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舞台『女郎蜘蛛』

【インタビュー】仲万美が挑む、オールフィメールの衝撃作、舞台『女郎蜘蛛』。消費される存在から、自ら創り出す表現者へ。

仲 万美が4年ぶりにプロデュースする舞台『女郎蜘蛛』は、脚本・演出に中屋敷法仁を迎え、実在の「毒婦」たちをオールフィメールで描き出す。「消費される存在」から脱却し、現代社会に強烈なメッセージを放つ彼女の、作品に込めた覚悟と情熱に迫る。

舞台『女郎蜘蛛』では、仲 万美と中屋敷法仁(脚本・演出)の二人が初タッグを組み、日本犯罪史・文学史に名を残す、妖しい魅力を持つ女性の重犯罪者“毒婦” 8人の物語を現代に甦らせる。実在した人物でありながら、その多くがフィクションの題材になってきた彼女たち。奇想天外な彼女たちの人生が、観る者の心を震わせる。

仲 万美 インタビュー &撮り下ろしフォト

‐ 4年ぶりとなるプロデュース作品ですが、なぜ「毒婦」というテーマを選んだのでしょうか?

仲 万美(主演・プロデュース)
実は、「毒婦」というテーマを選んだのは脚本・演出の中屋敷法仁(なかやしき のりひと)さんなんです。私からは、「強い女性像」や「心身ともにボロボロな女性をやりたい」という核となるコンセプトを伝えました。
それを受けて、中屋敷さんが「毒婦はいかがですか」と提案してくださったのが始まりです。時代背景が異なる毒婦たちを組み合わせる構成も、中屋敷さんのアイデアです。

舞台『女郎蜘蛛』

仲万美

‐ 「私の憧れ」と語る中屋敷さんと実際にタッグを組んでみて、いかがですか?

仲 万美
ずっと憧れていた方なのでワクワクしていましたが、本当に心の底から演劇を愛している方だと伝わってきます。打ち合わせや稽古場でも、演劇への“好き”という気持ちが溢れすぎて、何を言っているのか分からない(笑)時があるほど、熱量がすごいです。これまでの作品で感じていた面白さの理由が、ご一緒してようやく自分の中で納得できました。

舞台『女郎蜘蛛』

‐ 中屋敷さんの演出の印象について教えてください。

仲 万美
演出を押し付けるのではなく、「あなただったらどうしますか?」と役者の主体性を尊重してくださいます。まず自由にやらせてくれるので、私たちも「自分の考えを持って提示しなければ」という心地よい緊張感を持って稽古に臨めています。

舞台『女郎蜘蛛』

‐ 今作は全編オールフィメール(女性のみ)のキャスト構成ですが、狙いは何ですか?

仲 万美
毒婦というテーマ自体が女性の話であることもありますが、女性が集まることで生まれる「負けてたまるか」という根性や強さを表現したいと考えました。女性特有の諦めない力強さは、見ていて非常に好きですし、何より女性が並ぶ姿はシンプルに美しいです。

舞台『女郎蜘蛛』

‐ キャスト同士の化学反応はいかがですか?

仲 万美
歌やダンスもある中、今はまだ全員が頭を整理している段階なので、お互いに様子を見ている部分はあります。ただ、もっとさらけ出していけると感じていますし、これから仕上げていくのが楽しみです。

舞台『女郎蜘蛛』

‐ この舞台でのビジュアルへのこだわりを教えてください。

仲 万美
ビジュアルに関しては、「普通」で終わってほしくないという強い意識があって、尖ったものや怪しさのある美しさを求めています。メイクも単に綺麗にするのではなく、「悪いイメージも表現してください」とオーダーしました。本人たちが「こんなメイク初めて」と言うほどダークで格好いい仕上がりになっています。

舞台『女郎蜘蛛』

‐ 現代に、江戸時代から明治、大正を生きた毒婦たちの物語を表現する意義をどう考えていますか?

仲 万美
今のSNS社会と毒婦たちが生きた世界は、非常に似ていると感じています。些細なことで炎上したり、嘘や噂が飛び交って何が真実か分からなくなったりする状況は、彼女たちが「毒婦」と呼ばれた背景と重なります。「目に見えないもの、自分で見ていないものを鵜呑みにするな」というメッセージを伝えたいです。

舞台『女郎蜘蛛』

‐ 仲さんが演じられる“高橋お伝”(*)という役をどう解釈していますか?
*高橋お伝:明治初期に実在した女性で、日本近代史における“毒婦”の代表的存在とされる人物。美貌と数奇な生い立ちで注目を集め、複数の男性との関係や毒殺疑惑が世間を騒がせた。1879年、強盗殺人の罪で斬首刑に処された。死後、遺体の一部がホルマリン漬けにされたり、彼女の生涯が新聞や講談、芝居の題材となり、近代日本におけるメディアと犯罪、女性像の交差点を象徴している。

仲 万美
彼女は、調べれば調べるほど諸説ある人物ですが、自分の欲に対して非常に真っすぐで、強い意志を持った女性だと解釈しています。「自分はこうしたい」という欲の強さを大切に演じたいです。

‐ 高橋お伝という、死後も含めて「消費される存在」を演じることへの覚悟はありますか?

仲 万美
芸能界も含め、どんな世界でも人は消費されるものだと思っています。以前は私も「操り人形」のように感じて心が削られていた時期もありましたが、今は自分でプロデュースし、やりたいことを発信できているので、消費だけで終わらず、新たに創り出すことで、「循環」しているような感覚です。

舞台『女郎蜘蛛』

‐ 「女郎蜘蛛」というタイトルはどのように決まったのですか?

仲 万美
これも中屋敷さんの提案です。中屋敷さんの私に対する第一印象が「蜘蛛みたいな人」だったらしく(笑)、そこからこのタイトルが生まれました。私自身、蜘蛛や妖怪が大好きなので、とても嬉しいタイトルでした。

舞台『女郎蜘蛛』

‐ ダンスと歌の構成についてのこだわりを教えてください。

仲 万美
私はプロのダンサーとして活動してきたので、振り付けが曲や芝居とマッチしていないことに違和感を抱くことがありました。今作では、振り付けのyuichimenさん、KEITOさんに「役者だからと手加減せず、プロとしての高いレベルで振り付けてほしい」とお願いしました。とても難しいダンスですが、全員で食らいついて格好いいものに仕上げていきたいと思っています。

‐ 楽曲や演出も非常に刺激的だと伺いました。

仲 万美
KYOHEIさんの楽曲はどれも格好よく、中屋敷さんの歌詞も世界観を完璧に表現していて、そのまま芝居から歌へ入れます。また、ステージが360度客席に囲まれているので[荒井1.1]、一回見ただけでは足りないほど、どこから見ても楽しめる構成になっています。

舞台『女郎蜘蛛』

‐ 個性豊かなキャスト陣の魅力について教えてください。

仲 万美
共演者の皆さんは本当に歌唱力が高く、魅力的です。芯の強い蘭舞(らんま)ゆうさん、狂気的な役が似合う太田夢莉(おおたゆうり)さん、ストイックに役と歌に向き合う安川摩吏紗(やすかわまりさ)さん。
さらに、ダンスも歌も高いポテンシャルを持つ西葉瑞希(さいばみずき)さん、唯一無二の歌声を持つ なかねかなさん、演歌的な表現力も素晴らしい岩佐美咲(いわさみさき)さん。
そして、中屋敷さんが主宰を務める劇団『柿喰う客』の劇団員で、常軌を逸した役を器用に演じ切る永田紗茅(ながたさち)さんと、最強のメンバーが揃いました。

‐ プロデューサーを兼任することによるアーティスト性の変化はありますか?

仲 万美
モデルやダンサーの時と比べると、背負うものの重さやプレッシャーは桁違いです。もし失敗したら……という不安や、キャスト・スタッフ全員を成功へ導かなければならないという覚悟が、今の自分を突き動かしています。

舞台『女郎蜘蛛』

‐ 最後に、この作品を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。

仲 万美
SNSなどの外部の情報に振り回されず、自分というものを捨てずに貫き通してほしい、という思いを込めています。自分の意志を貫く毒婦たちの姿は、犯罪は別として、生き様として格好いいものです。そして何より、「女性を侮らないで」という力強いエネルギーを届けたいです。ぜひ、この「美しい悪夢」を体感しに来てください。

舞台『女郎蜘蛛』

仲 万美(なか ばんび)プロフィール
1992年6月15日、熊本県生まれ。5歳でダンスを始め、20年以上のキャリアを誇る。加藤ミリヤ、BoA、椎名林檎などのバックダンサーを務め、2015年にはマドンナのバックダンサーに抜擢される。2016年リオ五輪の閉会式では日本のプレゼンテーション『SEE YOU IN TOKYO』に参加。2019年に映画『チワワちゃん』で俳優デビュー。近年主な出演作に【舞台】ROCK OPERA『R&J』【映画】『偽りのないhappy end』『DREAMS ON FIRE』【ドラマ】Netflixシリーズ『忍びの家 House of Ninjas』YTV『降り積もれ孤独な死よ』など。プロデュース舞台は『DustBunnySHOW』に続く、2作品目となる。

■撮り下ろしフォトギャラリー

[インタビュー・写真:三平准太郎]

舞台『女郎蜘蛛』

俳優・仲 万美 プロデュース×劇団「柿喰う客」中屋敷法仁 脚本・演出
二人が初タッグを組み、実在した“毒婦”8人の物語を現代に甦らせる!

《INTRODUCTION》
本作のプロデュースを務めるのは、マドンナのワールドツアーダンサー(2016年)として世界的な注目を集め、その唯一無二の存在感と身体能力を活かした表現力を武器に、映像作品や舞台で活躍している仲 万美。仲は、主演としても“毒婦”の一人を演じる。
脚本・演出を務めるのは、劇団「柿喰う客」代表であり、人間の欲望や本質を鋭く描き出す脚本と、視覚的なインパクトを重視した独自の演出手法が高く評価されている演劇界の鬼才、中屋敷法仁。
二人が初タッグを組み、日本犯罪史・文学史に名を残す、妖しい魅力を持つ女性の重犯罪者“毒婦” 8人の物語を現代に甦らせる!
実在した人物でありながら、その多くがフィクションの題材になってきた彼女たち。奇想天外な彼女たちの人生が、あなたの心を震わせる。

《STORY》
ほどけない、ほどけない、ほどけない。
暗く、冷たい牢の底。囚われているのは時代も身分も異なる8人の女たち。
殺人、強盗、放火、毒殺、裏切り。それぞれに重い罪を背負いながらも、自分が何をしたのか、何故ここにいるのか、その記憶は霧のように曖昧だ。
ここは裁かれる場所ではなく「見られるための地獄」。
罪を犯した女たちは物語となり、時代を越えて何度も掘り起こされ、消費され続けてきた。
恋に溺れ、欲に溺れ、世間から「悪女」と名づけられた女たちの生き様が、歌となり、踊りとなり、再び牢の闇に浮かび上がる。
絡み合う因果の糸。縛られた名前と噂。終わらない物語の檻の中で、女たちは奪われた誇りを取り戻そうと抗い始める。
ここは地獄か、はたまた舞台か。
それとも、彼女たち自身が張り巡らせた、「女郎蜘蛛」の巣なのか。

出演:仲 万美 蘭舞ゆう 太⽥夢莉 安川摩吏紗
⻄葉瑞希 なかねかな 岩佐美咲 永⽥紗茅
⼀篠思瑠 平井沙弥
プロデュース:仲 万美
脚本•演出:中屋敷法仁
音楽:KYOHEI 大石憲一郎
美術:原田 愛
振付:yuichimen KEITO
主催:「女郎蜘蛛」製作委員会
©「女郎蜘蛛」製作委員会
劇場:品川プリンスホテル クラブeX
公演日程:2026年2月19日(木)~2月23日(月・祝)
公式サイト(チケット情報もこちら):https://s-size.co.jp/stage-info/stage/jyorougumo/
公式X:@jyorougumo2026 #舞台女郎蜘蛛

舞台『女郎蜘蛛』

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