米倉涼子×綾野剛×横浜流星、成人の日に若者からの相談に直接回答!Netflixシリーズ「新聞記者」ワールドプレミアイベント
2022年1月10日、都内にて、Netflixシリーズ「新聞記者」ワールドプレミアイベントが行われ、主演・米倉涼子、綾野剛、横浜流星、藤井道人監督が登壇。撮影を振り返ると共に、“成人の日”に次世代を担う若者たちとの熱いトークを展開した。
Netflixシリーズ「新聞記者」は2022年1月13日(木)、全世界独占配信。
進行形の政治問題やスキャンダルに真正面から切り込み、日本社会を覆う同調圧力、分断、メディアの機能不全などを観客に鋭く突きつけた映画『新聞記者』が、日本アカデミー賞最優秀賞主要賞を始め日本中で高い評価と賛否両論を巻き起こした2019年から約3年。
本作は、は舞台を映画館からNetflixに移し、制作・スターサンズ×藤井道人監督のコンビはそのままに、キャストを一新したセルフリブート版だ。
イベントレポート
■動画レポート
■テキスト&フォトレポート
幕が落とされ、キャスト・監督が「新聞記者」の大きな文字の前に現れると配信が待ちきれない観客の熱い拍手で迎えられた。
本作の主人公で、不屈のジャーナリスト魂を持つヒロイン・東都新聞社会部記者の松田杏奈を演じた米倉涼子は、抜群のスタイルが映える美しい白のセットアップスーツで登壇。
米倉涼子(新聞記者・松田杏奈 役)
松田杏奈という新聞記者をやらせて頂きました米倉涼子です!今日はどうぞ、よろしくお願いいたします。
▼横浜流星「若者目線が入ることによって自分事として捉えられる」
-出来上がった作品を見た率直な感想をお聞かせください。
米倉涼子
このドラマは「私を見て!」というより、みんながあって、監督が創造した空気があっての“新聞記者”というのが私の見解です。
“新聞記者”というタイトルだけど、みんながどんな風に生きていってどんな風に我慢して、どんな風に夢を見て一歩を踏み出すか、というドラマです。ぜひ考え抜いてもらいたいと思います。
綾野剛(内閣情報調査室・村上真一 役)
全編を通して自分も学ぶところがたくさんありました。演じた僕らでさえもたくさんの気づきを教えて頂いたような気がしていますね。
何より藤井組という最高のチーム力を踏襲しているので楽しんで見てもらえたら幸いだなと思います。
※綾野剛は、『ヤクザと家族 The Family』、「アバランチ」に続いて本作は藤井監督とのタッグは3作目。
横浜流星(Netflix版で新たに追加されたキャラクター:就活中の大学生・木下亮 役)
ドラマとは思えないほどクオリティの高い作品になっていると感じましたし、僕自身も亮と同じで政治とか世の中の出来事に対して少し他人事な部分があったけど、この作品を見て若者目線が入ることによって自分事として捉えられると感じたし、改めて色んなことを考えるきっかけになりました。
藤井道人監督
それぞれが主演として世の中にたくさんの作品を生み出している人たちが一個のチームになって一個の作品を作りだすエネルギーは本当に強くて、世代とか時代とか全部飛び越えて良いものを作ろうという純粋な時間はかけがえのない体験でした。
▼米倉涼子「辛い時もありました」
-撮影時に苦労した点は?
米倉涼子
藤井監督とお会いするのが初めてだったので、どういう撮影スタイルなのか分からないまま飛び込んでいって、本当にドキドキしました。
スタッフさんも特に若い方が多かったのですが、最年長に近いくらいの年齢なのに引っ張っていけない自分がいて。そして粘り強さでいったら右に出る者がいない藤井監督、辛い時もありました(笑)
けれど、この監督に委ねようと思ったのは、どんな質問にもすぐ返ってくる、意見がある。そんな監督に出会えて幸せだなと思いました。
皆さんが思われる“元気で強くてパワフルな米倉涼子”として我慢した部分も多かったです。いち早く作品を見て、自分が出てないところで本気で泣いてた自分がいる、という不思議な体験もさせて頂きました。
藤井道人監督
平常運転でしっかり頑張らせて頂きました(笑)
綾野剛
作風はシリアスな部分もありますが、ちゃんと支え合って立っていられる現場でした。本来美味しいはずのご飯が美味しくなくなっていくのはラッキーだなと思ってました。
米倉涼子
それってなんでって聞いてほしい?
綾野剛
美味しいと思っているご飯が(追い詰められていく)村上として生きているとどんどん味がしなくなっていくんです…。
-横浜さんは藤井監督と話し合われたことはありますか?
横浜流星
藤井さんに自分が描きたい役目を託したいと言われて(*)。若者目線ということで亮の考えに共感できる部分があったので、皆さんにも感情移入してもらえる役柄だと思いました。
皆さんにそういう風に思ってもらえるように逆に変に作りこみすぎずに素直にいるというのを意識していました。
*横浜流星演じる亮は、藤井監督自身の分身とも言われる。
▼「成人の日」にちなみ10代、20代の若者から質問
ここで「成人の日」にちなみ、まさに今なにかに挑戦しようとしている観客たちから事前に質問を募り、キャストと監督がダイレクトに答えるというQ&Aタイムに突入。
Q1.ずっと看護師を目指していて、看護学生になれたんですけど実際に勉強してみると、周りと比べてしまって自分向いてないんじゃないかなって思って落ち込みます。自分が俳優業に向いてないと思った瞬間はありますか?その際、どうやって乗り越えましたか?
米倉涼子
私は自分がこの仕事が天職なのかどうかは、まだ確信したことはないんです。ただやってやれ!という思いと、せっかくやり始めたことはやり通したい思い。
あと隣の芝が青く見えるタイプで自分に納得できなくて「あの人の方がいいなぁ、悔しいなぁ」と思って生きてるタイプ。その悔しさが次の行動へのエネルギーになる。
まだまだ自分には足りないと思っていて、自分に向いてないのかな?と思ったことも超えてやろう!という思いで悔しいと思いながら生きています。
どんな居場所でも楽なことはきっとないと思っているし、ぶち当たってみないと分からない壁に当たって、泥まみれになった方が大人になった時に楽になる気がする。
横浜流星
僕も今の自分に満足しないからこそより頑張れるし、自分の代わりなんていくらでもいるので、自分も十代の頃は比べてしまうこともあって、その都度向いてないんじゃないかって思うこともありました。
ただ、自分が決めた道だし、単純に芝居が好きだし、辞めるっていう選択肢はなくなりました。
時間はどんどん過ぎていくので、落ち込んでる暇も比べる暇もなくて、全力を尽くしているうちに、そういうことは僕は考えなくなりました。応援しています!
Q2.現在役者を志し日々、レッスンを受けているのですが、その中で脚本読解を課題に挙げて取り組んでいます。綾野さんが台本を受け取って読解に入る中で最も重視している点はどこですか?また、今作において綾野剛さんが演じた村上真一という役の最も大切しなきゃいけないなと感じた部分はどこでしょうか?
綾野剛
好きな風に読んだ方がいいと思います。脚本は数学のように答えがあるものではないので、今日まで生きてきて体感してきたことだけで読んでいいと思います。
自分自身を否定する必要はなく「僕はこう思った」という部分がより大事だと思いますし、それを僕は受け止めたいと思います。
本作は村上から何かが伝わっていくのではなく、村上を通して松田や亮の眼差しから最終的に感じ取ってもらうような感情を線に繋いでいたので、僕から何かを発信していくというよりかは最終的には未来を生きる若者でもある亮に行きつくにはどうしたらいいかと考えて役を生きていました。
Q3.漠然と映画やドラマなどの映像作品に携わる仕事をしてみたいと思うのですが、明確な職業が決まっているわけではありません。どういった視点からこの業界を調べたり、考えたりしたら自分のやりたい職業が見つかるのでしょうか?
藤井道人監督
僕は元々脚本家になりたくてこの業界に入ったのですが、脚本が全然上手くならなかったのでとりあえず大学の映画サークルに入りました。
そこでの映画作りがすごく楽しくて、録音も撮影も助監督もやって…気づいたら映画監督になっていた、という感じです。今でも監督が向いているとは思わなくて、夢は脚本家だったりするのですが、映画は楽しいので、飛び込んでみて学んでみてください。
▼自身の20歳の頃は?
米倉涼子
時は戻せないからやりたいなとちょっとでも思ってることはすぐにやってみた方がスッキリする。若いうちにやりたいと思ったことは続けて欲しいし、間違ってたと思うことは辞めたらいいし。
いいことも悪いことも何か始めないと何も進まないから、一歩出る勇気を持てたらいいなと思います。
綾野剛
いっぱいご飯食べて!食べるパワーは生きるパワーに直結していると僕は思ってて。仕事がない時もとにかく食べるということはしてました。
あと仲間を見つける。仲間に教えてもらったことが自分の夢になったっていい。僕だって自分が俳優になるなんて思ってなかった。大好きな仕事を見つけてくれた人がいたので、それが大事だと思います。まずは食べよう!
横浜流星
20歳が5年前なので、まだ言える立場じゃないですけど、いまこの瞬間を大事にして欲しいなと思います。
どんどん時間は過ぎていくし何が起きるか分からないので、今を全力で楽しんでくれたら嬉しいなって思います。
藤井道人監督
大学生の時に出会った仲間と会社を立ち上げて仕事をやっているので、青春がずっと続いています。若い時の何者でもない自分と一緒にいてくれた人たちと楽しいことができていて、今横にいる人を大事にすることで10年後20年後に楽しかったねと言えるんじゃないかと思います。
▼最後にメッセージ
藤井道人監督
コロナの中で一丸となって作り上げて、一人の人間としてどう生きるのかを真摯に向き合って素晴らしい俳優とスタッフとともに妥協なく作り上げた作品です。
日本の皆様、そして世界の皆様にどういう風に届くのか自分もとてもドキドキしてるのですが、これが終わりではなく始まりになるように思いを込めて撮りました。
横浜流星
皆さんと共に魂を込めて作った作品ですので、沢山の方にこの作品が届くことを祈っています。
この作品を見て感じることは人それぞれ違うと思いますが何かを残すことができたら嬉しいです。そして感じたことを大事にしてほしいなと思います。
綾野剛
とても楽しかったです。新聞記者を通して、何かを始めようとしていることをたったひとつでもいいので気づいて受け取ってもらえたら嬉しいです。
本作にとって一番大切な部分を僕たちはきっと横浜流星という役者に託したんだなと改めて話を聴いて思いました。それぞれ色んな見方がありますが楽しんで頂けたら幸いです。
米倉涼子
藤井組が思いを込めて作った作品です。想像以上に素晴らしい作品になってると思います。どうやって生きていこうとか我慢していこうとか、一人の人としての生き方を考え直すような作品になっていると思います。13日からの配信を楽しんで頂ければと思います!
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/動画・記事:桜小路順]
関連記事
Netflixシリーズ『新聞記者』
INTRODUCTION
日本アカデミー賞作品賞受賞の大ヒット映画が新たな物語として始動!
主演・米倉涼子が挑む、衝撃の問題作
近年の政治事件やスキャンダルに正面から切り込み、タブーに挑戦したといわれる衝撃的な内容とスリリングな展開、スタイリッシュな映像で第43回日本アカデミー賞最優秀作品賞を含む主要3部門を獲得し、大ヒットした映画『新聞記者』。
映画版とは違ったアプローチで、さらに深く、刺激的に現代社会の問題を浮き彫りにしていくNetflixシリーズ「新聞記者」。
本作の主人公、“新聞業界の異端児”と呼ばれる記者・松田杏奈を演じるのは、これまで様々な「闘う女性」を演じてきた米倉涼子。
さらに、理想を抱きつつも組織の論理に翻弄される若手官僚・村上真一役を綾野剛、新聞配達をしながら大学に通う就活生・木下亮役を横浜流星が演じ、3つの視点から物語が描かれる。
監督を務めるのは映画版に引き続き、藤井道人。
真実を追求し続ける新聞記者が政府が起こした自殺者をも出してしまった公文書改竄事件の真相を追う。
報道側、政権側、市井の人々。それぞれの正義が鬩ぎ合う中、葬られた事件の真相に迫っていくー。
出演:米倉涼子 横浜流星/吉岡秀隆 寺島しのぶ/吹越満 田口トモロヲ 大倉孝二 田中哲司 萩原聖人/柄本時生 土村芳 小野花梨 橋本じゅん でんでん/ユースケ・サンタマリア 佐野史郎/綾野剛
監督:藤井道人
脚本:山田能龍、小寺和久、藤井道人
エグゼクティブプロデューサー:坂本和隆、高橋信一
企画・プロデュース:河村光庸
プロデューサー:佐藤順子、山本礼二
製作:Netflix
制作プロダクション:スターサンズ
予告編
2022年1月13日(木) 全世界独占配信
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。