27歳・夏帆100%作品『ブルーアワーにぶっ飛ばす』完成披露プレミア上映会イベント
9月30日テアトル新宿にて、映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』の完成披露プレミア上映会イベントが行われ、主演・夏帆をはじめ、シム・ウンギョン、渡辺大知、黒田大輔、でんでん、箱田優子監督が登壇した。
本作は、撮影時27歳だった“夏帆”そのものが描かれていて、箱田監督は「夏帆100%の映画」と表現する。それがゆえに、完成初号を観た夏帆は「これが今の私?」と落ち込んだこともあったという。だが、今は「20代の夏帆」が収められていることに感謝しているという。
舞台挨拶の後半では、本作の“ぶっ飛ばす”にちなみ、パンチングマシーンが用意され、夏帆、シム・ウンギョン、渡辺大知がイライラやモヤモヤをリセットすべく、思いのたけをぶつけた。
イライラモヤモヤをぶっ飛ばす
イベントでは、本作が大人イヤイヤ期を描いた映画でもあるということで、夏帆、シム・ウンギョン、渡辺大知が自分のイライラモヤモヤをぶっ飛ばすために、パンチングマシンに思いのたけをぶつけるコーナーが用意された。
結果、なんと夏帆がダントツの高得点をあげる結果に!
渡辺大知
「このパンチングマシン、殴りづらいな!!」
シム・ウンギョン
「悩みたくない!!」
夏帆
「この映画が公開するのが寂しい!!」
舞台挨拶レポート
舞台挨拶全編は動画でもどうぞ!
夏帆(砂田夕佳 役)
昨年の夏にこの映画の撮影をして、1年経って、この夏はずっとこの映画の宣伝をしてきたんですけど、ニューヨークの上映会に行ったりだとか、取材もたくさん受けて、でも今日こうやって完成披露ということで、皆さんにお見せできるっていうのがすごく嬉しくて、いよいよ10月11日の公開に向けて、この映画が動き出したんだなと、今すごく実感しているところです。
渡辺大知(玉田篤 役)
この作品は思い入れの強い作品で、今日まで海外でもたくさん上映してまして、その度に監督の箱田さんとおめでとうって言い合ったりとかしてたんですけど、日本で本上映が始まるのを楽しみにしています。
でんでん(砂田浩一 役)
「よぉ!みんな!ハッピーかい?」すみません、これ39年前にデビューした時のキャッチフレーズなんですけど(笑)
僕は気分が良い時とか、ノってる時はこの挨拶から始まるんです。今はお若い方ばかりだから知らないと思うけれども。
箱田優子監督
今回、初監督・初脚本なんですけど、ほんと素晴らしいメンバーに恵まれて、とても面白かったです。
そもそもこのテアトル新宿は、私は10代の頃から通い詰めてる劇場なので、こっち(舞台)側からの風景が感慨深くて泣きそうです。
自分自身の葛藤と重なる役に感じた
– 夏帆さんは“砂田夕佳”の役を是非やりたいと思われたそうですが、どんなところに惹かれましたか?
夏帆
説明するのがとても難しいんですけど、どこか砂田の抱えている葛藤だとかが、自分自身と重なるところがあって、時間に対しての向き合い方であったり、過去の自分に対して思うこと、そして今の自分に対して思うこと、そういう葛藤が、昨年の撮影当時27歳だった私とすごく重なるところがあったんです。
10代の頃から仕事をしてきて、20代の今の私で勝負できる、今の私をぶつけられるようなそんな役をやってみたいと思っていたところで、この役に出会いました。
– 実際にこの役を演じきってどんな感想をお持ちですか?
夏帆
演じきってというよりかは、出来上がった作品を見た時に、ものすごく等身大の私をこの映画の中に収めていただいたなって感じて、正直初見はものすごく落ち込みました。「今の私はこれか!?」って思って。ただ、このように映画の中に残していただけたっていうのは、とても幸せなことだと思いますし、ほんとにあの時の私でしか演じられない役だったと感じています。
日本映画初出演となった本作
– 皆さんきっと『新聞記者』もご覧になっていると思います。公開は『新聞記者』が先だったんですが、実は『ブルーアワーにぶっ飛ばす』がシム・ウンギョンさんにとって初出演の日本映画になるわけです。日本語のセリフで演じるということも初めてだったわけですが、撮影を振り返ってみていかがですか?
シム・ウンギョン(清浦あさ美 役)
昨年の真夏に撮影した作品ですが、まず、暑さに圧倒されました。自分の一生分の汗をかいたと思っています(笑)
撮影期間が2週間だったので、短い期間でどうやってキャラクターの芝居がちゃんとできるのかが心配だったので、箱田監督とはたくさん話しをしました。
撮影現場では皆んなのこの作品に対する熱量に刺激されて、とても楽しくお芝居ができました。
あと、実は食べられないものがありまして(笑)、この作品のために頑張って食べたので、皆さん是非そこに注目してみてください(笑)
クランクイン前の決意表明
渡辺大知
印象に残っているのが、撮影の初日で、まだスタッフさんとかの距離感がつかめてない時、助監督さんがギックリ腰になってしまって。その時、主演の夏帆さんが、すっと冷静に整体師の方を呼ぶという素晴らしいフォローをされたんです。この方が主演だったらこの映画は大丈夫だなって思ったのが印象的です。
夏帆
初日、クランクインする前に決意表明みたいなのをしましたよね(笑)
箱田優子監督
これは夏帆が引っ張っていく映画やぞという感じがあって、前日からプロデューサーからも言われてたもんね。
夏帆
そうそう。クランクインの時「この映画に賭けてます!頑張ります!」みたいな決意表明した(笑)
この映画は「夏帆100%」
– 撮影を振り返って、箱田監督がいちばん印象に残っていることはなんでしょうか?
箱田優子監督
初監督でかつ、撮影期間が短かったので、めちゃめちゃ駆け抜けた感があります。
映画が素晴らしいなって思ったのが、クランクインする前に、役者・スタッフとお互いを深め合う時間を持てたことです。それがとても嬉しかったです。
特に主演の夏帆ちゃん、そしてウンギョンちゃんとは、もちろん作品のことは話しますけど、それ以外のことも含めて時間を共有できたことがすごくとても素敵に思いました。
特にこの映画は「夏帆100%」で、夏帆ちゃんにやってもらっているので、今まで誰も見たことがない夏帆ちゃんが見れると思います。
夏帆
そうですよ。だから最初見た時落ち込んだんですよ(笑)夏帆100じゃん!みたいな(笑)
箱田優子監督
(笑)
なんかそれも含めて、嬉しい時間を一緒に共有できたなって思っています。今しか撮れないものがなんなのかってことも突き詰めて撮れたので、ウンギョンちゃんもあの時じゃないと撮れないウンギョンちゃんだったなと思うし、他のキャストもそう。
あの夏の短い瞬間、素晴らしい時間だったなと振り返って思います。
最後のメッセージ
夏帆
この話をいただいてから、ずっとこの作品のことを考えていて、それは撮影が終わってからも、じゃ次どういうふうに宣伝していこうかとか、ずっとどこか自分の中にこの作品があって、それがいよいよこうやって公開日が近づいているというのが、寂しくもあり、でも嬉しくもあり、なんだか今すごく複雑な心境です。
皆さん、これからご覧になるということで、10月11日の初日に向けて、この映画をもっともっと盛り上げていけたらなと思いますので、もしご覧になられて皆さんの中に少しでも残るものがあれば、いろんなところでこの映画の話をしていただけたらとても嬉しいです。ありがとうございました。
[写真・動画・記事:Jun Sakurakoji]
映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』
【Story】
30歳の自称売れっ子CMディレクター・砂田(夏帆)は、東京で日々仕事に明け暮れながらも満ち足りた日々を送っている…ように見えるが、口をひらけば悪態をつき心は荒みきっている。
ある日、病気の祖母を見舞うため、砂田の嫌いな故郷に帰ることに。ついて来たのは、砂田が困った時には必ず現れる、自由で天真爛漫な秘密の友だち・清浦(シム・ウンギョン)。
しかし、再会した家族の前では、都内で身に着けた砂田の理論武装は通用しない…やがて全てを剥がされた時、見ようとしなかった本当の自分が顔を出す―。そして、一日と始まりと終わりの間に一瞬だけおとずれる“ブルーアワー”が終わる時、清浦との別れが迫っていた…。
出演:夏帆 シム・ウンギョン 渡辺大知 / 黒田大輔 上杉美風 小野敦子 / 嶋田久作 伊藤沙莉 高山のえみ /
ユースケ・サンタマリア でんでん 南 果歩
監督・脚本:箱田優子 製作:中西一雄 企画プロデュース:遠山大輔 プロデューサー:星野秀樹
撮影:近藤龍人 照明:藤井 勇 録音:小川 武 美術:井上心平 編集:今井大介 音楽:松崎ナオ
製作:「ブルーアワーにぶっ飛ばす」製作委員会
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
制作プロダクション:ツインズジャパン
配給:ビターズ・エンド 2019 年/日本/カラー/アメリカンビスタ/DCP5.1ch/92 分 (C)2019「ブルーアワーにぶっ飛ばす」製作委員会
公式サイト:www.blue-hour.jp
予告編
10月11日(金)より、テアトル新宿、ユーロスペースほか全国公開!
TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016 審査員特別賞受賞
第43回香港国際映画祭 ヤング・シネマ・コンペティション部門 正式出品
第19回ドイツ日本映画祭「ニッポン・コネクション」ニッポン・ヴィジョンズ審査員スペシャル・メンション受賞
第22回上海国際映画祭アジア新人部門 最優秀監督賞&優秀作品賞受賞
第21回台北映画祭国際 ニュータレントコンペティション部門 正式出品
第13回 JAPAN CUTS~ジャパン・カッツ!正式出品
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