【著者インタビュー】わかりやすく、声が癒やされる!と大人気の宇宙科学YouTubeチャンネル「宇宙 すずちゃんねる」がついに書籍化
「声が癒やされる」と人気の宇宙・天体科学YouTubeチャンネル「宇宙 すずちゃんねる」が書籍化。『眠れない夜に読みたくなる宇宙の話80』として7月5日に発売となった。オーディオブックとしても楽しめる本書の著者・すずさんに、今回の書籍化についてお話を伺った。
「宇宙 すずちゃんねる」(登録者数27.8万人)は、「2億年後の地球はどうなっているのか?」(428万回再生)、「【実写】木星の恐怖と魅力を体感してください」(355万回再生)、「【宇宙誕生】ビッグバンの前に何が起こったのか?」(189万回再生)など、宇宙科学をテーマに、すずさん本人がナレーションを務め解説した動画が人気だ。
わかりやすいのはもちろん、すずさんの癒やされる声が、時には畏れ多い気持ちになる宇宙の深遠さを優しく包みこんでくれる。
※登録者数、再生回数は2024年7月現在
■書籍化企画のきっかけ
筆者自身も日頃から「宇宙 すずちゃんねる」を楽しく視聴しており、特に夜寝る前に見ると、心地良く眠りにつける気がしていた。
そんな「宇宙 すずちゃんねる」が書籍化されるという知らせを聞いて、編集担当の方にそのきっかけを聞いたところ、次のような回答をいただいた。
編集担当:
私自身はもともと宇宙についての専門知識がなく、たまに流れてくる天体のニュースに関心を寄せる程度だったのですが、一昨年に地方に移住したときに衝撃を受けたんです。
「リアルな星空ってこんなに綺麗なんだ……!」と。それからYouTubeで宇宙に関する動画をいろいろ見ていたところ、その満天の星空を初めて見た衝撃と同じような感動をすずさんの動画から受けました。
声はもちろん、内容も濃くて編集も丁寧で、遠く離れた恒星や惑星にふっと連れていってくれるような感覚がなんとも心地よく、すぐさますずさんに書籍化のお話を提案し、企画がスタートしました。
■80テーマ全文にはすずさんによる朗読音声を収録
そして、今回の書籍の大きな特徴のひとつは、なんとすずさんのナレーション付き!
全部で80章で構成される本書だが、そのすべてをすずさん自身がナレーションしており、音声ファイルをダウンロードすることで、オーディオブックとしても楽しめる。それについて編集担当は次のように話す。
編集担当:
すずさんの声の魅力をもっとたくさんの方に知ってほしいと思い、提案しました。
私もそうなのですが、夜寝る前にスマホをついつい見てしまい、気づいたら夜が更けていた、なんてことが日常では起こりがちですよね。
ですので、できればスマホではなくこの本を枕元に置いて、一日の終わりに大きな世界にふと想いを馳せてほしい。そんな気持ちで本の企画をスタートしたのですが、テキストをずっと目で追っていくのも大変なので、やはりそこにすずさんの声は必須でした。すずさんの音声があったからこそ、こんなにも自信をもって人におすすめできる本をつくることができました。
■冒頭2ページ紹介!
すずさんからのメッセージと、宇宙科学初心者の方にもわかりやすい用語解説が最初にあります。
すずさん インタビュー
モノクロイラストは、すずさん本人による手描き。本書を構成する6つのコラムに掲載されているものです。
ナレーション収録の終盤でマイクが故障!最初からやり直しになって絶望したけど今は良い思い出です
‐コロナ禍でなかなか出かけることができないときに思い切ってYouTubeを始めることにしたとあとがきにありますが、テーマを「宇宙」にしようと思ったのは、迷わずでしょうか?それとも他にもいくつか候補となったテーマはあったのでしょうか?
すず
YouTubeを始めた当初は、実は宇宙だけではなく、さまざまな雑学をテーマにした動画も投稿していました。(例えば、人体の仕組みなど)
しかし元々宇宙に興味を持っていたこともあり、宇宙に関する動画を作る方が楽しく自分に合っていると思うようになりました。
その結果、自然と宇宙専門のチャンネルになりました。
チャンネル名も、最初は「雑学考察すずちゃんねる」としていましたが、「宇宙すずちゃんねる」に変更しました。
‐「宇宙すずちゃんねる」というタイトルにした理由はなんでしょうか?
すず
「宇宙すずちゃんねる」というタイトルにしたのは、まず「宇宙」という言葉を入れることで、視聴者の皆さんに一目で宇宙に関するチャンネルであることをわかりやすく伝えたかったからです。
「すず」については特に深い意味はなく、このチャンネルの雰囲気にぴったりだと思ったからです。
‐今回の書籍出版のお話を聞いたときのお気持ちを教えてください。
すず
書籍出版のお話をいただいたときは、本当に嬉しかったです。
動画投稿を始めた頃は、まさか出版することになるとは予想もしていませんでした。
編集者さんをはじめ、関わってくださった皆さんに心から感謝しています。
‐地声とは違うそうですが、今のナレーションの声に行き着いたのはどういう経緯がありましたか?
すず
最初は何も考えずにナレーションをしていたのですが、動画の編集中に自分の声を聞いて「次はもっとこうしたほうがいいな」という反省点がいくつも出てきました。
その反省点を直していくことを繰り返しているうちに、少しずつ現在のナレーションの声に近づいていきました。
‐すずさんのナレーションの声が動画視聴者に人気があることについて、改めてお気持ちをお聞かせください。
すず
正直まさかと思いました。
これまで声を褒められたこともなかったですし、自分の声を気に入っているわけでもなかったので、本当に驚きました。
でも視聴者の皆さんからの温かいコメントをいただいて、少しずつ自信を持てるようになりました。
‐今回の書籍用に朗読収録をするとなったときのお気持ちと、全部で80項目もありましたが、大変だったこと含めて、取り組みのエピソードがあればお聞かせください。
すず
実は、テーマ60まで読んだところで、マイクが壊れてしまいました・・!
予備のマイクがあったので、残りのテーマは予備のマイクで代用しようかと思ったのですが、録音して比較してみると音質が全く違っていて、統一感がありませんでした。
そこで、予備のマイクで最初から撮り直すことにしました。
マイクが壊れた時は絶望しましたが、今ではいい思い出です。
‐すずさんが今後の天文学など宇宙探索に期待されることがありましたらお聞かせください。
すず
今後の宇宙探索で特に楽しみにしているのはアルテミス計画です。
2025年以降に再び月に人類が送られ、月を周回する新宇宙ステーションや月面に拠点が建設されます。
月での研究が現実のものとなり、火星など、他の惑星への探査が進むことを期待しています。
‐運用されている「宇宙すずちゃんねる」含めて、すずさん自身の今後の抱負や、視聴者へのメッセージがありましたら教えてください。
すず
いつもご視聴いただきありがとうございます。
投稿頻度は少ないかもしれませんが、宇宙への興味は変わりません。
夜空を見上げるたびに、自分はなんてちっぽけな存在なのだろうと思えるので、いろんなことに挑戦してみようという気になります。
これからも宇宙の魅力を伝え続けるとともに、いろんなことに挑戦していきたいと思っています。
動画の投稿もこれまでと変わらず続けていけたらと思います。
今後とも応援よろしくお願いします。
‐最後に、今回出版された書籍のPRとして、どういった方々に読んでもらいたいかのメッセージをお願いいたします。
すず
宇宙に興味がある方もそうでない方にも楽しんでいただきたいです。
宇宙に興味がない方でも、わかりやすい内容になるよう心がけました。
また日々の生活でお疲れ気味の人にも読んで(聞いて)ほしいです。
宇宙の広大な物語に触れることで、心が癒され、日々の疲れを少しでも軽く感じてもらえたら嬉しいです。
[インタビュー・記事:三平准太郎]
『眠れない夜に読みたくなる宇宙の話80』
宇宙科学をテーマに様々な動画を配信し話題を集めてきた「宇宙 すずちゃんねる」。本書ではテーマを増強し、まだまだ知られていない宇宙の不思議や謎、思わず肝を潰すような惑星のリアルなど、全80テーマにわたって再構成しています。
さらに、80テーマ全文には著者による朗読音声を収録。
PCまたはスマホがあれば無料で聴くことができるので、なかなか寝付けない夜に本を開きながら、音声を聞きながら、遠く離れた宇宙に想いを馳せて心をリラックスさせてみてはいかがでしょうか。
監修は天文学者の渡部潤一氏
宇宙関連の著書多数、天文学者の渡部潤一氏が本書の監修を務めています。難しい専門用語を極力少なくし、宇宙・天体に興味を持ち始めたばかりの方でも読みやすい内容になっています。
著者:宇宙 すずちゃんねる
監修:渡部潤一
定価:1,700円(本体1,870円+税)
仕様:四六判、208頁
ISBN:9784046066930
発行:株式会社KADOKAWA
発売日:2024年7月5日(金)
プロフィール
著者:宇宙 すずちゃんねる
数億年後の地球の姿や太陽系惑星の秘密、生命誕生の奇跡など、ロマンあふれる宇宙について解説する宇宙科学YouTubeチャンネル。実写映像や写真、独自の編集スキルを駆使した分かりやすくて興味深い動画構成に加え、聴く人の心を癒やしてくれる心地よい声が人気を博す。チャンネル開設からわずか2年足らずでYouTube登録者数は27万人を超える。
宇宙 すずちゃんねる(登録者数27.8万人 ※2024年7月現在):https://www.youtube.com/@suzu-channel
「2億年後の地球はどうなっているのか?」
「【実写】木星の恐怖と魅力を体感してください」
監修:渡部潤一
1960年福島県生まれ。1983年東京大学理学部天文学科卒業、1987年同大学院理学系研究科天文学専門課程博士課程中退。東京大学東京天文台を経て、現在、国立天文台上席教授および総合研究大学院大学教授。国際天文学連合副会長。太陽系天体研究のかたわら最新の天文学の成果を講演、執筆するなど幅広く活躍している。著書に『賢治と「星」を見る』(NHK出版)、『第二の地球が見つかる日』(朝日新書)、『面白いほど宇宙がわかる15の言の葉』(小学館101新書)など多数。
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。