【大門嵩×兎丸愛美×川延幸紀監督インタビュー】主人公2人が「再生」を目指す物語。映画『「16」と10年。遠く。』
5月15日(土)より、池袋シネマ・ロサにて上映が始まった映画『「16」と10年。遠く。』のW主演・大門嵩(おおかどたかし)、兎丸愛美(うさまるまなみ)、そして川延幸紀(かわのべゆきのり)監督に本作撮影時の思い出や、見どころについて語ってもらった。
東京と新潟を舞台に、高校時代と26歳の2つの時間軸が交差する10年越しの「再生」のストーリー。
200kmの距離を往復し1年間に渡って撮影された本作では、鮮やかな四季の中、孤独と共に彩りを失っていく幼馴染の男女の心が繊細に描かれている。
『三つの朝』『アンチポルノ』『シスターフッド』『ふたり』『海辺の途中』などに出演、ヌードモデル・女優として活躍する兎丸愛美と、『COCKROACH』『多日想果』で数多くの映画祭に入選し話題を呼んだ大門嵩の男女W主演作品。監督・脚本は本作が劇場公開デビューとなる川延幸紀。
また、上映へ向けたクラウドファンディングでは目標金額の1,000,000円を達成している。
MotionGalleryプロジェクト:https://motion-gallery.net/projects/16and10years
なお、コロナ禍により上映期間が短縮され、5月21日(金)までとなっているが、イベント回も企画されているので、詳しくは池袋シネマ・ロサの公式サイト(LINK)まで。
大門嵩×兎丸愛美×川延幸紀監督 インタビュー
■「美人林」を舞台に話を広げていった。
-本作は、撮影に1年の年月をかけたそうですが、いつ撮影されたのでしょうか?
川延幸紀監督
クランクインしたのが2018年の7月22日(日)で、クランクアップしたのが2019年の5月12日(日)です。
兎丸愛美(ヒロイン・雪那 役)
ほぼ土日しか撮影していないんですよね。
川延幸紀監督
基本的に、スタッフみんな他の仕事をしているので、仕事が休みの土日に集合して、土曜に始発で集まって車で移動、ロケや撮影をして日曜日の夜中に帰ってくるようなスタイルをほぼ1年続けました。
-撮影地は新潟県で行われたそうですが、どういった理由で選んだのでしょうか?
川延幸紀監督
作品で一番重要な舞台でロケ地となっているブナ林がありまして、それが「美人林(びじんばやし)」っていうんです。そこは新潟県の十日町市にあるんですが、そこがまず決まって、そこを舞台に住んでいる設定で話を広げていって、現代は東京を舞台に撮影しています。
-寄りの画が多かったですが、撮影時のこだわりなどを教えてください。
川延幸紀監督
僕というよりもどちらかというと、キャメラマンさんのこだわりが強いと思います。
僕はなかなか絵コンテをかけないタイプなので、僕が描いた頭の中を撮影の野辺さんがそれをくみ取って、こういう画はどうかって、提案してくれて考えるような進め方でした。
基本的には野辺さんの画づくりなので、撮影する側の画作りというのが大きいです。どちらかというと動きが多い映画ではないので、心情を映すような撮り方が非常にありがたかったです。
オープニングの兎丸さんと大門さんの演技も素晴らしかったです。雪那がベッドに横たわっていて、馨がそれを見つめるシーンですが、物語の始まりである2人の心が表現されてました。
■キャスティング理由
「大門さんは応募時からビビっとくるものがあった」
川延幸紀監督
大門さんはオーディションに応募していただいています。大門さんは募集掛けた時に一番最初に応募してきたんです。その時のメールが、「すいません。募集期限過ぎているのですが…」という内容でした。
大門嵩(馨 役)
募集をかけたばかりなのに、まさかの内容ですよね(笑)
兎丸愛美
なんでそう思ったんですかね(笑)
川延幸紀監督
他の方からも応募がたくさん来たんですけど、最終的に大門さんに決まりました。実は応募時からビビッとくるものがあったんです。オーディションでは、劇中にある「お前が!」って怒鳴るシーンを全てのオーディション参加者に演じていただきました。そこの結果で決めたいなと考えていたんです。チームで話し合った中で、大門さんなら一年間演じ切ってくれるという結論になりました。目というか表情が見たことがないようなものを大門さんが持っていたのが決め手でした。
-大門さんはオーディション時の「お前が!」というセリフを発した時のことは覚えていますか?
大門嵩
確か相手をしてくれたのが、本作で女子高生・楓役の森脇さんでした。
「お前が!」っていうからには、感情が“わー”ってなるじゃないですか。話しかけられてから“わー”ってならなくちゃいけないんですけど、気持ちがまだそうならないでいたら、森脇さんが、ねーねーって責めてくれたので、わーっと行きやすかったですね。
あと、僕が覚えているのは、ファンタグレープを買う自動販売機のシーンもオーディションでやることになっていて、自ら炭酸飲料のボトルを買って、自分はこれでやりますって言ってやったんですよ。
川延幸紀監督
僕らは、このオーディションのために、ファンタの缶ジュースを三十数缶、ただ開けるためだけに買っていたんです。そうしたら、ひとりだけペットボトルを持ってきている人がいて、それが大門さんでした。
ちなみに、当時楓役の森脇さんも、出演が決まっていなくて、そのオーディションも兼ねていたんです。僕らもオーディションを開催するのが初めてだったので、試行錯誤でやっていました。
兎丸さんがいるお店で出演依頼
川延幸紀監督
一方、兎丸さんは、オーディションではないんです。オーディションの募集をした際に、もちろん女性も応募してくださっていてオーディションもしたんですが、雪那役を最終的に決めることができませんでした。
ですので、一度皆さんにお断りをして、やり直すことになりました。
その後、兎丸さんに関する記事を拝見して、このストーリーの雪那というキャラクターと、兎丸さんの生き方が自分の中で重なったんです。
そこで、当時、兎丸さんが働いていたゴールデン街のお店まで押しかけて、「映画を撮っているので、作品に出演してください。」とお願いしました。そこでOKをもらえました。
-兎丸さんは、その時のことを覚えていますか?
兎丸愛美
狭いお店に4人でいらしたので、「お店がいっぱいです」って一度断ったんですけど、「2階でも構わないので…」というので、招き入れたんです。そうしたらとても楽しそうなんですけど、私が1階から2階にお酒を持っていくと、シーンってなるんです。
なんだろうなぁと思っていたら、映画の出演依頼の話でした。わざわざ会いに来てくれて、お話をしてくださったのがとても嬉しかったし、誠意が伝わりました。
川延幸紀監督
今の話を客観的に聞いて、大門さんはどう思いましたか?めっちゃ怪しい奴らな気が…(笑)
大門嵩
最高ですね!めっちゃ、いいっすね!僕も映画を撮る時はそうしようと思います。こういうコロナ禍の時代だからこそ、直接会って伝える大切さがわかりますね。
兎丸愛美
当時はコロナ禍じゃないから、直接会って話をしていただくことができましたね。
-兎丸さんのお店をよくみつけましたね。
川延幸紀監督
そこは、ストーカーみたいに…というわけではなく、Twitter等で兎丸さんがツイートされていたので(笑)
兎丸愛美
ツイートしていて、ファンの方がよくいらしていたので、映画出演の依頼の話をされた時は最初は冷やかしかと思いました。
■本作のきっかけとタイトルに込めた意味
-本作のきっかけはどういったものだったのでしょうか?
川延幸紀監督
過去2作品では、テーマとして、“変わらないもの”がありました。変わらないものが人を作るという考え方です。そうすると、過去に縛られる呪縛のようなものを感じていました。
その時に、そういった呪縛から生まれ変わるといったワードが浮かんで、そこから、今回は「再生」という、変わらないものから、なんとか生まれ変わろうとする人を描きたかった。それがきっかけですね。
-本作のタイトル『「16」と10年。遠く。』は、2作目の『17歳の音。夏のむかえ。』と比べた時に、数字が入っていたり、言葉の並べ方のリズム感が似ていて特徴的だなと思ったのですが、どういった思いが含まれているのでしょうか?
川延幸紀監督
基本的に、自分が撮っている作品は、時間との闘いというか、時間って絶対不可逆的なものだと思うんです。
ずっと一方向に流れているものに対して、人の心って戻ったり、いろんなものが時間と戦っていると思うので、その数字性というか、イノセンスというか、そういったものがテーマにあるので、そういう深層心理からタイトルが生まれているのかなって思うところがありますね。
あまり流行りなタイトルではないと思っています。一般的にはタイトルにあまり数字とか句読点はつかわないイメージがあります。
-本編でタイトルが現れるタイミングが印象的でしたが、その狙いのようなものはありましたか。
川延幸紀監督
雪那と馨、二人の物語なので、二人が再会するところから、本当に物語が始まるという意味で入れる位置ははじめから決めていました。
ただ、その物語が始まる前に、馨という主人公が今をどう生きているのかっていうのを描きたかったので、ああいった形になりました。
■ネタ帳は作らない
-「私と一緒に嘘をついてくれませんか?」というセリフが印象的でした。これは監督が実際に経験した何かが元になっているのでしょうか?
川延幸紀監督
基本的にセリフは頭の中に浮かんできたものです。どちらかというと、僕はセリフから話を作るので、まさしくこのセリフは、何も物語が浮かんでいない状態から決まっていたセリフです。
「再生」というテーマを描こうとした際に、同時に「嘘」というワードが浮かんでいって、ある嘘を抱えて故郷に帰る主人公を連想していきました。
-ネタ帳のようなものはありますか?
川延幸紀監督
僕は字が汚いので、ネタ帳はないです(笑)
基本的に頭の中で考えていて、きちんとメモって整理する方って本当にすごいなって思います。僕は頭の中に浮かんで、それが忘れていくようなものならば、その程度のものだって思っています。
今回、記憶もテーマになっているので、記憶に残っていくものっていうのが、映画のテーマでもあります。それは自分の生き方とリンクしているんだろうなって思います。
■チリトマトヌードル
-アイテムとして出てくるチリトマトヌードルにはなにかエピソードはありますか?
川延幸紀監督
僕はチリトマトヌードルはあまり好きじゃないんですけど、チリトマト派のスタッフがいたんで、じゃぁ、チリトマトでいいかってなりました。大門さんはチリトマト好きなんですよね。
大門嵩
僕はチリトマト好きですね。うまかったです。
でも、作品で初めて食べましたよ。
川延幸紀監督
まじですか?
兎丸愛美
えー、私は断然チリトマト派です(笑)
川延幸紀監督
スタッフで、一作目からずっと一緒の人で、彼が昔からよくチリトマトを食べていて。そういうところから小道具って決まるものだと思っています。
自分の身の回りの印象に残っているところだとか、それを投影していくので、特にその一作目の話が根底で繋がっているので、もしかすると、そういったメタ的なものがあるのかもしれません。
-作品の中で不味いものとして扱われていたので気になりました。
川延幸紀監督
ですよね。なので、日清さんをスポンサーにつけられないんです(笑)
大門嵩
僕の友だちのご主人が日清さんで働いていて、相談してみたんですけどね。カップ麺をご提供頂けるだけでもありがたいなって。
川延幸紀監督
でも、挙句の果てに、「不味い」ですからね(苦笑)。
■役作り
-キャストのお二人に質問します。脚本を読んだときの感想をお願いします。
大門嵩
地方ロケが楽しみでした。1年間を通して撮れるという、四季が入っている映像作品が初めてだったので、日本的な情緒があるなと思いました。
兎丸愛美
この話をいただいた時に、私はまだ女優業をほとんどやっていなくて、3作品目で長編としては初めてでした。正直とても不安でした。こんなに難しい役を出来るのだろうかって。
お話しいただいた時も、私の記事や過去のことを全部知ったうえでオファーしていただいたので、雪那という存在は自分とあまり変わらない存在だと思って、読んで…パンクしましたね(笑)「難しいなぁ。大丈夫かな?」って。
-お二人はご自身の役の人物像をどのように捉えて、お芝居に活かしましたか?
大門嵩
馨には、過去に大きな出来事があって、「地元から離れることによって考えないようにするというもの」があるので、なるべく自分の中でそれと近いものを思い出して演じようと思いました。
僕の地元の奈良にはそういったものは置いてこなかったので、なかなか難しかったですね。自分から提案して監督に、「それは意識しなくていいです」って言われたことを覚えています。
高校時代と現在がある中で、高校生役の時は意識的に声を高くして話していたら、「それは意識しなくていいです」って監督に言われました。一瞬でバレて、却下されました(笑)
あと、高校生の時はずっとお腹をへこませていました。変に背筋が伸びているのはそのせいです。
兎丸愛美
この話、私好き!(笑)
川延幸紀監督
言われてみれば、確かに姿勢がいいんです。ロケ先の温泉で見た身体は、確かに高校生ではないなと思いましたね(笑)
-兎丸さんはいかがですか?
兎丸愛美
私は変わりたくて、嘘をつくのを止めてここまで生きてきました。なのでそこは雪那と違うんですけど、共通するものとしては、違う者になりたいという点で、そういう気持ちは共感できたので、大切にしていました。
16歳と26歳の演じ分けとしては、私はお腹をへこますことは無かったですね(笑)
雪那の16歳は抱えているものが年齢としては大きすぎるので、うまく言えないんですけどテンションの低さみたいなものがあって、26歳は馨と再会して、何も覚えていない自分。暗いものは置いてきたっていう感じで演じるようにしています。
■撮影エピソード
-撮影時のエピソードを伺います。大門さんは監督もされますが、その観点で川延監督と話し合うことはありましたか?
大門嵩
演出については私は何も言ってないです。それよりも、自分の役をどうするかを楽しんでいて、監督側の視点には目が向かなかったです。
川延幸紀監督
僕はそれが嬉しかったです。大門さんは同時進行で、ご自身の作品の監督もされていた時期だと思うんです。
僕の作品の撮影時に、この作品作りに専念して、演技に集中してくれました。出演にあたって、俳優の大門さんを求めていたので、そこが嬉しかったです。
全ての監督がそうではないと思いますが、監督が俳優のファンになっていくんだと思うんですよね。やればやるほど、その役者に惹かれていくんです。その俳優の生き方とか。
撮影の最後の方には告白しそうになるくらいに、僕自身が大門さんのファンになっていました(笑)
兎丸愛美
スタッフさんがみなさん仲良くて、とても楽しそうに映画を撮っているんです。まるで少年のように。でもとても丁寧に。そういう姿は、見ていて胸が熱くなりました。
なので、エンドロールでスタッフさんの名前が流れるのを見ると、それを思い出して、あらためて誠実な人たちだなと、感極まって泣いちゃいました。
でも、現場で休憩中は超ふざけているんですけどね。
川延幸紀監督
撮影中と休憩中のメリハリはできていたと思います。ギスギスしたものはなかったですね。スタッフ同士の現場での言い合いも無かったですし。
一作目から変わらず一緒に作っているスタッフもいて、それぞれの表現方法もあります。でもそれは監督の表現の中に収めていくという全員の葛藤があるので、それに対しての反発も同意もありつつ、ひとつの映画になるんです。
でも、少ない人数でやっているので、エンドロールの出し方は困りますね(笑)
-キャストのお二人はなにかエピソードはありますか?
大門嵩
撮影現場には、ロケ車で行っていたんですけど、時間があったので、兎丸さんと話ながらLINE向けの兎丸スタンプをiPadでずっと作っていました。
兎丸さんにはまったく気に入られていないんですけどね。
(兎丸、ゴーゴー!/LINE STORE:https://store.line.me/stickershop/product/5745659/ja)
(兎丸、ゴーゴー、ゴー!/LINE STORE:https://store.line.me/stickershop/product/6996917/ja)
川延幸紀監督
使いどころが難しいんです(苦笑)せっかくだから、スタッフ間で使いたいんですけど、使えるスタンプがないんです。
兎丸愛美
大門さんと撮影で1年過ごしてみて、仲の良さはその後も変わらないです。居心地がいいですね。車に入ったら、すぐに二人とも爆睡するし、気を遣わなくて、テンションや会話を合わせる必要がなくて、楽ちんでした。
大門さんは絵を描いたり写真を撮ったり寝てたりするんですが、撮影に入るとすぐにスイッチが切り替わるので、横にいる私も、いい刺激になって助かりました。私が演技経験がない中、大門さんの演技にとても助けられました。
-写真を撮る話がありましたが、どんな写真を撮りましたか?
兎丸愛美
みんな写真を撮っていましたね。
川延幸紀監督
本編よりも写真の方が撮っているかもしれません(笑)
大門嵩
みなさん撮っていましたね。デジタルはもちろん、フィルムを使う人も多かったし。写真好きが集まっていました。
グループ展のような写真展もやりたいと思っています。シネマロサでの上映時にもロビーに展示できるそうなので、やりたいですね。
■本作の見どころ
兎丸愛美
私は先生と話をしている屋上のシーンが好きです。先生のセリフが好きなんです。今でも思い出すと、ちょっと感極まってしまうところがあります。
大門嵩
僕の見どころのシーンは、監督から言われた数々の言葉の中で覚えているものの中から、「オッス」のシーンです。
「オッス史上、最高のオッス」だと言われて、「最高のオッス撮れましたよ」って言われて、自分ではまったくわかっていなかったんですけど、今回あらためて見直してみて、これがそうかと思いました。
川延幸紀監督
今回の作品は、大門さんと兎丸さんが演じる二人の幼馴染が10年という長い時間を経て、「再生」を目指す物語です。ぜひ、劇場で二人の「再生」の行く末を見届けて欲しいです。きっとそれは観た人それぞれの自分の物語にきっとつながっていくと信じています。それぞれの形で、人が生まれ変わるように生きて行ける物語に続いていけたらと思います。
[聞き手・写真:金田一元]
映画『「16」と10年。遠く。』
INTRODUCTION
思い出せないおもいでって、どこにあるんだろう。
16歳。僕たちは隣にいる誰かを守れると信じていた。
あの日、記憶を失った幼馴染の姿を見るまでは ー
過去の記憶に縛られた青年と、全てを忘れてしまった幼馴染が、
2人だけの「嘘」と共に10年ぶりの故郷へ帰る。
「10年を経て失ったもの」と「10年間抱え続けたもの」。高校時代のイノセンスとその喪失を見事に演じきったのは、俳優から監督、プロデューサーなど映像業界で幅広く活動する大門嵩。ヒロイン雪那を演じるのは、19歳当時「自分にしかないものを残すため遺影を撮った」という兎丸愛美。雪那の「生まれ変わりたい」という気持ちに自分自身を重ねたという等身大の演技も見所です。
あらすじ
中学三年生の冬に両親が他界し、地元の大地主に養子として引き取られた雪那(ゆきな)は、高校生活が始まると同時に学校を休みがちになる。雪那の異変に気付いた幼馴染の同級生・馨(かおる)は、雪那を取り巻く現実を知り自分の無力さに苛まれていた。
16歳の夏。
田舎町を少し外れた夕暮れの道路で、雪那は交通事故に遭ってしまう。彼女が目を覚ましたと聞き病院に駆けつけた馨が目にしたのは、記憶を失った幼馴染の姿。他愛ない会話が弾む休み時間。いつもと同じメンバーで過ごす放課後。当たり前に続くはずだった時間が二人に訪れることはなかった。
10年の歳月が経った冬の東京。
喪失感と後悔を胸に秘めたまま、一人暮らしていた馨は、偶然雪那と再会する。
「私と一緒に、嘘をついてくれませんか?」
全てを抱えたまま生きてきた青年が、全てを忘れてしまった幼馴染と再び故郷へ帰る。
ひとつの嘘と共に ー
大門 嵩 / 兎丸 愛美 / 三江 彩花 / 森脇 なな / 金子 寧々 / 奥居 元雅 / 大山 真絵子 / 真柴 幸平 / 森 恵美 / 壱の木 成 / 齋藤 博之 / 宇田川 さや香 / 赤松 真吾 / 藤 入鹿 / 花 / 細川 佳輝 / 白奈 里渉 / 藪田 真衣 / 村松 えり / 水沢 有礼 / 佐田 淳 / 田村 宗慈 / ぱいぱいでか美
監督・脚本:川延 幸紀
撮影:野辺 康介 / 録音:早川 竜馬 / 音楽:服部 義広 / VFX:波多 柾之(やさしい世界)/ メイク:MAYUCO
宣伝:西出 壮宏 / ロゴデザイン:UDON
2020年/日本/DCP /カラー/109分/5.1chサラウンド
(C)Backlight Film Co.
公式サイト:http://backlightfilm.xyz/16and10years
公式Twitter:https://twitter.com/1610_movie
公式Instagram:https://www.instagram.com/1610_movie
池袋シネマ・ロサ:http://www.cinemarosa.net/
予告編
池袋シネマ・ロサにて1週間レイトショー 2021年5月15日(土)~5月21日(金)
監督・キャストプロフィール
大門 嵩(おおかど たかし)
1988年、奈良県生まれ。テレビ、 映画、CMと活躍。企画、共同監督した短編映画「COCKROACH」がSSFFで優秀賞を受賞。その他、イギリスでのNISFFにてベストコメディー賞を受賞、国内外の多くの映画祭に入選。
2021年、台湾と合作で短編映画『多日想果』(タピオカ)を監督。国内外の映画祭に出品中。
兎丸愛美(うさまる まなみ)
1992年4月16日生まれ。2014年ヌードモデルとしてデビュー。2017年初写真集『きっとぜんぶ大丈夫になる』を発売し、東京・大阪・台湾にて写真展が開催される。2020年に写真集『羊水にみる光』、『しあわせのにおいがする』が発売された。
現在はヌードのみならず、ファッションやビューティー、MV出演やジャケット写真のモデルなど様々なジャンルで起用される。
2016年以降女優としても活動しており、映画『三つの朝』(第4回富士・湖畔の映画祭2018短編主演俳優賞)『アンチポルノ』『シスターフッド』『ふたり』『海辺の途中』などに出演している。
川延幸紀(かわのべ ゆきのり)監督
1990年生まれ。29歳。横浜国立大学教育人間科学部卒。都内ITベンチャー勤務を経て現在フリーランス。
大学卒業後、映画制作チームBacklight Film Co.を立ち上げ、これまで長編3作品を制作。東京の西の果てで育つ。
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