ラインナップ作品発表記者会見 第30回東京国際映画祭
第30回となる東京国際映画祭のラインナップ発表記者会見が東京六本木アカデミーヒルズで行われ、今年の全上映作品が明らかとなった。
また、コンペティション部門エントリ作品『最低。』から、瀬々(ぜぜ)監督、森口彩乃、佐々木心音、山田愛奈らが、そして、アニメーション映画監督の原恵一が登壇し、今後の東京国際映画祭では、アニメーション作品も普通に交ぜてもらえる映画祭に育っていってほしいと語った。
原恵一監督:最近のアニメ映画は「ショック」が少ない
本映画祭では、原恵一特集上映が行われるが、現在新作を製作中の原監督にとって、過去作品のターニングポイントは?という質問に『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001年)と答えた。
また、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦 』(2002年)は、子供向けアニメなのに主要キャラクターが死んでいくという衝撃的な作品でしたねと、笠井アナ(フジテレビ)が問いかけると、「ファミリー向けアニメだけど、観客の心に深く残る作品にしたかった」とその理由を述べた。
だが、最初はエライ人達(テレビ局や代理店)に大反対されたことも語り、最終的には原作者の臼井さんにこれでいいと決めてもらったという。
続けて、「子供の頃は主人公が死ぬというような作品はけっこうあったが、最近は子どもたちにショックを与えないようにしてくれと、テレビ局とかが注文してくる。僕らは別にひねくれて育たなかったし、そういうショックはすごくいいショックとして心に残っていたので、今でもそういう作品を描いていきたい。」と原恵一監督は語った。
原恵一監督:絵コンテ1枚1枚描くのが面倒くさいなと・・・
また、原恵一監督は、木下恵介監督とその作品が好きすぎて、今の世代にも伝えたいという強い思いで製作した実写としては初監督作品「はじまりのみち」(2013年)。
その後、またアニメ作品に戻ったが、実写映画はだいたい3週間で主要な部分はほぼ撮り終えるのに、アニメ作品に戻って、絵コンテを一コマ一コマ描く仕事に戻った時に、ほんと面倒くさいなーって思ったと語り、会場の笑いを誘っていた。
最後に今後の東京国際映画祭に望むことは?という質問に、
「私はアニメ映画監督なので、東京国際映画祭ってあまり縁がないかなと思っていましたが、東京国際映画祭が、世界四大映画祭(カンヌ・ベネチア・ベルリン・東京)と言われるくらいに育っていってくれればいいと思いますし、今、アニメーション部門のコンペティション部門が無いので、まぁ、アニメ部門って独立しなくてもいいんですけど、コンペにアニメーション作品もちゃんと交ぜてくれるような映画祭になってくれればいいなと思っております。
その時は是非僕の作品が入れるように頑張りたいと思います!」
と締めくくった。
コンペティション部門:『最低。』
『最低。』原作:紗倉まな、主演:森口彩乃、佐々木心音、山田愛奈
瀬々監督
AVというと偏見が少なくないと思いますが、東京国際映画祭に選んで頂き感謝します。
今、日常と非常に近しいものとしてAVがあります。AV女優も普通の生活をしていることを描きたいと思いました。」
森口彩乃
(AV女優のというオファーについては)すごく覚悟がいる作品で、撮影に入る前になんで引き受けたんだろうと思った(笑)
役の設定はこれからAV女優になろうとする普通の主婦だったので、それが見てる人にイメージできるように演じました。
また、撮影中のエピソードとして、瀬々監督が、「プールに落ちるシーンで佐々木心音さんが脳震盪を起こしてしまって病院に担ぎ込まれてしまった。シーンの内容もそうだったんですけど、それが現実になってしまったっていうことが起こってしまいました。慌てました。佐々木さん、本当にすみませんでした。」と舞台上で謝罪する一幕があり、それに対して、佐々木心音は「いえいえ、生きてます!」と答えていた。
コンペティション部門:『勝手にふるえてろ』
『勝手にふるえてろ』原作:綿矢りさ、主演:松岡茉優
大九明子監督
プロデューサーからお話をいただいて、原作のタイトルを見ただけで絶対にやる!と思った。
私はいつも、誰かにとって大事な映画になればいいなと、それだけを考えて映画を作っているので、コンペティション部門エントリーの一報を聞いた時は、そんなつもりは・・・と驚きました。
撮影現場での松岡茉優さんは、すごい集中力の高い人でそれが印象的でした。
ラインナップ全作品情報は下記公式サイトまで
[記事・写真:Jun.S]
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