【松本穂香インタビュー&撮り下ろしフォト】「好きな人に対するわかりやすさは似ているかも」
11月19日より公開された映画『ミュジコフィリア』に出演する松本穂香。本作は、主演の井之脇海のピアノに加えて、松本穂香の伸びやかな歌声が聞き所なMVのような仕上がりになっている。また、松本穂香が挑む現代音楽のパフォーマンスも大きな見どころだ。そんな松本穂香に本作への取り組みについて伺った。
本作はの原作は、第16回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作となった、漫画家・さそうあきらによる同名作品。
主人公・漆原朔は、本作が長編映画初主演となる井之脇海。朔の異母兄・貴志野大成には、ミュージカルからドラマ、映画と幅広い活躍を見せる山崎育三郎。そして朔に想いを寄せるヒロイン・浪花凪を、透明感溢れる歌声で物語をエモーショナルに彩り、本作の主題歌も担当する松本穂香が演じる。
松本穂香 インタビュー&撮り下ろしフォト
■“現代音楽”との初めての出会い
-松本さんは作品を通して音楽との出会いが多いイメージがありますが、現代音楽に打ち込む学生たちが繰り広げる物語を描いた今作の完成品をご覧になった時はどう思われたでしょうか?
松本穂香(ヒロイン・浪花凪 役)
今まで“現代音楽”というものに触れる機会が無く、今回初めて知ったくらいだったので、台本を読んだだけではまったく想像がつきませんでした。
私は井之脇海さんとのシーンが多く、他のキャストの方々が(現代音楽の)曲を作り上げるところは見ていなかったので、こんなに自由で楽しいものなんだなって、驚きはありました。
-現代音楽のことはご存知なかったとのことですが、劇中、現代音楽研究会の発表会のシーンで、松本さんがとても印象深い(ある意味衝撃的な)パフォーマンスをされています。このシーンはどのようにして作り上げられたのでしょうか?
松本穂香
そのシーンは音源をいただいて、これに合わせて気持ちで踊ってくださいって言われたんです。もともとダンスをやっている人だったらできるかもしれないけど、さすがにできないので、撮影前ギリギリだったんですけど、コンテンポラリー創作ダンスの先生に振り付けていただきました。それは京都に行ってからのことで、その振り付けをビデオで撮って、ひとりでずっと練習してました(笑)
■歌うことは好き。
-松本さんご自身は歌うことはお好きなんでしょうか?
松本穂香
歌うことは好きです。
-今作では主題歌「小石のうた」を歌われていますが、取り組みについて教えてください。
松本穂香
先生についていただいて、ボイストレーニングしました。ギターも初めてだったのでずっと練習していました。
-本作の「小石のうた」では“石”が擬人化されていてひとりひとりの個性を表現していますが、どういった思いで歌われましたか?
松本穂香
凪は人とコミュケーション取ることが苦手で、自分の気持をストレートに言い過ぎるが故に人と衝突することがあります。自己表現が苦手なので、歌で自分の気持を表現しているという凪の真っ直ぐな思いを意識して歌いました。
■私たちも照れながらやってました
-冒頭、賀茂川で朔(井之脇海)がピアノを弾いているところを目撃した松本さん演じる凪の表情がとても印象的でした。これはどのような気持ちで演じられましたか?
松本穂香
わかりやすく言うと運命の瞬間の出会いです。それは、恋とも言えるかもしれませんが、でもそれだけではない、単純な恋ではないと思います。
あのピアノの音は、朔ちゃん自身が表現する音だったので、それに凪が惹かれ、そしてそのあと2人は音楽を通して繋がっていきますし、その始まりみたいなのは考えて演じました。
見方によっては、凪は音に惚れたというようにも取れますが、朔ちゃんの存在自体を好きになってしまったんだと思います。その音自体が彼そのものだって感じたからだと、そう思って演じました。
-予告編にも含まれている、賀茂川で井之脇さんのピアノ伴奏で「小石のうた」を歌唱されるところは観る側としてはドキドキするところもありますが、井之脇さんとの共演で印象に残ったことは?
松本穂香
たとえば2人の顔が近づくところは、谷口監督が指示されたことだったので、私たちも照れながらやってました(笑)
井之脇さんとは「ひよっこ」(NHK)でご一緒させてもらっていて、その時は周りが女の子だらけの中、男性一人だったので、いつも大人しくされていて、物静かな方なのかなって思っていたんです。
でも、今作でご一緒させてもらうと、自分がこうだと思う意見はハッキリとおっしゃいますし、すごく芯のある方なんだなと近くで見ていて思いました。
-京都での撮影で思い出に残っていることは?
松本穂香
撮影の合間にみんなで大文字山に登ったりしました。ただ、ロケの場所は観光地以外も多かったので、京都の新しい面を見ることができたなって思いました。私は、大阪出身なので、京都には遊びで行くことはちょこちょこあったんですけど、当時は観光地みたいなところしか行ったことがなくて。
■好きな人に対するわかりやすさは凪と似ているかも(笑)
-凪の役作りについて松本さんから出されたアイディアはありますか?
松本穂香
いつもそんなにないんですが…(笑)今回も、監督と細かく話し合ったりすることはなかったのですが、信頼して任せてくださっているんだなっていうのは感じながら自由にお芝居させていただきました。
-京都が舞台の物語で、セリフが関西弁ですが、大阪出身の松本さんとしては、関東の言葉よりも話しやすいというのはありましたか?
松本穂香
正直、自分の中ではその違いはあまりないかもしれないです。
標準語はもう馴染みきっているところがあるので、関西弁だからというのはないですね。
-なるほど。『君が世界のはじまり』のインタビューでは、「ピース・又吉さんのしゃべり方を意識した」と語られていますが、本作では監督からの演出などはありませんでしたか?
松本穂香
話し方の演出は特に無かったです。原作コミックがあったのと、台本での描かれた方で、凪はこういう子だよねっていう共通認識ができていたからだと思います。
-凪の髪型が原作コミック版の凪とはぜんぜん違って、左右がピンとハネてますが、この髪型はどうやって決まりましたか?
松本穂香
ヘアメイクさんの遊び心あるアイディアです。こうやったら可愛いでしょって(笑)
朔ちゃんにもハネているところがあって、実はお母さんもちょっとハネていて、そこが共通点となっています。
また、凪のハネは、ちょっと気持ちが下がっている時は、ハネ具合も下がってたり(笑)
衣裳さんやメイクさんもみんなで一緒に作っていくものなんだなって改めて思いました。
-先ほど、凪は自己表現が苦手な女の子という話がありましたが、その点含めて、凪はどういった女の子だと解釈してお芝居されましたか?また、松本さんと似ている部分、似ていない部分という観点もでも教えてください。
松本穂香
凪は、感覚で生きているみたいな人で、それは強みでもあります。音楽も楽しんでやっている子。
その対称的な存在として描かれているのが大成(山崎育三郎)で、彼は最初こそ楽しんで音楽を表現できていたと思うんですけど、立場などが変わり、責任感も増していく中で、だんだんと楽しめなくなっていきます。
でも凪は、何があってもずっと楽しんで生きられる、そのすごさを持っている人。そこの部分は私とは違うとは思いますし、羨ましい存在だなと思いました。
-逆に似ている点は?
松本穂香
好きな人に対するわかりやすさというか、全部出ちゃうところは似ているかもしれません(笑)
■個性的な役を演じるのは楽しい
-auのTV CMでコメディタッチのお芝居をされていますが、今後、コメディ映画をやってみたいというお気持ちはありますか?
松本穂香
最近、そういった面白い系のドラマにも出させてもらったりしてますし、私は元々お笑いも好きなので、そこに対する興味はずっとあります。
目立ってはいないですが、面白い役は今までいくつかさせてもらっているので、個性的な役の方が演じるのは楽しいと思っています。
-そういう意味では凪は個性的な役ですね。
松本穂香
そうですね。面白い役だなと思いました。
■最後にメッセージ
-最後に『ミュジコフィリア』の見どころを教えて下さい。
松本穂香
最初は好きで始めたことが、お仕事としてやっていくうちにだんだんそれだけではできなくなっていく中で、やっぱり楽しむってことの大切さと難しさを、この作品を通して私はとても考えさせられました。
登場人物それぞれの心情も見えてくるので、どんなお仕事をされている方でもどこか響くものがあるのではと思います。
そして音楽です。いろんな音が映画の中で響いているので、その点は映画館だとより楽しめると思います。
■撮り下ろしフォトギャラリー
[ヘアメイク:尾曲いずみ(STORM)、スタイリスト:道端亜未、インタビュー:安田寧子、写真:桜小路順]
松本穂香(Matsumoto Honoka) プロフィール
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。
2015年 主演短編映画でデビュー。その後、出演したNHK 連続テレビ小説「ひよっこ」の青天目澄子役の好演が話題になる。日曜劇場「この世界の片隅に」(TBS)、映画「おいしい家族」「酔うと化け物になる父がつらい」「君が世界のはじまり」「みをつくし料理帖」などドラマや映画などで主演を務めた他、auのCM「意識高すぎ!高杉くん」シリーズなどに出演中。待機作にはヒロインを務めた 映画「桜のような僕の恋人」(Netflix)の全世界配信が控えている。
撮影データ:Nikon Z 6II/SIGMA 50mm F1.4 DG HSM|Art (A014)/Godox AD300Pro/Godox AD100Pro ほか
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映画『ミュジコフィリア』
“音”と“感情”が溶け合い、心を震わせる珠玉の青春群像劇!
音楽コミックの伝説的傑作がついに映画化!!
INTRODUCTION
原作は、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を2度にわたり受賞している漫画家・さそうあきらによる同名作品。音楽への深い愛情と知識に溢れ多くのファンを魅了し、『神童』『マエストロ!』に続く、音楽シリーズ三部作の最終作『ミュジコフィリア』(第16回⽂化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作)が待望の映画化。
主人公・漆原朔は、若手実力派として活躍をつづけ本作が長編映画初主演となる井之脇海!朔の異母兄・貴志野大成には、ミュージカルからドラマ、映画と幅広い活躍を見せる山崎育三郎。そして朔に想いを寄せるヒロイン・浪花凪を、透明感溢れる歌声で物語をエモーショナルに彩り、本作の主題歌も担当する松本穂香が演じる。脚本・プロデューサーは『太秦ライムライト』の大野裕之が担当し、監督を務めたのは、『時をかける少女』『人質の朗読会』などを手掛け、自身も京都生まれである谷口正晃。
風景と音の街、京都で<ミュジコフィリア(音楽に情熱を注ぐ者たち)>が奏でる青春の協奏曲。皆さんの心へ、新しい「音楽」をお届け!
STORY
京都の芸術大学に入学した朔(さく)は、ひょんなことで「現代音楽研究会」に引き込まれる。
クセの強い教授や学生たちが集まるそのサークルには、朔が憧れてきた幼なじみでバイオリニストの小夜(さよ)、
そして若き天才作曲家として将来を期待される大成(たいせい)がいた。実は、大成は朔の異母兄で、
朔は天性の音楽の才能を持ちながらも、父と兄へのコンプレックスから音楽を憎んできたのだ。
だが同じように天性の音感と歌声を持ち朔に想いを寄せるピアノ科の凪(なぎ)が現われ、朔の秘めた才能が開花しはじめる――。
出演:井之脇海 松本穂香
川添野愛 阿部進之介
縄田カノン 多井一晃 喜多乃愛 中島ボイル 佐藤都輝子
石丸幹二
辰巳琢郎 茂山逸平 大塚まさじ 杉本彩/きたやまおさむ 栗塚旭
濱田マリ 神野三鈴
山崎育三郎
原作:さそうあきら「ミュジコフィリア」(双葉社刊)
主題歌:松本穂香「小石のうた」(詞・曲:日食なつこ)
主題ピアノ曲:古後公隆「あかつき」「いのち」
脚本・プロデューサー:大野裕之
監督:谷口正晃
企画:榎望 撮影:上野彰吾 照明:宮西孝明 美術:金勝浩一 録音:小川武 編集:栗谷川純 衣装:宮本茉莉
音楽プロデューサー:佐々木次彦 音楽:橋爪皓佐 池内奏音 宮ノ原綾音 長谷川智子 植松さやか 小松淳史 大野裕之
チーフ・エグゼクティブ・プロデューサー:柴田真次
製作代表:井筒與兵衛 松下浩章 齋藤真也 西澤竜平 小室元 伊藤耕一郎 高橋聖宗 兼元秀和
制作:フーリエフィルムズ 製作幹事:劇団とっても便利 配給:アーク・フィルムズ
特別協賛:伊藤園 協賛:キャビック お弁当のいちばん 小室整形外科医院
後援:京都市 特別撮影協力:京都市立芸術大学
2021年/日本/113分/シネマスコープ
(C)2021 musicophilia film partners (C)さそうあきら/双葉社
公式ホームページ:http://musicophilia-film.com/
公式Twitter:@musicophilia_21
公式Instagram:@musicophilia_21
2021年11月12日(金)京都先行公開
11月19日(金) TOHOシネマズ日比谷 他 全国ロードショー
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