僕個人の中でも善良な面でも邪悪な面があって、それをひっくり返イメージで役作りしました」と言い、赤間は「台本いただいた時に、正直よくわからなくて、ワンシーンずつ理解していこうとしました。自分なりに私の役についても考察しました」と語る。
“夢か、幻か、現実か、それとも・・・”というコピーにちなみ、夢か現実かわからなくなってしまった経験について尋ねられると、萩原は「この作品のクライマックスがまさにそうでした。撮影中、あれ、今カメラ回っている?といった状態でした」といい、諏訪は「俳優という仕事は、虚構を作り上げるという仕事なので、カメラの向こう側と現実どっちが現実?という生活を68年間くらしてます」と語る。普段から霊感があるという赤間は、「同じ男の子と何度も街で出会ったり、私だけしか見えてないということが何回かあって」と驚きのエピソードを披露した。
予定では、特別ゲストとしてモデルになった団地で実際に被害に遭われた元住民の方が登場予定だったが、急遽来れなくなったという。後藤監督は「実は会うのすごく怖かったんです。何を話そうかなと気が気じゃなかった」と安堵した様子をみせる。代理でMCより“勝手に電気がついた”“テレビのチャンネルが変わった”“ドライヤーが勝手に着いた”など、実施に元住民が体験したエピソードが語られ、映画の感想とともに“私は萩原さんほどに顔面蒼白にならず、ポカンとしてました”と読み上げられると萩原は、「元住民の方にいじられている!」といい、会場から笑いが漏れた。
後藤監督より、「萩原さんは、僕が思う詩織ちゃん像にぴったりでした。なんか生き急いでるというか。僕は、なんだか分からないものが一番怖いと思っていて、この作品については、普段やっている様な起承転結があるような、わかりやすくはしないように、よくわからん?というところを目指しました」と、マスコミ試写などで考察型ホラー映画として話題となっていることに対し自信をみせる。
最後に主演の萩原が、「この作品を観終わった後に、生きることや死ぬことについて考えられると思うのですが、難しいことを考えずに感じて、フラットに楽しんでもらえたらと思います」とこれから見る観客へメッセージを送り、公開記念先行上映会舞台挨拶は幕を閉じた。
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/動画:桜小路順]
関連動画
映画『N号棟』完成披露上映会
映画『N号棟』
INTRODUCTION
2000年、岐阜県富加町にて実際に起きた幽霊団地事件基に、「世にも奇妙な物語」を数多く演出およびプロデュースした奇才・後藤庸介監督による解釈で、実際の事件を超える未知の“考察型”恐怖体験ホラーが誕生した。
主演には、昨年末公開の主演作『成れの果て』での好演も記憶に新しい、近年話題作への出演が相次ぎ作品ごとにその表情を大きく変え、観る者を魅了してやまない、いま業界で最も注目される女優のひとり萩原みのり。
共演には、子役時代から数々の作品に出演している実力派の山谷花純。『夏、至るころ』(20)、『衝動』(21)と主演作が続く倉悠貴、国内外問わず多くの賞を受賞している名女優筒井真理子ほか、超個性派バイプレイヤー岡部たかし、諏訪太朗、赤間麻里子などが脇を固める。
STORY
とある地方都市。かつて霊が出るという噂で有名だった廃団地。女子大生・史織(萩原みのり)が同じ大学に通う啓太(倉悠貴)・真帆(山谷花純)と共に興味本位で訪れると、なぜかそこには数多くの住人たちがいる。
3人が調査を進めようとすると、突如激しい<怪奇ラップ現象>が起る。そして、目の前で住人が飛び降り自殺をしてしまう・・・。驚く3人だが、住人たちは顔色一つ変えない。
何が起きているのか理解できないまま、その後も続発する、自殺とラップ現象……住人たちは、恐怖する若者たちを優しく抱きしめ、仲間にしようと巧みに誘惑してくる。
超常現象、臨死浮遊、霊の出現…「神秘的体験」に魅せられた啓太や真帆は洗脳されていく。仲間を失い、追い詰められた史織は、自殺者が運び込まれた建物内へ侵入するが、そこで彼女が見たものは、思いもよらぬものだった…!
出演:萩原みのり 山谷花純 倉悠貴 / 岡部たかし 諏訪太朗 赤間麻里子 / 筒井真理子
監督・脚本:後藤庸介
音楽:Akiyoshi Yasuda
主題歌:DUSTCELL「INSIDE」(KAMITSUBAKI RECORD)
製作:「N号棟」製作委員会
制作:株式会社MinyMixCreati部
配給:SDP
2021年/103min/カラー/シネスコ/5.1ch
©「N号棟」製作委員会
公式サイト:https://n-goto.com
『N号棟』応援クラウドファンディング:https://motion-gallery.net/projects/n-goto
4月29日(金・祝)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
【実際に起きた!?岐阜県富加町/幽霊団地事件(2000年)とは】
夜中に誰もいない部屋から音が聞こえてくる、ドアが勝手に開閉を繰り返す、テレビのチャンネルが勝手に変わる…数多の怪奇現象が報告されたことで、警察やマスコミ、霊能者までが団地に押し寄せ、大パニックとなる。
すると住人の生活は、「怪奇現象」よりも取材陣や野次馬によって脅かされるように。
「建て付けの問題など、欠陥住宅であることが原因だった」としてある日突然事態は収束するが、その噂を流したのは、他でもない住人たちだった…。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。