• HOME
  • News
  • 映画
  • 「これからの“愛のカタチ”“家族のカタチ”で思うこと」映画『フタリノセカイ』劇場公開記念舞台挨拶
フタリノセカイ

「これからの“愛のカタチ”“家族のカタチ”で思うこと」映画『フタリノセカイ』劇場公開記念舞台挨拶

2022年1月15日、新宿シネマカリテにて、映画『フタリノセカイ』劇場公開記念舞台挨拶が行われ、W主演の片山友希、坂東龍汰と飯塚花笑(かしょう)監督が登壇した。

舞台挨拶レポート

まず初めに公開を迎えた今の気持ちを飯塚監督は「山あり谷ありで長い間作っていた作品なので、嬉しい気持ちもあり、これからこの作品がどう広がっていくのか不安もあり、昨日は“言葉にならない気持ち”でした。」と想いの詰まった本作が公開された胸中を語った。

続いて片山は「まだあまり実感がなくて…。これから沢山の方が観てどんな感想になるのか気になる映画だなと思います。」
坂東は「撮影自体は2年半前で、すごいスピードで時が経っているのを感じます。でもこうして世界中で大変なことがあった中で皆さんにこのタイミングで届くことが嬉しいし、意味があることだと思います。」とそれぞれの今の気持ちを語った。

公開から一日経ち、監督の元には作品に対する感想が届き始めているようで、「この作品は見る方の状況や背景によって感想が違ってくるんだなとじわじわと実感しています。いろんな感想が聞けるので、早く皆さんの感想も聞きたいです。」と続けて話した。

■出演を通して新しい考え方や変わったこと

MCから「この作品に関わったことで新しい考え方や変わったこと」について聞かれると片山は「LGBTQという言葉に対しての違和感を持つ人がいることを知って、LGBTQではなくてセクシャルマイノリティという言葉のほうが違和感を持つ方が少ないということを知ったので、そういった言葉を使うように気をつけています。」と本作に真摯に向き合った様子が伺えた。

坂東は「改めて映画ってすごいなと思い直しました。撮影前はセクシャルマイノリティの知識があったわけではないけど、知らなかった世界を知って、そういうものを理解することが人生にとって豊なことなんだなということが分かった。」と本作で沢山のことに学びや気づきがあったことを振り返った。

二人の話を聞いていた監督が「撮影は2年半前だったので、今よりずっと二人は子供っぽかったので、この2年半の成長をすごく感じます。こんなに喋る子たちじゃなかったですね。」と話すと二人を含め会場も笑いに包まれた。

続いて「監督自身は“愛”というものに対してどんな考えを持って作品を作ったのですか?」と問われると、監督は「映画の中で描かれている家族や幸せのカタチは人それぞれによって感じ方が変わると思います。また、時代によっても変わると思いますし、“定義しないこと”が正しいんじゃないかと思っていて、特定的なものでは思っていません。」と本作でもテーマとなっている“愛のカタチ”について話した。

■“家族のカタチ”

「“家族”に対して将来どう考えているか」という“家族のカタチ”についての質問に、坂東は「この映画の中でも “無償の愛”が大事なキーワードとなっていて、自分や周りの家庭環境をみても、どんなに大変なことがあっても明るい未来を信じて生きていて、その根本にあるのがやっぱり“愛”なんじゃないかなと思います。実際にこの映画で真也という役を演じながらもその“無償の愛”を感じました。この映画はどんな人が見ても未来に希望を与えてくれる映画だと思います。この先家族を持つことになったら、家族の“愛”を大事にして生きていきたいなと思いました。」と語り、自身が本作を演じた中で“無償の愛”を体感できたことについて振り返っていた。

一方片山は「いつか家族を持つならば、お互いが別々のことをしていても、二人の空間が安心できる場所であれば幸せだなって思います。それだけで十分だと思います。」と安心できる“居場所”が大切であると自身の思う家族のカタチを語った。

その片山の話の内容から、「お互いが安心できる関係でいるにはどうしたらいいと思いますか?」というMCの変化球な質問に対して、二人は初め「え〜!」と戸惑い、片山は監督の方を見て助けを求める仕草などを見せたが、片山は「“信じること”じゃないですか。疑いを持たずに素直に相手を信じて軽やかにいることで、お互いがリラックスできるのではないかと思います。」と真っ直ぐな気持ちを回答。

本作の公開を迎え、改めて片山と坂東に「共演してどうでしたか?」とMCが問うと、二人は「恥ずかしい」と微笑みながらも、坂東は「ほんとに心強かったですね。ずっと引っ張っていただいていたという印象です。真也としての感情が掴み切れていない時に片山さんがそばでユイとして力強く存在してくれたことで僕も頑張れた時が沢山ありました。」と振り返ると、片山は「引っ張ってくれたと仰ってくれましたが、あんまりそんな気持ちではなかったです。ずっと自分では緊張していると思ってなかったが、撮影時に毎朝ホテルで歯を磨いていると嗚咽が止まらなく、撮影が終わったら嗚咽が止まったので、後から自分がとても緊張していたことに気づきました。自分はすぐにいっぱいいっぱいになってしまうので、坂東君が撮影現場でずっと楽しそうにしている姿にリラックスさせられました。」と撮影時のエピソードも交え振り返った。

■最後にメッセージ

最後に片山が「沢山の方がこの映画を見て、いろんな感想を持ってくれればすごく嬉しいなと思っています。」坂東は「この映画がどのように成長をしていけるのかを見るのが楽しみです。見てくださったみなさんにかかっていると思うので、周りの友達や、SNSで感想を拡散していただけると嬉しいです。」監督は「この作品はまだ公開したばかりで、これからどんどん世の中に羽ばたいてほしいなと思っています。二日目で見た皆さんは宣伝隊長ということで是非是非感想などを広めていただきたいなと思います。」と一言ずつ挨拶をし、イベントは幕を閉じた。

フタリノセカイ

飯塚花笑監督/片山友希/坂東龍汰

映画『フタリノセカイ』

INTRODUCTION
結婚もできない。子どももできない。愛し合う二人の愛は可能か?
本作は、トランスジェンダーとして葛藤する彼とその彼女(シスジェンダー)の二人の10年間の軌跡を描いたラブストーリー。
出会った時から互いに惹かれあった、ユイとトランスジェンダーの真也。
恋愛し、いずれ結婚して家族をつくり、共に人生を歩んでいきたいという願いをもつフタリがその願いを叶えるには、ひとつひとつクリアしなくてはならない現実があった。
時にすれ違い、別々の道を歩むが再び出会ったフタリ。
愛を確かめあい、ある決断をする。それはもしかすると常識を越えているのかもしれない。
だが、安らぎに満ちたフタリには、確かに感じる未来があった…。
監督・脚本を務めたのは、飯塚花笑(かしょう)。自身もトランスジェンダーの彼は、ぴあフィルムフェスティバル PFF アワード 2011 において自伝的作品『僕らの未来』で審査員特別賞を受賞、国内外で高い評価を受けた。以降は、彼だからこそ描き出せる世界観で映画制作を続けている。
ユイを演じるのは、今年5月に公開した映画『茜色に焼かれる』(石井裕也監督)で強い印象を残した片山友希。
ユイは、トランスジェンダーの彼に対し様々な葛藤に揺れつつも、一緒に生き、支えていくことを選択する。
また、真也を演じるのは、『弱虫ペダル』『スパイの妻』など話題の映画やドラマに出演し、確かな演技力で人気上昇中の坂東龍汰。
真也は、子どもの頃から違和感に感じていた自身の性に対し、向き合い、自分らしく生きていこうとしている。
そして、フタリの理解者・俊平を演じるのは、松永拓野(『沈黙-サイレンス-』など)。ユイと真也が作りたいと願う家族に欠かせない存在となる。

STORY
出会った時から互いに惹かれあった、ユイとトランスジェンダーの真也。
恋愛し、いずれ結婚して家族をつくり、共に人生を歩んでいきたいという願いをもつフタリがその願いを叶えるには、ひとつひとつクリアしなくてはならない現実があった。
時にすれ違い、別々の道を歩むが再び出会ったフタリ。
愛を確かめあい、ある決断をする。それはもしかすると常識を越えているのかもしれない。だが、安らぎに満ちたフタリには、確かに感じる未来があった…。

片山友希 坂東龍汰
嶺豪一 持田加奈子 手島実優 田中美晴 大高洋子
関幸治 松永拓野 / クノ真季子

監督・脚本:飯塚花笑
製作:「フタリノセカイ」製作委員会
配給:アークエンタテインメント
特別協賛:セントラルサービス 企画・製作:ブレス
2021年/日本/カラー/5.1ch/1:1.66/DCP/83分 PG-12
©2021 フタリノセカイ製作委員会
公式サイト:futarinosekai.com
公式Twitter:@futari_world
ハッシュタグ:#フタリノセカイ

予告編

YouTube player

2022年1月14日(金)新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー

フタリノセカイ

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA