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円井わん主演・映画『コントラ』初日舞台挨拶&日本外国特派員協会記者会見

3月20日、新宿K’s cinemaにて、映画『コントラ KONTORA』の初日舞台挨拶が行われ、円井わん、間瀬英正、山田太一、清水拓蔵、そしてアンシュル・チョウハン監督が登壇し、撮影の思い出や見どころなどを語った。

合わせて、3月11日に日本外国特派員協会(FCCJ)で行われた記者会見もレポートする。初日舞台挨拶では時間の都合でできなかった深い話も語られた。

この映画の全ては、「車の事故で家族を亡くしたある男性が、過去に戻ろうと後ろ向きに歩き出した」という記事からはじまったと、アンシュル・チョウハン監督。後悔の念を浄化する為に過去に戻りたいと思う人間の願望。全編を通して、モノクロームの圧巻の映像と、プリミティブと哀感が絡み合う美しい旋律で紡ぎ出す独特の映像世界。

アニメーターと言う経歴を持つインド出身の異彩 アンシュル・チョウハンだから成し得た世界観が、観客である私たちの目前に具現化されていく。
ソラを演じた円井わんは、ドラマ『全裸監督』(19)、映画『タイトル、拒絶』(20)ほか、21年には5本の公開待機作が控えている期待の俳優。
謎の男を演じた間瀬英正は、本作で大阪アジアン映画祭最優秀男優賞を獲得し、彼もまた将来が嘱望されている。
また父親役の山田太一は、映画『パッチギ』の出演やTBS『報道特集』のナレーションなどで活躍する傍ら、本作では演者としてだけでなく、ロケ地の提供、製作費のサポートなど、アンシュル監督のクリエーションを公私に渡って支えている。
ワールドプレミアとして上映されたエストニアのタリン・ブラックナイト映画祭でのグランプリ&最優秀音楽賞受賞をはじめ、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭での国内長編コンペティション部門 優秀作品賞受賞、ニューヨークで開催されたジャパンカッツ大林賞など、数々の映画祭で高い評価を獲得してきた衝撃作が、満を侍して遂に劇場公開される。これは全く新しい時代の日本映画。

初日舞台挨拶 & 日本外国特派員協会(FCCJ)記者会見 レポート

■動画レポート

初日舞台挨拶とFCCJ記者会見の両方を収録。

■初日舞台挨拶(テキスト)

コントラ

初日舞台挨拶@新宿K’s cinema(3月20日)

-撮影の現場はいかがでしたか?

円井わん(ソラ 役)
この作品は144分あるんですけど、10日間で撮りきったので、とても大変だったことと、とても寒かったです。ですけど、アンシュル(監督)が川で遊べって(笑)

円井わん

円井わん

-極寒での撮影だったとか?

円井わん
はい。大変でしたけど、結果良ければすべて良しです。

円井わん

間瀬英正(後ろ歩きの男 役)
撮影は12月でした。私が演じる男は、布切れ1枚ですので、その姿を見ていただければと思います。

間瀬英正

間瀬英正

山田太一(ソラの父 役)
撮影では走り回っていました。寒かったといえば僕らも川に入りました。そのシーンもそうですし、本作は長回しが多いので、事前にちゃんと打ち合わせをしていないと、間違った方向にいってしまうリスクもあったので、そういうところは気をつけて演じようとは心がけていました。
僕はプロデューサーとしての立場もあったのですが、円井さんと間瀬さんが体当たりの演技を試みるものですから、ケガをしないようにねって、ヒヤヒヤしながら見ていた記憶があります。でもその体当たりの演技を楽しんでもらいたいと思います。

山田太一

山田太一

清水拓蔵(ハルの父 役)
山田さんのご実家を借りて、朝から夜まで作品に、スタッフ、キャスト共に合宿状態で集中して取り組むことができました。
アンシュル監督の作品は、出来上がったものを見ると、役者の立場としても驚くような知的なものに仕上がっていて、大好きな作品です。

清水拓蔵

清水拓蔵

-監督は演出はどのように?

アンシュル・チョウハン監督
この映画は皆さんが単に役者としてだけではなく、チームとして一丸となってくれたことが一番大きかったです。
山田さんの実家でみんなで一緒にご飯を作って食べて寝るということをして、撮影に挑んでいました。
そういった皆さんの協力がなければこの映画は成し得ませんでした。

アンシュル・チョウハン監督

アンシュル・チョウハン監督

-この作品の見どころは?

アンシュル・チョウハン監督
この映画を作った当初は気持ち的に落ち込んでいた時期で、いろいろとうまくいかないこともありました。
そういった状況ではありましたが、ご覧いただく方に向けていかにリアルに表現できるかを大切にしたくて、日本では戦争の時代にどういったことがあったのか細かく調べました。
なので、観ていただく中で身近に感じてもらえることはたくさんあると思います。この映画を通して、皆さんの祖父や戦争を経験された世代の方々と一緒になってその時代を観ていただければ幸いです。

円井わん
日本ならではの地方都市の閉鎖感をアンシュルがちゃんと描いているので、そこを見てほしいです。

コントラ

間瀬英正
近年の日本映画としては珍しく、モノクロームです。出来上がった作品を見て、モノクロ映画が好きだなと思えるくらい美しい映像になっているので、そこを堪能していただければと思います。田園風景の美しい景色も映像でお楽しみいただけます。
あと、僕が演じる“後ろ向きに歩く男”について「逆再生ですか?」と聞かれることがあるのですが、実際に後ろ向きで歩いています。

コントラ

コントラ

■日本外国特派員協会(FCCJ)記者会見(テキスト)

コントラ

FCCJ記者会見@東京・千代田区 二重橋ビル(3月11日)

-後ろ向きで歩く男を登場させたきっかけは?

アンシュル・チョウハン監督
後ろ向きに歩く男の存在が最初に私の中で生まれたのは、YouTubeで実在する後ろ向きの男を見たことです。彼はデリーに住んでいて、なんで後ろ向きに歩いているんだろうと、もちろん疑問が湧いてきました。
彼は不幸があってそのようになってしまったんだけど、単に後ろ向きに歩くだけじゃなく、車のナンバーをメモしながら歩いている。それが印象深くて、2018年に一度映画化を試みましたが実現しませんでした。
そして今回『コントラ』を作ることになった時に取り入れようと思いました。

アンシュル・チョウハン監督

アンシュル・チョウハン監督

-間瀬さんは俳優として、後ろ向きで歩く男にどう取り組みましたか?

間瀬英正(後ろ歩きの男 役)
役への向き合い方ですが、戦争から蘇ってきたような男を演じているので、蘇ってきた時点では記憶が朧気な状態から、だんだんと家族に馴染んできて、自分が蘇ってきた使命を思い出す部分を少しずつ出していく、そういった点を特に意識して演じました。

間瀬英正

間瀬英正

-皆さんに伺います。この映画はどうしてモノクロームなのでしょうか?

アンシュル・チョウハン監督
映画の最後に「私の祖父と戦時中の方々に捧げる」と表記しています。モノクロで撮ることが、戦時中の人々の時間や命を捧げることになるのではないかと思ったからです。
私の祖父は写真が1枚しか残っていなくて、それはモノクロでした。また、この映画のためにいろんなリサーチをしましたが、戦時中の人が残した手紙や日記、書籍、写真のほとんどがモノクロでしたので、この映画をモノクロで撮ることは自然なことだと感じましたし、そうすることで私の思いを映画に託したいと思いました。
そしてテストしてみましたらモノクロで美しく撮れましたので、これでいこうと思いました。

円井わん(ソラ 役)
(アンシュル監督のコメントが)すべてだと思います。モノクロームになったことによって、『コントラ』の良さがより引き立ったと思っています。

円井わん

円井わん

間瀬英正
モノクロームの映画にするという理由は、僕も監督から聞いておりません(笑)
ただ、私が演じた役は蘇ってきたような男ですので、その人物を成立させるためには、このようなモノクロの世界がベストであったのではないかと、完成した作品を見て、そう思いました。

-この作品はとても長い尺のシーンがたくさんあります。俳優としてどのように挑まれましたか?

円井わん
役者としてはとても素晴らしい経験でした。14分長回しのシーンもあって、その中でちゃんと生きることができますので、アンシュルの撮り方はとても良い方法だなと思いました。

円井わん

間瀬英正
アンシュルはなかなかカットを入れてくれませんし、撮影監督のマックスもドキュメンタリー映画を撮っているように自分のカメラワークにおいて、どんどん動きますので、俳優としては目の前の相手にとにかく集中して、そこに存在するということに気をつけていました。
私に関しては何が起きようと、後ろ向きに歩き、走ることをやめてはいけませんので、逃げたくなっても絶対に後ろ向きなんだと。ということは意識的にやっていましたし、川に突き落とされても、間違って日本語で「冷たい!」って言ってしまわないことを気をつけておりました(笑)

間瀬英正

-外国人が日本の映画を撮ると、どうしても日本の慣習や伝統に批判的な視点を持っているのではと言われるリスクがあると思います。例えば、本作で描かれているとても日本的な父と娘の関係。日本人の監督が撮るとそういうものだよねと受け止められると思いますが、外国人の監督が撮るとそれを批判的に捉えているという印象があるので、その点についてはどう考えられていましたか?

アンシュル・チョウハン監督
外国人である自分が日本の歴史や慣習を描くことの抵抗は感じていませんでした。私の周りには日本人の友人もたくさんいますので、彼らから話を聞くこともできます。
日本の何かを作ろうとしたつもりはなくて、高校生であるソラの気持ちは、自分が10代だった頃の気持ちをベースにして構成しています。撮影の時も、日本の観客のための何かを作るということを意識していたわけじゃなく、ただ、自分が撮りたい映画を作るという気持ちでした。
ただ、やはり戦争のことを扱っているので、第2次世界大戦のことを私の立場で扱うことについて、なぜ?と聞かれることはあるかなとは想像していました。

-この映画を観た人に何を持ち帰ってほしいと思いますか?

アンシュル・チョウハン監督
映画を作ったからには、他の作品同様、よりたくさんの方に観ていただきたいと思います。
作ったきっかけはほんとに自分の個人的な動機でしたが、海外で上映が始まると、ほんとにたくさんの方々から感想をいただいて、嬉しく思っています。
これまでは年上世代の方からの反応が多かったんですが、大阪アジアン映画祭の時に思ったのは、この作品を若い世代の方に多く観てもらいたいということ。
若い世代の方々が自分たちが知らない歴史にどのように向き合うのかを考えるきっかけになったらと思います。

円井わん
自戒を込めてですけど、私たち世代は知らないことが多すぎると思っておりますし、戦争というものを題材にしていますけど、祖父たちが体験してきたものを私たちは後の世代にも伝えていかなければならないと思っています。
そういう体験をして知ることができるのは、映画だったりの表現する場かなと思っていますので、 この映画が長く残っていけばいいなとも思っています。

間瀬英正
私含めて、日本では戦争経験者がとても少なくなっています。この映画を通して、今の時代に生きる、円井さん演じた“ソラ”と一緒に物語を進んでいただくことで、過去の日本や、過去の日本人に対しての弔いの気持ちを感じていただけたらと思っております。

コントラ

コントラ

[写真:金田一元/動画・記事:桜小路順]

映画『コントラ KONTORA』

STORY
高校生のソラ(円井わん)は、父親(山田太一)と二人暮らしだが、その関係は冷え切っている。そんなある日、急死した祖父が第二次世界大戦時の日記の中に遺していた、記号化された宝の存在を知ることとなる。彼女が密かに宝の探索を試み始めたとき、突然無言で後ろ歩きをする見窄らしい男(間瀬英正)と遭遇する。ソラの身に、ほぼ同時に起こった二つの事象。それは果たして何かの啓示なのか?

出演:円井わん / 間瀬英正 / 山田太一 / 清水拓蔵
制作・監督:アンシュル・チョウハン
脚本:アンシュル・チョウハン 編集:ランド・コルター 撮影監督:マックス・ゴロミドフ
配給:リアリーライクフィルムズ + Cinemaangel
配給協力:アルミード
(C)2020 KOWATANDA FILMS. ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト:www.kowatanda.com/kontora

予告編

3月20日(土)より、K’s cinemaほか、全国順次ロードショー

【映画祭&受賞歴】
・タリン・ブラックナイト映画祭(PÖFF) 2019 – グランプリ&最優秀音楽賞受賞
・SKIPシティ国際Dシネマ映画祭 2020 – 国内長編コンペティション部門 優秀作品賞受賞
・大阪アジアン映画祭 2020 – 最優秀男優賞受賞
・ジャパン・カッツ 2020 – 大林賞受賞
・グラスゴー映画祭 2020 – 公式セレクション
・Ostrava Kamera oko 2020 – 公式セレクション
・ジャパニュアル・日本映画祭 2020 – 公式セレクション
・ハイファ国際映画祭 2020 – 国際コンペティション公式セレクション

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