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芥川賞作家羽田圭介「こんなに没入できるものはない!」AudioMovie®特別視聴会

TBSラジオ×ファントム・フィルム共同制作『THE GUILTY/ギルティ by AudioMovie®』特別視聴会

ラジオ・映画業界初のプロジェクトとして、TBSラジオとファントム・フィルムの共同制作、ポッドキャストによる、デンマーク発の新感覚サスペンス映画『THE GUILTY/ギルティ』を題材とした『THE GUILTY/ギルティ by AudioMovie®』の配信が決定した。それを受けて、11月21日、表参道にて、本プロジェクトの発表・特別先行試聴会をが行われ、 羽田圭介(TBSラジオ「ACTION」木曜パーソナリティ・芥川賞受賞作家)、橋本吉史(AudioMovie® 制作統括プロデューサー)が登壇した。

映画『THE GUILTY/ギルティ』は、「電話からの声と音だけで、誘拐事件を解決する」というシンプルな設定ながらも、予測不可能な展開で観る者を圧倒させ、第34回サンダンス映画祭では、『search/サーチ』(NEXT部門)と並び、観客賞(ワールド・シネマ・ドラマ部門)を受賞。
その後も第47回ロッテルダム国際映画祭観客賞/ユース審査員賞、第44回シアトル国際映画祭 監督賞の受賞などに加え、世界中の映画祭で観客賞を総なめに。第91回アカデミー賞®外国語映画賞 デンマーク代表にも選出され、また、ジェイク・ギレンホールによるハリウッドリメイクも決定し、日本でも大ヒットを記録した。

特別先行試聴会で紹介された、AudioMovie®とは、従来のラジオドラマとは異なり、ナレーションによる物語進行ではなく、音響効果やセリフによってまるで頭の中に映画が投影されるような没入感を生み出すサービス&ブランド。

イベントレポート

『THE GUILTY / ギルティ by AudioMovie®』 特別先行試聴会

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登壇者:
羽田圭介(TBSラジオ「ACTION」木曜パーソナリティ・芥川賞受賞作家)
橋本吉史(AudioMovie® 制作統括プロデューサー)
※「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」「アフター6ジャンクション」「ジェーン・スー生活は踊る」 番組プロデューサー
MC:日比 麻音子 (TBSアナウンサー)
参加者:選抜一般ゲスト 約20名 ※視覚障害者も参加

主観に限定した新感覚の音声体験に驚きの声続出

公募により選ばれた約20名の一般ゲストの前に登場した羽田圭介(TBSラジオ「ACTION」木曜パーソナリティ・芥川賞受賞作家)と橋本 吉史(AudioMovie® 制作統括プロデューサー)。

AudioMovieとはそもそもどういうものなのか聞かれた橋本は「ここ数年で海外ではポッドキャストがとても人気になってきている。ワイヤレスイヤホンの普及等で環境が整ってきたからなんです。でも日本ではまだまだ発展途上。日本でももっと何か出来るのではと思った時に、日本で一番音声コンテンツに携わっているのはラジオだった。新しい流れを作れたら良いのではないかと思い作ったものです。」とコメント。

概要についてのトークが終了すると、早速、視聴体験がスタート。会場では、登壇ゲストとともに全3話となる『THE GUILTY/ギルティ by AudioMovie』の第1話のみを視聴した。
視聴終了後、羽田は「犯人がわかってしまいました!」と序盤から手に汗にぎる展開の作品に、楽しげな表情を浮かべ早速コメントした。
羽田は続けて、「従来的なラジオドラマっていうものは“誰々が明かりをつけた”というようなナレーションが入るわけですよね。それをなしにして、この作品は全て主観だけで構成されている。YouTubeで主観だけの動画が最近人気になっていたりしてるし、そもそも客観的な視点なんていらないのかもしれない。だからこそ没入できる。こんなに没頭するものはそんなにないですよ!それと、ちょっとした物音しかしないような“間”があるのも、今までありそうでないもの。普通のラジオドラマだったらそういう“間”は怖くて埋めてしまうんですよ。」と熱く語った。

橋本は「題材となった『THE GUILTY/ギルティ』の設定として似たようなものは過去にもあった。でもこれは映像をほとんど映さない。音を聴かせるためにこだわった映画だったんです。ほとんど主観だけで構成されています。」と述べた。

今回は、来場した一般の方からの感想も交えてトークを行なった。視覚障害があり、生まれながらに全盲だという男性からは「わたしは人生そのものがAudioMovieのようなもので、皆さん、ようこそこの世界へというような気持ちでした。」と、本作が視覚を全く必要としないコンテンツあるという感想に登壇ゲストも思わず納得。
橋本は「今までのモノローグがあるようなラジオドラマではなく、もっと色々なことが突然起きて良いと思っていた。今回の作品は説明的な台詞をかなり抜いているんですよね。全体的に“間”を増やしているんですよね。」と述べた。
その話に対して、羽田は「説明しすぎないっていうのが、リハビリさせられてる感があった。最近の推理ドラマって最後の解決シーンのところで回想なんかをいれてくるじゃないですが。いらないですよ。だから、今回のAudioMovieは客として自分がバカにされていない感じ。現実世界って説明が足りないことを自分の頭で補うっていうのが普通。ギルティの作り方はむしろ現実世界と似てる。何でもかんでもあればいいってものじゃない。作品って観客自身からの能動的なものがないと、フィクションになってしまうんですよ。」と昨今のエンタメ作品との決定的な違いについてコメントした。

実際に会場で、驚きの感想を生み出したAudioMovie。改めて本作の制作の経緯を聞かれた橋本は「今までのラジオは、箱から音声が流れるっていうことを前提に作っていた。テレビも同じ、だから細かい音なんて作っても聞こえないと思われていたんですね。ヘッドホンから聞こえるっていうことを前提にしていない。ヘッドホン前提でモノを作っていくということも実は初めてなんですよ。」と、そもそもの音声コンテンツの視聴環境の変化が新たなコンテンツ制作のきっかけだったことを語った。

AudioMovieにはオーディオムービーコードという決まりごとのようなものがあり、“聴覚は短期記憶なので、最初のほうにふった話を最後に回収するっていうのは向いてない。”など、音声コンテンツならではの作り方を、今後の制作活動に活かすために定めていくとのこと。

AudioMovie

新たなクリエイターが生まれるジャンルになる!?

イベント終盤、今後の展望について聞かれると、橋本は「今後はこういうものを作ってくれる人がどんどん増えてきてほしい。これが音声コンテンツに留まらず、映画になっていくかもしれない。脚本をやりたいという人には是非おすすめしたい。」と、新たなクリエイターたちを生み出す大きな可能性を見出せる分野であると述べた。
羽田はこれに対して、「じゃあ僕もやろうかな。脚本書いて、ドラマになります、それからハリウッドに…。笑」と大きな夢を語った。思わぬ形での芥川賞作家である羽田の立候補に、会場からは驚きの声も。

橋本は「実際に海外では『ウルヴァリン』なんかはアメコミでしたがポッドキャストから映画になっているんですよ。だから新しいクリエイターたちも進出しやすい分野だと思います!」と海外の実情も交えて今後の本コンテンツの伸びしろを語った。
最後に橋本は「まだまだこれは始まったばかりのプロジェクトです。皆さんの意見でこれから作っていくというものなのです!!」と熱いメッセージを述べて、イベントは終了した。

■『 AudioMovie® (オーディオムービー) ~音で観る映画 』

TBSラジオは、“音で想像の世界に連れ出す、没入感あふれる新体験・音声コンテンツ作品”を「 ポッドキャスト配信[*1] 」で提供するサービス&ブランド『 AudioMovie® (オーディオムービー) ~音で観る映画 』を設立、2019年11月22日(金)よりコンテンツ配信を開始する。
現在アメリカを中心に2014年から市場が大きく成長し、世界中で70万以上の番組が配信されている「Podcast (ポッドキャスト)」として提供。2020年には日本でもそのブームが上陸すると言われており、再び脚光を浴びる可能性が高まる兆しだ。
音声コンテンツ市場にて“放送”とは異なるサービスに取り組み、“音声コンテンツを楽しむ生活習慣を醸成し、人の想像力を育み、生活を豊かにする”ことを目標に、サービス&ブランドを創り上げていく。

<2019年11月22日(金)よりコンテンツ 全世界 配信開始!>
公式サイト:https://audiomovie.jp/
※『THE GUILTY / ギルティ by AudioMovie®』は『 AudioMovie® (オーディオムービー) ~音で観る映画 』の第一弾発表作品となる。
※配信は1年間限定(2020年11月21日まで)。

■映画概要

【 DVD & ブルーレイ 絶賛発売中! 】
犯人は、音の中に、潜んでいる。人間が聴覚から得られる情報はわずか“11%”
88分、試されるのはあなたの想像力。

真夜中の緊急指令室。誘拐された女性からの通報。解決の手掛かりは電話の声だけ。
緊急通報指令室のオペレーターであるアスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)は、ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、交通事故による緊急搬送を遠隔手配するなど、些細な事件に応対する日々が続いていた。そんなある日、一本の通報を受ける。それは今まさに誘拐されているという女性自身からの通報だった。彼に与えられた事件解決の手段は”電話”だけ。車の発車音、女性の怯える声、犯人の息遣い・・・。微かに聞こえる音だけを手がかりに、“見えない”事件を解決することはできるのか―。

出演:ヤコブ・セーダーグレン、イェシカ・ディナウエ、ヨハン・オルセン、オマール・シャガウィー
脚本・監督:グスタフ・モーラー  製作:リナ・フリント 脚本:エミール・ナイガード・アルベルトセン 撮影監督:ジャスパー・スパニング
編集:カーラ・ルフェ
音楽:オスカー・スクライバーン 提供:ファントム・フィルム/カルチュア・パブリッシャーズ 配給:ファントム・フィルム原題:The Guilty|2018年|デンマーク映画|スコープサイズ|上映時間:88分|  2018 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

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