豊川悦司×松本幸四郎タッグで新しい時代劇映画を。『鬼平犯科帳』『仕掛人・藤枝梅安』映画化決定製作発表
3月12日、都内にて、池波正太郎原作『鬼平犯科帳』『仕掛人・藤枝梅安』映画化決定製作発表記者会見が行われ、藤枝梅安役を豊川悦司、鬼平こと長谷川平蔵を松本幸四郎が演じることが発表された。
松本幸四郎は、祖父(初代・長谷川平蔵 松本白鸚)、叔父(四代目・長谷川平蔵 中村吉右衛門)に次ぐ平蔵役となる。
両作の製作メインパートナーズは、時代劇専門チャンネル(日本映画放送株式会社)、ひかりTV(株式会社NTTぷらら)、スカパー!JSAT株式会社。このプロジェクトの立ち上げの意義について、日本映画放送株式会社社長であり、映画『鬼平犯科帳』で監督を務める杉田成道は次のように語った。
日本映画放送株式会社 代表取締役社長/『鬼平犯科帳』監督 杉田成道
今日本は、50代以上の方が、人口で言いますと半分を超えようとしています。
ところが残念なことに、今地上波テレビでは、熟年世代向けのドラマが大変手薄になっていて、10代から40代後半に向けたドラマが80%以上を占めています。
時代劇とは日本の文化で、独特の倫理や価値観、美意識があり、機微のある物語を創ることのできる大きなジャンルでもあります。
数ある時代劇の中でも池波正太郎先生のドラマは根強いファンを持っておりまして、特に梅安と鬼平という世代を超えて愛されてきたキラーコンテンツです。それを今回、バトンを受け継いで、そして素晴らしい俳優のお二人を迎えての新作製作となります。
■花道から、豊川悦司、松本幸四郎登場!
この日の会見は、それぞれの主役を演じる豊川悦司、松本幸四郎が登壇。衣裳は、衣裳デザイナー・黒澤和子が本日のためだけにデザインしたもので、松本幸四郎は、長谷川平蔵をイメージしたホワイト系のペールトーンの着物。豊川悦司は、梅安のダークヒーローをイメージした黒のスーツ。二人は対象的な色合いとなっていた。
■ファンの皆様へひとこと
松本幸四郎
五代目長谷川平蔵・松本幸四郎です。今、私はすこぶる興奮しております。人が人らしく生き抜いたドラマ、池波先生が江戸の世話物を書きたいという思いからできた「鬼平犯科帳」。それを江戸、時代劇という職人芸でお見せします。どうぞご期待ください。
豊川悦司
今回、藤枝梅安というとてもとても大きなキャラクターを池波正太郎先生からお借りすることになりました。身が引き締まるどころか、身が縮こまる思いではありますが、撮影はこれからとなります。素晴らしい映画を皆さんにお届けできるよう、誠心誠意頑張る所存です。どうぞよろしくお願いします。
■演じるにあたっての思いと、最初にこの話を聞いた時の気持ち
松本幸四郎
池波先生の傑作でありますし、また、祖父(初代・長谷川平蔵 松本白鸚)、叔父(四代目・長谷川平蔵 中村吉右衛門)と、とても近い存在が演じておりました作品でもありましたので、このお話をいただいた時に、喜び以上に驚きがありました。やりたい!という思いしかなかったですし、根拠のない自信が即答させたという感じです。
豊川悦司
僕も驚きました。「えっ?俺が梅安?それはどうしてだろう?」と、自分の中でギャップがありましたし、子どもの頃緒形拳さんが演じられる必殺仕掛人を見て、怖いけどかっこいいっていう夢中になった時期がありまして、僕の中でも憧れのヒーローでもありました。
それをまさか自分がやることになるという驚きがあり、正直すごく迷う部分もありました。でも、大森寿美男さんが書かれた素晴らしいシナリオを読み、じゃ、誰が監督をするんだ?っていう時に、河毛俊作さんの名前が出て、「これはやるしかない」と腹を括りました。チャレンジしがいのある仕事を映画の神様がくれたんだなって思いました。
-豊川さんに伺います。梅安というキャラクターのどんなところに魅力を感じられていますか?
豊川悦司
人は誰しもいくつもの顔を持っていると思うんです。例えば僕でしたら、俳優という顔、夫という顔、父親という顔、少なくとも3つ持っている。
梅安もそういう一人で、梅安が持っている2つの顔、善と悪という括り方もそうでしょうけど、人を助ける・人を殺めるという両極端の彼の行為に説得力がある。というところが、梅安というキャラクターの面白いところだと思うんです。やっていることは確かに良くないことなのかもしれないけど、やっぱり彼の中でそれは必要なバランスである。たとえば僕らがたまにはお父さんの顔を休みたいなとか、たまにはサラリーマンの顔を休みたいなっていうそういう瞬間はきっとあると思うんです。そういう意味で梅安という人が持っている表裏一体的なものは意外と共感を持って魅力的に映っていくんじゃないかなと思います。
演じる時にそこにたどり着くことができれば、池波正太郎先生が考えた藤枝梅安という男に近づけるんじゃないかなと思っています。
■最後にメッセージ
松本幸四郎
「鬼平犯科帳」、善悪ははっきりしていると思います。ただ、ここに描かれているのは善人でも悪人でもある人々の人間ドラマだと思います。人が人と接しないと情報も何も得ることができない時代。人と人が強く繋がっていることによっていろんなドラマが生まれる作品だと思いますので、人らしさ、優しさ、温かさを感じていただき、その先にある決断力と繊細な情を持った長谷川平蔵がいるという作品を目ざして努めてまいりたいと思っております。
豊川悦司
僕自身がかつてそうであったように、今、2020年代の子どもたちが見て、怖いけどかっこいいなぁって言ってくれるようなヒーロー像を作りたいと思っております。伝統を踏まえながらもやはりこの時代に創る新しい梅安というものを河毛監督と共に創り上げていきたいと思っています。
■製作・公開スケジュール
2作品を企画した宮川プロデューサーによると、製作・公開スケジュールは次のとおり。
また、このタイミングでの製作発表は、幅広くスポンサーや上映映画館などの協賛を得ていきたいからだという。
■フォトギャラリー
[写真・記事:Jun Sakurakoji]
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。