『銀河鉄道999』『幻魔大戦』のりんたろう監督、14年ぶりの最新作が新潟国際アニメーション映画祭にてワールドプレミア上映決定
りんたろう監督(『銀河鉄道999』『幻魔大戦』)、14年ぶりの最新作『山中貞雄に捧げる漫画映画「鼠小僧次郎吉」』が、アジア最大の長編アニメーション映画祭となる第1回新潟国際アニメーション映画祭でワールドプレミア上映されることが決定した。
本作品は日本映画の黎明期にサイレントからトーキー初期にかけて活躍し、その後28歳の若さで夭折した天才映画監督「山中貞雄」が生前に遺した「鼠小僧次郎吉-江戸の巻」を、日本が誇るアニメーション監督りんたろう(『銀河鉄道999』、『幻魔大戦』、『メトロポリス』)がサイレントアニメーション化。
この今までにないユニークな映像制作に、フランスを代表する新鋭Miyu Productionsが共同制作として参加した国際的作品だ。
また、キャラクターデザインに『童夢』、『AKIRA』の大友克洋が参加することも注目を集めており、音楽にはサキソフォーン奏者であり作曲家として活躍する本多俊之(『マルサの女』、『メトロポリス』)、サイレントアニメーションに彩りを添える弁士役を『Dr.スランプ アラレちゃん』則巻アラレ役の声優、小山茉美が務めるなど豪華な布陣が注目を浴びている。
●りんたろう監督 コメント
[ロング ロング アゴー]
長い顎に無精髭、頭に手ぬぐいを巻き、薄っぺらな下駄履きという風貌でサイレントからトーキー時代の映画界を28歳という若さで駆け抜けて逝った映画監督・山中貞雄。その名前を知ったのは私が石ノ森章太郎『佐武と市捕物控』の TV アニメ作品を作っていたときだった。
初の時代劇アニメということでサイレント時代から活躍していた松田定次監督が監修としてアフレコに立ち会っていた。その松田氏から山中貞雄という監督の素晴らしさを聞かされたが作品を観る機会もないまま歳月が過ぎたころ、銀座の雑居ビルの地下にある並木座という名画座で山中貞雄監督作品『人情紙風船』に出
会った。全編観る者に重苦しく迫ってくる悲壮感が漂う映画だったが、その物語を象徴するような紙風船が淡い光を帯びながら路地のどぶ川をゆっくりと流れ去っていく儚いラストシーンに心揺さぶられたまま映画館を出たことを今でも覚えている。
その後VHSやDVDが出たことで『丹下左膳 百萬両の壺』『河内山宗俊』を観ることができた。『丹下左膳 百萬両の壺』の軽妙洒脱な現代的なタッチで簡潔にまとめ上げた手腕に脱帽し、『河内山宗俊』の微に入り細にわたった山中のモダンな絵作りと人物造形の巧みさにどっぷりハマってしまった。
一方ノートの隅っこにパラパラ漫画を描いたり戯画を描いたりしていた山中の一面を知ったとき、仲間内からロングロングアゴーと呼ばれた長い顎と無精髭の人間・山中貞雄が一層好きになりいまに至っている。
ここに企画した短編アニメは山中貞雄脚本の『鼠小僧次郎吉 江戸の巻』を基に私たちチームが捧げる映画監督・山中貞雄へのささやかなオマージュです。戦地で書き残した日誌に「人情紙風船が山中貞雄の遺作ではチトサビシイ」と記した山中さんに私たちの作品を届けることができればチト嬉しいのです。
By りんたろう
映画『山中貞雄に捧げる漫画映画「鼠小僧次郎吉」』
(英語タイトル:Manga Cinema dedicated to Sadao Yamanaka“NEZUMIKOZO JIROKICHI”)
【ストーリー】
江戸八百八町が夜の闇に包まれると屋根裏でガサゴソとする奴が現れる。大富豪から富をいただき貧しい庶民にばら撒く義賊、ご存じ鼠小僧次郎吉。夫に先立たれ、小さな我が子と辛い日々を送る町人お鈴。
そんなお鈴を利用して鼠小僧の正体を暴こうとする梵字安五郎と長五郎。罪を憎んで人を憎まず、経験と勘で補物名人と謳われる岡っ引き勘右衛門。江戸の街を舞台に繰り広げられる哀愁を誘う人間ドラマ。
映画監督山中貞雄はそんな夢をみている……。
監督:りんたろう
出演:小山茉美(弁士役)
日本/2023年/25 分/制作会社スタジオ M2・ジェンコ・Miyu Productions
©山中貞雄 / 「鼠小僧次郎吉」製作委員会
【第1回新潟国際アニメーション映画祭】
英語表記:Niigata International Animation Film Festival 主催:新潟国際アニメーション映画祭実行委員会
企画制作:ユーロスペース+ジェンコ
特別協力:新潟市、新潟日報社、新潟県商工会議所連合会、燕商工会議所後援:外国映画輸入配給協会
協力:新潟大学、開志専門職大学、JAM 日本アニメ・マンガ専門学校協賛:NSG グループ
会期:2023年3月17日(金)~22日(水)毎年開催
上映会場:新潟市民プラザ、T・ジョイ新潟万代、シネ・ウインド、クロスパル新潟
イベント会場:新潟日報メディアシップ、古町ルフル広場、新潟大学駅南キャンパスときめいとFORUM
会場:開志専門職大学
映画公式HP:https://niaff.net
映画公式Twitter : @NIAFF_animation
2023年3月17日(金)~22日(水)開催
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。