「コンプレックスも魅力に」杉咲花×市川染五郎『サイダーのように言葉が湧き上がる』“無観客”完成披露報告会
3月23日、新宿ピカデリーにて、映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』の完成披露報告会が行われ、声の出演を務めた市川染五郎、杉咲花、イシグロキョウヘイ監督が登壇した。この日の報告会は、昨今の情勢を反映し無観客にて。(動画&フォト)
報告会では、3月27日に誕生日を迎える市川染五郎を祝して、大ファンだというマイケル・ジャクソンのベアブリックフィギュアなどのサプライズプレゼントが贈られた。
完成披露報告会見レポート
完成作品を観ての感想は?
市川染五郎(チェリー役)
単純に感動しました。心温まる良い作品だなと思いました。
自分は声優も映画に出ることも初めてだったので不安だったんですけど、その不安を乗り越えて作品が完成して皆さんに届くというのは、どんな反応がいただけるのか、不安もありますけど楽しみです。
杉咲 花(スマイル役)
すごく元気をもらえる映画だなと感じて、音楽もとても楽しかったり、映像もポップで全体的にポジティブな映画だなと感じています。映画をご覧になった方にもきっとパワーを受け取っていただける作品になったんじゃないかなと思いました。
イシグロキョウヘイ監督
2015年に企画を立ち上げたオリジナル作品です。言葉をかっこよく言うと、作家性というのはにじみ出ると言わざるを得ないくらいねじ込みました。そのくらいこの作品にすべてを注ぎ込みました。
市川染五郎・杉咲花、オファーの理由
イシグロキョウヘイ監督
オリジナル作品ですので、チェリーの声もスマイルの声もゼロベースから始まっているんです。
チェリーの声は、同じくらいの年齢の役者さんが正解なんじゃないかなと思っている中、三谷幸喜さんの新作歌舞伎を観て、市川染五郎くんのお芝居を観て、声を聞いて、「そこにチェリーがいた!」って思えたんです。その時の気持ちを便箋にしたためてオファーしました。
で、スマイルの声は初期プランの段階から杉咲さんのことが頭にありました。杉咲さんが出演されている映画『湯を沸かすほどの熱い愛』など、特に声に魅了されたんです。当時高校生だったと思いますが、それであの演技ができるってとんでもない逸材だなと思っていました。
その気持を伝えるために、杉咲さんにもお手紙でオファーさせていただきました。
杉咲 花
思いを文字にしてオファーをいただけるってことはなかなか無いことですのでほんとに嬉しかったですね。ありがとうございました。
父・松本幸四郎のことば
– 市川さん、ご家族も本作をご覧になったそうですが、何か感想はおっしゃってましたか?
市川染五郎
父(松本幸四郎)が試写会に一人で行ったそうなんですが、「良かったよ。監督からいろいろ教わったのがわかったよ」って言ってくれました。
母は「泣いた」って言ってましたけど、それは自分のお芝居じゃなくて作品に対してだと思います(笑)
二人のコンプレックスとは?
– 生きてく中での“つまずき”は、誰もがきっと通る道で、チェリーとスマイルもそんな二人ですが、演じられたお二人は、ご自身のキャラクターにどういった思いを感じられましたか?
市川染五郎
チェリーと僕はすごく似ています。僕も人見知りなので。
でもチェリーは俳句が得意で、実は情熱を秘めている人でもあります。僕も歌舞伎が大好きでやっているので、そこが通じる部分があったのかなと思います。
– 染五郎さんはコンプレックスはありますか?
市川染五郎
とにかくありすぎて、コンプレックスばっかりの人間です(笑)
歌舞伎のように舞踊の作品では、足が長いと腰が落ちて見えないので、そこがコンプレックスですね。
杉咲 花
スマイルは前歯が出ていることを気にしてマスクをしていますが、私も前歯が出ていて(笑)
なんか、共感できるなって思いました(笑)
でも、この映画を最後まで観ていると、自分にとってコンプレックスで見られたくないって思う部分も、誰かからすると憧れだったりすることもあるんだなってことをすごく感じました。スマイルやチェリーを通して私自身も勇気をもらいました。
市川染五郎、15歳誕生日!!
– 4月から高校生ということで抱負をお聞かせください。
市川染五郎
数学が苦手なので、数学を頑張りたいと思います(笑)
– 得意教科は?
市川染五郎
英語です。
最後にメッセージ
市川染五郎
チェリーやスマイルと同世代の方はもちろん、上の世代の方もこの頃のことを思い出しながら楽しんでいただければと思います。
杉咲 花
初夏にぴったりの清々しい気分で映画館を出られるような素敵な作品になっていると思います。
それと同時に心にポッと温かい灯りが灯されたような優しい気持ちにもなれる作品です。楽しみに待っていただけると嬉しいです。
イシグロキョウヘイ監督
ポジティブになれるようにってことをずっと忘れないようにして作った作品ですので、観ていただける方にそれが伝わってくれればと願っています。
トークノーカット動画レポート
記事に書ききれなかった会見トーク全編は動画でどうぞ!
[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]
劇場オリジナルアニメーション『サイダーのように言葉が湧き上がる』
2020 年代、そのはじまりを告げる初夏――
サイダーのように甘く弾ける、少年少⼥たちの青春グラフィティ。
INTRODUCTION
人とのコミュニケーションが苦手な俳句少年と、コンプレックスを隠すマスク少女。何の変哲もない郊外のショッピングモールを舞台に出逢ったふたりが、言葉と⾳楽で距離を縮めていく、ボーイ・ミーツ・ガール Story。
監督を務めたのは、「四月は君の嘘」、「クジラの子らは砂上に歌う」などを手掛け、繊細で叙情的な演出に定評のあるアニメーション監督・イシグロキョウヘイ。バンドで活動した経歴を持ち、音楽にも造詣が深い彼が、言葉×音楽をキーワードに、少年少女の「ひと夏の青春」を描いたオリジナルアニメとなっている。
主人公であるチェリー役には、初映画、初声優、初主演となる歌舞伎界の超新星・⼋代目 市川染五郎を起用。
⼀方、ヒロインのスマイル役は、若手随⼀の確かな表現力で高い評価を受ける杉咲花が担当。フレッシュな競演が「ひと夏のできごと」を輝かせる。
音楽制作を務めるのは、「マクロス」シリーズをはじめ、アニメーションの劇伴やアニソン制作において第⼀線を走り続ける音楽レーベルフライングドッグ。同社の10周年記念作品ともなる本作は、『映画 聲の形』などの劇伴制作で知られる牛尾憲輔が担当。さらに主題歌や挿入歌にも豪華アーティストの参加が決定している。
STORY
17回目の夏、地方都市̶̶。
コミュニケーションが苦手で、俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、ショッピングモールで出会い、やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていく。
ある日ふたりは、バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。
ふたりはそれを自分たちで見つけようと決意。フジヤマの願いを叶えるため⼀緒にレコードを探すうちに、チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。
だが、ある出来事をきっかけに、ふたりの想いはすれ違って̶̶。
物語のクライマックス、チェリーのまっすぐで爆発的なメッセージは心の奥深くまで届き、あざやかな閃光となってひと夏の想い出に記憶される。
アニメ史に残る最もエモーショナルなラストシーンに、あなたの感情が湧き上がる!
【CAST】
市川染五郎 杉咲花
潘 めぐみ 花江夏樹 梅原裕⼀郎 中島愛 諸星すみれ
神⾕浩史 坂本真綾 ⼭寺宏⼀
【STAFF】
原作:フライングドッグ
監督:イシグロキョウヘイ
脚本:佐藤大
キャラクターデザイン:愛敬由紀子
音楽:牛尾憲輔
アニメーション制作:シグナル・エムディ×サブリメイション
製作:『サイダーのように言葉が湧き上がる』製作委員会
配給:松竹
©2020 フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会
公式HP:cider-kotoba.jp
公式Twitter:@CiderKotoba
2020年5月15日(金)全国ロードショー!
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