
カズオ・イシグロ(原作)×石川慶監督×広瀬すず(主演)映画『遠い山なみの光』、トロント国際映画祭正式出品決定
カズオ・イシグロ原作、石川慶監督、主演・広瀬すずによる映画『遠い山なみの光』が、第50回トロント国際映画祭(2025年9月4日〜14日/現地時間)スペシャル・プレゼンテーション部門へ正式出品されることが決定した。
トロント国際映画祭は、北米最大級の観客動員を誇り、アカデミー賞の行方を占う“オスカーレースの登竜門”として、世界的にも注目される映画祭。記念すべき50回目の開催となる今年、本作はトロントで北米プレミアが実施される。
スペシャル・プレゼンテーション部門は、世界各地の映画祭で高く評価された話題作や、気鋭監督の最新作、世界的な名匠の新作がラインアップされる注目のセクション。
過去には是枝裕和監督の『怪物』や、濱口竜介監督の『悪は存在しない』などが出品されており、今年はすでにHIKARI監督の『Rental Family』や、ダニエル・クレイグ主演の『Wake Up Dead Man: A Knives Out Mystery』の出品が発表され、早くも大きな話題を集めている。
この選出に際し、監督の石川慶は「この地で、戦後を生き抜き、海を渡った一人の女性の物語が、誰かの記憶と響き合うことを願っています。」と喜びのコメントを寄せ、主演の広瀬すずも、「長崎で生き抜いた女性たちが感じでいたこの感覚を世界に知ってもらえる機会があると思うと、とても光栄」とコメントを寄せました。
2025年5月に開催された第78回カンヌ国際映画祭では、「ある視点」部門に出品され、公式上映には石川監督をはじめ、原作者でありエグゼクティブ・プロデューサーのカズオ・イシグロ、キャストの広瀬すず、吉田羊、カミラ・アイコ、松下洸平、三浦友和ら7名が登壇し、世界中から注目を浴びた。
上映後のスピーチでイシグロ氏は、「石川監督が本作の映画化の企画をくださったときに、素晴らしいアイディアだと思いました。美しい映画が生まれる可能性に満ちていた。そして、僕のその直感は正しかった」と語っている。
カンヌ、上海に続き世界を舞台に歩みを進める本作が、トロントの地でどのように迎えられるのか、今後の展開が注目される。
戦後80周年となる2025年の夏にスクリーンに描かれるこの物語は、終戦間もない長崎という、まだ過去にしきれない「傷跡」と、未来を夢見る圧倒的な「生」のパワーが渦巻いていた時代を生き抜いた女性たちの姿を鮮明に描き出す。先の見えない時代を生きる私たちに前へ進む勇気をくれる、感動のヒューマンミステリー。
コメント全文
石川慶監督
初めてトロント国際映画祭に参加できることを嬉しく思います。トロントは、多様な文化や記憶が交差する街だと感じています。この地で、戦後を生き抜き、海を渡った一人の女性の物語が、誰かの記憶と響き合うことを願っています。
広瀬すず
トロント映画祭!素直に嬉しいです。
紐が解いていくたび、振動が激しくなっていくような、当時長崎で生き抜いた女性たちが感じていたこの感覚を世界に知ってもらえる機会があると思うと、とても光栄に思います。
監督、すごいです。おめでとうございます!
映画『遠い山なみの光』
《INTRODUCTION》
1989年にイギリス最高の文学賞であるブッカー賞、2017年にノーベル文学賞を受賞し、二つの世紀を代表する小説家となったカズオ・イシグロの鮮烈な長編デビュー作「遠い山なみの光」を、『ある男』(22)で第46回日本アカデミー賞最優秀作品賞含む最多8部門受賞を果たした石川慶監督が映画化した『遠い山なみの光』は9月5日(金)にTOHOシネマズ日比谷 他 全国ロードショーいたします。
ある女が語り始めたひと夏の記憶
その物語には心揺さぶる〈嘘〉が隠されていた
1950年代長崎と1980年代イギリスを生きる3人の女たちの知られざる真実に涙溢れる、感動のヒューマンミステリー
日本人の母とイギリス人の父を持つニキ。大学を中退して作家を目指す彼女は、長崎で戦争を経験した後イギリスへ渡った母の悦子の半生を綴りたいと考える。
娘に乞われ、口を閉ざしてきた過去の記憶を語り始める悦子。それは30年前、戦後間もない長崎で暮らしていた頃に出会った、佐知子という女性とその幼い娘と過ごしたひと夏の思い出だった。だが、ニキは次第に母が語る物語に違和感を感じ始め――。
長崎時代の悦子を演じるのは広瀬すず、佐知子に二階堂ふみ、イギリス時代の悦子に吉田羊、ニキにはオーディションで選ばれたカミラ・アイコ、さらに悦子の夫に松下洸平、その父親に三浦友和と、日英映画界の煌びやかな至宝がそろった。そのほか、日本パートには柴田理恵、渡辺大知、鈴木碧桜(子役)らが出演。豪華実力派キャストが集結し、物語を彩ります。
《STORY》
日本人の母とイギリス人の父を持ち、ロンドンで暮らすニキ。大学を中退し作家を目指す彼女は、執筆のため、異父姉の死以来足が遠のいていた実家を訪れる。
母の悦子は、長崎で原爆を経験し、戦後イギリスに渡ってきていたが、ニキは母の過去を何一つ聞いたことがない。
夫と長女を亡くし、想い出の詰まった家で一人暮らしていた悦子は、ニキと数日間を共にする中で、最近よく見るという、ある「夢」について語り始める。それはまだ悦子が長崎で暮らしていた頃に知り合った、佐知子という女性と、その幼い娘の夢だった――。
- 場面写真:広瀬すず/二階堂ふみ
- 場面写真:広瀬すず(主人公・悦子 役)
- 場面写真(広瀬すず)
- 場面写真:二階堂ふみ(佐知子 役)
- 場面写真(二階堂ふみ)
- 場面写真(吉田羊)
出演:広瀬すず 二階堂ふみ 吉田羊
カミラ・アイコ 柴田理恵 渡辺大知 鈴木碧桜 松下洸平 / 三浦友和
原作:カズオ・イシグロ/小野寺健訳「遠い山なみの光」(ハヤカワ文庫)
監督・脚本・編集:石川慶『ある男』
製作幹事:U-NEXT
制作プロダクション:分福/ザフール
共同制作:Number 9 Films、Lava Films
配給:ギャガ
助成:JLOX+ ⽂化庁 PFI
©2025 A Pale View of Hills Film Partners
本予告
2025年9月5日(金)TOHOシネマズ 日比谷 他 全国ロードショー
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