『キングダム』で対決共演の坂口拓×山﨑賢人が剣術披露。映画『狂武蔵』完成披露無観客イベント
8月5日、都内にて、映画『狂武蔵』の完成披露無観客イベントが行われ、主演の坂口拓、そして『キングダム』以来の共演となる山崎賢人、下村勇二監督が登壇した。
本作は、9年前に、77分ワンシーン・ワンカットで撮影、坂口がたった独りで400人の相手を斬り捨てるという前代未聞かつ実験的とも言えるアクション撮影されたものの、日の目を見ぬまま眠っていた幻の“侍映画”。
きっかけは、2011年12月、園子温監督の初時代劇映画『剣狂-KENKICHI-』が、クランクイン直前、突然出資サイドの問題で撮影が断念となり、坂口拓が演じるはずだった10分間の(数ヶ月の準備を要した)アクションシーンが無駄になってしまう事に、愕然としていたスタッフキャストに主演の坂口拓は「ワンカット77分で俺やってみるから」、「一回挑戦してみたいから残ってください」と伝えたところ全員が残り、「やりましょう」と賛同したことによる。
当初、『剣狂-KENKICHI-』のクライマックス「10分間ノーカット、ルールなしで斬り合う」というシーンを膨らませ、「一日で撮り終えるためにワンカットで全部撮ってしまおう」となり、 “77分ワンカット”たった独りで数百人の相手を切り捨てるという作品の構想が生まれた。撮影時間帯はマジックタイム(夕景)を狙った1回勝負。坂口はスタッフに撮影中に腕が折れても目が潰れても何があってもカメラを止めるなとの指示をして撮影に臨む。実際に坂口拓は指と肋骨を骨折しながらも、最後まで狂武蔵を演じきった。しかし撮影後、坂口拓は、気力を使い果たしたことを理由に俳優を引退し『狂武蔵』は日の目を見ずに倉庫に眠ることとなった。
それが、『キングダム』での山崎賢人や下村勇二アクション監督との出会いを通じ、彼らから背中を押される形で、2019年3月に山崎賢人ら出演のドラマ部分を追加撮影してついに作品として完成、2020年8月21日公開となった。
この日のイベントでは、77分ワンカットの撮影開始5分で指を骨折、さらに肋骨も折れ、奥歯も砕けながらも戦い抜いた当時の撮影を振り返りつつ、また、坂口拓が極めた“ウェイブ”というゼロレンジコンバット技術のひとつについて、実際に剣術として披露。さらに、『キングダム』でも華麗な剣術を見せた山崎賢人も続いて剣術を披露した。
舞台挨拶レポート
坂口拓(主演・宮本武蔵 役)
77分ワンシーン・ワンカット撮影を9年前にやって、終わった後に精神状態がボロボロになって俳優を引退するんですけど、下村監督、山崎賢人くんらの思いで復活させてくれました。ほんとに感謝しています。
77分間、独りで闘う姿っていうのは今の時代になにか訴えかけるものがあるんじゃないかなと思っています。
山﨑賢人(忠助 役)
『キングダム』で出会った拓さんと下村さんから、『狂武蔵』という作品があり、それを復活させたいというお話をいただきました。
お二人のことが大好きですし、『キングダム』の現場で侍として、男として大切なことを教えていただいた拓さん、下村さんのために引き受けました。そして今日この日を迎えられて嬉しく思います。
下村勇二監督
9年前に坂口拓が命をかけて撮影したこの作品をどうにか復活させたいと思い、クラウドファンディングで募りました。
結果、僕たちが予想していた以上の額を達成することができました。多くの期待してくれている方たちにいい形で作品を届けたいという思いから、足りていない部分、すなわち“ドラマ性”の部分を、山崎賢人さんに参加いただいて、昨年(2019年)3月に追加撮影して完成しました。
■77分ワンシーン・ワンカット撮影開始5分で骨折
坂口拓
僕のアクション道は相手を傷つけないこと。でも、相手には殺すつもりでかかってこいと言いました。それもあり開始5分で指を骨折、終わったら、肋骨も折れていて、奥歯4本も砂のように砕けていました。思い出すと懐かしいですけどね。
でも完成した作品を観ると、自分より周りの人がすごいなと。自分のこんなわがままに付き合ってくれて。ほんとに感謝しかないですね。
■『キングダム』の撮影で“闘う”ということを感じた。
– 改めて出演の経緯について教えて下さい。
山﨑賢人
『キングダム』での拓さんとの撮影で、1分間、立ち回りを決めずにやらせてもらった時に、「ほんとに切りにきていいよ」っておっしゃってくれて、その時ほんとに“闘う”ということを感じました。
その拓さんがあるのは『狂武蔵』があったからなんだなと思いましたし、77分間を刀で闘うということがどれほどすごいことかっていうのは、自分もアクションを演じたので、とてつもないことだとほんとにわかります。
ですので、本作を復活させたいってお話を聞いた時に、すぐに「自分で力になれるなら絶対にやりたいな」って思いました。
坂口拓
『キングダム』での賢人のまっすぐな剣を見てて嬉しかったね。最初はむちゃくちゃな型だったけどね(笑)
山﨑賢人
型を決めているところで、一回、拓さんの手に当たりましたよね。
坂口拓
ありましたね。型を決めてるところはそのとおりにやらなきゃダメじゃんって(笑)
下村勇二監督
そのシーンは『キングダム』の本編ではカットされているんですけどね。
坂口拓
でも、DVD・Blu-rayの特典映像には収録されてるので、買って観ようっと(笑)
■“ウェイブ”式剣術披露
■次回作の構想について
下村勇二監督
“侍映画をやりたい”と坂口とはずっと言っています。
実はこの『狂武蔵』は次回作る“侍映画”の序章でもあり、次回作には山崎賢人くんにも是非出てもらいたいと思っています。
坂口拓
日本人に生まれたので、日本の伝統の“侍”というものをどうしても残したいので、僕はもっともっと強くなって皆さんの前に帰ってきたいと思います。
■最後のメッセージ
下村勇二監督
『狂武蔵』は普通のアクション映画を期待して観るとたぶん裏切られると思います。なぜなら、派手なギミック(ワイヤーアクションなど)は一切なく、坂口拓が現代に生きる侍としての生き様を描いています。彼が延々と戦い続ける姿を見て少しでも勇気づけられる方がいればいいなと思っています。
山﨑賢人
77分に拓さんの生き様が刻まれています。こんな時期なので、感染対策はしっかりしていただいて、劇場に観に来ていただけたら嬉しいです。
坂口拓
アクションにはいろいろなものがあります。ワイヤーだったり、カット割り、CGなど。
でも、一人の人間の身体だけを使った、そしてそれは日本人として受け継がれている骨格だったりを、侍という形で表現していけたらなと思っています。
なので『狂武蔵』はそれのスタートです。
■動画レポート
剣術アクションシーン、そして、Zoomでオンライン登壇した格闘家・朝倉海のトークを含むイベント全体は、動画でも配信中。
■フォトギャラリー
[写真:安田寧子/動画・記事:桜小路順]
映画『狂武蔵』
STORY
1604(慶長9)年、9歳の吉岡又七郎と宮本武蔵(坂口拓)との決闘が行われようとしていた。
武蔵に道場破りをされた名門吉岡道場は、既にこれまで2度の決闘で師範清十郎とその弟伝七郎を失っていた。
面目を潰された一門はまだ幼い清十郎の嫡男・ 又七郎殿との決闘を仕込み、一門全員で武蔵を襲う計略を練ったのだった。
一門100人に加え、金で雇った他流派300人が決闘場のまわりに身を潜めていたが、突如現れた武蔵が襲いかかる。
突然の奇襲に凍りつく吉岡一門。そして武蔵 1人対吉岡一門400人の死闘が始まった!
出演:TAK∴(坂口拓)、山﨑賢人、斎藤洋介、樋浦 勉
監督:下村勇二
原案協力:園 子温
2020年/91分/16:9/5.1ch
企画・制作: WiiBER U’DEN FLAME WORKS 株式会社アーティット
配給:アルバトロス・フィルム
(C)2020 CRAZY SAMURAI MUSASHI Film Partners
公式サイト:https://wiiber.com/
予告編
メイキング映像
2020年8月21日(金) 全国ロードショー
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