岩崎う大

【インタビュー】かもめんたる・岩崎う大「世界に“笑い”を届けていきたい」

キングオブコント2013王者・お笑いコンビ「かもめんたる」のメンバーである岩崎う大。お笑い芸人の枠だけにとどまらず、放送作家や、2015年に旗揚げした『劇団かもめんたる』で、しっかりと作り込んだ物語を届ける活動にも注力している。

2021年3月5日(金)から、Huluで毎週1話ずつ配信されている“究極”の1シチュエーションドラマ「THE LIMIT」では、第3話、5話の脚本を担当(3話は自身も出演)。地上波テレビではあまり見られない実験要素が強いこのドラマの脚本への取り組み、そして岩崎う大が届けたい“お笑い”について話を伺った。

岩崎う大 インタビュー

■“制限”はあるが“表現の自由度は高い”

-「THE LIMIT」の脚本を依頼された時のプロットの条件としては、どういう提示がありましたか?

岩崎う大
タイトルどおり、「限られた空間、限られた時間、限られた状況」という条件。難しかったのは回想シーンでさえも他のロケーションは使えないということで、ほんとにミニマムなところでやるっていうことですね。
あとはテレビではできないような面白さを追求してほしいということも言われました。

岩崎う大

岩崎う大

-そういう限られた条件があるということですが、逆にテレビや商業映画ではなかなか見られない、ある種の自主制作映画のような“自由さ”も感じました。

岩崎う大
そうですよね。条件のハードルはあるものの、“表現の自由度”は高いですね。僕が書いた第五話「切れない電話」ではテレビではできない過激な表現も含みますし。

-この依頼を引き受けようと思われたポイントは?

岩崎う大
やはり“表現の自由度”が高いところですね。Huluオリジナルということで、テレビではできないような攻めた内容ができそうだなと思ったからです。
そしてこのドラマのチームの皆さんの志がすごく高いなというのも感じて、そこに協力できたらと思いました。

-岩崎さん脚本は、第三話「ユニットバスの2人」と第五話「切れない電話」ですが、それぞれのストーリーの着想をご紹介ください。

岩崎う大
第三話の着想のきっかけは、登場人物が犯罪の被害者になっているのに、警察を呼べない状態だとしたら?という点です。そこにはドラマ性があるのではと思いました。それはその登場人物にとっては悲劇ですし、加害者の立場からしても「あれ?なんで警察を呼ばないんだろう?」って。
第五話は、非通知の電話の怖さです。非通知の電話って日常においては不穏なノイズじゃないですか。“非通知”っていう字面も怖いし。それがデート中にかかってきたとしたら?というところから物語を展開させています。

岩崎う大

■世界に“笑い”を届けていきたい

-岩崎さんの中で、コントをやることと、劇団かもめんたるでの演劇と、それぞれの違いについて教えて下さい。

岩崎う大
コントと演劇の違いはかなりあります。
コントは、笑いをどれだけ多く生み出せるのかというのが一番大事な約束ごとです。一方、演劇は、お客さんを笑わせる以外にもいろんな感情を動かしていくというショー。
コントの8分間、もしくはテレビだと5分以下という時間と、演劇の90分間とを比べると、お客さんが物語に付き合う時間の長さがぜんぜん違う。演劇の方が圧倒的に時間が長いので、やっぱりお客さんは登場人物に親近感も湧くだろうし、起きてくることに、より感動したり、怒ったり、泣いたりできる。もちろん笑うことも。

岩崎う大

-以前のインタビューでバラエティ番組のいわゆるひな壇芸人は苦手だけど、“お笑い”は好きだと語られています。岩崎さんが目ざしている“お笑い”とはどういったものでしょうか?

岩崎う大
自分が得意としているのは、お話を作ること。フィクションを作るのが得意なんです。
たとえば、漫才とコントの違いを言えば、漫才もフィクションなんですが、漫才師としては自身のこととして話す。一方コントは別人としてフィクションを演じる。すなわち、ウソをウソって言いながらやるものなんですね。そういう点で、漫才とテレビのバラエティ番組は同類で、ウソをホントですっていうスタンス。ウソのつき方が違うんです。
僕の場合は、ウソをウソですっていう立ち位置であるコントや映画、ドラマの方が性に合ってるんです。
その上で、コントや映画、ドラマを通して“笑い”を届けていきたいという思いがあります。日本の場合、まだまだ世界に向けての“笑い”の表現って弱いと思うので。

岩崎う大

-ちなみに岩崎さんが好きな映画作品やドラマを教えてください。

岩崎う大
一番好きな映画は『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』(1985/スウェーデン)です。
コントもそうなんですけど、普通にただみんなが生きているっていう状態を作品を通して見ると面白いっていうのが理想だと思っていて、この映画はその点がよく描かれている。
人間って、他人からちゃんとした人に思われたくてちゃんと生活しているところがあって、それはたとえば優しさにしても、突き詰めると自分のためだったり、ある人が好きだから優しくしたり、他人から非情な人と思われたくないから優しくしたり。
『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』という映画は、それを考えさせられる作品ですね。

-これまでの劇団かもめんたるでの活動を振り返った上で、今後、岩崎さんが目ざされている抱負がありましたら教えて下さい。

岩崎う大
やっぱり劇団を大きくしていきたいです。動員数を増やして大きな劇場でやっていきたいですし、さらに言えば、たとえばそこからなにかの作品が映画化されるとか、アニメ化されるとか、そんなことにもなっていけばいいなって。
面白いことをやれているっていう自信はあるので、もっといろんな人に届けられたらいいなって思います。

岩崎う大

■最後にメッセージ

-最後に、「THE LIMIT」でご自身が脚本を書かれた3話、5話について、これからご覧になる方にメッセージをお願いします。

岩崎う大
3話も5話も、見始めたら終わりまでめくるめく展開になっているので、是非最高の物語りを体験してもらいたいです。

岩崎う大

[インタビュー・写真:Jun Sakurakoji]


■Huluオリジナル「THE LIMIT」 第3話「ユニットバスの2人」みどころ&あらすじ

THE LIMIT

岩崎う大/細田善彦(THE LIMIT 第3話より)

第3話「ユニットバスの2人」(出演:細田善彦、岩崎う大)は、細田が人気お笑い芸人・マジカル島田に、岩崎が泥棒の桑元に扮し、マンションのユニットバス内で巻き起こる《2人の男の攻防戦》を描写。撮影でもなんと、実際の一人暮らし用ユニットバスを使用している。
撮影時、脚本も務めた岩崎は本番ギリギリまでセリフを調整し、細田に細かくニュアンスを説明。2人は撮影合間や休憩時間など、空いた時間ができるとセリフの掛け合いを練習し、さらには芸人でもある岩崎が細田にキレのあるツッコミ方も伝授するなど、撮影が進むにつれて熟練されたコンビのようになっていった。そんな、短期間でぐんぐん密度を増していった2人の掛け合いに注目だ。

あらすじ
マジカル島田(細田善彦)はテレビで人気のお笑い芸人。だがこの男、女優の妻がいるにもかかわらず…ある日、女性のアパートにいた!
しかも、島田は、ユニットバスでバスタブに身を潜めている泥棒・桑元(岩崎う大)を発見。マスコミに嗅ぎつけられてはまずいため、顔を隠しながら桑元を追い払おうとするも、運悪く人気芸人であることがバレてしまう。さらに運悪く(!?)、警察に通報できない島田の弱みに付け込んだ桑元が、「のどが渇いた」「お笑い芸人好きの娘のためにサインが欲しい」「ネタを見せろ」「カネをよこせ」など、おねだりをエスカレート。しまいには自身の不遇な人生を嘆き、島田に妬みまじりの説教をし始めて…!

スペシャルPR映像

Huluオリジナル「THE LIMIT」

INTRODUCTION
玉田真也、岩崎う大(かもめんたる)、荻上直子ら“気鋭の個性あふれる人気脚本家”、そして伊藤沙莉、門脇麦、細田善彦、岡山天音、泉澤祐希、浅香航大ら“未知の可能性を感じさせる若手俳優”が集結して贈る、“究極”の1シチュエーションドラマが「THE LIMIT」。3月5日(金)からオンライン動画配信サービスHuluで配信される本作では、《限られた空間、限られた時間、限られた状況》でリアルタイム進行する《半径3メートルの人間ドラマ》をオムニバス形式および、4K・HDR映像&5.1chサラウンドで届けられる。
通常のドラマでは味わえないリアルな臨場感を漂わせながら、さまざまな限定空間の中で追い詰められた主人公たちが、深みのある人間ドラマを展開してくのだが…。

配信:2021年3月5日(金)から、Huluで毎週1話ずつ配信
(※通常配信に加え、4K UHD/HDR/5.1chサラウンドでも配信)
出演:
第1話「ネコと井戸」=伊藤沙莉、堺小春、坂東龍汰
第2話「タクシーの女」=門脇⻨、古川琴音
第3話「ユニットバスの2人」=細田善彦、岩崎う大(かもめんたる)
第4話「ベランダ男」=岡山天音
第5話「切れない電話」=泉澤祐希、岩松了、夏子
第6話「高速夜行バス」=浅香航大、木野花
脚本:玉田真也、岩崎う大、荻上直子
監督:賀内健太郎 吉田真也 中嶋駿介
制作プロダクション:博報堂プロダクツ
製作著作:HJホールディングス
公式HP:https://www.hulu.jp/static/thelimit/

PR映像(60秒)

THE LIMIT

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