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豊川悦司「日本人はこの映画をどう感じるのだろう?とたくさん聞かれた」國村隼、浅野忠信も登壇。『ミッドウェイ』公開記念初日イベント

9月11日、都内にて、ローランド・エメリッヒ監督映画『ミッドウェイ』の公開記念初日イベントが行われ、豊川悦司、國村隼が登壇。浅野忠信はZOOMで参加した。また、パトリック・ウィルソン、ローランド・エメリッヒ監督からはビデオメッセージが届いた。

イベントレポート

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■実在の人物を演じて

-山本五十六、山口多聞、南雲忠一役ということで実在の人物でしかも戦争映画、またハリウッド映画ということでどういうお気持ちで出演されましたか?

豊川悦司(山本五十六海軍大将 役)
山本五十六さんということで、ほとんどの日本人が知っているビッグネームでありますし、歴史上のとても素晴らしい人物であります。ですから最初に僕のところに山本役ということでお話をいただいときは正直びっくりしました。
自分の中に山本さんとの類似点を全く見いだせなかったからです。

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豊川悦司

-役作りはどのように?

豊川悦司
偉大な大先輩の俳優たちが何人も(山本役を)演じていらっしゃるので、それらの映画を片っ端から見て、先輩方がどういう風に山本五十六というキャラクターと対峙していったのかを見れたことはとてもラッキーだったと思います。

-浅野さんはいかがでしょうか?

浅野忠信(山口多聞少将 役)
僕も同じように、山口多聞さんという立派な方の役で出られると思ってなかったので、オファーをいただきとても嬉しかったです。
そしてその後に、多聞さんのことを調べていくうちに、多聞さんの魅力を存分に知ることができました。過酷な戦いを強いられた中でも最後まで冷静に生きた人なんだなと思って尊敬しています。山口多聞さんのお墓参りにも行って気持ちを高めたりしました。

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浅野忠信

-國村さんはいかがでしょうか?

國村 隼(南雲忠一中将 役)
お二人の話を聞きながら、羨ましいなと思いながら聞いてました。山本五十六さんにしろ、山口多聞さんにしろ、お二人は演じられる立場として光栄だと。
私は南雲さんですが、御存知の通り、南雲さんはミッドウェイ海戦で、「おまえが一番アカンやろ」と言われている人なので、そういう意味では南雲さんをやる上において、誇らしくありがたいなぁなんて思いは全然なかったんです。
けれども、やっぱりそういう南雲さんは、なぜ、その時にああいうとんでもない判断ミスをすることになってしまったんだろう?って、そこは僕の興味をそそる部分ではありました。
彼がミッドウェイ海戦で実際に取った作戦行動、爆弾と魚雷の載せ替えとか、なぜあの時にあんな判断を下したんだろうこの人は?っていうところを糸口に、僕の妄想を広げるという形で今回の南雲さんをイメージして演じてみました。

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國村隼

■ローランドエメリッヒ監督の撮影現場での思い出

豊川悦司
一つ思ったのは、海外をベースに仕事されてる日本人や、日系人の俳優さん方ではなくて、本当に日本人の俳優さんたちがたくさんいらっしゃるんだなっていうことにまず驚きました。本当にみんな夢を持って生活をかけて厳しいフィールドで仕事してる同業者を見たことにはすごく感銘を受けました。
そして、浅野さん、國村さんとの共演シーンはとても楽しかったですね。安心してできました。

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豊川悦司

國村 隼
豊川さん、浅野さんとの3人のシーンは、ハリウッド映画なの?って思ってしまうくらいおかしな感じがしましたね(笑)
そして、今回、私自身にとって初めての、ものすごい特殊効果機材を見ました。
艦の甲板そばの海上に爆弾が着弾するシーン用に、5、60cmもの直径の大きなバズーガ砲みたいなものが、いくつもあって、ドカーンって水柱が上がるんですよ。CGじゃなく、実際に。
さすがのエメリッヒ監督もそのシーンの撮影はかなりテンションが上ってましたね(笑)
で、その水柱の水が私たちの頭に落ちてきて、痛いこと、痛いこと(笑)

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國村隼

■日本の観客が『ミッドウェイ』をどう感じるか?

豊川悦司
僕は、ハワイでのプレミアに参加するチャンスを頂いて、監督や脚本家、プロデューサーさん、キャストの方々とお話する機会がたくさんあったんですけども、やっぱり皆さん、日本の観客がこの映画をどういう風に見るんだろう?っていうのをとても気にされていました。
私にも「君はどうどう思う?」っていうことたくさん質問されました。
それだけミッドウェー海戦というものを題材にする以上、日本軍側をどういう風にこうセンシティブに描くのかっていうことは、彼らのとても大きなチャレンジだったと思います。それは、出来上がったら映画を見ても感じることができるものだと思うし、彼らのチャレンジは成功したんじゃないかなとは思います。

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豊川悦司

■自分の運命を変えたターニングポイントは?

豊川悦司
今年のコロナ禍は、世界中の人々にとってターニングポイントになったと思うんですけど、個人的に言うとやっぱり役者を始めるきっかけになった大学の演劇部に誘ってもらったということですね。
それまで演劇にはまったく興味が無かったんですけど、キャンパスをフラフラ歩いていたら、「演劇部に入らない?」っていう綺麗なお姉さんに誘われてフラフラ部室について行ったらそのまま練習に参加させられて(笑)
そのお姉さん目当てに毎日部室に通っているうちに芝居が好きになっていきました。

浅野忠信
やっぱり俳優になったことです。中学生の頃、初めてテレビに出演させていただのをきっかけに。
その後、想像を上回る人生を歩むことになって、あの頃役者の道に進んでなかったらどうなっていたんだろうと思いますし、それが大きなターニングポイントです。

國村 隼
僕は映画というメディアに出会ったのがターニングポイントです。
僕自身、役者のキャリアをスタートしたのは舞台だったので。舞台から映画というメディアに触れた時にその凄さを感じました。
映画ってそもそもグローバルですよね。どこの国で誰が作ろうが、出来上がった作品を世界中の人が観れるわけじゃないですか。ネットが無い時代からすでに。
映画に出会って、このメディアで何ができるんだろう?っていう興味が自分の中でとても強くなっていきました。

■最後にメッセージ

國村 隼
僕ら世代が多分最後ぐらいじゃないかと。私の両親なんか当然戦争の渦中にいましたし、その話を聞いたり、実際に両親を通して戦争のことを何となく感じたりできたのは。
でもだんだん戦争の記憶っていうのは、世代交代が進んでいく中で、史実の中のことにしかなってないような気がします。
今回の『ミッドウェイ』という映画を通して、かつて日本とアメリカが戦争をしたという、日本だけじゃなく“人間”の過ちを、ちゃんと記憶として風化させないでおこうという気持ちになっていただいたらなと思います。

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國村隼

浅野忠信
僕はおじいちゃんがアメリカ人だったんです。会ったことはないんですが。
それもあって、すごい複雑な気持ちがずっとあるわけです。
戦争は、良くないことで、二度とあってほしくないと思いますけど、そういうことがあって自分の祖父と祖母が出会って、僕が生まれたんだなと思って。で、今、そういう僕が今回、『ミッドウェイ』というアメリカと日本が戦ってた時の映画に出演して、皆さんに観てもらえるっていう状況があるってことが、ものすごい不思議なことだなって思っています。
今、世界中の人が手を合わせて映画を作れることに感謝したいと思いますし、そういう映画が今日公開になったことも感謝したいと思いますし、観てくださる皆さんにも感謝します。

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浅野忠信

豊川悦司
役者になり、芝居を始めて、映画から本当にたくさんのことを学んできたと思います。もちろん楽しさも悲しさも、痛さや辛さ、笑うこと、泣くこと、そういう色んな感情を映画の中で学んできたと思います。
考えてみたら、役者やる前の子どもの頃から、いろんな映画やテレビやドラマを通して、そういういろんなことを学んできたと思います。
だから、楽しみながら学べるっていうのは映画の本当に素晴らしいところだと思いますし、楽しみながら何かを感じられるっていう意味においても、一人でも多くの方がこの『ミッドウェイ』を観ていただいて何かを感じたり、あるいは楽しんでいただければ、きっと素晴らしいものだと思います。

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豊川悦司

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■パトリック・ウィルソン、ローランド・エメリッヒ監督メッセージ(要約)

パトリック・ウィルソン(エドウィン・レイトン少佐 役)
この映画は日米両方の視点を大事にしている作品だ。
アメリカと日本の海軍を丁寧に描き、これまでにない戦争映画が完成した。ぜひ、その点に着目してほしい。
この映画で僕が最も心を動かされたシーンの1つが日本軍を描いたシーンだった。日本人俳優の活躍は本当に素晴らしかったと思う。

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パトリック・ウィルソン

ローランド・エメリッヒ監督
この映画を撮る時僕が重要視したのは、日本軍を単なる<敵>ではなく、<人間>として描くことだった。
戦争映画で人々を描くときに、ただの敵という描写はよくない。彼らは任務を遂行する人々だ。
ミッドウェイ海戦について学び、非常に感銘を受けたことがある。それは日本人の気質だ。特に日本海軍の人々というのは実に高潔な人々の集まりだった。これは大事なことだから、本当は直接お話ししたかった。

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ローランド・エメリッヒ監督

■イベント動画

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■フォトギャラリー

[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]

映画『ミッドウェイ』

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STORY
1941年12月7日の日本軍による奇襲とも言える真珠湾攻撃。
戦争の早期終結を狙う山本五十六連合艦隊司令官(豊川悦司)の命により、山口多聞(浅野忠信)や南雲忠一(國村隼)がアメリカ艦隊に攻撃を仕掛けたのだ。
大打撃を受けたアメリカ海軍は、新たな太平洋艦隊司令長官に、兵士の士気高揚に長けたチェスター・ニミッツ(ウディ・ハレルソン)を立てた。
両国の一歩も引かない攻防が始まる中、日本本土の爆撃に成功したアメリカ軍の脅威に焦る日本軍は、大戦力を投入した次なる戦いを計画する。
一方、真珠湾の反省から、日本軍の暗号解読など情報戦に注力したアメリカ軍は、情報部のレイトン少佐(パトリック・ウィルソン)がその目的地をミッドウェイと分析、限られた全戦力を集中した逆襲に勝負を賭ける。
そして遂に、アメリカ軍のカリスマパイロット、ディック(エド・スクライン)率いる上空から攻撃をする戦闘機の空中戦と、山口艦長や南雲艦長率いる海上からの戦艦の砲撃の壮絶な激突へのカウントダウンが始まる──。

監督:ローランド・エメリッヒ 脚本:ウェス・トゥック 製作:ハラルド・クローサー
キャスト:エド・スクライン、パトリック・ウィルソン、ウディ・ハレルソン、マンディ・ムーア、ルーク・エヴァンス、豊川悦司、浅野忠信、國村隼、デニス・クエイド
2019年/アメリカ/カラー/上映時間:2時間18分/配給:キノフィルムズ|木下グループ
(C)2019 Midway Island Productions, LLC All Rights Reserved.

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