前田亜美

【インタビュー】前田亜美「私の25年の人生を“ストーリー”として表現したかった。」 『前田亜美1stフォトブック AMI』に込めた思い。

AKB48の元メンバー、現在は女優・タレントとして活動している前田亜美が『前田亜美1stフォトブック AMI』を2020年10月7日(水)に発売します。“写真集”ではなく敢えて“フォトブック”という言葉にしたのは、彼女の25年の人生を“ストーリー”として表現したかったから。そしてそれは、ファンはもちろん、自身の人生に関わってきた人への恩返しでもあるという、そんな前田亜美の思いについてお話しを伺いました。インタビュー時の撮り下ろしカットと共にお届けします!

前田亜美インタビュー

前田亜美

前田亜美

■人生のここぞ!という時に運が良いんです。

-「前田亜美1stフォトブック AMI」を出すことになったきっかけについて教えて下さい。

前田亜美
AKB48にいる時、先輩のあっちゃん(前田敦子)や、周りの子が写真集を出している中、私は出せてなくて。なので、ファンの方から「あーみんはいつ出すんだ?」「僕は写真集がほしいです」と握手会などで言っていただくことが多かったんです。私の中でも人生の大きな節目、20歳、25歳などをきっかけに写真集を出したいという夢がありました。でも出したいって言ってできるものではありません。
そうしたら、今年ちょうど25歳のタイミングに、KADOKAWAさんから写真集を出しませんか?っていうお話をいただいたので、まさしく私が思い描いていた、25歳になったら出したいって思っていた夢が叶いそう!ってとても嬉しかったです。
たぶん、私はすごい運が良いんですよ。このお話しも運で惹きつけたのかなって思いました。

-運が良いっておっしゃいましたけど、たとえばどんなことにそれを感じましたか?

前田亜美
くじ引きとかおみくじはそんなになんですけど、そういうところで運を使わない部分、(AKB48時代の選抜)じゃんけん大会とか、自分の人生を賭けた大事な時です。
芸能界に入るきっかけもスカウトですし、日々生きていて、人生に関わることのようなここぞという時は、運でここまできたのかなと思うくらいです。

前田亜美

■写真集ではなく“フォトブック”

-今回の写真集のタイトルに「フォトブック」という言葉が含まれています。前田さんの中では、写真集とフォトブックとは明確に違うものだと伺いましたが、具体的に教えて下さい。

前田亜美
ストーリーを大事にしたいという意味を込めて“フォトブック”と言っています。
私の中で、“写真集”のイメージは写真だけで構成されているというものでした。
今回の“フォトブック”は、私が25年間生きてきた軌跡を表現したかったので、写真だけじゃなくて、エッセイにもこだわっています。単に写真がいっぱい並んでいるだけというのではなく、ストーリー性も大事にしたかったからです。女性目線だとストーリー性も大事にするので。
エッセイには、これまでファンの方にもお話ししていないことや、私の25年間の人生を振り返ってみて、考えが変わったきっかけについての話などを書いています。
そういったひとつひとつのエッセイが写真と一緒になって、ストーリーを持ったひとつの作品として繋がり、映像としても見えるようにこだわりました。また、女性の方も手に取りやすい本という点も考えました。
そういった意味で“フォトブック”と言っています。

前田亜美

■主人公“前田亜美”が登場するストーリー

-そういう前田さんの思いを込めた“フォトブック”のコンセプトはどのように決めましたか?

前田亜美
この“フォトブック”のコンセプトは全部私が考えました。お話をいただいた時に、編集担当の方から、「前田さんの好きなようにやっていいですよ」とも言っていただいたので。ただ、私はこれまでやったことがなかったので、どうしたらいいんだろうって不安もあったんですが、同時になんでもできるじゃん!とも思いました。
それで考えたのが、今年25歳を迎えるし、今までの人生だったり、ファンの人にはあんまり言ったことがなかったプライベートのお話しをエッセイに書いてみようということ。
私は10代含めて青春時代はAKB48に注いできましたが、その当時の私は“AKB48の前田亜美”。でも今は卒業して、“一人の前田亜美”として生きているので、もうちょっと自分自身を知ってほしいなと思い、テーマを5つに分けました。幼い頃から、AKB48を経て、大人になるにつれて感じていたことを、テーマに沿ってエピソードを書きました。それらを1つに繋げて、最後、今の私に繋がったよって、1つのストーリーにしたということです。
写真も1枚1枚こだわって、全部自分で選んで、前後のバランスだったりとか、向きだったりとかこだわっています。
“フォトブック”全体を通して、写真が見どころなのはもちろん、そういったストーリーを、小説を読んでいるようなものができたらいいなっていうのが私の中にありました。

-“前田亜美”という主人公が登場する物語を詰め込んだ“小説”ということですね。

前田亜美
そうです!

前田亜美

■“花”もストーリーを語る大事な要素

-そういうストーリーを彩る形で、各テーマごとに、“花”も添えられています。この意図について教えて下さい。

前田亜美
純粋に花を見るとハッピーになって好きだからというのがあります。ファンの方にいただく機会とか、お祝い、撮影後、嬉しい時にもらう時は特にそうです。そして、よく「上を向いて歩こう」と言ったりしますが、私の中では「上を向いて歩くのも大事だけど、下を向いて、頑張っている花に目を向けることも大事。」ということを、子どもの頃から感じていて、生き物である花に特別な思いがずっとありました。
そのような理由から、コンセプトのひとつとして「お花をメインにしたいです」って提案したんです。
今回のフォトブックは、前田亜美だけで埋めるのもありだなって思ったんですけど、私自身、私を見てっていう感じではないので、ファンの人は知ってるんですけど(笑)
なので、お花はほぼ全部のテーマに登場しますし、それぞれ種類も色もぜんぜん違っています。それはテーマに沿って花言葉を踏まえてのことで、衣裳もそれに合わせる形ですし、花もメインに見てほしいなって思っています。

-“花”もストーリー性を表現する大きな要素のひとつということですね。

前田亜美
そうです。テーマに合わせて花言葉にこだわって花を選んでいるので、(読者の皆さんには)その点も調べてほしいなって思いつつ(笑)
たとえば、赤い薔薇は“真実の愛”“情熱”という花言葉があるんですけど、黄色い薔薇だとなんだろうとか。
そして、私の誕生月の6月のお花のカスミソウ。カスミソウって小さい花なんですが、ひとつひとつ個性もあるし、私が青春時代を過ごしたAKB48みたいだなって思って、そういうのも含めて好きな花です。

前田亜美1stフォトブック AMI

「前田亜美1stフォトブック AMI」(C)KADOKAWA PHOTO/MAKINO SHOTA

-フォトブックの中でお気に入りのカットを教えて下さい。

前田亜美
“孤独”というテーマのページがあるんですが、ドライフラワーを使ったカットが私のお気に入りです。ドライフラワーはちょっと冷たいイメージもありますが、でも、ドライフラワーだからこその色、味があるんです。
“孤独”のテーマではあまり笑顔が無いんですけど、それは内面的な強さを出したくて、孤独を感じている時の自分の表情を考えて撮影に臨みました。
メイクは、基本メイクさんにお任せしているんですが、この時は「赤いリップをしたい」とお願いしました。それは、周りには強く見せているけれど、内面的には孤独を感じているよ、という物語性を出したいと思ったからです。

前田亜美1stフォトブック AMI

「前田亜美1stフォトブック AMI」(C)KADOKAWA PHOTO/MAKINO SHOTA

■とても大きいお母さんの存在。

-それぞれの花の種類はどのように決められましたか?

前田亜美
私がまずテーマを決めて、そのテーマに合う花を、花のスタイリストさんに相談しながら決めていきました。
赤いカーネーションを使ったページは、お母さんへという意味で「家族」をテーマにしています。写真もカーネーションがメインになっていますが、これはお母さんをメインにしたいと思ったからです。そして、お母さんとふざけているとか、お母さんを抱きしめるとか、そういう気持ちで撮影しました。

-前田さんの中でお母様とはどういう存在ですか?

前田亜美
エッセイの中にも書いているんですけど、私は母子家庭で育っているので、お母さんの存在がすごく大きいんです。
23歳の時に私を産んでくれたお母さんには、これまでたくさん支えられてきたし、その分一番迷惑もかけてきました。AKB48にいる時は忙しくてお母さんにあたってしまったことも。でも、今、25歳を迎えて、改めてお母さんの存在が大きいなってことに気づいて。
これまでも、たとえば誕生日の時に、お花を添えてお母さんに手紙を書いたことはあるんですけど、母一人で育ててくれたことについて、どうしても子ども目線として触れちゃいけないかなと思ったことは封印してたんです。でも今回は敢えてそこの部分も含めて、今の私の気持ちをエッセイに書いています。

前田亜美

-そういう意味では、今回のフォトブックはもちろんファンの方へという思いもありますが、前田亜美さんの25年の人生に関わってきた方へ、という思いも込められているということですね。

前田亜美
そうです。

前田亜美

■なにからなにまで前田亜美自身がこだわった

-カメラマンの槇野翔太さんとのコミュニケーションはどのように?

前田亜美
マッキーさんとは初めてのお仕事だったんですが、今回の作品のコンセプトを伝えたところ、テーマごとに背景や場所、陽の光の加減など提案してくれました。マッキーさんご自身も今回のような撮影は初めてだったそうですが、私自身をとても良く引き出してくれてとても良かったなと思っています。

-お話しを伺っていると、今回のフォトブックは、すべて前田亜美さんのセルフプロデュースとして出来上がったものですね。

前田亜美
そうですね。ほんとうに何から何までこだわりました。全体の構成を考えていると、朝までかかって寝る時間がなくなったりとか(笑)
“1stフォトブック”と呼べるのは最初で最後ですし、一生残るものなので、私の中でも宝物だし、妥協はしたくないって思いました。日頃は、「まぁいいや」って過ごすことも多いんですけど、今回だけは妥協したくないって思って、限られた時間の中で細かいところまでこだわりました。
その中で、写真選びについては、私は3姉妹なんですけれど、妹の意見も入っています。妹がほんとに的確なことしか言わないんですよ。私より大人で、すごいドライなんですけど(笑)
妹と朝まで一緒に写真を選んでました。この表紙を選んだのも妹なんです。

前田亜美1stフォトブック AMI

「前田亜美1stフォトブック AMI」表紙。(C)KADOKAWA PHOTO/MAKINO SHOTA

■篠田麻里子との関係

-帯にコメントを寄せられた篠田麻里子さんとの関係について教えて下さい。

前田亜美
私は13歳の時にAKB48に入ったんですが、その頃からとても可愛がってくれてました。
私が研究生から初めて昇格して入ったチームAに麻里子様がいて、その時、私が最年少だったんですが、最年長が麻里子様。何を話していいかもわからない、遠い存在の先輩に見えたんですけど、すごい可愛がってくださって、当時からご飯に連れていってくれたり、一緒にお買い物をしたりとか、誕生日プレゼントをくれたり、お家にも遊びに行ったり。
メンバーの子とは仕事で毎日のように会っていたので、プライベートで会うことはあまりなかったんですけれど、麻里子様だけは、誘ってくれるし、一緒に過ごす時間も多くて、今でも仲良くさせてもらっています。麻里子様は私の中では憧れでもありますし、一番近い存在の先輩です。

前田亜美

■宇宙から自分を見つめてみる

-さて、「元AKB48の前田亜美がロケットを飛ばしたら。」というYouTubeチャンネルを始められてますが、このチャンネルのいきさつと目的をご紹介下さい。

前田亜美
私は、子どもの頃から星を見るのが好きだったんです。
今回のフォトブックのテーマで“孤独”や“悲しみ”があるんですけど、私は、感情を思いっきり体現するところがあって、悲しいと思ったらほんとに悲しむし、たとえば夜道を歩いている時、星空を見ながら泣いたりするんです。誰も見ていないところでそれをするとけっこうスッキリするんですけどね。
その時、一度、自分を宇宙に飛ばして、そこから俯瞰で自分を見つめ直すんです。そうすると、何をそんなにちっちゃく悩んでいるんだっていう思いになって、けっきょく忘れられるからです。
そういう意味でも、宇宙が好きという話をしていたら、最近、JAXAさんのアンバサダーをやらせてもらうことになりました。
それまで、宇宙ってとても難しいイメージもあったんですけど、宇宙の勉強をしていると、ロケットひとつとっても小さいものからいろんな種類があるし、けっこう身近なものなんだなってことに気づきました。
なので、それを伝える役目として、世の中の人にもっともっと宇宙のことを知ってほしいなって思ったのがロケットを飛ばしたらのチャンネルを始めたきっかけです。
チャンネルではそんなに難しいことはしていませんが、ちゃんと技術士の資格を取れるのか、ロケットを飛ばせるのか、注目してほしいです。

前田亜美

■最後にメッセージ

-最後にファンの方へ、フォトブックのPRを含めてメッセージをお願いします。

前田亜美
「前田亜美1stフォトブック AMI」は、ファンの方の声でできたと思っています。こうやって言葉にしてもらうと叶うんだなって思いましたし、私の中でファンの方の存在ってすごく大きいです。
芸能界にいると、視聴者の方や応援してくれる方とはなかなか会う機会はないですが、AKB48にいた当時は、握手会など、身近に感じられる機会も多かったですし、これまで支えてくれたファンの方々に恩返しできればいいなって思って、今回のフォトブックを作りました。
今後も、私は皆さんのことを思っているし、皆さんが言ってくれることが実現する世界なので、もっともっと声をあげて、もっともっと応援してほしいし、私ももっともっと恩返しできたらいいなって思っています。今後も楽しみにしてほしいなと思っています。

前田亜美

■撮り下ろしインタビューフォトギャラリー

雨が降る中での屋外撮影でしたが、濡れるのもいとわず、元気に笑顔のポーズをとってくれた前田亜美さんは、とっても素敵な方でした!

[写真・インタビュー:Jun Sakurakoji]

『前田亜美1stフォトブック AMI』
著者:前田亜美
定価(本体2,500円+税)
仕様:B5判/96ページ
撮影:槇野翔太
ISBN:978-4-04-604791-5
発行:株式会社KADOKAWA
発売日:2020年10月7日(水)

前田亜美1stフォトブック AMI

【Amazon.co.jp限定】前田亜美1stフォトブック AMI(特典:撮りおろし写真+直筆メッセージ 配信データ)
https://www.amazon.co.jp/dp/4046047917

(C)KADOKAWA PHOTO/MAKINO SHOTA

前田亜美プロフィール
オスカープロモーション所属。元AKB48メンバー。AKB48卒業後、女優・タレントとして活動。「王様のデザート」(TBS系)MCや「 香川照之の昆虫すごいぜ! 」(NHK Eテレ)などのバラエティにも出演。2018年12月に民間の宇宙ビジネスを盛り上げる「みんソラコミュニケーター」に就任。最近では、JAXA「こうのとり9号機 応援アンバサダー」として、『宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機(HTV9)H-ⅡBロケット9号機打上げライブ中継 』番組のMCも務める。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA