【インタビュー】柳美稀「おいしい役で、初めてのアクションに奮闘中です!」堤幸彦演出舞台「西遊記」
日本テレビ開局70年記念舞台『西遊記』が開幕中だ。LEDを駆使したダイナミックな舞台装置が見どころな、堤幸彦演出の本舞台に、出演する柳美稀。「柳美稀だからこその芝居」を目指す彼女に、本作の取り組みについて話を聞いた。
本舞台は、2023年11月3日の大阪を皮切りに、福岡・名古屋を経て、2024年1月6日(土)より明治座にて東京公演が開催される。
孫悟空を中心に、三蔵法師一行が天竺を目指す『西遊記』の物語は広く知られ、長年にわたり愛されて来たスペクタクル・エンターテインメント。LEDの最新映像技術、フライング、特殊効果をフル活用し、ライブエンタメの可能性を徹底的に追求した、笑いあり、涙あり、人間ドラマあり、そして歌あり、ダンスあり、面白さがギュッと詰まった「誰も観たことの無い」画期的な舞台だ。
主演の孫悟空は片岡愛之助、三蔵法師は小池徹平、猪八戒は戸次重幸、沙悟浄は加藤和樹、玉竜は村井良大、三蔵法師一行としてこれらの5人が旅をする。
妖怪側として、牛魔王に松平健、妻・鉄扇公主に中山美穂、息子・紅孩児に藤岡真威人、金角は藤本隆宏、銀角は山口馬木也、虎力大仙を小宮璃央、鹿力大仙を押田岳、羊力大仙を桜庭大翔が演じる。
柳美稀は、高翠蘭(こうすいらん)役。
柳美稀 インタビュー&撮り下ろしフォト
■おいしい役なんです!
‐西遊記はいろんな妖怪が登場しますが、柳さんが演じられる高翠蘭(こうすいらん)は人間ですか?
柳美稀(高翠蘭 役)
はい。人間です。
‐9月の製作発表会見で、「高翠蘭(こうすいらん)はおいしい役」とおっしゃってましたが、具体的には?
柳美稀
私の役は、しゃべらなければ可愛い。でもしゃべると性格がどぎつい。どぎついというのは、良い意味でさっぱりしていて芯を持っていてなんでも言うタイプ。そういう意味で、皆さんの印象に残る役だと思うからです。おいしいし楽しい役です。
‐以前、映画『賭ケグルイ』でインタビューさせてもらったとき、「ヤバイ役は柳美稀だよねって言われたい。生志摩妄(いきしま みだり)よりもっと!」とおっしゃってましたが、その観点での高翠蘭というキャラクターはどうでしょう?
柳美稀
生志摩妄とはまたベクトルの違うヤバさはあります。高翠蘭はなんでも言い過ぎちゃうタイプの女の子なので、人によっては苦手なタイプかもしれないし、女子ウケもあまりよくないかも…(笑)
■LED映像セット転換があるダイナミックな演出
‐堤幸彦さん演出舞台といえば、最近では、横浜流星さん、中村隼人さんが出演された『巌流島』が、ステージ全面にLED映像がある迫力のある舞台でしたが、今回の『西遊記』では、さらに空中戦?もあるようですが、お話できる範囲で、どんな特徴がありそうですか?
柳美稀
すごいことになってます。『西遊記』もLED映像が付いたセットの転換があって、かなりダイナミックな演出です。
‐今作は、錚々たるキャスト陣の中で、2人の女性キャストのうちのお一人も中山美穂さん。そういう中での柳美稀さんの取り組みについて教えてください。
柳美稀
最初のうちは、キャラクターをもっともっと作り込んでいかなきゃって悩んでいたんですけれど、そういう側だけを作るんじゃなくて、「私が翠蘭(すいらん)だったらこう思うな」と、私自身に落とし込むようにして、受けたセリフを率直に返す、というやり方をしています。
このやり方の方が、堤さんからも、他の方からも面白いって言ってくださるので、正解なのかなって。考えすぎずに素直に演じることを意識しています。
‐稽古の状況や、稽古場の雰囲気はどんな感じでしょうか?(※1週間後に、初日を迎える段階)
柳美稀
あと1週間で本番が来るとは思えないと感じています。私自身の状況のことですけど(笑)
通し稽古は始まっているんですけれど、ミス無く完璧に通ったということがまだ無いんです。アンサンブルの方も含めると、とても人数が多い中の殺陣が大変で、これからもっとブラッシュアップしていかなければいけないところだと思っています。
一方、芝居面はとても面白いです。堤さん自身も「面白い、良すぎてあんまり言うことがないです」とおっしゃってくださっているので。あとは、転換や映像と合わせて全体としてどういう風になるのかという細かいところの調整です。
■初めてのアクションに奮闘中!
‐柳さんも殺陣がありますか?
柳美稀
あります!!
高翠蘭には、高伯欽(こうはくきん/曽田陵介)というお兄ちゃんがいるんですけれど、兄弟揃って武術をやっているんです。
なので、しっかり動けないといけないんですが、私はこれまでアクション経験が無いので、今回初めてガッツリとアクションに取り組んでいます。もう満身創痍でやっています(笑)
‐今回、アクションには空中戦もあるんですよね?
柳美稀
はい、あります。私は無いんですけれど、中山美穂さんはワイヤーで吊られてます。初めてのようですが、「楽しかった」とおっしゃってました(笑)
‐堤さんから柳さんへはどのような演出がありましたか?
柳美稀
お芝居の面で具体的にああしてこうしてという指示はないです。でも、本稽古が始まる前のプレ稽古の段階では、まだ台本を覚えてばかりの第一段階ではあったんですが、堤さんから「まだまだ発展途上だね」というお言葉があって、そこからさっきもお話したように、(役作りの)考え方を変えて試してみると、けっこう笑ってくださっているので、「よっしゃ!」って思いました(笑)
‐堤幸彦版『西遊記』は、どんな特徴があると感じられていますか?
柳美稀
「トリック」などを観て育っている者からすると、堤さんの世界観が出ていると思います。独特のボケとツッコミがあって、笑ってしまうところもたくさん。そういうのは堤さんらしいのかなと思います。ちなみに、元々の台本に後からセリフがいっぱい足されています。脈絡が無い言葉が急にポッと入る感じです(笑)
■「柳美稀だからこその芝居」を確立していきたい
‐2023年秋の柳さんとしては、俳優としてどう進んで行きたいか?というのがありましたら是非お聞かせください。
柳美稀
これは一生の課題になると思うんですけれど、「柳美稀だからこその芝居」を確立していきたいです。
‐現時点でも既に柳さんだからこそというのは強く感じています(笑)
柳美稀
(笑) ありがとうございます。
そういうことを広く皆さんに知っていただける役者になりたいと思っております。
‐柳さんが最近ハマっていることや好きなことは?
柳美稀
イクラです!
しかも、魚屋さんで生筋子を買ってきて、自分で処理をして醤油漬けのイクラにすることにめちゃめちゃハマってます。冷蔵庫には常にイクラが常備されていて、ただいま~って帰宅したらスプーン一杯みたいな(笑)
‐そのまま?
柳美稀
そのままいただきます。ほんとに大好きなので、今の生き甲斐はイクラです。ずぅ~っと筋子の膜を取ってます(笑)
その作業は大変ですが、好きだから苦になりませんし、何より、イクラの醤油漬けになったものを買うととても高いですが、筋子だと安いのがいいんです。しかも自分好みの味付にできて、その自由自在さもいいです!
‐今はどういう味付けをされますか?
柳美稀
私はお酒は入れなくて、醤油、みりん、塩少々というシンプルで薄味です。そのまま食べるのが好きなので。
舞台の稽古が大変だった日も、帰宅したらイクラを作ってます。
■最後にメッセージ
‐改めて本舞台の見どころをご紹介ください。
柳美稀
『西遊記』という作品自体が、コメディ要素もある面白いお話なので、カッコいい要素もあってメリハリがあります。休憩入れて3時間半ほどの舞台ですけれど、観ていて絶対!と言い切れる自信があるぐらい、飽きないです!
‐ご自身の役どころで注目してほしい点は?
柳美稀
さっき、高翠蘭は人によって苦手なタイプかもと言いましたが、その逆もありきで、清々しいぐらい性格が悪く、ぶっ飛んでいるので(笑)、一周回って愛着が湧くんじゃないかなって思います。そういうキャラクターにも注目してほしいですけれど、更に殺陣のアクション、立ち回りもカッコよく仕上げていますので、是非注目してほしいです。
柳美稀(やなぎみき)プロフィール
1997年8月24日生まれ。愛知県出身。身長167㎝。血液型B型。2016年スーパー戦隊シリーズ『動物戦隊ジュウオウジャー』のヒロイン役で俳優デビュー。その後も『賭ケグルイ』、ドラマ『24 JAPAN』、ミュージカル『世界でいちばん美しい~鎌倉物語~』、劇団マカリスター第9回公演『なんだコイツ』、舞台『SHINE SHOW!』など幅広く活動。
現在、日本テレビ開局70年記念舞台『西遊記』に高翠蘭役で出演中。博多公演/11月10日(金)~11月23日(木)博多座、名古屋公演/12月27日(水)~2024年1月2日(火) 御園座、東京公演/2024年1月6日(土)~28日(日) 明治座。
■撮り下ろしフォトギャラリー
[インタビュー・写真:三平准太郎]
関連動画
日本テレビ開局70年記念舞台『西遊記』
《INTRODUCTION》
日本テレビ開局70年記念舞台『西遊記』は、2023年11月3日の大阪を皮切りに、福岡・名古屋を経て、2024年1月6日(土)より明治座にて東京公演が開催される。
孫悟空を中心に、三蔵法師一行が天竺を目指す『西遊記』の物語は広く知られ、長年にわたり愛されて来たスペクタクル・エンターテインメントだ。
主演の孫悟空は片岡愛之助、三蔵法師は小池徹平、猪八戒は戸次重幸、沙悟浄は加藤和樹、玉竜は村井良大、三蔵法師一行としてこれらの5人が旅をする。
妖怪側として、牛魔王に松平健、妻・鉄扇公主に中山美穂、息子・紅孩児に藤岡真威人、金角は藤本隆宏、銀角は山口馬木也、虎力大仙を小宮璃央、鹿力大仙を押田岳、羊力大仙を桜庭大翔が演じる。
また、鎮元子を田村心、玉帝と高伯欽を曽田陵介、高翠蘭を柳美稀が演じ、ベテランから若手まで様々なジャンルで目覚ましい活躍を魅せる俳優陣が勢揃いした。
1978年には「日本テレビ開局25年記念番組」として制作され、大ヒットを飛ばし、社会現象にもなったが、45年の時を経て、令和版の「日本テレビ開局70年記念舞台」として、新たな超大型アクションスペクタクルが誕生した。
開局60年舞台『真田十勇士』、開局65年舞台『魔界転生』に続いて、脚本はマキノノゾミ、演出は堤幸彦が担当している。
LEDの最新映像技術、フライング、特殊効果をフル活用し、ライブエンタメの可能性を徹底的に追求した、笑いあり、涙あり、人間ドラマあり、そして歌あり、ダンスあり、面白さがギュッと詰まった「誰も観たことの無い」画期的な舞台だ。
脚本:マキノノゾミ
演出:堤幸彦
出演:片岡愛之助 小池徹平 戸次重幸 加藤和樹 村井良大 藤岡真威人 田村心 曽田陵介
小宮璃央 柳美稀 押田岳 桜庭大翔 山口馬木也 藤本隆宏 中山美穂 松平健 ほか
企画・製作:日本テレビ
公式HP:saiyuki-ntv.jp
【公演日程】
大阪公演 2023年11月3日(金・祝)~5日(日) オリックス劇場
福岡公演 2023年11月10日(金)~23日(木・祝) 博多座
札幌上映会 2023年12月16日(土)・17日(日) カナモトホール
名古屋公演 2023年12月27日(水)~2024年1月2日(火) 御園座
東京公演 2024年1月6日(土)~28日(日) 明治座
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