松山ケンイチ「文乃ちゃんと2人、裸でいた気がする」映画『BLUE/ブルー』公開記念舞台挨拶
2021年4月10日、新宿バルト9にて映画『BLUE/ブルー』の公開記念舞台挨拶が行われ、松山ケンイチ、木村文乃、東出昌大、柄本時生、𠮷田恵輔監督が登壇。無事に公開を迎えたことを喜びを語った。(動画&フォトギャラリー)
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画
舞台挨拶全編は動画でどうぞ!
■思い出の新宿バルト9
-ついに全国公開を迎えました。改めて撮影など振り返ってみて、どんなお気持でしょうか?
松山ケンイチ(瓜田信人 役)
無事この日を迎えられてホッとした気持ちもありますし、さっき文乃ちゃんがお客さんに「どうでした?」って聞いた問に皆さんが拍手してくれたので幸せな気持ちになっています。
木村文乃(天野千佳 役)
これだけたくさんの方に見ていただいて、しかも上映後の舞台挨拶ということで、初めて見ていただいた方々に暴露話ができるという楽しさに今打ちひしがれています(笑)
東出昌大(小川一樹 役)
この舞台上に立ってどんな考えを抱くかと思ったんですけど、約10年ぐらい前に、初めての出演させていただいた映画『桐島、部活やめるってよ』で舞台挨拶したのがこの新宿バルト9だったんです。
それから約10年経って、またここで、満員のお客さんを前にこの日を迎えられて非常に感慨深いものと、ありがたいという思い、そしてやっとお届けできたっていう安心と様々な思いがあります。
柄本時生(楢崎剛 役)
頑張って良かったなと。頑張ってお仕事できて、こうしてお客さんに見ていただいて本当にありがたいことだな思っております。
𠮷田恵輔監督
僕は中学の時から30年くらいボクシングをやっていて、この10年もこの映画のために過ごしてきました。
もうそろそろ(ボクシングから)足を洗って、女の子とできるテニスとか、そっちの方向を頑張って、来年くらいにはキャピキャピした女の子のテニス映画みたいなヌルい作品でも撮ろうかなと思っています(笑)
-逆にこの映画でボクシングをやってみたいという女の子が増えるかもしれませんね。
𠮷田恵輔監督
そうなってくれたら嬉しいですよね。
■毎日鏡の前で20分!?
-松山さん、東出さん、柄本さん、ボクシングシーンにかける思いというのは大きかったのではないですか?
松山ケンイチ
東出くんも柄本くんもすごいできてしまう人だから、足を引っ張らないようにとは思ってましたね。
試合のシーンの撮影も大変でみんな気合も入ってましたね。
ところで聞くところによると、東出くん、毎日鏡の前で20秒くらい自分の身体を見てたとか?
東出昌大
違う、違う、違う!
それ、監督がインタビューで勝手におっしゃってたことですよね?(笑)
𠮷田恵輔監督
俺は、20分って言ったんだよ。
東出昌大
20分ってもっと長い(笑)
𠮷田恵輔監督
勝手なイメージですけどね(笑)
東出昌大
僕も役作りで、ジムに行った時に、ジムの片隅でシャドウしてらっしゃる方がいて、プロボクサーの方が来てるんだと思ったら、実は松山さんで。完全にジムの住人になっているんだと思って驚きました。
-木村さんはボクシングシーンをご覧になっていかがでしたか?
木村文乃
私は蚊帳の外で、ジムでの撮影の時も仲間にはあまり入れなかったんです。
ある日、皆さんでとても楽しそうにお話をされていて、何を話してるんだろうって耳を澄ませたら、「あいつのステップがいいよね」とか、「どうやって減量してる?」とか、「パンテージってどの種類がいい?」とかって、すっごい楽しそうに話しされていて。この人たち、役者じゃないのかもしれないって思ってました(笑)
■2人だけの世界になれた
-今、バンテージの話が出ましたが、劇中、瓜田(松山ケンイチ)が千佳(木村文乃)に、バンテージを巻くシーンがあります。切なくなるような恋心が見え隠れするこのシーンが非常に印象的でしたが、この時の撮影はどういうことを意識されてましたか?
松山ケンイチ
普通、撮影ではどうしてもカメラを意識してしまうんですが、あの瞬間だけは(文乃ちゃんと)2人だけの世界になれたなって。ぜんぜんヤラシイという意味じゃなくて、2人とも裸でいた気がするんですよ。
着ていたものを脱いで、邪魔なものがぜんぶ無くなっていった瞬間でもあって、僕はそれはすごく喜びを感じました。
■お気に入りのシーン
東出昌大
僕が出てるシーンでは、楢崎(柄本時生)と河川敷でバッティングするんですけど、ここは台本上はセリフが無くて、「あれ?」「うるせいよ」と言ってるところは現場で出てきたセリフです。お互いがわかり合っている感じが出ていて好きなシーンです。
𠮷田恵輔監督
そのシーンで、霧の中を走っているカットがあります。あれは偶然の霧で、そのまま撮影することにしたものです。
東出昌大
その川沿いに住んでいるおばあさんが通りがかって、「60年住んでるけどこんな霧は見たことがない」っておっしゃってたんですよね。
-柄本さんはその時の撮影を振り返ってどうですか?
柄本時生
えっと・・・霧、あったかな?
木村文乃
次の上映回、お客さんと一緒に見てから帰った方がいいんじゃない?
柄本時生
そうですね、その方がいいかもしれない(笑)
-木村さんのお気に入りのシーンは?
木村文乃
小川(東出昌大)に病気が見つかってしまって、「もうやめなよ」って話をした後に帰ってきたら、部屋でシャドーボクシングしてる影が写っているところを見るというシーンがあるんです。
この作品のインタビューでもこの状況について、自分だったらどうするかということをよく聞かれたんですが、「止めないと死んじゃうよ。」って言って髪の毛を引っ張ってでも止めさせないといけないって頭ではわかってるんだけど、そういう瞬間を見てしまうと、「だから私がそばで支えてあげないといけないんだ」って本当に思う瞬間だなって感じました。
でもまだ止めるのがいいのか支えるのがいいのか答えが出ていなくて。男の人ってふとした瞬間にそういう仕草や姿を見せるのが、本当にズルイって思うシーンでしたね。
-監督は女心がわかってらっしゃるんですね。
𠮷田恵輔監督
そうですね。僕の中にいる“少女”が書いた部分です。
木村文乃
(笑)
松山ケンイチ
クランクインした最初のシーンが、一人で弁当を食べているところ。小さなシーンなんですけども、「違う、違う」って弁当食べながら瓜田が言っているシーン。ここも台本にはセリフが無かったんです。
僕自身、一人でいる時に何かいろいろと思い出すと、勝手に「馬鹿野郎」って言ってたりするんですよ。
本当に一人になった時に出てくる言葉ってありますかねって監督と話しして、そしたら監督が「俺は、“違う違う”って言う。」と。
一番最初に撮ったシーンですけど、映画が出来上がったらどうなるんだろうと楽しみにしていたシーンです。
-ラストのシャドウボクシングのシーンも素晴らしかったですが振り返っていかがですか?
松山ケンイチ
監督からは最初、「シャドウが一番難しいからね」って言われてたんです。
なのでずっとシャドウは気をつけてやってましたし、長くボクシングを続けられている監督の目に耐えられるようになんとかしなきゃいけないって、たぶん東出くんも時生くんも、ボクシングやってる俳優はみんな監督に追いつかなきゃと必死な気持ちでやっていたと思います。
ドキドキしてましたし、単純に怖かったです。
-監督はいかがでしょう?
𠮷田恵輔監督
この映画はクランクイン前から後楽園ホールでの試合のためだけぐらいの勢いで準備をしてきたので、後楽園ホールのシーンは大満足なんです。
で、その翌日、スーパーマーケットのシーンの撮影があったんですけど、みんな燃え尽きすぎてエキストラを呼ぶのを忘れたっていうので、店の中に客がまったくいないという事件が発生したんです(笑)
そしたら、貸切なんですけど、営業していると勘違いして入ってきたおばちゃんたちがいて、「すみません、営業はしてないんです。でも(映画に)出ませんか?」って声をかけて、エキストラしてもらってなんとか乗り切るということがありました。
■もうひとりのキャスト
東出昌大
今日、洞口正司役の守谷周徒くんが客席に来ているんです。感染症対策の観点から登壇はできないんですけど、監督、さっきおっしゃってたことをお願いします。
𠮷田恵輔監督
この作品を見た知り合いのプロデューサーからメールが来て、「あの子、絶対に新人賞でしょ」って守谷くんのことを言ってたよ。
その人にはなんの権限も無いんだけど(笑)、良かったよね!
(※守谷周徒さんは、𠮷田監督のワークショップに5年前から参加しており、当時からボクシング映画構想があった𠮷田監督からの薦めでずっとボクシングを練習してきたという経緯のある俳優さんです)
■最後にメッセージ
松山ケンイチ
自分もそうなんですけども、映画は自分の背中を押してくれる存在だったり、自分に何かを教えてくれる存在だったり、勇気を与えてくれたりするものだと思っています。
映画を見て、自分も救われてきましたし、救われる事ってあると思います。
今はなかなか自由に生活できないような状況が続いてますけども、その中でもこのエンタテイメントの力っていうのは何も変わっていませんので、こうやって映画の力を皆さんと共有していけたら、この先もずっと共有していけたらいいなって思っています。
𠮷田恵輔監督
たくさんの方にこの映画見て頂きたいんですけども、映画はもちろん、ボクシング自体も好きになってもらえたら嬉しいなと思っています。
テレビだとスーパースターが試合をしているのを見ることはあるかもしれませんが、後楽園ホールとかに行くと、瓜田のモデルになったような、4回戦とか、デビューしたばかりのボクサーなど、このドラマを背負ってる人たちが戦ってる姿が見れるので、一度後楽園ホールに足を運んでみてはいかがでしょうか。なんかボクシング協会の人みたいなことを言ってますが(笑)
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/動画・記事:桜小路順]
映画『BLUE/ブルー』
ストーリー
時に人生は残酷だ。
どれだけ努力しても、どれだけ才能があっても、約束された成功なんてない。
誰よりもボクシングを愛する瓜田は、どれだけ努力しても負け続き。一方、ライバルで後輩の小川は抜群の才能とセンスで日本チャンピオン目前、瓜田の幼馴染の千佳とも結婚を控えていた。千佳は瓜田にとって初恋の人であり、この世界へ導いてくれた人。強さも、恋も、瓜田が欲しい物は全部小川に奪われた。それでも瓜田はひたむきに努力し夢へ挑戦し続ける。しかし、ある出来事をきっかけに、瓜田は抱え続けてきた想いを二人の前で吐き出し、彼らの関係が変わり始めるー。
出演:松山ケンイチ 木村文乃 柄本時生 / 東出昌大
監督・脚本・殺陣指導:𠮷田恵輔
主題歌:竹原ピストル「きーぷ、うぉーきんぐ!!」(ビクターエンタテインメント)
製作:『BLUE/ブルー』製作委員会(東映ビデオ 日活 ファントム・フィルム AMGエンタテインメント レイラインピクチャーズ)
製作幹事:東映ビデオ 制作プロダクション:ステアウェイ
配給・宣伝:ファントム・フィルム
2021年/カラー/ビスタ/5.1ch/107分
(C)2021『BLUE/ブルー』製作委員会
公式サイト:phantom-film.com/blue
公式Twitter:@bluemovie_21 #挑戦者たちの青春
本予告
全国公開中
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