「初主演で調子に乗ってるわけじゃありません」父・ムロツヨシ×娘・中田乃愛。映画『マイ・ダディ』“父の日”完成報告イベント
2021年6月20日、都内にて映画『マイ・ダディ』“父の日”完成報告イベントが行われ、映画初主演となるムロツヨシ、中田乃愛、金井純一監督が登壇。本作製作のきっかけを語ると共に、娘役を演じた中田乃愛からムロツヨシに感謝のプレゼントを贈る一幕もあった。
本作は、監督・共同脚本を務める映像作家の金井純一が2016年に開催された第2回TCPにおいて、総応募数422作品の中から準グランプリを受賞した企画。
ムロツヨシは、本作の台本に出会って2時間後に「この世界にいたい。この人(一男)になりたい」と出演を即決したという。
そんな本作の主人公・御堂一男を演じるのは、役者を始めて25年・今年45歳を迎えた俳優・ムロツヨシが、満を持して映画“初”主演をつとめ、愛する娘を救おうと奔走する、お人好しで誠実な父親を演じた。
娘<ひかり>役には第8回「東宝シンデレラ」オーディション ファイナリストの新星・中田乃愛が演じている。
また、ムロツヨシ演じる一男の妻であり、ひかりの母・江津子役には奈緒が出演。さらに、毎熊克哉、臼田あさ美、永野宗典、「平成ノブシコブシ」の徳井健太、光石研ら個性豊かな俳優陣も集結。
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画
■調子に乗ってサングラスをしているわけではございません
ムロツヨシ(御堂一男 役)
本日父の日ということで映画『マイ・ダディ』の完成報告をしに参りました。
私、役者人生25年目にして、初主演の映画でございます。初主演で調子に乗ってサングラスをかけてきたわけではございません。
左目が少し腫れておりまして、お見苦しいかと思いそれを隠しています。後で、サングラスは取ってみようかなと思っています。
このことも良かったら記事にしていただけたらなと思います。「こいつ初主演で調子に乗りやがったな」なんてことでいじってもらいながらもよろしくお願いしたいと思います。
中田乃愛(御堂ひかり 役)
御堂ひかり役を演じさせていただけました中田乃愛(なかだのあ)です。
こういう場に立って舞台挨拶をするのは初めてで、とても緊張しているんですけど、この作品の魅力をいろんな方に伝えられるように、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。
金井純一監督
今日こうして無事に完成したことを報告できて、とても嬉しく思います。
■飛行機の中でひとり号泣した
-ムロさんは意外にも映画初主演ということで。
ムロツヨシ
意外にもって言っていただけるのが嬉しいですけどもそうなんですよね。
意外にもお呼びかけがなかったわけですから、やっとここまでたどり着いたなと。
ま、主演が偉いというわけではないですけども、一度経験しとておきたかったものではございますから、嬉しいなとは思います。
-脚本を受け取った時、またその前のオファーがあった時、お父さん役でしかも主演でっていうのはどういう気持ちでしたか?
ムロツヨシ
これ、表立ってのオファーっていうより、僕の映画デビュー作のプロデューサーである村上さんが、「この本を読んでみてほしい」って渡されたのがきっかけです。
それがちょうど「さぬき映画祭」の時で、飛行機の中で読んで、ひとり号泣しまして、周囲がザワついたんです。
なので、この役をやりたいというより先に、脚本を読んだだけでここまで泣いたのは初めてでした。
もし、この父親役を僕が演じていいと候補に入っているのであれば、是非やらせていただきたいと思って、飛行機降りてすぐ電話をしたのは覚えております。
金井純一監督
役者を口説くには脚本しかないと思って頑張って書いたものなので、今の泣いたという話を聞いて泣きそうです。
■「ムロさんだ!」
-中田さんはオーディションでこの役を勝ち取ったということですが、決まった時はどんなシチュエーションで聞いたんですか?
中田乃愛
母が隣にいたんですけど、マネージャーさんから合格したよっていうお知らせが来て、その時はすごく嬉しくてジャンプしました(笑)
ムロツヨシ
オーディション会場に行った時、ムロさんがいた時の気持ちをお願いします。
中田乃愛
ムロさんだ!って思いました。
ムロツヨシ
(笑)
撮影の時も、オーディションで僕と一緒にやったのはどうだった?って彼女に聞いたんですが、「あんまり覚えてない」って言い出すんですよ。
僕もまだまだなぁって思って。
中田乃愛
あれは語弊です・・・
■一人の役者が壁を乗り越える瞬間
-ムロさん、完成品をご覧になって、初主演作の手応えはありますか?
ムロツヨシ
最初に脚本を読んでから、3年の月日が流れてまして、その間の脚本の修正でも、僕の意見も取り入れてもらったので、どんどん思い入れが強くなっていくので、演じ手だけでなく、作り手の部分も少し参加させていただいたこともあり、まだ(完成品を)冷静に観れてないんですよ。
で、自分が出ている映画を観て泣いちゃったんですよ。
そして、この物語は、パラレルワールドじゃないですけど、ひとつのことが解き明かされたと思ったら、ふたつめ、みっつめとあるんですね。泣かせるというだけじゃなく、物語として最後にひとつの線に繋がっていくという。そういう面白さも、観て初めてわかる作品だと感じました。
-中田さんはいかがでした?
中田乃愛
まず第一に、すごく恥ずかしかったんですけど、スクリーンに自分の顔がしっかりと写っているっていうことが夢だったのですごく嬉しかったです。
-思い出に残っているシーンはありますか?
中田乃愛
ひかりがお父さんに「白血病」って言われるシーンです。
そこはオーディションの時からやってたんですけど、その時は全然涙が出てこなくて、気持ちもそこにいくまでに全然足りてませんでした。
でも、撮影でムロさんと対面して実際にお芝居させていただく中で、気持ちが上がってきて、自分の中でもひとつ壁を乗り越えた感じがしました。
ムロツヨシ
一人の役者さんが壁を乗り越える瞬間、姿を僕も監督もそばで見させていただきました。
■撮影延期をプラスに。
-ムロさんと中田さんは、父娘関係はどうやって作っていかれましたか?
ムロツヨシ
本当ならば、2020年の4月3日からクランクインする予定だったんですが、コロナ禍で誰も想像しなかった状況になりまして、延期となったんです。
そのタイミングから、2人で頻繁で連絡を取り合うようにしたんです。誕生日プレゼントを贈ったりもしました。
父娘ほどまでいかなくても、遠距離恋愛じゃないですけど、“遠距離父娘”として、連絡を取り合ったりしました。
たかがメールではありましたが、すべてのメールに「父より」って書くと、「娘より」って返事が来て。
お陰様で12月に撮影ができることになったので、それまでの8ヶ月間のことが生かされて、撮影延期の事態をプレスにできたのかなと思います。
そのことが逆に僕らにとっては良かったのかもしれません。
中田乃愛
たまにビデオ通話もさせてもらいました。
ムロツヨシ
本当の父娘じゃないので、本当は嫌われたらどうしよう?とは思いました。僕から言われたら断れないからやってるんじゃないかっていう(笑)
-プレゼントは何をもらったんですか?
中田乃愛
エプロンです。
-料理がお好きなんですか?
中田乃愛
私は料理はあんまり・・・(笑)
ムロツヨシ
最近は、料理だけじゃなく、絵を描いたりする時もエプロンするからさ。
金井純一監督
そういえば、本作もエプロンは重要な役割として出てきます。それをムロさんは意識していただいたんですね。
■6月20日“父の日”に娘からのプレゼント
-お父さんにしたい芸能人ランキングで第2位となったムロさん。
ムロツヨシ
ここが1位だったら『マイ・ダディ』にとってすごくプラスになったんだけど。。。
1位が田中圭ってことで、彼は出演してないけど、次の舞台挨拶には田中圭に来てもらおうかなって(笑)
「ムロツヨシです」って、田中圭に出てきてもらって。
-というわけで、娘役の中田さんからお父さんへ感謝のプレゼントがあります。
中田乃愛
「お父さん、いつもありがとうございます。ひかりはいつも反抗期で、お父さんの言うことを聞かなかったり、ちょっと扱いづらい娘ではあると思うんですけど、これからもどうぞよろしくお願いします。」
ムロツヨシ
目を見て喋ってくれてありがとうございます。それだけで十分でございます。
-66本の薔薇の花束です。なぜ66本かというと、“ムロ”にかけてます。
ムロツヨシ
個人的に花束をもらったのは初めてです。撮影ではもらったことありますけど。ありがとうございます。
■最後にメッセージ
金井純一監督
今日は父の日で、およそ3ヶ月後に公開となる予定ですので、こういう時期を経たからこそ、よりこの映画が伝わる世の中になっていると思っています。そのように僕はプラスに考えてこの映画を送り出すことができますので、どうかこの映画を楽しみにしていただいて、ハンカチを忘れずに、替えマスクを忘れずに、この映画を観ていただける日が来ることを待っています。
中田乃愛
この作品は、いろんな世代の方に通じるものが多くあると思っているので、是非大切な方と一緒に観ていただけると嬉しいです。
ムロツヨシ
公開まで残り95日となっております。
この時代、このご時世、本当に何があるか分からない所でございます。
もちろん、この映画の公開は決まっております。
ただ、どんなことがあっても、何があっても、他の映画作品と一緒ですが、作品は死なないので、まずは皆さんに観ていただくことが一番だと思ってます。
どんな状況であれど、こういう映画があることを、今日、報告できたことを嬉しく思いますし、どうか皆さん、この映画を覚えておいてほしいなと思います。
そして皆さんにお魅せできる公開の日が来たら、また皆様の前に立って胸を張って、この笑顔を見ていただき、皆さんの感想聞きに行きたいなと思っています。
本当にはっきり言わせていただきます。泣いてしまう映画です。先ほど監督もおっしゃいましたが、替えのハンカチと、替えのマスク必要でございます。忘れずに映画館にお持ちください。
■フォトギャラリー
[写真:金田一元/動画・記事:桜小路順]
映画『マイ・ダディ』
イントロダクション
「確かめようのない過去、それでもひかりを求文いたい。」
小さな教会の牧師・御堂一男は、中学生の娘。ひかりと2人暮らし。妻は8年前に他界した。ガソリンスタンドのアルバイトを掛け持ちしながら、決して裕福とはいえずとも、ひかりと2人、穏やかで幸せな日々を過ごす一男。だがある日、ひかりが自血病で倒れた。動揺する一男に追い打ちをかけるように、衝撃の事実が発覚する――。
主人公・一男を演じるのは、意外なことに本作が映画初主演となるムロツヨシ。コメディからシリアスまで硬軟自在の人気俳優にして、舞台「muro式.」を自らプロデュースするなど多才ぶりを発揮するムロツ∃シが、台本に出会って2時間後に「この世界にいたい。この人(一男)になりたい」と出演を即決。奇しくも今年はムロツヨシにとって、“役者人生25年目”のメモリアルイヤー。コロナ禍で一度は撮影延期を余儀なくされたが、昨年12月に万全の防疫体制で撮影し無事完成した本作。役者=ムロツ∃シの新たな魅力が、この映画に収められている。
ひかり役にはオーデイションの中から選ばれた、新星・中田乃愛。撮影時は17歳で、本格的な演技は本作が初。いきなりの大役にして自分の運命に懸命に向き合う娘という難役を堂々と演じ切り、スクリーンに鮮烈な印象を残す。
一男の妻・江津子を演じるのは、奈緒。女優として、母親を演じるのがひとつの目標だったという言葉の通り、一男と出会い、ひかりを授かるも、とある事実に気づいた矢先に他界してしまった女性役に体当たりで挑んだ。
共演は毎熊克哉、臼田あさ美、永野宗典、徳井健太(平成ノプシヨプシ)、光石研という実力派がズラリ。誰もが応援せずにはいられない父娘を頼しく支えている。
本企画は、映像クリエイター支援プログラム「TSUTAYA CREATOR’S PROGRAM」の2016年準グランプリ受賞企画『ファイディング・ダディ(仮)』が、正式タイトル『マイ・ダデイ』として映画化されたもの。監督・共同脚本は『ファイディング・ダデイ』を企画した金井純―。2020年、あいみょんが製作したDISH//の楽曲「猫」をベースにした、ドラマ「猫」の監督・脚本を務めるなど着々と活動の幅を広げている新鋭が、ムロツ∃シと待望の初タッグを組む。共同脚本はHulu配信ドラマ「ミス・シャーロック/Miss Sherlock」などの、及川真実が務めた。
愛する娘を救いたい――。確かめようのない過去。妻の愛を信じたい。ひとりの父親・ひとりの男の切ないほどに必死な姿。誰も見たことのない【新しいムロツ∃シ】に、あなたはきっと涙する。
ストーリー
小さな教会の牧師・御堂一男(ムロツヨシ)は、中学生になる一人娘のひかり(中田乃愛)とふたり暮らし。
一男は、優しくて、面白くて、お人好しで、誠実な人。8年前に最愛の妻を亡くしてから、“苦労がない”と言ったら嘘になるし、“すごく裕福”とも言えないけれど、娘とふたりで穏やかな日々を送っている。“牧師”というみんなから慕われる仕事もあって(儲からないけど…)、自分を頼りにしてくれる職場もあるし(バイトだけど…)、そして何より、可愛い娘が素直な子に育ってくれている(今はちょっぴり難しい年頃だけど…)。
だから一男は、幸せだった。娘が病に侵されるまでは・・・・・。
ムロツヨシ
奈緒 毎熊克哉 中田乃愛
臼田あさ美 徳井健太(平成ノブシヨブシ) 永野宗典 光石研
監督:金丼純一 脚本:及川真実・金丼純―
音楽:岡出莉菜
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
制作プロダクション:ROBOT
配給:イオンエンターテイメント
(C)2021「マイ・ダデイ」製作委員会
公式サイト:https://mydaddy-movie.jp/
公式Twitter:@mydaddy_movie
9月23日(木・祝)全国ロードショー!
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