菅田将暉・仲野太賀も16歳YOSHIに圧倒される!? 映画『タロウのバカ』完成披露上映会
8月26日、テアトル新宿にて、映画『タロウのバカ』の完成披露上映会舞台挨拶が行われ、主演・YOSHI、菅田将暉、仲野太賀、大森立嗣監督が登壇した。
菅田将暉に「新人類」と言わしめる主演の16歳YOSHI(撮影当時15歳)の予想がつかないテンションと言動、そしてその才能に、キャストも観客も思わず度肝を抜かれる状態となり、大いに盛り上がった。(ビデオ&フォトギャラリー)
舞台挨拶前、観客が入場する前に、劇場内をふらりと歩いていた菅田将暉は、取材のためのカメラのセッティングをしているメディアに向かって「今日はYOSHIを撮って下さい」と何度も言っていた。
そのとおり、『タロウのバカ』のタロウはYOSHIそのものでもあり、YOSHIだからこそタロウを演じたとも言える。YOSHIについて、菅田将暉は「新人類だね。こういう生き物に接するのは大変。でもただのバカじゃないんだよね。スーパースター。」と評し、仲野太賀は「YOSHIの中には、こっちがおかしくなるくらい、いろんなものが共存してる。YOSHIっていう特異な存在が主役で、一緒にやれてよかった。」と明かした。
舞台挨拶レポート
舞台挨拶全編はトークノーカット版動画でもどうぞ!
YOSHIだけを撮ってください!
菅田将暉
YOSHIの映画ですね。今日はカメラマンの皆さん、僕とか大森監督とか、ましてや太賀なんてどうでもいいです。
(記者さん)YOSHIだけを撮って下さい。よろしくお願いします!
仲野太賀
今日はたくさん、YOSHIを愛でて帰って下さい。
YOSHI
今日は緊張している。もうヤバイから。
タロウ役の主演のYOSHIです。よろしくお願いしまーす!
20年以上前に執筆した脚本
– 『ゲルマニウムの夜』(2005)よりも前に本作の脚本を書いて映画化を切望されていたということですが。
大森立嗣監督
この映画の脚本、20年以上前に書いて、撮るまでに長い時間がかかったんですけど、その間も撮りたいという気持ちが続いていました。
YOSHI
25年前?相当だよ。オレ、まだ生まれてないもん。
菅田将暉
オレも危ないよ。
今回、やろう!ってきっかけとしては?
大森立嗣監督
やっぱり、『日日是好日』のおかげかな。これがヒットして撮りやすい環境になった。
菅田将暉
ハハハ!!
好きなことやっていいよっていう?(笑)
大森立嗣監督
そうそう。やっぱり、ヒット作っていうのは大事なもんですねぇ。
YOSHI
間違いない!
「14歳 有名人」でググってYOSHIを見つけた
– この作品をどうしても撮りたいと思われたその思いとは?
大森立嗣監督
最初の脚本だったんで、自分の子どもの頃の記憶とかが、この3人に全部入っていたりとかします。
あと、(脚本は)直球で書いてます。経験を積んでいくと変にうまくなってしまいがちなんですが、そうじゃない時に書いている脚本だから。
ストレートに自分の気持が出ています。
あとは、菅田と太賀がのっけてくれて。そしてYOSHIを見つけて。
菅田将暉
そこがすごいっスよね。
仲野太賀
どうやってYOSHIを見つけたの?
大森立嗣監督
Googleで「14歳 有名人」って検索して。
菅田将暉&YOSHI&仲野太賀
(爆笑)
YOSHIとの初めての出会いは“絶句”
– 菅田さんと仲野さん、YOSHIさんに初めて会った時はどうだったんですか?
菅田将暉
いやもう~、絶句だよね。
この1年ですっごい大人になっているから。だって今日は洋服着ているしね。ずっと裸だったし、お前は。
YOSHI
そうだね~。フルチンだったからね~
菅田将暉
ちょ、今日は言われたでしょ。チンコの話をしちゃダメって。
仲野太賀
最初に言われたのに、すぐ、出ちゃってるから。
発言にパンツを履いて下さい!
菅田将暉
もう(YOSHI)は新人類ですよ。
仲野太賀
初めて会った時、歳も離れていますし、それなりに礼節ってあると思うんですけど、いろんなことを飛び越えて来るのがYOSHIだったんですよ。
「あ、ヨロシク!太賀でしょ?知ってるよ!何回か見たことある!」みたいな。足をあげて。
菅田将暉
ハッハッハッハ!!!
YOSHIに関してはもうエピソードがありすぎて、何からしゃべっていいかわかんないね。
YOSHIに対して俺ら大人はどうすれば?
– 菅田さんと仲野さんの間でYOSHIさんとの付き合い方は相談されたんですか?
菅田将暉
マジメな話、けっこうしゃべったよね。
仲野太賀
YOSHIに対して、俺ら大人はどうすべきなんだ?ってね。
菅田将暉
この才能を生かすも殺すも俺ら次第だから。けっこう会議したんだよ。
表に出ている人間としてはこのまま放っておきたい。でも、放っておいたらコイツは絶対に事故に遭うと。それは目に見えてるし。
そんなしょーもないことで未来を失うのもイヤだから、何を教えていこうみたいな。
初めてそんなことを考えたよね。
で、オレと太賀の一発目の結論として、俺んちで大森監督の映画の『光』(2017)を一緒に観ようって。
仲野太賀
初めて邦画を観て、そしたら映画に見入って吸い込まれていってたよね。新鮮でした。
YOSHIが真剣になった瞬間
– 撮影で印象に残っていることは?
菅田将暉
青春劇ということで、3人でゲラゲラってやってたところもあったんですが、YOSHIが台本を飛び越えて、アドリブでガーって突っかかってきてくれたの。
いいぞ!とは思ったんだけど、イラっともして、速攻ひれ伏して、ブチギレたんスよ。もちろんお芝居の上で。
そしたらその瞬間YOSHIの目つきが真剣になって、「ちゃんと集中しなきゃダメだ」って顔になったの。
YOSHI
そうだね。その瞬間、涙がブワーって出てきたからね。
菅田将暉
ちょっと俳優部になった瞬間だったね。
YOSHI
ありがとうございます。
仲野太賀
YOSHIは撮影当時と今と明らかに違うんですよ。それだけ成長が早くて。
なので、大森監督は、ちょうど子どもと大人の境界にいる絶妙で曖昧なところのYOSHIを撮れたんだと思います。
そこの立ち会えたのは嬉しいし、26、7歳になってくるとそういう変わり目に鈍感になってくるので、そういう人と一緒にやれたのはすごく良かったですね。
YOSHI
とにかく型にハマりたくないんですよね。常に翼を持って羽ばたいていたい。
菅田将暉
そうできるように皆んな頑張ってくれてたんだよ!
お前が自由なことは全員わかってんだよ!
YOSHI
ごめんごめん、すみません。
仲野太賀
(この二人は)仲良しなんです。
映画出演10本目くらいのやつが言うこと
大森立嗣監督
YOSHIはリズム感があって、演出つけなくても良い動きしてくれて、俳優としてはすごい。
YOSHI
それができたのは監督のおかげで。
菅田将暉
そのコメントは、映画出演10本目くらいのやつが言うことだよ。
「これ監督のおかげで~」「選んでいただき~」みたいな。
YOSHI
監督には自由にやれって言われてて、最初、どういうことかなって思ってたんですけど、それで演じてみた時にちゃんとタロウになれていたので、それば一番良かったんだと思う。そこが一番感謝です。
根底にあるものは同じだけど表に出てくる表現が違う
菅田将暉
タロウってキャラクターは、もうアテ書きみたいなくらいYOSHIじゃん。でもさ、YOSHIじゃないじゃん。
これって経験がある俺ら俳優部はなんとなくわかるけどさ、YOSHIとしてはどんな感じだったの?
これ、俺だけと俺じゃないみたいな。
YOSHI
人間の内側にある、ウワーっていう勢いっていうか欲の部分は、たぶん似ているっていうのもあって、個人的には演じやすかったのかな。
タロウの根っこの部分、勢いは一緒で、そういうのがリンクしたからこそ、タロウになれたのかなって。
菅田将暉
俳優だな、もう。そっか、根底にあるものは同じだけど、表に出てくる表現が違うってことね。
YOSHI
そうそう。
菅田将暉
(YOSHIは)ただのバカじゃないんだよね。
仲野太賀
こっちがおかしくなるくらい、いろんなものが共存してる。
YOSHI
ある程度、レトロな心を持っていた方が楽しいのよ。
今の若者は欲が無い!そこが大切。そこをポイントに映画を観てもらえればと。
菅田将暉
それは俺も思う。
これから映画をご覧になる方にメッセージ
仲野太賀
YOSHIっていう特異な存在が今回主役で、スギオを演じていてもYOSHIに引っ張ってもらったことは何度もありました。今回、映画として過激な部分だったり、日常から飛躍している部分だったりがたくさんあるんですけど、そういうものを観る人のアレルギーって最近強かったりして、わからないものだったり、刺さりすぎるものに対するアレルギーみたいなものが。
それはすごく理解できるんですけど、一度映画を観て、触れていただいて、いろんなものを感じて考えてほしいなって思います。フラットな気持ちで観ていただければと思います。
菅田将暉
個人的には、YOSHIという人、接しているとどうしようもできないことがたくさんあって、でもなんかそれが正しいというか、美しいというか。たぶん、タロウをできるのはYOSHIしかいないし、YOSHIがやったからタロウになったんだろうけど。どう言ったらいいのか難しいけど、映画を観たら「なんかしなきゃ」って気持ちになると思います。たぶん。
一見、自分より下に見える存在の人を見て、でも自分を見つめ直すことになる。それって変に優劣をつけている自分に対してというか。
YOSHIというスーパースターとの出会いが、いろんな人にいろんなものを送ることのなるんじゃないかなって個人的には楽しみです。
YOSHI
俺が伝えたいのは、単純に何も考えずに観てほしいということ。
大体映画っていうのはひとつの答えに行きがちなんですけど、『タロウのバカ』は何個か正解があると思っていて、観るたびにいろんな正解があって、賛否両論の映画かなと思います。
人間の原点に戻った時のことを描いた作品になっていると思います。
大森立嗣監督
この映画を観ることによって、いつの間にか汚れてしまった自分をもう一度見つめ直してみるというか。
今回の映画で、谷川俊太郎さんが一遍の詩「生まれたから」をくれたんですよ。そこには「タロウ 死ぬ前に
生きろ!」って書いてあって。
僕は谷川さんの詩が大好きなんですが、谷川さんはずっとそのことを言い続けている気がして。
僕たちはいろんなことを情報として知りすぎちゃってる感じがして、もう少し肉体で感じて、いろんなことに触れていければ、もうちょっとだけ幸せに生きていけるんじゃないかなって思ってこの映画を作りました。
頭であんまり考えないで、身体で感じて観てほしいと思います。
フォトギャラリー
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[写真・動画・記事:Jun Sakurakoji]
映画『タロウのバカ』
監督・脚本・編集:大森立嗣 音楽:大友良英
出演:YOSHI 菅田将暉 仲野太賀 奥野瑛太 豊田エリー 植田紗々 國村隼
製作:「タロウのバカ」製作委員会 配給:東京テアトル
www.taro-baka.jp (c)2019映画「タロウのバカ」製作委員会
9月6日(金)テアトル新宿ほか全国ロードショー
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