miwa、観客の前での生歌披露で思わず感激の涙。劇場アニメ『神在月のこども』スタートアップイベント
10月31日、第33回東京国際映画祭オープニングイベントとして、劇場オリジナルアニメ『神在月のこども』のスタートアップイベントが日比谷会場にて行われ、主題歌のmiwa、この日キャストとして発表された、神谷明、新津ちせ、原作者・四戸俊成が登壇。作品に込めた思いを語ったほか、miwaは主題歌の世界初披露をライブで届けた。
本作は、この島国の魅力を世界に届けるアニメ制作に国民的&国際的な作品群を生み出してきた制作陣が集結。“島国の根”と書く神話の地「島根・出雲」を目指して駆ける少女の成長を描く劇場オリジナルアニメーション。
日本各地では“神無月(かんなづき)”と呼ぶ10月を、出雲では“神在月(かみありづき)”と呼ぶ由縁。全国の神々が出雲に集い、翌年の縁を結ぶ会議を行うという云われを題材に人々と神々、各地と出雲、そして、この島国の根にある“ご縁”という価値観をアニメーションに描く本作。蒔田彩珠、坂本真綾、入野自由などの豪華キャストが声優として参加している。
スタートアップイベントレポート
四戸俊成(しのへとしなり/原作者・コミュニケーション監督)
この作品は、出雲が舞台だと言ってますが、実は東京から走り出して、出雲に目指す少女の物語です。
今日、「スタートアップイベント」としたのは、この作品の出発地点の東京からという意味があります。
■スペシャルゲスト miwa
miwa(主題歌アーティスト)
今日は主題歌初披露ということになります。
-今日は全世界初披露ですもんね。
miwa
そうなんです。私自身もドキドキしています。
こうして映画の主題歌をこんなに早いタイミングでお客さんの前で披露するのは、デビュー10周年にして初めてのことです。
つい先日レコーディングしたばかりのほやほやの楽曲をお届けするということで、ワクワクとドキドキが入り混じっています。
作っていた期間は長いんですけど。
-miwaさんが主題歌を担当されるきっかけは?
四戸俊成
昨年7月にパリでのジャパンエキスポでお会いしたのがきっかけです。そこでmiwaさんのステージを拝見して胸を撃ち抜かれて、miwaさんだったら主人公・カンナの言葉を代弁してくれる歌を歌っていただけるんじゃないかと、その場でお願いしました。
miwa
まだその時は作品のプロットくらいだったので、正直よくわからなかったんです。パリとの時差もあって頭が回ってないのもあって(笑)
後日改めて台本をいただいて、曲を作らせていただくことになりました。
その時は、こうして東京国際映画祭の舞台に四戸さんと一緒に立っているのは想像だにしてなかったですね。
四戸俊成
それから1年近くかけて、作品に向き合っていただき主題歌を作ってくださいました。
-miwaさんは台本を初めて読んだ時はどういう感想を持ちましたか?
miwa
一人の少女が迷いながら自分の本当の気持ちを見失っても、もう一度立ち上がって、自分の道を進んでいく力強さに胸を打たれました。
何回転んでも、どんなに辛くても未来を見ることができるっていう、自分のことを信じる。そういう気持ちって小さい頃は誰もが持っていたはずなのに、大人になるにつれて、失敗をたくさん重ねていくうちにしぼんでいったりします。そういう心が奮い立たされる勇気をもらえる物語だなと思いました。
-普通は作品がある程度完成してから主題歌をお願いするというイメージがありますが、本作では、アニメ製作と主題歌製作が同時だと伺いました。
miwa
出会いの段階では、これから(作品を)作っていくという頃だったので、そういう出会いってなかなか無いですね。
-コロナ禍があって、こうしてお客さんの前でライブされるお気持ちは?
miwa
きっと久しぶりにステージというものを見るという方もいらっしゃると思いますので、せっかくなので生の歌というものをしっかりと届けられたらといいな思います。
四戸俊成
神在月である10月の最後の日にこうしてmiwaさんの主題歌を初披露できて嬉しいです。
■主題歌「神無 -KANNA-」ライブ歌唱
歌い終わり、感極まって涙ぐみながらmiwaは次のようにコメント。
miwa
私自身ドキドキしたんですけど、こんなに暖かい拍手をいただいたのが久しぶりですごく嬉しいです。ありがとうございます。
この主題歌を書くにあたって、この1年、主人公カンナの気持ちに寄り添えるようにと思いを込めました。アニメーションに携わっているすべての人に納得してもらうようなカンナの気持ちを代弁する主題歌にしたいなと考えました。
カンナが一番苦しくて立ち上がらないと行けない時に、この曲がカンナに寄り添えたらという思いを込めて書きました。
■追加キャスト発表
神谷明(大黒主 役)
この作品に携わっていることを今までどれほど言いたかったか。今日は堂々と言えます!
-新津さん、手に持っているものは?
新津ちせ(葉山カンナ<幼少期>役)
シロちゃん(神使の兎)です。かわいい!
神谷明
舞台袖でmiwaさんの歌を聞いていました。サビの力強い声、この寒空に響きわたってました。
カンナの気持ちを代弁するかのような歌詞で、カンナにピッタリの曲だなと思いました。
新津ちせ
ほんとに感動して、言葉がでないくらいすごくて、miwaさんの力強い歌声がカンナの思いと深く繋がっている感じがして、新しい一歩を踏み出せる勇気をもらえるような気持ちになりました。ほんとにありがとうございました!
miwa
カンナにそう言ってもらえて嬉しいですね!
ちせちゃん、ありがとう!
-この作品は演じる皆さんにも特徴がありまして、神様の声は声優さん、人間の声は俳優さんが演じられています。新しいコンセプトですよね。
神谷明
私の役は神様の中の神様という役なので、あふれる愛を伝えようと思って演じました。
新津ちせ
私の役は、蒔田彩珠さん演じるカンナの幼少期です。ほんとに走ることが大好きな、飛ぶように走る少女です。セリフはあんまりなくて、 走っている時の息の演技を頑張りました。
四戸俊成
ちせちゃんはほんとに天才的で、音響監督の岩波さんが「ほんとに天才っているんだね」って言ってました。
神谷明
僕たちが走る演技をするとどうしても技術的なところに頼ってしまうんです。そうしないと、目の前に小さな星が飛んで、気を失いかけてしまうので。
彼女はそんなことはやってなくて、技術よりもなによりもカンナという役になりきってやってます。
■蒔田彩珠ビデオメッセージ
蒔田彩珠(葉山カンナ 役)
『神在月のこども』は主人公カンナが東京から出雲へ走っていく中で、自分と向き合い成長していくお話です。
日本という島国の成り立ちなど私たちのルーツもたどれる旅になっています。
そんなカンナの旅を皆さんと一緒に体験出来たらうれしいです。
公開は来年を予定しています。皆様ぜひとも楽しみにしていてください。
-蒔田彩珠さんの印象は?
神谷明
アフレコの時にお会いしたんですけど、今聞いていただいたように、声そのものにキャラクターを感じさせる魅力があります。
そういう意味では適役だなと思いました。
技術ではなくて、思いをしっかり演じられる方にと思っていたら、蒔田さんの声がまさにカンナそのものですね。
新津ちせ
私もアフレコの時に初めてお会いしたんですけど、優しく声をかけてくださって、なんて優しい方だなって嬉しかったのを覚えています。
miwa
声が入った映像を見るとより一層私も良い曲をと思って、そこからスピードアップしました。イメージもすごく膨らみました。
さっきもちせちゃんが言ってたように、走るシーンが多く、息遣いで表現されていることが多いので、私の音楽がセリフの代わりにもなれるようにという思いもあって、その息遣いを感じながら曲を作りました。
■最後のメッセージ
四戸俊成
この作品を企画した時から言っていることですが、2021年の東京五輪、2025年の大阪万博と、日本という島国を全世界方々、そして国内の方々がもっと知りたいと思っていただけるタイミングが来るので、そこで、島国の根っこと書く“島根”にある出雲、そして“ご縁”という文化をアニメーションで翻訳してお届けしたいという思いでやっております。
その“ご縁”で集まっていただいた、miwaさんや神谷明さん、そして今の描いている真っ最中の製作陣の熱い思いが込められた作品となっています。
新津ちせ
この作品はカンナが一生懸命走るところに注目してほしいです。
カンナは走ることが大好きな女の子なんですけど、あることがきっかけで走ることができなくなってしまって。でもそこからもう一度走り始める。そういうカンナの姿を見ると感じるものがあると思います。是非楽しみにしていてください。
神谷明
僕自身がこの作品に関わって、やはり作品も走り始めて、カンナはただ走るだけではありません。
そこにさまざまなドラマが繰り広げられます。
“神在月”は出雲だけのことで、我々は神無月と言っています。そのようなこととも『神在月のこども』というタイトルに秘められた思いが込められています。ぜひ作品を心から楽しんでいただければ嬉しいと思います。
miwa
現在もアニメーション製作真っ只中。私も音楽を完成に向けてまさに最終仕上げの段階です。
映画と音楽というものが一緒に走っている作品はなかなかないということで、主題歌の完成の瞬間も四戸さんと一緒にスタジをで迎えました。そんな機会は、10年、アーティスト活動をやっていて初めてのことでした。製作みんなの熱い思いがギュッとつまっている作品です。アニメーションと音楽の融合もひとつ見どころになっています。皆さんのセリフと一緒に音楽も楽しんでいただける作品にしたいなと思っています。楽しみにしていてください。
[写真:Ichigen Kaneda/記事:Jun Sakurakoji]
劇場オリジナルアニメ『神在月のこども』
ストーリー
母を亡くし、大好きだった“走ること”と向き合えなくなった少女カンナ。そんな彼女のもとに一羽の兎(シロ)と一人の少年(夜叉)が現れ、出雲への旅にいざなう。廻りはじめる歯車。人々と神々の境界をまたぎ、駆ける少女の旅がはじまる。
出演:蒔田彩珠、坂本真綾、入野自由、神谷明、新津ちせ
原作・コミュニケーション監督:四戸俊成/アニメーション監督:白井孝奈
企画:クリティカ・ユニバーサル/製作:「神在月のこども」製作御縁会/制作:ライデンフィルム/音楽:ソニー・ミュージックレーベルズ
宣伝:パジー・エンタテインメント/配給:イオンエンターテイメント/©2021 映画「神在月のこども」製作御縁会
2021年公開
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