咲妃みゆ「避けて通ってきた道のド真ん中を突き進んでいる」古田新太×尾上右近 ミュージカル『衛生』公開ゲネプロ&囲み会見
2021年7月8日、TBS赤坂ACTシアターにて、ミュージカル『衛生』~リズム&バキューム~ 公開ゲネプロが行われた。上演前には、古田新太、尾上右近、咲妃みゆ、石田明(NON STYLE)、ともさかりえ、六角精児が報道陣による囲み会見に応じ、本作のきっかけや見どころなどを語った。
脚本・ 演出の福原充則と古田新太の発案から生まれた本作は、昭和30年代を舞台に登場人物が全員悪者、欲望のためには手段を選ばず、泥臭くも自らの人生を生き抜く人々の物語。
排泄物を肥料として扱う業者一家の悪行三昧を、ポップかつグロテスクに、それでもどこかあっけらかんと描いていく異色のミユージカル。音楽をいきものがかりの水野良樹、益田トッシュ、振付を振付稼業air:manが手がけ、主演には演劇界の鬼才・古田新太、歌舞伎俳優であり、唄い手として清元栄寿太夫を襲名した尾上右近、共演に元宝塚卜ップ娘役の咲妃みゆ、石田明 (NON STYLE) 、ともさかりえ、六角精児など個性溢れるキヤストで届けられる。
なお、劇場のTBS赤坂ACTシアターではステリルエアージャパン社の強力な紫外線殺菌装置を、日本の劇場では初導入。空調機の中を通る空気に高出力の紫外線を照射し、常に殺菌・ウイルス不活性化された安全な空気が客席に届けられる。新型コロナウィルスに対応とのこと。
ゲネプロ&囲み会見 レポート
■ゲネプロダイジェスト&囲み会見ノーカット動画
■囲み会見要約
-公演初日を明日に迎えての今の心境と、また、ミュージカル初出演の方はそれも合わせてお聞かせください。
古田新太(諸星良夫 役)
連日のリハーサルで疲れてます。明日はたぶんもうヘトヘトだと思います(笑)
-楽しみと不安とどちらが大きいですか?
古田新太
お客さんの前でやれるのは楽しみですね。どういう反応が返ってくるのか。それによってまた僕らのお芝居も変わっていくと思いますので。
こういうご時世ですけど、待ってる方もいらっしゃると思いますので、我々はやる気満々でやって行こうと思っております。
尾上右近(諸星大 役)
私はミュージカル経験はほとんどない中で、今回、こういった力強いミュージカルに呼んでいただきまして、本当に嬉しく思っております。
咲妃みゆ(花村麻子/諸星小子 役)
今までの舞台人生で経験したことのない出来事が日々巻き起こっていて、ようやくここまでたどり着いたという感じです(笑)
無事にお客様に届けられるように健康第一で頑張ってまいりたいと思っています。
石田明(NON STYLE)(代田禎吉 役)
僕は、ミュージカルということで、当初はガッツリお断りしたんです。でも、プロデューサーと演出家さんが、わざわざ「ルミネtheよしもと」まで来て下さいまして、「どうしても出てくれ。最悪歌わなくても、歌ってるふりをしてくれたら、歌の吹き替えをやるから」と。
それならやれるかなと思ってお受けしたら、結果、めちゃめちゃ歌わされてます(笑)
なので、詐欺に遭った気分です。(この座組は)詐欺集団やと思ってます(笑)
ともさかりえ(瀬田好恵 役)
私もミュージカルに出演するのは初めてなんですけど、(観るのは)個人的にミュージカルの大ファンで、この聖域だけは侵してはいけないとずっと心に決めていました。でも今回、それを破ってしまったということで反省気味なんです。
私もお引き受けしていいものかと悩んでる時に、演出家が力強く「大丈夫です」とおっしゃるので、何が大丈夫なんだか今だにさっぱりわかってないんでけど、何かあったら演出家のせいにしようと思いつつ(笑)
でも、本当に素晴らしいキャストの方に囲まれて、でも、本当に酷い人しか出てこないんですけど、でもどこか不思議で爽快感のある他にはないミュージカルに仕上がってると思います。こういう場でミュージカルデビューできるのはとても幸せなことだなと思っております。
六角精児(長沼ハゼ一 役)
ちょっと前までやってきたミュージカルとは、だいぶ違う感じになってます(笑)
(お客さんの)反応はすごく楽しみですね。
今年はなんかミュージカルに包まれて生きてるなって感じがして、なんか珍しい一年だなと思ってます。
特に、今回の芝居の反応は全く私もわかんないんで、これは楽しみですね。
-本ミュージカルを思いつかれたきっかけを教えてください。
古田新太
福原充則くん(脚本・演出)と話している中で、基本下ネタが好きなんだけど、いわゆる性癖モノはだいぶやったから、もう一つの下ネタやろうよって。それはやっぱり“うんこ”とかだろうなって(笑)
それはもうどうせだったら音楽劇っていうエクスキューズをつけずに、ミュージカルと名乗ってしまうみたいな。もともとミュージカルって下衆ものですから。昔からあるものでも、三文オペラとか、ベガーズ・オペラなど。ロッキー・ホラー・ショーとか、いわゆる下ネタが多いミュージカルはいっぱいあって、それでもはつらつとした気持ちでお客様に帰っていただくというのがミュージカルの良さだと思います。
そのために、TBSさんのお力も借りてですね、ギリギリの予算の中、このようなスターを集めまして、汚いミュージカルをやろうというのが発案です(笑)
-チケットを買おうかどうか悩んでるお客様にズバリ本ミュージカルの見どころを伝えるとしたら?
古田新太
ヒドイ(ミュージカル)です。たぶん、観ておいた方がいいと思います。もし、(コロナ禍のことを考えて)劇場に来るのをためらっていらっしゃるんだとしたら、その面の対策は僕らも必死でやってるんで、そん中で思いっきり汚いもの見せますので。
いわゆる、見てないと何も言えないぜってことですね。批判も喜んで受けますし、痛快でしたって言葉も期待しています。
-歌舞伎との違いについてはどう感じられてますか?
尾上右近
違いはたくさんありますが、共通点もあります。何よりも、人間力と言いますか、生きる力みたいなもの、それをどういう角度から描くかって言うと、歌舞伎も割とエログロ系は得意なんです。人間として強く生きてる姿を自分なりに演じたいなと思っている次第です。
-咲妃さん、先ほど、これまでの舞台人生で経験したことのないことが日々起こっているとのことでした、具体的に教えてください。
咲妃みゆ
これまで生きてきた中で、やや避けて通ってきた道のド真ん中を突き進んでいるという感じで。伝わりますでしょうか?(笑)
お稽古場の時点から、アワアワしちゃったりしたんですけど、それは私が、いわゆる“おシモ”な内容を表面的に捉えていただけであって、もっと深くその人間性を・・・・(古田さん)なんで笑ってるんですか?
古田新太
いやいや、“おシモ”ってさ(笑)
“お”を付けると余計にイヤラシイから(笑)
咲妃みゆ
その人間性を掘り下げていくミュージカルなのだっていうことが自分の中で腑に落ちた時に、なんか一気にやるぞっていう気持ちが湧いてきました。
今はやる気満々でございます。
-稽古されている中で戸惑ったことがあれば教えてください。
石田明(NON STYLE)
咲妃さんと同じシーンで、ダメ出しされたところがあって。でもそれについてうろ覚えな部分があったので、咲妃さんに「どの部分がダメなんでしたっけ?」って聞くんですよ。
そしたらそのダメ出しのきっかけのワードが大体下ネタなんです。だから、俺がなんかすごい陰険なセクハラしてるような、気まずい空気になりました(笑)
-最後に緊急事態宣言が発令された中での上演について、主演俳優としての受け止めをお聞かせください。
古田新太
ミュージカルってのは楽しいものだと僕は思っているんで、本当は終演後にみんなでご飯食べながら、お酒飲みながらベラベラ喋って、面白かったねとか、面白くなかったねとか、楽しいと思うんですけども、今回ばかりはそうもいかないんで、あの、先に飲んできてください。
酔っ払った感じで観てくれれば、観終わった後、何が行われていたか分からなくなると思うんで、それぐらいが楽しいと思います。
お客さんはマスクを外せませんけども、マスクの下でクスクスと笑ってほしいなと思っております。
だからお気楽に、皆さん、足を運んでご来場ください。こちらは(感染対策を)クリアするための努力と、楽しんでもらうための努力は、この一か月半、みんなでやってきましたので。是非、「バカだな、こいつら」とでも思って帰っていただければ幸いです。
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/動画・記事:桜小路順]
ミュージカル『衛生』~リズム&バキューム~
[脚本・演出] 福原充則
[音楽]水野良樹 (いきものがかり)/益田トッシュ
[出演]古田新太、尾上右近、咲妃みゆ、石田 明(NON STYLE) 、村上 航、佐藤真弓、ともさかりえ、六角精児
【東京公演】 2021年7月9日(金)~25日(日)TBS赤坂ACTシアター
【大阪公演】 2021年7月30日(金)~8月1日(日)オリックス劇場
【福岡公演】 2021年8月9日(月)~11日(水)久留米シティプラザ
公式サイト:https://musical-eisei.com/
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