笠松将、27歳の誕生日に舞台挨拶登壇。「役者として原点に帰る思いで挑んだ作品」と語る
11月4日、第32回東京国際映画祭のプログラムとして、映画『花と雨』のQ&AがTOHOシネマズ六本木にて行われ、主演の笠松将、土屋貴史(監督)が登壇した。1日に行われたワールドプレミア舞台挨拶に続き、会場は満員御礼となった。
土屋監督は「ワールドプレミアはめちゃくちゃ緊張したのですが、今日は大分余裕があります。いろいろお話させていただきます。」と挨拶。本日27歳の誕生日を迎えた主演の笠松は「連休最後日の夜に集まってくださってありがとうございます。この映画を見た方からどのような感想が出てくるのか少し不安もありますが、とにかくこんなに多くの方に見てもらえてすごく嬉しいです。」と挨拶をした。
これからこの作品を見る観客に対して土屋監督は、「この作品の大前提をフォローすると、この映画の中ではヒップホップに関する描写や差別問題など、見辛いと思う部分もあるかもしれない。でもそういった細かい要素を取っ払ってもらうと、主人公・吉田と、それを演じる笠松さんの感情を追いかけている作品になっていると思うので、スクリーンに映る笠松さんの顔を追いかけるだけでも楽しんでもらえる作品になっていると思います。」と語った。
本作でとてもチャレンジングなスキルを要求されたことについて笠松は、「SEEDAさんをはじめ、ヒップホップアーティストの皆さんを改めてリスペクトした」と初挑戦したラップの難しさを語り、役作りに関しては、「初めはSEEDAさんのモノマネをどれだけ完璧にできるかということを考えていましたが、台本を読み込み、監督とディスカッションを重ねていくうちに、これは一人の青年の青春を純粋に映した作品だと思い、目の前で起こる出来事にまっすぐ反応しようと、役者の原点に帰るような芝居でのぞみました。ラップに関しても、吉田の葛藤や叫びがそのままラップになっているので、セリフのようにラップを披露することができたと思います。」と作品への取り組み方について話した。
上映後に行われたQ&Aでは、独特な色彩表現で作られた映像に関して問われ、土屋監督は「洋画なら当たり前にやっているような表現をしていると思います。言葉で感情を説明するのではなくて、絵全体で役者たちの表現を表したかったので、照明や色の調整をかなり細かくこだわって仕上げました。」と映像表現へのこだわりを語った。
吉田と家族の関係性の作り込みについての質問に対して笠松は、「吉田自身は外の世界に仲間がいないと思っている。ラップをやっても認めてくれない。そういった環境の中で認めるとか認めないという概念がなく接してくれているのが家族で、大西礼芳さん演じる姉が、吉田の唯一の理解者になってくれていることを意識して関係性を作りました」と語り、監督は大西さんについて、「とらえどころのないトーンがとても今回の役にはまっていました。オフの姿も優しいけれど、どこか謎が残っている雰囲気がとても印象的な方です」と語った。
また本作の演出に関して印象的だったことを問われた笠松は、「最初台本をもらって芝居をした時に、テンポを倍速にしてくれ、とよく言われました。テンポを速く、会話をたたみ掛けることで間が光る。新しい芝居のテクニックを学ぶことができました」と話した。
映画『花と雨』
出演:笠松将 大西礼芳 岡本智礼 中村織央 光根恭平 花沢将人 MAX サンディー海 木村圭作 紗羅マリー 西原誠吾 飯田基祐
つみきみほ 松尾貴史 高岡蒼佑
監督:土屋貴史 原案:SEEDA・吉田理美 脚本:堀江貴大・土屋貴史 音楽プロデューサー:SEEDA・CALUMECS
製作:藤田晋・中祖眞一郎 制作プロダクション: P.I.C.S. 配給:ファントム・フィルム (C)2019「花と雨」製作委員会
公式サイト:Phantom-film.com/hanatoame/
2020年1月17日(金)、ヒューマントラストシネマ渋谷 他、全国公開
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。