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映画『Ribbon』特別上映会&のん監督トークショー

のん、縁の地・久慈での凱旋上映&トークイベント。映画『Ribbon』

2022年4月23日、久慈市文化会館アンバーホールにて、映画『Ribbon』特別上映会&のん監督トークショーが行われ、脚本・主演も務めたのん監督が登壇した。作品に込めた想いや、「あまちゃん」以来の共演となった山下リオと自身との共通点などを明かした。

久慈市と言えば、NHK朝ドラ「あまちゃん」の舞台。本日のトークショーを「Ribbon」フィルムパートナーズと共に主催したKUJI×Ribbonプロジェクトは、久慈市とゆかりのあるのんの映画『Ribbon』にあわせ、久慈市の街なかをリボンで飾り、映画を応援する企画が2月8日から始動したもの。プロジェクトメンバーには主催として久慈市観光物産協会、久慈商工会議所、久慈市が名を連ねているほか、協力団体として、久慈商店会連合会や北三陸「あまちゃん」観光推進協議会など、地元がサポートしている。

トークショーレポート

映画『Ribbon』特別上映会&のん監督トークショー

楳内有希子(MC)/のん監督

のん(脚本・監督・主演浅川いつか
今日は上映会にお集まりいただきありがとうございます。むちゃくちゃ嬉しいです。
KUJI×Ribbonプロジェクトを発足して映画『Ribbon』を応援してくださっているのを知っていたので、絶対に久慈でも映画を上映したいと思っていました。なのでこのように実施することができて本当に嬉しいです。

映画『Ribbon』特別上映会&のん監督トークショー

のん監督

-今回、久慈にはいつお越しに?

のん監督
昨日です。いろんなところに伺って、がっつり久慈を堪能しました。
市民バス「リボン号」の見学と出発式に参加させていただいたりしてとても楽しかったです。
子どもたちも参加してくれて一緒にバスにリボンのシールを貼りました。

-バスと三陸鉄道もリボンでデコレーションされている光景はすごいですよね。

のん監督
とても可愛くて素敵です。

映画『Ribbon』特別上映会&のん監督トークショー

-KUJI×Ribbonプロジェクトでは地元のお店もコラボをしてリボンをモチーフにしたお菓子やドリンクなども提供しています。のん監督には2月にもお越しいただきました。

のん監督
はい。その時コラボフードをいただいてとても可愛くて感動しました。昨日は実際にお店に伺って買っていただきました。すっごい美味しかったぁ!
あと、やませ土風館やYOMUNOSUのリボン展示も拝見して、とても可愛かったです。

-映画『Ribbon』の公開に合わせて久慈市全体でお祝いをしています。

映画『Ribbon』特別上映会&のん監督トークショー

リボンの飾り付けのある久慈駅前バス停

■映画『Ribbon』制作のきっかけ

-コロナ禍でのん監督が企画された本作のきっかけやその時のお気持ちなどお聞かせください。

のん監督
コロナ禍第一波の時に、自分が予定していた仕事が延期や中止になってしまい、おうちで寝て起きてというだけの日々を過ごしていたんですが、だんだんとこうしちゃいられないという気持ちになって、それで脚本を書き始めました。
その脚本が元になって企画を起こして、映画を撮りたいということで動き出しました。
テレビを見て、ニュースで流れてくることは今まさに命が脅かされている方々や医療従事者の方々のこと。そして飲食店の方々の苦悩。
そういう中、芸術やエンタメの優先順序がどんどん低くなっていくのをヒシヒシと感じていました。
私はもともと美大に憧れていたので、美大生の方がコロナ禍でどう過ごされていたのかを調べていくと、卒業展が中止になったりとか、学生のインタビューで「自分たちが1年かけて作ったものがゴミのように思えてしまった。」という言葉があって、それに強い衝撃を受けたんです。それで、学生たちのそういう想いが少しでも救われるべきではと、いよいよ映画を作らなきゃいけないと思って脚本のストーリーが出来上がっていきました。
学生たちのそういう想いと、当時「エンタメは不要不急だ」と言われていたことがリンクして私も強く共感しました。

映画『Ribbon』特別上映会&のん監督トークショー

■のん×山下リオ 共通点は?

-この作品は主人公“いつか”の親友“平井”の存在も大きかったと思います。演じられた山下リオさんとのんさんの2ショットは私たちはたまりませんでした。

のん監督
山下リオちゃんとは「あまちゃん」の時に共演させていただいていて、その時以来の共演となりました。
脚本を書いている時に、平井の役はリオちゃんだと思って当て書きしました。
リオちゃんは一見クールなんですけど、中身はとても激しくて、ちょっとグチャっとした感情を抱えている人だなってずっと感じていたからです。

Ribbon

のん/山下リオ(撮影ロケ地にて)

-共演と共に、監督として演出する立場としてはいかがでしたか?

のん監督
とても緊張しました(笑)
監督として向き合うぞって決めているので切り替えられるんですけど、やっぱり自分が役者として現場に立ってきた分、「この方とはすごくやりやすいな」とか「とても辛かったけどいい演技できたな」とか、そういう絶妙な塩梅はわかっていたのですが、でも、今自分が監督としてこの映画のためになるにはどう振る舞えばいいのかはとても悩みました。厳しくした方がいいのか、いろいろ注文を付けた方がいいのか、何が正解かを考えて怖かったんです。
でも、自分は役者でもあり、役者贔屓でいこうと、ある程度お任せすることにしました。
最初の本読みでリオちゃんに平井のセリフを読んでもらった時に、「すごくいい!」って思えたので、平井にはこういう役を全うしてほしいというキャラクター設定と、映画に込めたメッセージ、美大生の実情をお話して、あとはリオちゃんにお任せしました。
リオちゃんも「私のことを見抜かれていると思った」と言ってくれたほど平井とリンクしていたし、ナチュラルにリアルに演じてくれました。

-いつかと平井は正反対のキャラクターに見えましたが、実際ののん監督と山下リオさんとはどうなんですか?

のん監督
正反対の部分は正反対だと思います。けれども共感する部分がたくさんあるんです。
以前、私のYouTubeチャンネル「のんやろが」にリオちゃんがゲストで来てくれた時に、「あまちゃんの時から(のんさんとは)気が合うと思ってた」と言ってくれたんです。
人に真っ向から向かっていけないけど、気持ちとグチャっとしているみたいなところが共通しているのかなと思っています。
外に出す方法は私とリオちゃんは違うと思いますけど、中身の部分では通じ合っている感じがします。

映画『Ribbon』特別上映会&のん監督トークショー

■久慈市情報交流センター「YOMUNOSU」にも展示中ののん制作アート

-劇中に登場する肖像画、見事でしたね。あれはどれくらいの期間をかけて描き上げられたのでしょうか

のん監督
脚本を書いてから撮影に至るまでとてもタイトなスケジュールだった中、3ヶ月かけて描きました。

個展「のん Ribbon展 不気味で、可愛いもの。」

いつかの肖像画。個展「のん Ribbon展 不気味で、可愛いもの。」にて撮影

-肖像画ということで、鏡に写った御自分を見られながら描かれたのでしょうか?

のん監督
最初のデッサンでは(自分の)写真を見ながら描きました。そのあと、色を乗せていく時は自由にやってました。

-のんさんにはYOMUNOSU(久慈市情報交流センター)にも「王様のマント」というアート作品を寄贈いただきましたが、これもリボンで表現されています。

のん監督
はい。もうひとつ「よむのむし」という作品も描いたんですけど、リボンを飾っています。

映画『Ribbon』特別上映会&のん監督トークショー

「王様のマント」「よむのむし」(YOMUNOSU)

-久慈市は先ほどもお話しましたようにリボンでデコレーションしていますが、映画を見ると、リボンっていろんな表情をするんだなと思いました。

のん監督
この映画では、負の感情をリボンで表すことを決めていたので、可愛いの象徴でもあるリボンをどのように動かしたら、負の感情が見えてくるんだろうってことを悩みながら脚本を書きました。
洗濯機の中でかき混ぜられているようなリボンとか、金魚のようなリボンとか、樹海のように家がリボンで埋め尽くされていくとか、そういうことを文章で脚本に書いていたんですけど、特撮チームの樋口真嗣(『シン・ウルトラマン』監督)さんや尾上克郎(『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』監督)さんが考えてくださいました。
お二人にはシーンごとにビジュアルでもイメージをお伝えして、例えばいつかにリボンが突きつけられるシーンは、映画『ブルース・ブラザーズ』のラストシーンをイメージしたビジュアルでお見せしました。

映画『Ribbon』特別上映会&のん監督トークショー

■サンボマスターさんの歌は最高の応援歌

-サンボマスターさんの主題歌「ボクだけのもの」を初めて聴かれた時はいかがでしたか?

のん監督
ほんとうに感動しました。
絶対にサンボさんにエンディングを歌ってほしいと思って、サンボさんにお手紙を書いてオファーさせていただいたんです。
そうしたら最高の形で曲にしていただいたので、ほんとにグッときました。この曲のおかげで、美大生の主人公の女の子の物語が、みんなの物語になるなって思えて、それがとても嬉しかったです。
サンボさんは悩んでいる方への応援歌を書くのがほんとうに素晴らしいから、この映画の最後の最後に流れたら、観てくれた人全員に勇気を感じてもらえるんじゃないかなって思いました。

ボクだけのもの

「ボクだけのもの」MV ©「Ribbon」フィルムパートナーズ

■最後にメッセージ

-今日、この会場には遠方からいらしている方もいると思います。今、久慈は桜がちょうど見頃になっていますが、のん監督から久慈のおすすめポイントをご紹介ください。

のん監督
久慈ではまだ桜が咲いていて春を満喫できるんじゃないかなと思いますし、KUJI×Ribbonプロジェクトでコラボしてくださっているところがほんとに素敵だからそこにお立ち寄りいただければなと思います。
今日もロビーで売られている、沢菊さんのリボンのドーナッツもとても美味しかったです。

映画『Ribbon』特別上映会&のん監督トークショー

桜の花が満開のこの日の久慈市文化会館アンバーホール

-それでは最後にメッセージをお願いします。

のん監督
映画『Ribbon』は、コロナ禍でも救われてほしい気持ちを想って作った作品で、自分自身もこれから活動をしていく上で、この作品を撮れたから自分の支えになったなと、今も頑張って元気に活動できているなと思えるような、そんな大切な作品になりました。
今日、皆さんに観ていただけてほんとうに嬉しいです。ありがとうございました。

映画『Ribbon』特別上映会&のん監督トークショー

■フォトギャラリー

■YOMUNOSU

のん制作アート作品の「よむのむし」やNFTアート作品「王様のマント」が展示されている久慈市情報交流センターYOMUNOSU。久慈市では都市再生整備計画に沿って、久慈駅前拠点から「やませ土風館」にかけての久慈街なか地区の再整備をおこなっており、YOMUNOSUはその一環として久慈駅前に2020年7月にオープンした。

映画『Ribbon』特別上映会&のん監督トークショー

YOMUNOSU(久慈市情報交流センター)

[写真:金田一元、記事:桜小路順]
撮影データ:Nikon Z 9/NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S

映画『Ribbon』

Ribbonロゴ

2020年冬。コロナ禍により一年かけて制作した卒業制作は、発表の場が失われた。
家での時間があるのに、なにもやる気がおきない……。
表現の術を奪われ、自分のやるべきことを見つけだせずに葛藤する美大生“いつか”を女優・のんが演じます。
鬱屈とした現状を、のんが持ち前のパワーで痛快に打破していく“再生”の物語です。

あらすじ
コロナ禍の2020 年。
いつか(のん)が通う美術大学でも、その影響は例外なく、卒業制作展が中止となった。
悲しむ間もなく、作品を持ち帰ることになったいつか。
いろいろな感情が渦巻いて、何も手につかない。
心配してくれる父・母とも、衝突してしまう。
妹のまいもコロナに過剰反応。
普段は冷静な親友の平井もイライラを募らせている。

こんなことではいけない。
絵を描くことに夢中になったきっかけをくれた田中との再会、
平井との本音の衝突により、心が動く。
未来をこじ開けられるのは、自分しかいない―。

誰もが苦しんだ2020 年―。
心に光が差す青春ストーリー。

出演:のん 山下リオ 渡辺大知 小野花梨 春木みさよ 菅原大吉
脚本・監督:のん
製作統括:福田淳
エグゼクティブ・プロデューサー:宮川朋之
クリエイティブ スーパーバイザー:神崎将臣 滝沢充子
プロデューサー:中林千賀子
特撮:樋口真嗣
特撮プロデューサー:尾上克郎
音楽:ひぐちけい
主題歌:サンボマスター「ボクだけのもの」(Getting Better / Victor Entertainment)
企画:のん
配給:イオンエンターテイメント
制作プロダクション:ブースタープロジェクト
製作:日本映画専門チャンネル non スピーディ コミディア インクアンク
©「Ribbon」フィルムパートナーズ
作品公式サイト:https://www.ribbon-movie.com
のん公式サイト:https://nondesu.jp/
のん公式 YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCj4G2h4zOazW2wBnOPO_pkA
のん公式 Twitter:https://twitter.com/non_dayo_ne

主題歌入り予告篇(60秒)

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劇場公開中&デジタル配信中!
※デジタル配信については以下の記事も御覧ください。


映画『Ribbon』

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