哀川翔、一世風靡セピア以来の太鼓を叩く!前田敦子×カルーセル麻紀×片岡礼子×原田龍二×松本妃代 映画『一月の声に歓びを刻め』公開記念舞台挨拶
2024年2月10日、テアトル新宿にて、映画『一月の声に歓びを刻め』公開記念舞台挨拶が行われ、前田敦子、カルーセル麻紀、哀川翔、片岡礼子、原田龍二、松本妃代、三島有紀子監督が登壇。本作の撮影エピソードを明かした。
本作は、監督自身が47年間向き合い続けた「ある事件」をモチーフに自主映画からスタートしたオリジナル企画。「性暴力と心の傷」をテーマに、心の中に生まれる罪の意識を静かに、深く見つめる映画である。
八丈島の雄大な海と大地、大阪・堂島のエネルギッシュな街と人々、北海道・洞爺湖の幻想的な雪の世界を背景に、3 つの罪と方⾈をテーマに、人間たちの“生”を圧倒的な映像美で描いていく。
船でやってきた者を前田敦子、船を待つ者を哀川翔、そして船で向かう者をカルーセル麻紀が演じ、さらに、坂東龍汰や片岡礼子、宇野祥平、原田龍二、とよた真帆らが脇を固める。
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画レポート
■テキストダイジェストレポート
前田敦子「三島監督が安心してる顔を見て、私たちも安心」
カルーセル麻紀・撮影時はマイナス20度の寒波&大雪で「洞爺湖は地獄」「大親友だった太地喜和子が空から応援してくれた」
哀川翔・一世風靡セピア以来の太鼓を叩き、10キロの鉄パイプを振り回す!?
自主制作スタイルで本作を生み出し完成させた三島監督は、久々に集結したキャストや満席の客席を見まわして感極まってウルウル。「このメンバーの顔を見ると感極まってしまいす。この映画は47年前のある事件からスタートしていて、それから映画の力を信じてここまで生きてきて、映画を愛して映画監督になって映画を作ってまいりました。映画を愛している皆さんと映画を信じてくださっているお客様とこの日を迎えられて本当に幸せです」と感謝を述べた。
前田は撮影を振り返り「三島監督しか見えない状態での濃ゆい時間を経て、とうとうこの日が来たのかと。三島監督が安心してる顔を見て、私たちも安心することが出来ました」と無事の封切りに嬉しそう。
三島監督が「前田さんとは当然肉体は別々なのに、撮影中は一つになって呼吸も合っていくような感覚でキャメラの横にいました」と感慨を述べると、前田も「私も気づいたら三島監督と呼吸を合わせていたような、不思議な感覚を味わいました」と共感していた。
撮影時はマイナス20度の寒波&大雪で「洞爺湖は地獄」だと思ったというカルーセルだが、過日行われた洞爺湖町での舞台挨拶では「天気はピーカンで雪も降らず、景色も綺麗。監督が買って来てくれたパンも美味しくて2つも食べちゃった」と印象激変。
洞爺湖町に住む出演者・坂東龍汰の家族とも初対面したそうで「お父さんが緊張でガチガチになりながら『子供のころから麻紀さんを見ています!』と言ってくれて嬉しかった」と喜んでいた。
カルーセルとの念願の初共演に片岡は「このタイミングで会えるのかと嬉しかった」と喜ぶと、三島監督は「お二人はもう相思相愛。ただ物語の設定上、2人は複雑な関係だったので本当は仲良くしてほしくなかった」と苦笑い。
これにカルーセルは「撮影中に二人でぺちゃくちゃ喋っていたら、三島監督から『静かに!』と怒られた」と舌を出しいてた。
続けて、前田敦子演じる“れいこ”とのある重要なシーンを振り返ったカルーセルは「画面には映っていないんですけれど、白樺の木があるシーンで、晴天の空を見上げたら、雪が降ってきて、そこに大親友だった太地喜和子がいたんです。喜和子が『頑張ってね!麻紀!』って。そしてそのシーンの撮影が終わったら、監督が寄ってきて私を抱きしめて『良かったよ!』って言ってくれたんです。それがとても嬉しかったんです。」と、今は亡き大女優・太地喜和子が天から応援したくれたことを明かした。
一方、“自然とマナー。八丈島大使”である哀川は八丈島ロケについて「よく知っている場所であるからこそ、地元感も出るのかなと。すれ違う人も知り合いだったりするので、芝居以外にも醸し出せるものがあると思った」とゆかりの地でのロケに手応え。
八丈島の温泉大使である原田は「八丈島は遊びに行くところですから、久々に仕事をした」と笑って「八丈島には7か所も温泉があります。皆さん、ぜひ八丈島へ!」とPR。
そんな二人に囲まれた松本は「お二人が八丈島の人になってくださったお陰で、私も芝居がしやすく助けられました」と感謝していた。
哀川には劇中で和太鼓を豪快に叩くシーンがあるが、これに原田は「翔さんが太鼓を叩くと何故か牛が集まって来る。あれはどういうことですか?」と天然質問。
哀川は「それは牛が単に音に反応するだけ!俺が叩いたからというわけではない!どうしてそんな真面目な顔して変なことを言うの!?」とツッコんで場内爆笑。
さらに原田は「太鼓を叩いたのは一世風靡セピア以来ですか?」と聞いて、哀川から「確かにそうですね、あんなに練習したのはセピア以来ですね」とプチ情報を引き出していた。
カルーセルも哀川の役どころに触れて「鉄パイプを持って翔君が暴れるのかと思ったら、全然そんなシーンがなくて翔君らしくない」と言うと、哀川は「暴れるシーンがないというのは、自分にとって難しいこと。非現実的なものばかりをやっていると、今回のような現実的な芝居が難しくなる」と告白。
劇中で哀川が手にする鉄パイプはかなりの重量があったそうで、原田は「翔さんが引きずると、普通の人が鉄パイプを引きずるのと音が違って怖い」と明かしてまた爆笑を誘っていた。
イタリアで4月24日から5月2日まで開催される「第26回ウディネ・ファーイースト映画祭」のコンペティション部門に本作が出品されることも決定。
三島監督は「みんなで想いを込めて作った映画なのでみんなで現地に行きたい!」と期待しながら「イタリアで観てくれる方々がどんな顔で何を受け取ってくれるのか見届けたいです」と現地の反応を期待していた。
最後のメッセージを求められて、前田は「監督の映画愛がたくさん詰まった素敵な作品です。」、三島監督は「昨日公開を迎えて、この映画が私たちの手から離れて皆さんのもとに旅立ちました。誰だって傷みたいなものがあるかもしれません。人生は続くと自分も生きていて思うし、皆さんの横顔を見てもそう思います。また映画館で会いましょう!」とそれぞれ呼び掛けていた。
<ウディネ・ファーイースト映画祭>
ヨーロッパ最大のアジア映画祭として知られており、今年26回目を迎えます。開催地のウディネは、イタリア・ベネチアから1時間ほど山間部に位置しており、過去には生涯功労賞を受賞した北野武、ジャッキー・チェン、久石譲、大林宣彦監督などが名を連ねており、世界最大の映画祭・カンヌ国際映画祭直前の開催ということもあり、世界の主要な映画祭ディレクターや映画人が集まる、映画業界にとって注目度の高い映画祭である。現地時間4月24日から5月2日まで開催予定。『一月の声に歓びを刻め』はコンペティション部門に出品予定。
■フォトギャラリー
[動画・写真:三平准太郎]
映画『一月の声に歓びを刻め』
遥か遠くから聴こえる
知らない誰かの
美しく、凄惨な、罪の歌
《STORY》
北海道・洞爺湖。お正月を迎え、一人暮らしのマキの家に家族が集まった。マキが丁寧に作った御節料理を囲んだ一家団欒のひとときに、どこはかとなく喪失の気が漂う。マキはかつて次女のれいこを亡くしていたのだった。一方、長女の美砂子は女性として生きるようになったマキに複雑な感情を抱えている。家族が帰り静まり返ると、マキの忘れ難い過去の記憶が蘇りはじめる……。
東京・八丈島。大昔に罪人が流されたという島に暮らす牛飼いの誠。妊娠した娘の海が、5年ぶりに帰省した。誠はかつて交通事故で妻を亡くしていた。海の結婚さえ知らずにいた誠は、何も話そうとしない海に心中穏やかでない。海のいない部屋に入った誠は、そこで手紙に同封された離婚届を発見してしまう。
大阪・堂島。れいこはほんの数日前まで電話で話していた元恋人の葬儀に駆け付けるため、故郷を訪れた。茫然自失のまま歩いていると、橋から飛び降り自殺しようとする女性と出くわす。そのとき、「トト・モレッティ」というレンタル彼氏をしている男がれいこに声をかけた。過去のトラウマから誰にも触れることができなかったれいこは、そんな自分を変えるため、その男と一晩過ごすことを決意する。やがてそれぞれの声なき声が呼応し交錯していく。
(注)本作は監督自身の体験をモチーフにして作り上げた“劇映画”であり、直接的な性被害の描写はありません。
出演:前田敦子、カルーセル麻紀、哀川翔
坂東龍汰、片岡礼子、宇野祥平
原田龍二、松本妃代、長田詩音、とよた真帆
脚本・監督:三島有紀子
配給:東京テアトル
© bouquet garni films
公式サイト:ichikoe.com
公式X:@ichikoe_movie
公式Instagram:@ichikoe_movie
予告編
2024年2月9日(金) テアトル新宿ほか全国公開
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