高崎映画祭の裏話?池松壮亮・満島ひかり 編【第32回高崎映画祭 授賞式】
3月25日、第32回高崎映画祭 授賞式が群馬音楽センターで行われました。
その中から、最優秀助演男優賞・池松壮亮と、最優秀主演女優賞・満島ひかり受賞スピーチのようすをお伝えします。
高崎映画祭に呼ばれると実は何が起きるかの裏話をお二人がそれぞれ語りました。(動画&フォトギャラリー)
最優秀助演男優賞 池松壮亮
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
高崎映画祭の裏話?
池松壮亮
自分の俳優人生ですごく大事な作品で、こういう賞をいただけるとこれからの活動の励みになります。
高崎映画祭は初めての参加で、いろんな方面から良い映画祭だと聞いてました。
2ヶ月前くらいから、いろいろなものが送られてきまして、ハムとか、トマトとか、豆腐とか、どれも美味しくて、バレンタインチョコもいただいて、今日はグリーン車を用意していただいて、それに乗ってやってきたんですけど、確かに良い映画祭だなと思いました(笑)
(会場笑)
今回の役について
池松壮亮
僕は、20代前半の頃から、役者として、“匂い”とか“質感”とか“空気感”とかそういったものをスクリーンから届けたいということをテーマにやってきたつもりです。
そして、今回の作品では、脚本を読んだ時に初めて“体温”みたいなものを感じてそれをテーマにやってきました。
それが(映画をご覧になる皆さんに)届いたかどうかわからないんですけど、この映画はいろんな場で評価していただいて、ほんとに感謝していますし、たくさんの方に観ていただいて、すごく幸せに思っています。
この映画をご覧になって、これは自分自身の物語だと思ってくださった方々にこの賞を届けたいと思います。ありがとうございました。
最優秀主演女優賞 満島ひかり
『海辺の生と死』
越川道夫 監督
やっぱり、作品に出てくれた人が受賞してくれるのが僕はいちばん嬉しいです。
なぜならば、撮影期間中、(主人公)トエって人と、(それを演じた)満島さんを僕は愛したと思います。
ですので、愛した人がこうやって主演女優賞をいただけるのは、僕にとっては何よりも励みになりますし喜びでもあります。
高崎映画祭の裏話パート2
満島ひかり
今日は主演女優賞をいただけたということでとても嬉しく思っています。
さっき、池松さんも話してましたけど、2ヶ月前くらいから、バレンタインチョコが届いて、次は大量のトマトが届いて。
トマトはラタトゥーユとか、パスタにもしたし、スライスして食べたり、お豆腐は消費期限が昨日までだったので麻婆豆腐にして食べました。なんか、だんだん高崎が自分の身体の中から近づいてくる感じがしてこんなにジワジワと攻められた映画祭は初めてでした(笑)
今日、高崎駅で降りたら、素敵なスーツを着た8人くらいの方が迎えに来てガードしてくれて、むしろその方が目立つんだけどなぁって思いながらやってまいりました(笑)
“血”のふるさと 奄美大島
満島ひかり
この作品は私の“血”のふるさとの奄美大島で撮影をして、土地の唄者(うたしゃ)の人から口伝で島唄を教わったり、今はテレビなんかの影響で純粋な土地言葉をしゃべれる人が少なくなっている中、土地言葉を覚えたりとか、自分の知らなかいかつてのふるさとである奄美大島の大切なものとたくさん受け継ぐきっかけにもなった作品だと思っています。
撮影はすごく大変で、南の方の島なので、神様ごとみたいなこともいっぱい起こって、自分がこんな言葉を発するのかなっていうくらい身体の中から声が出てきたりとかしました。
もともと、島尾敏雄さんと島尾ミホさんという実際に奄美大島で生きた作家のお二人の話だったので、とても強い感性に見守られたりとか、背中を押されたりとか、ちょっと激しい撮影でしたが、とても楽しかったです。
映画の中で喪服を着て泳ぐ場面もあって、満潮の中で重い着物を着て泳いだりしたんですけど、映画になってみるとそんなに大変そうに映ってなくて、ちょっと残念だったなぁとか(笑)いろいろありました(笑)
受賞理由
最優秀助演男優賞 池松壮亮
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
あなたは『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』において東京の片隅で生きる道を探し求める青年を繊細に演じあげ、卓抜した演技力と作品世界を牽引する力量が高く評価されました。他者の痛みを分かち合い、それを生きる力に転化させる青年の包容力は、観るものに希望を与え多くの共感と支持を得ました。
最優秀主演女優賞 満島ひかり
『海辺の生と死』
あなたは『海辺の生と死』において、たぎる想いに身を焦がし、一途に愛を傾ける主人公をはかなく麗しい存在感と確かな演技力で演じ上げ高く評価されました。またこの女性像から伝わる、その土地が紡いできた歴史と時間が、一層観る者の心を捉えて離さず、多くの共感と支持を得ました。
授賞式動画
フォトギャラリー
[写真:Ichigen Kaneda / 動画・記事:Jun.S]
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