デスノートTHE MUSICAL

【インタビュー】新生デスミュ メインキャスト 村井良大×甲斐翔真×髙橋颯

デスノートTHE MUSICAL

甲斐翔真/髙橋颯/村井良大

2020年1月20日から公演スタートする『デスノートTHE MUSICAL』(デスミュ)。Wキャストとして夜神月役を演じる村井良大と甲斐翔真。そしてエル役の髙橋颯に、お互いの印象、そして本公演への取り組みについてたっぷりと対談してもらった。

『デスノートTHE MUSICAL』は、2015年に初演、2017年に再演され、“デスミュ”として世代を越えて楽しめる第一級のエンターテインメント作品として愛される作品となり、2017年の再演では、日本国内を飛び出し、海外公演(台中公演)でも大成功をおさめている。
2020年1月公演は、キャストを一新、「新生デスノート」としてリブートする形となる。

デスノートを手にし世の中を変えようとする天才高校生“夜神月”を演じる村井良大(むらいりょうた)は、「仮面ライダーディケイド」(2009)に出演、人気を博し、その後多くの舞台出演の経歴を持つ。
Wキャストとして同じく“夜神月”を演じる甲斐翔真(かいしょうま)は、「仮面ライダーエグゼイド」(2016)でドラマデビュー。今回が初ミュージカルとなる。“エル”役の髙橋颯も、アーティストとして活動し、初ミュージカル出演。

インタビュー:村井良大×甲斐翔真×髙橋颯

お互いのファーストインプレッション

– 村井さん、甲斐さん、髙橋さんはそれぞれお知り合いになって間もないということですが、お互いのファーストインプレッションはいかがでしょうか?

村井良大 → 甲斐翔真

村井良大(夜神月 役)
翔真については、僕自身も思ってたことが、周りの情報も聞いて確信したんですけど、めちゃくちゃ真面目でそして意欲があるなってイメージです。自分から積極的に聞いきたり、すごくアグレッシブで情熱があるのを感じます。好青年な上に、やってやるぞ感がすごい素敵だなぁって。でも話すと普通な感じなんですけどね。

– そんな後輩だと先輩として心強いのではないですか?

村井良大
心強いですし、任せた!って感じです。

甲斐翔真(夜神月 役)
いやいやいや(笑)

村井良大 → 髙橋颯

デスノートTHE MUSICAL

村井良大/髙橋颯

村井良大
颯くんとは昨日初めてちゃんと話ししました。彼について最初に知った情報が「O型で人見知り」。僕もO型で人見知りなんですよ。だから、お互い似てるのかな?って思ってちょっと親近感わいちゃってます。

– 人見知り同士、会話はいかがですか?

村井良大
まだあんまり会話できてなくて、ガンガンに人見知り発動中ですね(笑)

髙橋颯(エル 役)
(笑)

村井良大
でも少し話できた中では、すごく真面目なイメージがありつつ、でも緊張しぃな感じもします。颯くんは、こういう場(インタビュー)って初めて?

髙橋颯
初めてではないんです・・・

村井良大
ホント?じゃ、礼儀正しくしているってこと?

髙橋颯
そうかもしれないです(笑)

– 髙橋さんもまだ村井さんに対して人見知り発動中とか?

髙橋颯
はい。やっぱり先輩っていうイメージがすごい強いですから。

髙橋颯 → 甲斐翔真

デスノートTHE MUSICAL

甲斐翔真/髙橋颯

髙橋颯
甲斐くんはお茶目だなって思いますね。

甲斐翔真
そうかな?お茶目ってどういう意味?(笑)

髙橋颯
優しさがそのまま表情に出ているというか、口角に優しさが出てる気がします。

髙橋颯 → 村井良大

髙橋颯
村井さんは、今、(僕のことを)礼儀正しいって言ってくださったんですけど、僕が客観的に俯瞰したら、逆に甲斐くんと村井さんが礼儀正しいイメージがあります。

村井&甲斐
エエ~っ!?

髙橋颯
僕はまだ俳優の経験が少ないのもあり、村井さんは歳も離れてますし、俳優としても経験豊富で頼もしいなぁと。背中を見ててカッコよくて憧れます。

甲斐翔真 → 髙橋颯

甲斐翔真
颯くんは、不思議ちゃんですね。海外育ちの雰囲気があるというか。海外行ったことある?

髙橋颯
ないです(笑)

甲斐翔真
不思議というか、良い意味で日本人っぽくない感性を持っている感じがすごいする。本能的に人との心の距離が近くて、考え方もオリジナリティがある感じ。幼少期をアメリカで過ごしたのかなって。僕の勝手なイメージなので、これから変わるかもしれないけど今の第一印象です。

– 心の距離が近いということは、打ち解けたら本音を共有する関係になれそうですね。

甲斐翔真
そうですね。初ミュージカル同士なので、同じような悩みもきっとこれからあると思うんで、共有しながら頑張っていく仲になれたらと思います。

デスノートTHE MUSICAL

甲斐翔真/髙橋颯

甲斐翔真 → 村井良大

甲斐翔真
村井さんについては、オーディションに受からせていただいた時に、Wキャストが村井さんだということを聞いて、僕は怯えてました。

村井良大
なんでだよ~!(笑)
なんの怯えなの、それは?

甲斐翔真
0歳から99際まで演じることができる村井さんと比べられるのか、と(笑)

村井良大
俺なんかはすぐ乗り越えていくよ。

甲斐翔真
いやいやいや。
でも村井さんとお話させてもらって凄く頼りになるな、と思いました。もちろん芸歴も先輩ですし、ミュージカルとしても先輩ですし、ライダーの先輩でもありますし、いろんな意味で先輩なので、これからも学ぶことはたくさんあるし。

村井良大
俺もいっぱい学んでいるんだよ。みんなからほんと学んでる。だってみんなの感性がほしいもん。
例えば俺が思って言ったりしたことを、まったく違うって思ったら「違う」って言っていいんだからね。その方が俺も嬉しいから。

甲斐翔真
こういうことを言ってくださる先輩だからこそ、物腰が柔らかくて、一緒に同じ役をやっていく方としてすごく心強いです。新人の僕でさえも学んでるよって言ってくださるくらい優しい方だなって。稽古入ったらこれから変わるかもしれないですけど(笑)

“夜神月”Wキャスト 村井良大&甲斐翔真

芝居は生身の人間がやるから同じ役でも違う面白さがある

– 「デスノート」という大人気作品の“夜神月”というキャラクターについて、村井さん、甲斐さんそれぞれはどのように捉えられてますか?

甲斐翔真
特別に何かをキャラとして設定して演じようっていうよりは、ちゃんと月(ライト)に共感して、一から自分を月(ライト)色に染めていくこと。その方がコスプレ感とか作っている感が無くてお客さんも観やすいのかなって思っています。
そして、月(ライト)の像としては、きっと村井さんと僕とじゃまったく別のものになる。夜神月ってどういう人なんでしょうね?

甲斐翔真

甲斐翔真(夜神月 役)

村井良大
エルは(夜神月のことを)“幼稚で負けず嫌い”って表現しているけどね。なるほどなとも思うけど、もっといろいろあるだろうね。漫画だと天才的な高校生で、IQも素晴らしく高くて、全国模試1位を取っちゃうみたいな感じなんですけど。
ミュージカル版はそこの天才さを少し下げて、一人の青年としてデスノートを持ったらどうなるか?ってところに焦点を当てています。
プロデューサーさんも“甲斐翔真の夜神月”、“村井良大の夜神月”はぜんぜん違っててもいいとおっしゃってくれています。
そういう意味では自分が思った“夜神月”、もちろんエルや他の役との兼ね合いもあるので、調整はするんですけど、自分が思った夜神月像でいいんじゃないかなって思いますね。でもあまり離れすぎても原作と違ってきてしまうので、そのギリギリのところを狙っていきたいと思います。

– 村井さんと甲斐さんのそれぞれの夜神月がどうなっていくはこれからということですね。

村井良大
お芝居ってすごく不思議で。特に舞台は。生身の人間が出てきてやるんですよ。だから、同じ役をやるWキャストで面白いところは、他の人がやっているとこんなにも違うんだってこと。でも、こんなにも違うんだけど、デスノートの世界の中の夜神月が最後はこうなっちゃうんだなってところの波が変わるんです。だから両方を観ていただいて、その違いを楽しんでいただければいいなと思います。

– 俳優としてのキャリアを積まれた村井さんと、ご自身新人とおっしゃる甲斐さんだからこそ、よりその違いが楽しみのひとつとなりそうです。

村井良大
新人という言葉を借りるなら、(甲斐翔真くんの場合は)デスノートを初めて持った子がどんな行動をするのかっていうすごい美しさが表現されると思うんですよね。キラキラしていると思うんです。何もかもが新しい世界で、全部が輝いても見えるし、真っ暗にも見える。っていうのをリアルに体験できるし、舞台上に出ている人間の人生が見え、そこが夜神月に重なって、綺麗な夜神月ができるんだろうなぁって思います。

僕はある意味経験しちゃっているから、経験の上で作っちゃうんですよ。そういう意味では、どっかで観たことあるかもって思われるかもしれません。なので僕もどこかで新しいものを見つけていかないとっていう感覚ですね。

村井良大

村井良大(夜神月 役)

“エル” 髙橋颯

– 髙橋さんは、エルというキャラクターへの取り組みはいかがですか?

髙橋颯
僕のエルのイメージは“孤独”で“寂しがり屋”で“甘えん坊”。その孤独を唯一打ち消してくれるのがゲーム。事件を解決するという“ゲーム”に心を寄せているのかなと。
今回、相手の夜神月がWキャストで、2人の身長も違います。以前、演技のワークショップで「目線のひとつで感情が変わるんだよ」ってお話があって、たとえばまっすぐ見ていたら「無」で、ちょっと上を見たら「ポジティブ」、下を見たら「ネガティブ」みたいな。
これからお二人と稽古をやっていく上で、それぞれで目線の位置が変わるはず。その目線の位置が変わるだけで感じる方などにも変化があるだろうな、と思っています。

– なるほど。2人の夜神月を受け止める高橋さんのエルがどう変化するのかも、このミュージカルの楽しみ方のひとつとなりますね。

ミュージカル初挑戦

– ミュージカル初挑戦となる甲斐さんと髙橋さん、それぞれどういう取り組みをされていますか?

甲斐翔真
とにかく自分を一流の舞台に見合う人にしないといけないから、今はできるだけ一流の人に出会って、一流の人の舞台を観て、歌を聴いて、指導を受けて、自分をブラッシュアップしています。
自分を背伸びさせて舞台に立っても、1300人のお客さんの前では一瞬でバレます。
表面的にはできているように見えても、内から出てくるものは、その人が人生に賭けてきたものが出てくるというのを、一流の舞台で目の当たりにしているので、そこの妥協は絶対にしない。“妥協”という言葉を考えることすらしないくらい、突き進んでいくしかないです。

– しかもこの舞台では、夜神月は全シーンほぼ出ずっぱりの大変さもありますね。

甲斐翔真
はい。夜神月という役は体力も使いますし、脳みそもたくさん使います。(芝居の)メソッドや歌はもちろん、それに耐え得る体力と精神力は作っていかないといけないと思います。

– 髙橋さんは初ミュージカルについていかがですか?

髙橋颯
とにかく今やれることを、今準備できることを全てやろうと思って取り組んでいます。
甲斐くんは多くの先輩からアドバイスをもらったり、メソッドなど基礎を一から学び直したりしていて。ほんとに甲斐くんは突き詰めているんだなって。
そんな甲斐くんが語った言葉で好きなのは“技量”っていう言葉。

甲斐翔真
そんなこと言ったっけ?(笑)

髙橋颯
僕の場合、お芝居のことをすぐに聞ける親しい方がまだいないので、一本でも多く先輩方の作品を観て勉強中です。そんな中で、一番近い僕が盗める人っていうのは、甲斐くんなんです。

甲斐翔真
でもやっぱ、(一流の舞台を)観に行くっていうのが大事だね。
もっと言うなら、演じているその人から話を聞くのが一番。「あれってなんであのように演じられたんですか?」って。そしたら「こういう理由でこう見えるから」とか。そうすると、単に感情でやっているのではなくて、その人としてのクリエイティブな点を追求されていることが学べる。
僕の事務所には幸いミュージカルやられている方が多いので、そこはとても恵まれています。とにかく刺激を受けまくることが、自分を磨く術なんです。わかんないならやるだけ、っていう。

髙橋颯
僕もミュージカルなどをもっといっぱい観たいと思います。稽古までにできるだけ多く。

髙橋颯

髙橋颯(エル 役)

「新生デスノート」への意気込み

– 「新生デスノート」と謳われていますが、村井さん、甲斐さん、髙橋さんの思いはいかがですか?

村井良大
みんなそれぞれ思っていることはあると思うし、もう少し先になりますが、稽古が始まったらそれをぶつけ合うことになるのかなと思います。そうしていく中で、新生『デスノートTHE MUSICAL』が少しずつ形作られていくことになると思います。これまでの初演、再演を越えるものを目指したいですね。

甲斐翔真
初舞台・初主演ということで楽しみと同じくらい不安もあります。でも本番までに不安をかき消すくらい必死で取り組んで、みなさんに鳥肌を立たせるところまでいきたいです。
今まで映像しかやったことがなかったので、舞台って稽古期間があるじゃないですか。映像だと現場で“ドライ(*)”で、そこでようやくお互いのやりたいことが確認できるんですが、舞台だと、1ヶ月とか稽古期間が設けられていて、その期間にお互いのことを知ることができます。そういう取り組みはすごい気持ち良さそう。
*ドライ:ドライ・リハーサル。セットの中でカメラを使わずセリフや動きを演じ、演出・技術・美術のスタッフがチェックする立ち稽古のこと。

村井良大
映像だと、最悪撮り方でどうにかできちゃうところがあるしね。でも舞台はさっきも言いましたが、生身の人間が出てくるんで、いろいろバレちゃうんですよ。それをバレないようにするために、1ヶ月半の稽古期間があるんですよ。だからそこに集中してやりたいなって思います。けっきょくチームワークなので、キャストはもちろんスタッフさん含めてやるってことです。

髙橋颯
とにかく準備できること、研究できることを一つずつしっかりやって、これまで初演・再演と創り上げてこられている『デスノートTHE MUSICAL』を大切にしつつ、新しいキャストでより良いものを届けられるようにしたいと思っています。原作ファン、ミュージカルファンの方々に納得してもらえるものにしたいです。

役者として表現するということ。

– 最後の質問になりますが、村井さん、甲斐さん、髙橋さんそれぞれにとって、役者として表現するということはどういう意味を持つでのでしょうか?

村井良大
芝居って、人生の経験値を切り取って舞台上に乗せることだと思っています。例えば離婚をしたキャラクターの場合、演じる人が実際に離婚の経験があれば、すごくリアルで生っぽくなると思うんです。
デスノートのようなファンタジーの場合は、想像力と自分の人生を掛け合わせて舞台上に立つことが大切なポイント。そのためには自分の人間としての年輪をどんどん増やしていかないといけない。すべて経験だし、そのすべてが糧になると思いますね。

甲斐翔真
僕らは、エンターテイメントとして存在しているから、やっぱりお客さんを感動させることがまず第一にあって、その上で自分も楽しんでやる。お客さんが楽しんでくれることが僕らのやっている意味となります。
ミュージカルに興味を持って、劇場に足を運んでくださるお客さんが、五感を研ぎ澄ませて、僕の“表現”を見てくれることが、僕が役者をやっている意味かと思っています。そして、このミュージカルを観て、人生観が変わった、なんてことがあったらそれはすごく嬉しいことです。

髙橋颯
“表現”という意味では、自分の表現したいことをいかに解像度を高めて具現化するかっていうのが、僕のテーマになっています。
たとえばミュージシャンとしても、自分の人生だけでなく、色々なものから感じた経験を歌詞にして作品にすれば、自分の人生以上のものを表現できたりもする。そういうことが、アーティスト、歌手としての面白さでもあります。
そして少しずつ役者として生きるための準備をしていくうちに、舞台というのはまさに自分を理解し、その上でその役をより深く理解して自分の中に落とし込んで、それを自分の身体を通して表現する場なんだなっていうのを感じています。
そして、エンタメとして、リラクゼーションとしての観劇はもちろんですが、人生の中の貴重な数時間を割いて劇場に来てくださっているので、僕はお客様とその時間と空間を共有できたら、と思います。
このデスノートを観てくださったことによって、お客さんが何かを感じてくださり、終演後にこの舞台について考えてくださったらそれはとても嬉しいです。そのためにも必死に努力していきます。

デスノートTHE MUSICAL

甲斐翔真/髙橋颯/村井良大

デスノートTHE MUSICAL

[聞き手・写真:Jun Sakurakoji]

公演概要

デスノートTHE MUSICAL

タイトル:デスノート THE MUSICAL

Road to デスノートTHE MUSICAL 2020 PV

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キャスト:
村井良大 甲斐翔真 髙橋颯
吉柳咲良 西田ひらり
パク・ヘナ 横田栄司 今井清隆

音楽:フランク・ワイルドホーン
演出:栗山民也
音楽監督・オーケストレーション:ジェイソン・ハウランド
音楽監督:塩田明弘
舞台監督:加藤高

<東京公演>
期間:2020/1/20(月)~2/9(日)
会場:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)

<静岡公演>
期間:2020/2/22(土)、2/23(日)
会場:清水マリナート

<大阪公演>
期間:2020/2/29(土)、3/1(日)
会場:梅田芸術劇場 メインホール

<福岡公演>
期間:2020/3/6(金)~3/8(日)
会場:博多座

公演情報詳細&チケット販売情報は公式サイトまで。
https://horipro-stage.jp/stage/deathnote2020/

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(C)大場つぐみ・小畑健/集英社

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