
原嘉孝、初主演で快挙!ベル・アクトル賞受賞に喜び爆発。「立ち止まる人の背中をそっと押す作品」映画『初恋芸人』先行プレミア試写会舞台挨拶【詳細】レポート
2025年11月29日、新宿バルト9にて、映画『初恋芸人』先行プレミア試写会舞台挨拶が行われ、主演の原嘉孝、ヒロインの沢口愛華、共演の佐藤アツヒロ、そして夏目大一朗監督が登壇した。
舞台挨拶では、登壇者それぞれの役作りのエピソードや撮影中の裏話、そして作品のテーマにちなんだ「ヒーロー」像について語られた。また、原嘉孝が「ゆうばり国際ファンタスティック思い出映画祭」で新設されたベル・アクトル賞を受賞したことを受け、トロフィー授与式も行われた。
本作の原作小説は、特撮番組の脚本執筆やUMA(未確認生物)研究家としても活躍している中沢健の作家デビュー作で、大槻ケンヂ、切通理作、枡野浩一など多くのサブカル関係者ほか、児童文化作家の那須正幹や直木賞重受賞作家の朱川湊人からも絶賛され、2016年にはテレビドラマ化。
さらに、2025年8月から小学館のオリジナルコミックアプリ「マンガワン」でもこやま仁によるコミカライズの連載がスタートしており、映画初主演となる原嘉孝を迎えて映画化された。
舞台挨拶【詳細】レポート
1:役どころと役作りで苦労したこと
‐ 原さんは売れないピン芸人・佐藤賢治役でしたが、芸人役はいかがでしたか?
原嘉孝(売れないピン芸人・佐藤賢治 役)
僕自身、芸人さんの役を演じるのは初めてでした。撮影に入る前に、プライベートで小劇場の無料ライブをやっている街に3〜4回通い、観察を重ねました。
売れない芸人という設定なので、「どこが原因で売れないのか」ということを勝手ながらメモを取りながらヒントにし、この役を演じました。
特に苦労したのは、僕自身がコメディを舞台でやったりもするので、自分の感覚でセリフを読むとどうしても面白くなってしまう点です。
そのため、「面白くない」感じを出すにはどうしたらいいかということを、非常に悩みながら役を作り上げました。
‐ 沢口さんは、賢治を「面白い」と言って、だんだん距離が近づいていくヒロインの市川理沙役でしたが、役作りで困ったことなどはありましたか?
沢口愛華(市川理沙 役)
理沙という役は作品の主軸や流れを担っている部分があり、(ネタバレになるので)私から言えることが少ないです。
役作りにおいては、これまで外見に特徴があったり、役に対する前提知識がある、いわゆる「パパ活をしている女の子の役」などの経験が多かったので、今回のような本当にピュアなヒロイン役は初めてでした。自分の中で「恥ずかしいな」と思う瞬間もありましたが、台本やスタッフ、出演者の皆さんに支えられ、すごく楽しい役になりました。
‐ 佐藤さんは原さんと同じ芸人役でしたが、売れっ子芸人である兼子三郎役はいかがでしたか?
佐藤アツヒロ(兼子三郎 役)
兼子三郎は芸人の中で大御所のポジションなのですが、普段の自分には大御所感が出ないんです。
また、普段舞台をやっているため、芝居になると声が大きくなりがちですが、今回の芝居は終始抑えに抑えて演じました。大御所感を出すために、細々と喋ることを頑張りました。そのあたりも見ていただけたらと思います。
2:撮影中のエピソードと共演者の印象
‐ 原さんはこの映画で初めて主演を務められましたが、主演で参加した撮影はいかがでしたか?
原嘉孝
主演ではあるのですが、良い意味でそんなに気負わず、「やることをやるだけ」という精神で臨みました。誰よりもこの作品、佐藤賢治に向き合うことが、結果として作品を引っ張ることにつながると信じていたので、その姿勢で臨みました。
ただ、やはり真ん中に立つ、真ん中を張るという覚悟は、また一つ成長できたかなと思っています。
‐ 沢口さんは原さんと多くのシーンをご一緒されましたが、座長・原さんの印象はいかがでしたか?
沢口愛華
本当に(原さんが)おっしゃっていた通り、すごく真摯に向き合っていらっしゃる方という印象です。劇場に通っていたというのもそうですし、共演されたハニトラ梅木さんと漫才・コントの部分をめちゃくちゃ練習していらっしゃいました。
映像作品だと、手を抜いてもバレなくすることは可能であるにもかかわらず、そこにも真摯に向き合っている姿勢を見て、芸人役を演じる上での芸人さんへのリスペクトが素晴らしいと感じました。
‐ 大先輩である佐藤さんから見た、座長としての原さんの印象は?
佐藤アツヒロ
撮影当時、原くんは普段の雰囲気を全て隠し、難しい役を最後まで貫き通していて、本当にこの役を全うしたな、すごいなと思いました。
僕の役は、漫才やコントのシーンはほとんどなく、先輩として助言をするシーンがメインだったので、その助言のシーンでお互いコミュニケーションを取ったという感じです。
‐ そんな皆さんをずっと見てきた監督から見て、お三方の印象をそれぞれお願いします。
夏目大一朗監督
(原について) 原さんは、役作りに関して、撮影に入る前から色々とお話しさせていただきました。佐藤賢治という役は、キラキラしていてムキムキな原さんとは本当に全く真逆の役でした。初めて会った時からキラキラしていたので、「佐藤賢治じゃない!」と思ったのですが(笑)、原さんがそれに合わせて役作りをして挑んでくれたので、本当に原さんに支えられたと思っています。地声が低いので、佐藤賢治だとカッコよくなりすぎてしまうため、少し高い声を作ってもらうなどしました。
夏目大一朗監督
(沢口について) 沢口さんとも役について、撮影前や撮影中にたくさん話し合いました。沢口さんだからこそ、この市川理沙という役が演じられたのではないかと、本当に思っています。
夏目大一朗監督
(佐藤について) 佐藤さんにはアドリブのシーンが何箇所かありました。舞台上でナレーションが入るバックのシーンなどで、「ここをちょっと埋めてください」と無茶ぶりをしたんです。
佐藤さんは前もって考えてくださったパントマイムやネタをやってくれたのですが、それがめちゃくちゃ面白かったです。ただし、そのフリートークは音声にはほとんど乗っていません。エピソードが一つじゃなくて、テイクごとに違うエピソードが出てきて、「どこまで引き出しがあるんだろう」と、みんなで逆に怖くなりましたね。
3:それぞれの「ヒーロー」
‐ 本作のキャッチコピーは「彼女の笑顔が僕をヒーローにしてくれた」ですが、皆さんにとってのヒーローは誰ですか?
原嘉孝
僕にとってのヒーローは、支えてくださっているファンの方々です。
僕は去年まで舞台を中心に活動していたので、劇場の空間でファンの方にお会いすることはありましたが、先日アリーナツアーをやって、今まで見たことのない数のファンが目の前にいたときに、「こんだけたくさんの人に支えられているんだ」というのを強く感じました。
アイドルの方がよく「自分が元気を与えているようで、実はもらっている」とおっしゃいますが、それが本当に身に染みて感じた瞬間でした。
沢口愛華
私は今シーズン、スーパーフォーミュラという国内のフォーミュラレースのアンバサダーをやっていまして、シリーズチャンピオンを初優勝で獲得した岩佐歩夢選手がヒーローだと思っています。彼は参戦2年目で、悔しい思い(完走ができないなど)を経験し、初優勝までも長かったのですが、その中で私は一番取材をさせていただいたので、彼がシリーズチャンピオンを取った瞬間は本当に「私のヒーローだな」と感じました。
佐藤アツヒロ
3つぐらい考えていたのですが、やめて(笑)、原くんが言ったように、僕もファンの方に支えられているので、ファンの方々です。
(※MCと原の要望で、考えていた3つのうち1つを聞かれ)一つは、ワンピースのルフィです。間違いなくヒーローです(笑)
原嘉孝、ベル・アクトル賞 受賞トロフィー授与式
MCの紹介により、原嘉孝さんが「ゆうばり国際ファンタスティック思い出映画祭」で今年新設された「ヌーヴェル・エトワール賞」のベル・アクトル賞を受賞したことが改めて紹介された。映画初主演での受賞となる。
この場で、企画・プロデュースの小浜圭太郎とプロデューサーの峯松里香から、原さんにトロフィーが授与された。
‐ トロフィーを手にした原さんから、改めて今回の受賞についての感想をお願いします
原嘉孝
トロフィー、嬉しいですね。僕がこのような賞をいただけたのは本当に光栄ですが、僕だけではない、スタッフさんやキャストの皆さん、いろんな方のお力があって受賞できたものだと思っています。
映画はすごくパワーのあるエンタメだと日々感じていまして、たった2時間で見た人の明日に影響を与えられるものだと思っています。
僕がそんな映画の中で役を生きることで、何か一つでも皆さんの心の中に持って帰っていただけるものがあれば幸せです。
これをスタートだと思って、これからまたゼロから役者として、もっともっと映画界を引っ張っていけるような役者になれるよう、日々精進していきます。今回の受賞は、僕の人生にとって本当に最高の1ページになりました。
クロージング・メッセージ
‐ 最後に、これからご覧いただく皆様へ、映画『初恋芸人』を代表して原さんからご挨拶をお願いします。
原嘉孝
この作品は、演じていても見ていても、どこかもどかしくなる作品です。主人公の佐藤賢治は売れない芸人なのですが、「お前、もっとやれよ、努力しろよ」と、心の中で背中を叩きたくなるような、ムズムズした感覚を皆さんはこれから味わうかもしれません(笑)
世の中には、何かを頑張っている人の背中を押せるような作品はよくあると思いますが、この映画は、それよりも、何かできずに立ち止まっている人の背中をそっと押すぐらいの感覚の物語だと思っています。何かを頑張ろうとしている人が、ほんの少しだけど、本人にとっては大きな成長となるような瞬間がこの映画で表現されていると思います。ゆうばり国際映画祭を除いては、皆さんが1発目のお客さんですから、ぜひ楽しんでいってください。本日ありがとうございました。
■フォトギャラリー
- 峯松里香(プロデューサー)/小浜圭太朗(企画プロデュース)/佐藤アツヒロ/原嘉孝/沢口愛華/夏目大一朗監督
- 原嘉孝
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- 沢口愛華
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- 佐藤アツヒロ
- 佐藤アツヒロ
- 夏目大一朗監督
- 夏目大一朗監督
[記事・写真:三平准太郎]
映画『初恋芸人』
《INTRODUCTION》
特撮番組の脚本執筆やUMA(未確認生物)研究家としても活躍している中沢健の作家デビュー作で、大槻ケンヂ、切通理作、枡野浩一など多くのサブカル関係者ほか、児童文化作家の那須正幹や直木賞重受賞作家の朱川湊人からも絶賛され、2016年にはテレビドラマ化。
さらに、2025年8月から小学館のオリジナルコミックアプリ「マンガワン」でもこやま仁によるコミカライズの連載がスタートした異色の恋愛小説『初恋芸人』が映画初主演となる原嘉孝を迎えて映画化決定!12月19日(金)から池袋HUMAXシネマズ、新宿バルト9ほか全国ロードショー。
《STORY》
本作は売れないピン芸人・佐藤賢治は、怪獣ネタで舞台に立ちながらも鳴かず飛ばず。
彼女いない歴=年齢で、妄想の世界にだけ居場所を見つけていた。嫌な相手を怪獣に見立て、自分をヒーローとして戦わせることで心を保ってきたのだ。
そんな彼の前に現れたのが、市川理沙。佐藤を「面白い」と言ってくれる彼女との時間は、初めての恋のときめきに満ちていた。
しかし、不器用な佐藤は想いを伝えられないまま、市川から距離を置かれてしまう。
やがて明かされる市川の秘密――。
これは、何かになりたかった人たちに捧げる、「何物でもないもの」の物語。
- 場面写真
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原作:中沢健「初恋芸人」(小学館「ガガガ文庫」刊)
主演:原嘉孝
出演:沢口愛華 温水洋一 川上麻衣子 佐藤アツヒロ 六角慎司 ほか
監督・脚本:夏目大一朗
企画・プロデュース:小浜圭太郎
プロデューサー:峯松里香
後援:尾道観光協会 因島観光協会
協力:小学館
製作:「初恋芸人」フィルムパートナーズ
配給:ギグリーボックス
公式サイト:https://hatsugei.com
公式X:https://x.com/hatsugei
予告編
2025年12月19日(金)池袋HUMAXシネマズ、新宿バルト9 ほか全国ロードショー
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