複数の言語が飛び交う撮影現場で中崎敏と森優作が通訳も。映画『ある殺人、落葉のころに』初日舞台挨拶
2月21日、ユーロスペース(東京・渋谷)にて、映画『ある殺人、落葉のころに』の初日舞台挨拶が行われ、守屋光治、中崎敏、森優作、永嶋柊吾、三澤拓哉監督が登壇した。(動画&フォト)
本作は大磯を舞台に、恩師の死をきっかけに露呈する若者たちの不安と孤独を大胆なタッチで描いた「最も不可思議(ミステリアス)な湘南映画」。
茅ヶ崎を舞台に男女の恋模様を描いた初監督作『3泊4日、5時の鐘』で若手映画人の登竜門であるロッテルダム国際映画祭ほか数多くの映画祭で評価を得た三澤拓哉監督による長編第二作となる。
映画『十年』で香港映画シーンを席巻したウォン・フェイパンがタッグを組み、日本映画の枠を超える新しいアジア映画を誕生させた。
主演の青年グループを演じる4人には、ファッションモデルとしても若い世代から支持を集める守屋光治、三澤監督の前作に長編映画初出演して以降Netflix作品『アウトサイダー』や映画『ワンダーウォール 劇場版』などに出演し着実にキャリアを積み重ねている中崎敏、「半分、青い。」などテレビドラマへの出演のほか『佐々木、イン、マイマイン』など多数の出演映画の公開が控える森優作、菅田将暉に楽曲提供するなどミュージシャンとしても活躍の幅を広げている永嶋柊吾、といった注目の若手俳優たちが顔を揃えている。
韓国・釜山国際映画祭を皮切りに香港、台湾、アメリカ、オランダと各国の映画祭で称賛を浴びた、多国籍による湘南舞台の異色作が2月20日(土)より公開となった。
最も不可思議(ミステリアス)な湘南映画『ある殺人、落葉のころに』初日舞台挨拶レポート
-監督との最初の出会いについて
守屋光治(奥山俊 役)
監督のご実家の庭でキャッチボールをしながらエチュード(即興劇)するというオーディションをしたのが思い出深いですね。
-役作りはいかがですか?
守屋光治
4人の中で最も口数が少なく多様な解釈ができる俊は、私とは違うキャラクターのため、かなり試行錯誤をしました。俊は“しゃべらないけど、何か考えている人”。同じような友人を見ながら、視線の動かし方などを勉強しました。
-日本・香港・韓国の共同制作で、複数の言語が飛び交う撮影現場はいかがでしたか?
中崎 敏(瀬田知樹 役)
毎回カットがかかるたびにその国の言語で意見交換され、その後、英語、日本語と通訳されていく現場は新鮮でした。私と森くんは、英語もできるので、俳優部への通訳も行っていました。
-釜山国際映画祭でのワールドプレミアの同席は?
中崎 敏
反応はとても良かったです。映画が終わった後も行列ができて、質問もかなり踏み込んだものが多かったです。映画好きの人がちゃんと見て、興味を持ってくれたんだなと思いました。
-多くの謎が散りばめられた不思議な構造の本作については?
森 優作(伊藤和也 役)
脚本を読んでも分からないところがたくさんあったけど、分からないところをそのままにしている脚本でもあって、そうした雰囲気の映画が好きだったから楽しめそうだと感じました。
三澤拓哉監督
優作は正直なので、監督としては緊張する部分もありました。無理に笑ったり、繕ったりしない。でもそこが信頼できると思いました。
-キャストは同年代が集まってますね。
永嶋柊吾(足立英太 役)
仲は良かったけど、同年代が集まるとなりがちな和気藹々とした空気にはならず、一人一人“仕事をしに来ている”というドライな雰囲気を纏っていました。
-出来上がった映画を初めて観た時どう思いました?
永嶋柊吾
こんな作品を撮ってたんだ!と多分4人全員が思ったはず。それほどに想像と違うスタイリッシュな映像になっていて、驚きとともに観たました。
■最後にメッセージ
守屋光治
観るたびに気づきを得られて感情が駆り立てられる作品。皆さんもまた、新しい発見をしていただけたら嬉しいです。
中崎 敏
観た直後は咀嚼するのが難しいと思うが、映画を持ち帰ってあのシーンが印象的だったな、とか、あのシーンはどういうことなんだろう?と周りの人と話しながら映画を楽しんでほしいです。
森 優作
不確かなものや目に見えないものがたくさん詰まった作品。“分からないものを感じ、考える”ということの豊かさが映画にはあると自分は信じている。この作品を観て感じてくださったことを何かの形で吐き出してもらえたらと思います。
永嶋柊吾
撮影から3年ちょっと経ってようやく届けられたことが嬉しいです。一言でまとめるのが難しい作品ですが、皆さんがどう感じたのか教えていただけるのが楽しみです。
三澤拓哉監督
2020年10月に茅ヶ崎で先行上映した際、この作品をどう受け止められるか不安もありましたが、2、3回観るなどハマった方もいて、「#ジワジワ広がる」というハッシュタグを作ってくれました。その時、自分が作った映画が新しいコミュニケーションを生んでいることを実感でき、とても嬉しかったです。キャストみんなで意見交換しながら作った作品。これからも気に留めていただけたらと思います。
■トークノーカット動画
[写真:Ichigen Kaneda/動画:Jun Sakurakoji]
映画『ある殺人、落葉のころに』
INTRODUCTION
茅ヶ崎を舞台に男女の恋模様を描いた初監督作『3泊4日、5時の鐘』で若手映画人の登竜門であるロッテルダム国際映画祭ほか数多くの映画祭で評価を得た三澤拓哉と、映画『十年』で香港映画シーンを席巻したウォン・フェイパンがタッグを組み、日本映画の枠を超える新しいアジア映画を誕生させた。大磯を舞台に、恩師の死をきっかけに露呈する若者たちの不安と孤独が大胆なタッチで描いた、「最も不可思議(ミステリアス)な湘南映画」である『ある殺人、落葉(らくよう)のころに』。
キャスト陣にはファッションモデルとしても若い世代から支持を集める守屋光治、三澤監督の前作に映画初出演をして以降Netflex作品『アウトサイダー』や映画『ワンダーウォール 劇場版』などに出演しキャリアを着実に積み重ねている中崎敏、『半分、青い。』など多くのテレビドラマに出演するほか多数の映画出演作の公開が控える森優作、菅田将暉に楽曲提供をするなどミュージシャンとしても活躍の幅を広げている永嶋柊吾、といった注目の若手俳優たちが顔を揃えた。
本作は、2019年9月の佂山国際映画祭を皮切りにすでに6つの映画祭で上映され、2020年3月の第15回大阪アジアン映画祭ではインディ・フォーラム部門のグランプリに当たるJAPAN CUTS Awardを受賞。現在も各国の映画祭からの招待が続いている。
本作は2017年末、神奈川県大磯町を中心に茅ヶ崎市、藤沢市、寒川町、真鶴町で撮影が行われ、2年の編集期間の経て、2019年9月に完成。撮影から約3年を経て、多国籍で作り上げた湘南舞台の異色作が待望の劇場公開となる。
STORY
土建屋で働く幼馴染の俊、知樹、和也、英太の4人。
生まれ育った町で気ままな生活を送っていた彼らだが、恩師の死をきっかけにその友情関係が崩れていく。
恩師の未亡人・千里に惹かれていく俊。
俊に密かな想いを寄せていたことに気がつく知樹。
家族のため、金を工面する必要から不法投棄を請け負う和也。
親友によって自分の恋人が身の危険にさらされる英太。
家族・友人。これまで築いてきた親密な関係がしがらみへと反転していき、気がついた時には自由が失われていく。
物語は最後、ある悲劇によって幕を閉じたかのように思えたが…。
出演:守屋光治 中崎敏 森優作 永嶋柊吾 堀夏子 小篠恵奈 盧鎮業 成嶋瞳子 大河原恵
プロデューサー:黄飛鵬 三澤拓哉
脚本・監督:三澤拓哉
共同プロデューサー:森浩章
配給:イハフィルムズ
2019/日本・香港・韓国/ シネマスコープ/カラー/5.1ch/DCP/79min/日本語
(C)Takuya Misawa & Wong Fei Pang 英題:The Murders Of Oiso
公式Twitter:https://twitter.com/OisoFilm
2021年2月20日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
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