コロナ収束後の世界への希望を作品に。映画『to…』初日舞台挨拶
4月30日(土)池袋シネマ・ロサにて、3本で構成されるオムニバス映画『to…』の舞台挨拶が行われ、Part 1のW主演の植松優、東出薫、塩野峻平監督が登壇。Part 1の楽曲担当のシンガーソングライター早希はビデオメッセージを寄せた。
なお、5月4日にPart 2、6日(金)にPart 3の舞台挨拶があり、それぞれのキャストが登壇する予定。
本作は、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭や門真国際映画祭など、大学在学中から複数の映像コンペティションで高い評価を得てきた塩野峻平が、コロナ禍の “端の人” を描くオムニバス映画を監督として制作。監督・スタッフの多くが現役の中央大学の学生であり、彼らが身を持って感じてきたコロナ禍の生きづらさを繊細に表現し、コロナ収束後の世界への希望を作品に託した。
100名を超えるオーディションの中から選ばれたのは、植松優、東出薫、清水陽介、藍川きあら、猪征大、竹内詩乃。登場人物同様、コロナ禍で生きる6人の若い出演陣が集った。
挿入歌は、YOASOBIのikuraも所属した、ぷらそにかの現メンバーである早希、YouTubeにて6.5万人以上のチャンネル登録者を持ち、TikTokでも人気を誇るDay and Night、力強い歌声でインディーズ界隈を沸かせ精力的にライブ活動を行うマリナの3 組が本作のために楽曲を書き下ろした。 キャスト、アーティスト、スタッフがそれぞれの視点、それぞれの役割で、コロナ禍の「今を生きること」を描いた作品。
初日舞台挨拶レポート
■本作制作のきっかけ(エピソード Part 1)
中村綾菜(MC/本作プロデューサー)
本日は、Part 1について伺います。なぜ、コロナ禍の大学生の話を映画にしようと思ったのでしょうか?
塩野峻平監督
僕自身この映画を企画したのが当時まだ大学生の時でした。身の回りに大学に通えずに地元に帰ってしまう人とか、あるいは全て授業がオンラインであったりという環境が身近にあったので、こういう時代にその環境を映画にして残して皆さんに届けることができればと思いからPart1を撮影しました。
中村綾菜(MC)
私たちは同じ大学なのですが、私も3、4年生の頃はオンライン授業でした。 それでは東出さんと植松さんにお聞きいたします。それぞれの役を演じるにあたって、役とご自身の違いについて教えてください。
植松優(小松 役)
小松は大学生なのですが、僕は大学に行ってなかったので、大学に通っている友達にいろいろ聞いて、そこで学んだり、そこで役に立ったことを使って演じました。
東出薫(立野 役)
私も大学には進学していないんですけれども。立野と私の性格が違うと思ったのが、初めて会った小松からの「観光に行けませんか?」という提案に乗った勇気がすごいなと私は思いました。 でもある意味、悩んでいる立野が何か行動を起こそうというところが、自分と違うというかすごいなと思いました。
■印象に残っている撮影時のエピソード
植松優
一番印象に残ったのは歩道橋のシーンです。そこで出てくる台詞で、「大学生ってどんな感じなんですか?」から始まって、その中で、「また、きっと誰かに会えますよ」っていう台詞があるんです。そこのセリフが一番印象に残りました。
東出薫
スタジオ撮影と違って、外でのロケが多かったので、毎日撮影場所が違って、分刻みでスケジュールが変わって、でも、立野としていろんな場所を観光できたので、コロナ禍で過ごす中で新鮮な気持ちがして観光したことが楽しかった印象です。
中村綾菜(MC)
どこの観光場所が一番でしたか。
植松優
楽しかったのは、浅草が一番でした。
東出薫
初めてスカイツリーに登ったので、怖かったんですけど、貴重な経験で楽しかったです。
植松優
二人とも高所恐怖症なのですごいブルブルして怖かったです。
中村綾菜(MC)
塩野監督は撮影時に印象に残っていることはありますか?
塩野峻平監督
出演者2人が、割と「よーい、スタート!」で、役に入るタイプ・性格でした。本番が始まる前まではいつもの二人なんですけど、いざ本番ってなったらすごい切り替えて、シリアスじゃないですけど、静かなシーンも演じられたので「あぁ、役者だな」って思いました。
中村綾菜(MC)
植松君は普段と本番と全く違いますよね。(笑)
東出薫
彼は自分でさっきおっしゃっていたんですけど、“内気な性格だっていう形”で売りにしたいらしいんです。
中村綾菜(MC)
逆に、植松さんからみて東出さんはどんな方でしたか?
植松優
イメージの通りでした。天真爛漫でよく食べる気さくな子だなと思いました。
東出薫
その通りです(笑)
■キャストの印象 ~オーディション時と本番時の違い~
塩野峻平監督
オーディションはPart1のポストの前のシーンで行いました。 当然、部屋に入った時から2人ともそのキャラクターになっていたんですけれども。いざ顔合わせの時に自分で考えたキャラクターで来たので、「あぁ、そういう感じかぁ」と思いました。本番でしっかりやってくれましたね。 東出さんは最初はすごい静かでした。徐々に二人とも心が打ち解けていったので、それがすごい良いなと思いました。
中村綾菜(MC)
ふたりとも、“ドンジャンケンポン”で遊んで打ち解けていったみたいですね。
■「オーディションの必勝法は?」
SNS事前募集質問
私は女優を目指していますが、うまくいかない日々が続いています。今回の映画もそうですが、今までたくさんのポジションを経験されているであろう薫さんなら、オーディションの必勝法もあるのではないですか?ぜひ教えてください。
東出薫
逆に教えてほしいです(苦笑)
やっぱりイメージやタイミングがあるので気張らずにありのままでいけるように、自分ができる最低限の準備をして挑むことでしょうか。
中村綾菜(MC)
植松さんはいかがですか?オーディションは緊張しますか?
植松優
緊張しますね。でも最近はもう緊張しなくなりました。 最初は緊張していたんです。そこは切り替えていこうと思いました。
スタッフの方が結構いらしてその真ん中に塩野監督がいらっしゃって、「いかついな」っていう印象でした。
東出薫
同世代の方が多かったと思います。皆さんが結構違う芝居をされていて、「こういうやり方もあるんだな」ってすごく刺激的な感覚を受けました。 フェイスシールドをしてのオーディションも初めてで、曇ってしまって、「どうしよう、前が見えない」という緊張感もありました。
■各パートごとの書き下ろしの楽曲
中村綾菜(MC)
『to…』は、各パートごとに楽曲を書き下ろしていただきました。
Part1では、シンガーソングライターの早希さんに、「なんでもない今日」と楽曲を書き下ろしていただきました。 塩野監督自身、作品のために歌を書き下ろしてもらうのは初めてだったと思うのですが、完成した曲を聞いてどういった感じを受けましたか?
※Part1「なんでもない今日」早希 / Part2「あなたへ」Day and Night / Part3「溶けないように」マリナ
塩野峻平監督
Part1って、少し静かなお話というのもあって、早希さんの綺麗な歌声がすごい作品に合ったなと思いますし、最初に聴いた時に「修正なしで、これでいきましょう」ということになったと思います。 本当に期待した通りの曲を書いていただいた印象です。
中村綾菜(MC)
確かにメロディーも歌詞もコロナ禍の混乱などを体験した人だからこそ書ける言葉で書いてくれたかなと思いました。
シンガーソングライター早希(ビデオメッセージ)
はじめまして、シンガーソングライターの早希です。この度、短編映画『to…』のPart1に「なんでもない今日」という曲を書かせていただくお話をいただきました。
台本をいただいてから、楽曲を制作するということが初めてだったんですけれども、主人公の二人がコロナ禍で悶々とした気持ちとか、二人の二人の映画での素朴で純然な感じの世界観を楽曲にも表現できたらいいなと思って歌詞にもこだわって書きました。
今回の映画はコロナ禍をテーマにしていると思うんですけれども、本当に映画の中だけではなくて、実際に私達の生活にもたくさんの影響があって、本当にいろいろ大変な思いをした方もいらっしゃったと思います。 主人公の二人は、それでも少しずつ前に進もうとしている気がして、そんな小さな希望みたいなものを私も曲の中で表現できるように意識しました。
映画『to…』
▼あらすじ
〈パート 1 :小松(植松優)× 立野(東出薫)〉
東京で 1 人暮らしをする大学 2 年生の小松は、隣人の立野がアパートを出ていく準備をしているのを見かける。 立野は地方出身の大学 1 年生で、進学のために上京したが、コロナの影響で講義がオンライン授業となり、大学に通えないため、実家に帰る決断をしたのであった。小松は、思い描いていた大学生活を送れなかったことに対し複雑な思いを抱く立野の話を聞いて、立野が東京で過ごす最後の日に、彼女を 1 日だけの東京観光に誘う。
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