松田龍平・窪塚洋介・渋川清彦、豊田監督最新作に集う。『破壊の日』初日舞台挨拶
7月24日、豊田利晃監督最新映画『破壊の日』の初日舞台挨拶が渋谷ユーロライブにて行われ、豊田利晃、渋川清彦、マヒトゥ・ザ・ピーポー、イッセー尾形、長澤樹、窪塚洋介、松田龍平、大西信満、飯田団紅が登壇した。(動画&フォトギャラリー)
2020年7月24日。東京オリンピックが開催される日に公開日を定め、映画製作と共に進むプロジェクトとして開始された映画『破壊の日』。オリンピックは延期となり、新型コロナ禍の猛威において書き換えられた脚本で、緊急事態宣言解除後の6月22日にクランクイン。
再三のスケジュール変更を経て、公開の2日前に完成した本作は、今日における「破壊」とは何か、「祈り」とは何か、自問自答を繰り返しながら、日本に問いかける。
音楽は、GEZAN、照井利幸、切腹ピストルズ、MARS89。テーマソング「日本列島やりなおし音頭二〇二〇」には向井秀徳、小泉今日子、ILL-BOSTINO、伊藤雄和も参加。
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画
豊田利晃監督
今日は映画館に映画を見に来ていただいて本当にありがとうございます。
今年の初めに、7月24日オリンピックの日に合わせて公開しようと思って作った映画なんすけど、コロナの事態があり、緊急非常事態宣言があって、それが開けた5月25日から、やっぱり、7.24に向けて作るぞって思って作った映画です。
もともとこの映画のきっかけになったのが、昨年、出羽三山神社に行った時に、修験道の人たちとか、大日坊っていう即身仏、生きたままミイラになるっていう即身仏の修行のことだと聞き、その出羽三山ができたのが疫病退散がきっかけでできた神社なんです。
で、当初から疫病退散というのはmこの映画のテーマのひとつだったんですけど、それがまさかこのようなコロナの事態の中で、作るとは思ってなくて。
で、6月22日から撮影が始まって、30日にアップして、一昨日に完成したっていう。
なかなか昔の映画の全盛期みたいな感じの早さでできましたね。
本当にこの7月24日に観に来ていただいて本当に感謝しています。
渋川清彦
今4回目なんですけど、やっぱりマスコミ入ると空気が変わりますね(笑)
劇中の僕の車の名前にも注目してほしいんですけど、コロナマークIIって名前です。
そして、今はほんとに不自由な世の中。本人は変な事って別に思ってなくて言ってるけど叩かれたりするんです。
でも映画の中では本当にいろんなことが自由なんで、映画を楽しんでもらえたら幸いです。
マヒトゥ・ザ・ピーポー
今、不要不急のもの以外のことをやっちゃいけないっていうムードがやっぱりあると思います。
さっきも豊田監督が、映画館に映画を観に来てくれてありがとうっておっしゃいましたけど、映画監督が映画を作るっていうことを、ただ当たり前にやったことで、やっぱりこの場所に今日来るって事もすごい勇気がいったことかもしれないんですけど、そういう時間に自分も関われて幸せだなと思ってます。
イッセー尾形
豊田さんとは『泣き虫しょったんの奇跡』という作品で一緒させていただきまして、今回また声をかけていただき、喜んでやろうと思ったらすぐ自粛になりました。
私の役がベテランの修験道のだということで、修験道って山の中にこもってる人だろうと勝手に思って髭も髪も伸ばし放題で打ち合わせ行ったら、いや普段は商売をしてるとかいう人ということで、慌てて髪だけ切って撮影に臨みました。
ただし、修験道の白装束の衣装を着るとですね、自分がいかに軟弱かってことが分かりますね。
それをひたすら隠しながら、ベテラン修験道を装って、とにかく豊田さんのためになるのであれば、なんでもしようと思い演じました。
長澤 樹
まずこの私を選んでくださった豊田監督、ありがとうございます。
そして、この『破壊の日』という作品に携わることができたことにとても感謝しています。感謝の気持ちでいっぱいです。
この作品はとても心のこもった作品だと思います。私も心を込めて全力で頑張りました。
窪塚洋介
『破壊の日』ということで何を破壊するのかなと。
豊田さんは常に破壊してきた監督だと思いますけれども、一緒にさしてもらっている舞台「怪獣の教え」からのこの流れで、僕が感じるのは、豊田さんの怒りというか、何か壊したいという気持ちなんですよね。
じゃあ、俺は今何に怒ってるのかなと思ったら、やっぱりこの今のそのムードというか、この空気というか。
そんな暗くなんのやめましょうよと。
こういう映画だったり、自分の好きな音楽だったりを楽しんで。
だって病は気からなんですから。そこを削ぐなよと。僕はほんとに常々感じていました。
松田龍平
こういう時代で、いろいろ思うところがありますけども、この作品に読んでもらえて本当に嬉しかったし、すごく元気をもらいました。
映画の中に7年前のシーンがあって、それを撮った時は、こういう形で映画になるとは全く想像しないでやってました。
それで今回、こういう形で作品になった時に、すごく感慨深いというか、7年前と今とで何がどう違ったのか。
それは、僕自身の話ですけど、芝居に対してだったり、自分の気持ちに対してあったり。
なんかそういうものを豊田さんに破壊してもらえるような作品になったなと。
こうやって公開できてとても幸せです。
大西信満
今日、楽屋に来た時にみんな赤いんですよね。服が。
僕だけこれ(赤い手ぬぐい)を後で用意してもらったんですけど、監督はじめ皆さんから「意識が低い」みたいな感じでものすごく糾弾されまして、もうテンションダダ下がりでいます(笑)
ただ、作品自体は尺は短いんですけれども、めったにないぐらい見終わった後に、グッと重さを感じます。
今この時期にこの作品が世に公開されるって事がすごく意義があることだと思っています。
飯田団紅(切腹ピストルズ)
豊田監督の『狼煙が呼ぶ』あたりからうろちょろしている不届き者でございます。
先ほどもお話にあった通り、この映画には修験道というものが出てまいります。
その総本山として、山形に出羽三山(月山・羽黒山・湯殿山)というものがありまして、それぞれ全部、山の上に神社、拠点があり、過去・現在・未来に分かれております。
そう考えると、今回の映画でも、“狼蘇山(おおかみよみがえりやま)神社”というものが出てまいりますが、『狼煙が呼ぶ』が過去の作品、今回の『破壊の日』が現在となると、これは未来を描いた作品もできるのではないかと期待しております。
それからこの本編には、テーマ曲として「日本列島やり直し音頭二〇二〇」という、監督と企画して一緒に作ったんですが、作中には流れないけれどもなぜか一緒にそれが出ているという、一つの伏線でもありますので、そんな事も思いつつ、爆音の中で本作を楽しんでいただければと思います。
豊田利晃監督
この状態が続くと、本当に映画館もライブハウスは危ないと思うんで、だから早く元に戻ることを祈ってます。
この映画は、そのコロナの中で作った俺たちの“祈り”のような映画です。
その祈りは皆さんに届くことを祈ってます。
今日からニューヨークで、24時間、全世界にも配信してるんで、皆さん共に楽しみましょう。7月24日を楽しんでください。
今日はどうもありがとうございました!
■フォトギャラリー
[写真:Ichigen Kaneda/動画・記事:Jun Sakurakoji]
映画『破壊の日』
それぞれの祈り それぞれの目覚め
【あらすじ】
7年前、田舎町の炭鉱の奥深くで見つかった怪物。その怪物は何なのかは不明のまま不穏な気配を残して時が過ぎる。
7年後、村では疫病の噂が広がり、疑心暗鬼の中、心を病む者が増えていく。
そんな中、修験道者の若者、賢一は生きたままミイラになりこの世を救うという究極の修行、即身仏になろうと行方不明になる、、、、、。
そして、「物の怪に取り憑かれた世界を祓う」と賢一は目を覚ます。
企画・監督・脚本:豊田利晃
出演:渋川清彦 マヒトゥ・ザ・ピーポー/イッセー尾形/長澤樹 大西信満 和田光沙 飯田団紅/窪塚洋介/松田龍平
音楽: GEZAN/照井利幸/切腹ピストルズ/MARS89
撮影:槇憲治 照明:宗賢次郎 衣装:宮本まさ江 ヘアメイク:佐々木ゆう
助監督:佐和田惠/相良健一 サウンドデザイン:北田雅也
VFX:道木伸隆 編集:山田佑介/村上雅樹
デザイン:大橋修 スチール:名越啓介/砂田耕希
宣伝プロデューサー:奥田アキラ
エグゼクティブプロデューサー:豊田利晃/行定勲
プロデューサー:出原知之/村岡伸一郎/菅原信宏
企画・製作・配給:IMAGINATION
(C)「破壊の日」製作委員会
公式サイト:https://www.imaginationtoyoda.com/
予告編
7月24日(金)ユーロスペース、京都みなみ会館、大阪シネ・ヌーヴォ、フォーラム仙台、シネマ ジャック&ベティほか全国順次公開
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