峯岸みなみ「自分が美人役をやる日が来るとは。とうとう時代が私に追いついた」映画『大事なことほど小声でささやく』初日舞台挨拶
2022年10月21日、シネマート新宿にて、映画『大事なことほど小声でささやく』初日舞台挨拶が行われ、後藤剛範、深水元基、遠藤久美子、峯岸みなみ、田村芽実、横尾初喜監督が登壇。撮影現場の雰囲気などを明かした。(動画&フォト)
本作は、人気作家・森沢明夫の『大事なことほど小声でささやく』の実写映画化。Netflix「全裸監督」シリーズのラグビー後藤役など圧倒的な存在感で注目の後藤剛範が、マッチョでオカマのゴンママ役で映画初主演となる。
スナックを営むゴンママとバーテンダーのカオリの元に集うのは悩みをかかえたジム仲間たち。二人は彼らに“カクテル言葉”を小声で添えて、悩みに寄り添うカクテルを用意する。いい人が幸せになれると限らない。がんばったって報われない。なんだか理不尽で閉塞感ばかりの今、それでも「人生は生きるに値する」「悲しい時は泣けばいいのよ…」と、スナックのゴンママがきっと観る人にささやいてくれる…そんな優しさに包まれたハート・ウォーミングな映画作品。
舞台挨拶レポート
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本作が初主演となった後藤は、大勢の観客で埋まった会場内を見渡し「こんなに大勢の方にいらしていただいて。もう胸がいっぱいで。いろんなものがあふれそうです」とユーモラスにあいさつ。
映画初主演となった本作について「自分は下積みも長くて。舞台とか演劇で脇役とかをずっと続けていくんだろうなと思っていたので、主演のオファーが来たことにまずビックリして。でもとてもうれしくて。監督の冒険心というか、器の大きさに乗っかりたいなと思いました」と晴れやかな表情。
一方の横尾監督は、後藤に主演をオファーした理由を「後藤さんとは以前にドラマでご一緒させていただいた時に筋肉がすごくて。パンチが強いなと思っていたんで、原作を読ませていただいた時に(ゴンママ役は)後藤さんしかいないと思ってオファーをさせていただきました」と明かした。
そのオファーが来た時に「ゴンママという役にはシンパシーを感じる事が多くて。最初に企画書を見せてもらった時に、大きく言うと自分がやるべきだというのは率直に思った」と運命的なものを感じたという後藤だったが、原作では2メートルを超えるマッチョという役柄ということで「本当に難しかったですね。いつも筋トレはしていますけど、ハードルが高かった」と率直な思いを語った。
そして今回、深水が演じたのが、とある悲しみを抱えた医者の四海良一。
深水は、「いつも殺るか、殺られるかの作品ばかりだったのですが、今回は家族と向き合うというテーマで、僕も家族に悩む役で。あまりやったことがない役でしたが、自分の家庭環境と似ているところもあったので。作品とプライベートが重ね合わせるところもあって。それがどう演技に出たか分からないですが、逆にそっちの方が心を削ることも多いんだなと。大変でしたね」としみじみ。
そしてその妻・由佳役の遠藤も「深水さんが現場に入られた時の優しさだったり、柔らかさみたいなものがあって。わたしも妻として難しい役どころだったんですけど、深水さんが作ってくださった優しい空気の中にそっといさせていただいたという感じで。とても居心地が良かったです」と振り返った。
さらに今年8月に結婚報告のニュースが話題となった峯岸は、紅一点のミレイ役を務めた。「ざっくり言うとミステリアスで、謎の多い美人役というのが来た時に、まさか自分が美人役をやる日が来たかと。とうとう時代が追いついたんだなという思いでうれしかった」と冗談めかして会場を沸かせると、「もともとAKB48という女性ばかりのグループの中で、自分はビジュアル担当ではなく頑張ってきたので。ダンディーな皆さんに囲まれた中の、紅一点のシーンが多かったので、それが新鮮で。楽しませていただきました」と笑顔。
さらに「本当にジムのシーンも、スナックのシーンも、休憩時間でも、皆さんが自分の世界に入るのではなく、皆さんが輪になって話をしたりしていて。そういうところからも、中から(温かい雰囲気が)出てくるものがあったと思います」としみじみ。
そして峰岸が、「後藤さんがゴンママじゃないんだという現実がさみしくなるくらい、居心地のいい空間でした」と語るのが、ゴンママが営むスナックひばりだ。
そこで働くカオリを演じた田村は本作が映画初出演。「もう本当に緊張してしまって。撮影当初はガチガチになってしまっていたんですけど、でも初めて原作を読んだ時と同じ空気感が撮影の現場にも流れていて。皆さんの空気が本当に温かく流れていて。だからわたしもとても楽しく撮影に挑むことができました」と笑顔。
そんな田村は本作の主題歌も担当。「撮影が終わったのが本当にさみしくて。スナックひばりのみんなのことがずっと恋しかったんです。主題歌のレコーディングをしている時も、歌唱するのはわたしひとりだったんですけど、歌詞とか音楽がこの作品とリンクするところがたくさんあったので、ひとりなんだけど、スナックひばりのみんなと一緒に歌っているような感覚があって。この映画にたずさわっている皆さんと一緒に主題歌を作りあげたような気持ちになりました」と感激した様子で明かした。
そんな本作に対する愛情をせつせつと語る登壇者たち。司会者から続編を望む声をぶつけられた横尾監督も「原作小説ではそれぞれの人物のお話が連なっていて。今回は歯科医夫婦をフォーカスした物語となっているわけですが、絶対に次も撮りたいですね」と続編への意欲を見せるひと幕があった。
そんな舞台あいさつもいよいよ終盤。最後のメッセージを求められた後藤は、「この話は、僕ら俳優を含めて、登場人物も前に進もうとする話だと思っていて。その中で生じる孤独や不安にどう向き合うか、という思いで作っていました。皆さんにそっと寄り添える映画だと思っていただけたらうれしいです」とあいさつ。
そしてその流れで「これからも、大事なことほど小声でささやく、楽しみにしてください……」と次第に小声になりながら、やがて最後はささやくような声で呼びかけると、会場からはクスクス笑い。深水からは「聞こえないと意味ないんじゃない?」とツッコみを受け、さらに横尾監督からは「実はさっき裏で、これウケますかねと言われたんですよね」と暴露されてしまい、会場は大笑い。終始温かな雰囲気が包み込むような舞台あいさつとなった。
映画『大事なことほど小声でささやく』
INTRODUCTION
原作は2013年に発表、2015年に文庫化され12版を重ねるヒット小説です。森沢氏は「人を幸せにするのは人であり、人と人とのつながりの中に人生の素敵な部分がある」ことを描き続け、『虹の岬の喫茶店』、『夏美のホタル』、『あなたへ』など数多くの作品が映画化されています。本作もポップな設定と明日への勇気を届けてくれるハートウォーミングな物語が混ざり合い、若者を中心に息の長い人気を集めています。
スナックを営むゴンママとバーテンダーのカオリの元に集うのは悩みをかかえたジム仲間たち。二人は彼らに”カクテル言葉”を小声で添えて、悩みに寄り添うカクテルを用意します。この度の映画では【歯科医の四海良一夫婦】の物語がクローズアップされ、夫・四海良一役を深水元基、妻・由佳役を遠藤久美子が演じます。ある悲しみを抱えた良一が、ゴンママと出会い、徐々に夫婦が再生していく姿が描かれます。その他、ゴンママのスナックに足を運ぶ個性的なキャラクターにも、豪華キャストが集結!昨年5月、AKB48を卒業し、今年8月に結婚報告のニュースが話題となった峯岸みなみ、俳優としても活躍の幅を広げる大橋彰(アキラ100%)、監督期待のニューフェイスの遠藤健慎、硬軟自在の実力派・田中要次、そして、ゴンママのスナックで働くカオリには、ミュージカル界の新星・田村芽実など、素晴らしいキャストが集まりました。監督は森沢作品にほれ込んだ横尾初喜(『ゆらり』『こはく』等)。脚本は劇団時間制作の谷碧仁。
いい人が幸せになれると限らない。がんばったって報われない。なんだか理不尽で閉塞感ばかりの今、それでも「人生は生きるに値する」「悲しい時は泣けばいいのよ…」と、スナックのゴンママがきっと観る人にささやいてくれる…そんな優しさに包まれたハート・ウォーミングな映画が完成しました。
STORY
主人公は、でっかくマッチョなオカマのゴンママこと権田鉄雄。昼はジムで体を鍛え、夜はジム仲間が通う「スナックひばり」を営んでいる。今夜も歯科医の四海良一がやってきた。マシンガントークが売りの陽気な良一だったが大きな悲しみを抱え、妻との関係も冷え切っていた。ぽつりと話し出した良一にゴンママはあるカクテルを出す…。
ジム仲間は、万年課長補佐のサラリーマンや素性を明かさない美女、紙ヒコーキ好きの高校生、60歳を過ぎてもお盛んな広告会社社長…と個性豊かな面々だが、やっぱり彼らも人知れず悩みや悲しみを抱えている。そんなお客たちにゴンママとカオリは毎夜、悩みに合わせたカクテルを用意する。大事な言葉を小声で添えて。
出演:後藤剛範、深水元基、遠藤久美子、田村芽実、峯岸みなみ、遠藤健慎、大橋彰、田中要次
制作協力:UNITED PRODUCTIONS アイオーン avenir
企画:ゴールデンツリー、アイオーン
製作:GOLDEN TREE
© ゴールデンツリー/2022「大事なことほど小声でささやく」製作委員会
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
2022年10月21日(金)シネマート新宿、ユーロスペースほか全国順次公開
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