長濱ねる

【インタビュー】長濱ねる「10代の頃に思い描いていたのとは違う今の20代」

2025年7月15日に発売された長濱ねるの2nd写真集『長濱ねる』。8年ぶりにとなった写真集のタイトルを自身の名前をにしたことの想いと、8年前と今の自身の内面の変化について話を聞いた。

長濱ねる インタビュー&撮り下ろしフォト

■自由に旅をしている中の撮影でした

‐写真集の撮影中、長濱さんは撮られる側としてどんなことを考えながら撮られていたんでしょうか?
 
長濱ねる
高橋ヨーコさんという大好きな方に撮っていただいたのですが、シャッターを押す回数が少なく、1シチュエーションでも数回ほどで、そのまま次の場所へ移動するという感じでした。
私がこれまで経験してきたスチールの撮影は、連写することが多くゆっくりとしたシャッターの間隔で静寂の時間が長い体験は初めてでした。いい意味で緊張感を持ちながら撮影していました。
長濱ねる

長濱ねる

‐高橋ヨーコさんとはどういうコミュニケーションを取りつつ撮影されたのでしょうか?
 
長濱ねる
自由に旅をしているという流れの中で、撮っていただくような形でした。
私もフィルムカメラを現地に持って行っていたので、カメラで撮影したり、写真をチェックしているところを撮ってくださったり。
 
‐なるほど。撮られている意識があまりないこともあったということですね。
 
長濱ねる
はい。
 
‐撮影が終わって高橋ヨーコさんの写真をご覧になった時はどういう印象を持たれましたか?
 
長濱ねる
出来上がったものを見た時に、ヨーコさんの世界の中に自分も居ることが嬉しかったです。ヨーコさんの写真は紙で見るとより魅力的だなとも感じました。
 
‐高橋ヨーコさんは、旅先で写真を撮られるイメージがありますが、その高橋さんとの旅は特別感はありましたか?
 
長濱ねる
ありました。ヨーコさんと一緒に旅をして、その土地のものを食べて、という時間は、とても尊かったですし、写真集を見ると、私が写っていない写真もあって、ヨーコさんはここを切り取っていたんだ、とか、こんな風に見えていたんだ、と、ヨーコさんの世界が写真に写っている感じがして、とっても特別な旅だったなと思いました。

長濱ねる

■感情が大きく動いた瞬間

‐写真集にはたくさんのカットが収められていますが、撮影中、長濱さんの感情が特に大きく動いた瞬間はどんな時でしたか?
 
長濱ねる
ブルーベリーパイの横のページに、お家の中で撮った写真があるのですが、現地で出会った方のお家で撮影しました。家ではパイを焼いて振舞ってくださり、その方が流す曲に合わせて一緒に踊ったり、現地での暮らしを体験させていただき、人の温かさや、その土地に根付く文化を肌で感じ取れた撮影になり、とても感動しました。
写真集『長濱ねる』

(C)講談社

‐そこはフィンランドでのことですか?
 
長濱ねる
そうです。
 
‐フィンランドは、どのような国だと感じられましたか?
 
長濱ねる
皆さんがフィンランドのことを愛していて、自然と共存している印象がありました。
 
‐フィンランドを撮影場所に選ばれたのは長濱さんですか?
 
長濱ねる
はい。私がリクエストしました。
以前、アイスランドとフィンランドに訪れたとき、とても居心地が良かったので、もう1度訪れたいと思ったからです。
長濱ねる

■旅を通して鎧を脱ぎ捨てていく感覚があった

‐長濱さんは、ドラマやラジオに出演されたり、エッセイを書かれたり、映像、音声、文字と多彩な表現をされていますが、その中で写真という表現についてはどういう想いを持たれていますか?
 
長濱ねる
写真を撮るのがとても好きで、旅先でも欠かさずカメラを持っていくのですが、カメラマンさんに本心を見透かされているような気がして、自分が撮られるのは苦手意識があります。
10代の頃は今よりも写真を撮られるのが苦手でした。苦手だと思いながら笑っているのが、ファインダーを通してバレていそうで、カメラを向けられるのが怖いなと思っていました。
でも、自分が撮る側になって感じるのは、写真には愛があるということ。シャッターを切る瞬間、その対象が物であっても人であっても、それに対する愛があって撮っているので、撮影しているときは被写体とカメラマン。そして写真になってからは被写体と見る人との1対1のとても近い距離を感じるものだと思っています。
なので、写真で伝わるものが絶対にあると信じていますし、写真の力と可能性を信頼しています。
今回の写真集は、私が書いたポエムやエッセイを載せることも検討していたのですが、今回は写真だけでいきたいと思いました。文章で説明するよりも、写真から想像してもらうような写真集にしたいと思ったからです。
 
‐なるほど。そこが今回の長濱さんのこだわりのひとつということですね。そうして完成した写真集をご覧になってどう感じられましたか?
 
長濱ねる
ほんとに私小説みたいだな、と思いました。
東京で暮らしている私という人間が、物語のように、フィンランドとアイスランドの旅を通して、鎧を脱ぎ捨てていく様子が表現できてそういった写真集ができたのは本当に嬉しいですし、誇りです。
 
‐実際に現地では鎧を脱いだ感がありましたか?
 
長濱ねる
ありました。特に感じたのはフィンランドでサウナに入ったとき。現地コーディネーターの方と素っ裸で海に飛び込んで(笑)なかなかしないことですしし、普段だったら恥ずかしいと思いますが、開放的になっていて、楽しみながらできたので、とても良かったなと思います。
長濱ねる

■10代から20代にかけて変わった内面

‐前回の1st写真集は「ここから」というタイトルで、これから物語が始まるっていう感じがあったなと思います。
今回はストレートに「長濱ねる」といういうタイトルで、私はどこか自信があるようなタイトルのように感じたんです。このタイトルに込められた想いをお聞かせください。
 
長濱ねる
自分の名刺代わり、自己紹介となるような写真集になったらいいな、という想いがあります。私を知らない方に、この写真集の姿が自分の姿です、と胸を張って言えるだろうなと思えるからです。
 
‐「ここから」を撮られたときの長濱さんは、26歳になったご自身がどうなっていると思い描かれていましたか?
 
長濱ねる
10代の頃に思い描いていた20代とは違います。あの頃はこんなに長く今の活動を続けるとは思っていなかったので、まだこの世界で表現活動をしていることは、10代の頃の自分が知ったら驚くと思います。
長濱ねる
‐長濱さんのエッセイなどを拝見すると、ご自身を客観的に見つめられている印象がありますが、10代から20代にかけてご自身として変わったなと感じられていることはありますか?
 
長濱ねる
そうですね。以前は自意識も強かったので、こう見られたいとか、こう見られたくない、という気持ちがとてもありました。
インタビューでお話したことが違う意味で捉えられた時に、「違うんです」と説明したい気持ちになりましたが、お芝居を始めてから、見てくださる方によって、何通りもの受け取り方をしてもらえるんだということがわかってから、とても面白いなと感じられるようになりました。
なので、今は自分を客観的に見るだけでなく、周りの人の意見を聞いたり、先輩の意見に委ねてみたり、そういうことも楽しい、と思うようになりました。
 
‐そこは、ご自身の中での変化だと。
 
長濱ねる
そうです。変わってきたかなと思います。
 
‐今回の写真集も、手に取った方によって感じ方が様々かなと思いますが、長濱さんとしては、どういう楽しみ方を皆さんにしてほしいですか?
 
長濱ねる
1枚でもお気に入りのカットがあったら嬉しいなと思います。
長濱ねる

■お気に入りそうめんで流しそうめんをしたい!

‐ところでいよいよ本格的な夏の真っ最中ですが、長濱さんは暑いのは苦手だったりしますか?
 
長濱ねる
暑いのは苦手です!
 
‐そんな夏にやってみたいことは?
 
長濱ねる
そうめん流しをやりたいです。最近、長崎で製麺されている「白龍」というそうめんがお気に入りで、それがすっごく美味しくて。それでそうめん流しをしたいです!
 
‐最後にこれから写真集を手に取る方へのメッセージをお願いします。
 
長濱ねる
私を知らない方も楽しめる写真集になっていると思いますし、長く愛される写真集になったらいいなと思っています。
ぜひお手に取っていただけると嬉しいです。
長濱ねる

■撮り下ろしフォトギャラリー

[インタビュー:安田寧子/写真:三平准太郎/ヘアメイク:岡田知子/スタイリスト:山本杏那]
 
長濱ねる(ながはまねる)プロフィール
1998年9月4日生まれ、長崎県出身。幼少期を五島列島で過ごす。2016年にけやき坂46として活動を始めたのち、欅坂46のメンバーとしてデビュー。2019年に卒業。主な出演作は『ウソ婚』、『366日』、『アンサンブル』、『いつか、ヒーロー』など。『news zero』(日本テレビ系)で火曜パートナー。ラジオ『NTT Group BIBLIOTHECA ~THE WEEKEND LIBRARY~』(J-WAVE)でパーソナリティ。写真集『長濱ねる』が7月15日に発売。
 

関連動画
 
写真集『長濱ねる』発売記念会見【トークノーカット動画レポ】
YouTube player

写真集『長濱ねる』

《概要》
「25歳の自分の姿を、大好きな場所で大好きな写真家さんに撮っていただきたい」。長濱ねるたっての希望で、スタートした今回のプロジェクト。
撮影地は、長濱ねる自身がプライベートでも訪れたことのあるアイスランドとフィンランド。そして撮影を担当したのは、人気写真家・高橋ヨーコ氏。
2024年7月、北欧の煌めく光の中で、当時25歳の長濱ねるの、ゆるやかで伸びやかな姿に迫りました。
フィンランドの静かな森の中、水着で湖に思い切りダイブしたり、アイスランドの雄大な氷河に息をのんだり。美味しそうな料理に満面の笑みが溢れたり、現地に住む人々や動物との交流に瞳を輝かせたり。
北欧の短い夏を楽しむべく、解放的な姿を見せるシーンも。
25歳の長濱ねるが旅先で見せた光も影もそのまま、まるで「私小説」のような一冊となっております。
子供のように屈託のない姿も、ふと見せる大人の女性のムードも、どちらも感じられる作品です。
著者:長濱ねる
撮影:高橋ヨーコ
発行:講談社
発売日:2025年7月15日
定価:3300円(税込)
仕様:A4/160ページ
ISBN:978-4-06-537012-4
写真集『長濱ねる』
 

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA