のん、創作あーちすととして伝統工芸を現代に定着するようアップデート『「FUKUI TRAD」プロジェクト新商品発表会』
2月21日、都内にて、福井県が誇る7つの「伝統工芸」に着目し、伝統工芸をより身近な存在にアップデートをすることを目指す『「FUKUI TRAD」プロジェクト新商品発表会』が行われ、株式会社ビームス・設楽社長、女優・創作あーちすと「のん」が登壇した。なお、福井県・杉本達治知事はリモートでのオンライン参加となった。(動画&フォトギャラリー)
今回発表されたのは、7つの福井の伝統工芸を現代の生活に定着するようアップデートした、全24アイテムからなる『ふくいとらっど』ブランド商品。
いずれも“伝統”を大切にしつつ、100年前とは生活の様式が変わっている現代に合わせた“新しい”商品になっている。
のんもデザインで参加。昨年福井県を訪れた時のエピソードや、自身のデザインについての思いなどを語った。
トークイベントレポート
■のん「伝統工芸品を若い世代につなぐことができたら素晴らしいな」
-とても個性的で素敵なファッションですね。
のん
これはビームスさんのお洋服です。すごくモダンな市松模様で今回のFUKUI TRADのプロジェクトにすごく合うんじゃないかなとも思って着てきました。
-創作あーちすとという肩書でいろいろな活動をなさっていらっしゃるんですが、改めてこの創作あーちすとがどのような活動なのか教えて下さい。
のん
私は女優としてずっと演技のお仕事を中心にやってきたんですけど、今は創作あーちすとという肩書ををつけて、今回のようにイラストや絵を描いたり、音楽を作ったりとかそういう活動をさせていただいてます。
-自分で着る衣装や舞台を自分でプロデュースしていく、自分で創作していくことが今いちばん楽しかったりするんですか?
のん
そうですね。良いものが創れた瞬間はすごく嬉しいし幸せな気持ちになります。
-伝統工芸を長年紡いでいらっしゃる職人さんとの思いと何か通じるものがあるように思えます。今回はそんなのんさんに創作あーちすととして、福井県の伝統工芸をアップデートする「FUKUI TRAD」プロジェクトにご参加いただきました。このお話を最初に聞いた時、どんなふうに感じられましたか?
のん
すごく嬉しかったです。福井県の伝統工芸品とのコラボということで、全ての工芸品が本当に美しくて、そのままでとっても素敵なものなんですけど、今の世代の方たちにもどんどん知っていただけるように、間をつなぐ役目として、絵を描かせていただくことでそれができるんだったらとっても素敵なことだなぁと思って本当に嬉しい気持ちでした。
■のんの原画公開!
-今回発表なる新商品に活用されるデザインをのんさんが描かれたということで、7枚ある原画のうちの1枚をお持ちいただきました。今回、五大要素の地・火・水・空・風をテーマに7作品を制作いただいんですが、のんさん、今お持ちいただいたこちらのテーマはなんでしょう?
のん
こちらは風をテーマにした絵になっています。
-独創的なデザインだなと思いますが、どんな思いが込められているんですか?
のん
五大要素のオーダーをいただいた時に、いろんな想像したんですけど、風はいろいろ改良した後にこの形になっています。デザイン化させて工芸品になじむように考えました。まっすぐの風とチョロチョロっとした風とか、いろんな風を混ぜています。
のん
福井県とBEAMS JAPAN、そして私のコラボによるFUKUI TRADの新商品はこちらです!
-新商品、お披露目となりましたが、今のお気持ちは?
のん
本当に幸せです。素晴らしい伝統工芸品とのコラボの商品が出来上がっているので、見てて幸せな気持ちになってます。
設楽洋社長
まずはののんちゃんの作品が出来上がった時に、五大要素ががこういう風になったかっていうのを感じて喜んだのと同時に、そこにさらにビームスのこうきたか!ってことを2乗で加えたら、このような商品になりました。お楽しみにしてください。
杉本達治知事
伝統工芸のいろんな品物はこれまで見てきましたけど、ある意味決まった枠の中に入り込んでいます。
今回の新商品には、のんさんの動きがあって明るいイラストが映えて、そのコントラストがとても良いなと思いましたし、今までにないような造りの商品もできていますので、とてもワクワクしました。
BEAMS JAPANディレクター鈴木修司
ここまで形になったのは、感慨深くいですし感動です。
BEAMS JAPANチーフバイヤー 太田友梨
私も率直に感動しまして、様々な方々にご協力いただいてこのような形になったので、とても嬉しく思っております。
■「FUKUI TRAD」と「ふくいとらっど」
-イラストに「ふくいとらっど」と平仮名で書かれているんですが、英語表記のものとは何か違うんでしょうか?
BEAMS JAPANディレクター鈴木修司
簡単に申し上げると、平仮名の「ふくいとらっど」は、ビームスらしく福井県の7つの工芸をアップデートした商品群のことです。
伝統工芸というと、作り方もすごく大切なんですけど、それと同じくらい福井県は自然が豊かであるので、五大要素を取り上げました。それをのんさんに描いていただいて、実際に柄だったり形だったり、時にはパッケージだったりに落とし込んだ商品群、商品グループのことを意味します。
-装飾品もあるということで、今回のんさんに付けていただくとしたらピッタリくるものはありますか?
BEAMS JAPANチーフバイヤー 太田友梨
今日の(のんさんの衣装は)シルバーがポイントになっているので、是非、越前打刃物のバングルを付けていただきたいなと思います。
のん
すごくいい感じですね。打刃物の特徴のちょっとデコボコした感じが柄にも見えて光の加減によって変わって見えてすごくお洒落です。
BEAMS JAPANディレクター鈴木修司
まさにのんさんのような、素敵な方、美しくて可愛い方に付けていただきたいというのがあります。包丁を打つ職人さんが実際に作っているものですけど、そうだとは説明されないと想像できないほと、改めて素敵だなと感じます。
-打刃物の職人さんは、バングルを作るってなった時、どんな反応をされてましたか?
BEAMS JAPANディレクター鈴木修司
キョトンとされてましたね(笑)
でも、やっぱりそこは職人さんなので、一瞬、そういう間はあったものの、じゃぁどう作るの?とか、どういうデザインがいいの?とすぐに前のめりになられたので、そこはさすが職人さんだなと思いました。
のん
伝統的な工芸品を作られている職人さんのバングルなんだと思うと、深みのあるものに感じます。
■新商品のこだわり
-今回の新商品でこだわられた点は?
BEAMS JAPANディレクター鈴木修司
伝統工芸品というとどうしても固いというか、難しいってイメージがあるので、それをいかに柔らかくするかっていうところだったんです。
特に今回ターゲットにしていたのが若い女性の方だったので、そこに対して直感的に気に入ってもらえるというこだわりは7つの工芸品すべてにあります。
BEAMS JAPANチーフバイヤー 太田友梨
私の女性の立場として、持った時に心が躍るだったりとか、付けてみたい、触ってみたい、使ってみたいと思えるようなものを作ることにこだわりました。
※越前漆器紹介
BEAMS JAPANディレクター鈴木修司
のんさんに描いてもらった絵が描かれています。これらはひとつひとつを職人さんの手描きなんです。越前漆器の特徴は、ハレの舞台、料理屋や割烹で使われるようなきらびやかな器を作る技術が発達した地域なので、まさにのんさんが描いていただいた華やかで素敵な絵を描けたのは、もしかしたらこの産地しかなかったんじゃないかと思える、とてもハマった商品です。とても素敵な商品ができました。
※若狭塗紹介
BEAMS JAPANディレクター鈴木修司
若狭塗の特徴は、色のついた漆を何層も重ねて、それを削り出すことで柄にするので、絵をそのまま表現するのは難しかったんですけど、今回のんさんに描いていただいた「地」の絵から、色とイメージを抜き取って、若狭塗の研ぎ出しという技法で表現しました。とても満足のいく出来上がりとなりました。
■のん、福井県訪問の思い出
-今回、のんさんは実際に福井県に足を運ばれて、福井県の伝統工芸の職人の方々ともお会いになったんですよね?
のん
本当に貴重な時間でした。職人さんの工房にお邪魔して、見たことない道具とか、職人さんの技を目の前で見て、「こんなふうに作っているんだ!」ってすごくワクワクしました。それだけでも素晴らしいものができるんだなと感じました。
-自分が生きてきた年数よりも長い間受け継がれてきた伝統を支えている方々と質問もされたと伺いましたが、お話されていかがでしたか?
のん
和紙の工房は、お釜みたいなところで、和紙の元になる素材を洗ったりされているんですが、「これはお風呂ですか?」みたいな(笑)、とんちんかんな質問をしちゃったりしました(笑)
越前箪笥の工房でも、オルゴールになる箪笥を作られていて、お話して刺激的でした。
作られたものもそうですが、職人さんの技のすべてが美しくて、これを伝えるという、ビームスさんのFUKUI TRADのプロジェクトは本当に素晴らしいなと思って、参加できる嬉しい気持ちが増しました。
-改めて今回のデザインのポイントをお聞かせください。
のん
(伝統工芸を)今の世代の方たちに向けて、身近なものになるようにアップデートしていくというテーマなので、ポップな色合いにしたいなと思って、色付けしていきました。
工芸品にも合うような間を取ったデザインにもしたいなとも思って、ほんとうの風の形というよりは、イメージでそぎ落としていったデザインになりました。
BEAMS JAPANチーフバイヤー 太田友梨
(のんさんの絵を始めて見た時)ものすごく可愛らしいですし、色使いがポップなところが女性の方々はすごく気持ちがアガるなって思いました。
それを伝統工芸品にいかに結びつけていくかということのやる気に満ち溢れた瞬間でした。
■最後にメッセージ
のん
福井県が誇る7の伝統工芸をBEAMS JAPANさんがプロデュースして、そして私が絵を描かせていただきました。
現代に定着するようにアップデートした「ふくいとらっど」、是非たくさんの方にご使用いただきたいです。
■イベント動画(ゲストトークノーカット)
■イベントフォトギャラリー
■のん原画&新商品フォトギャラリー
伝統工芸:越前打刃物 商品名:バングル
包丁を作る際にでる端材を活かして作ったバングルです。今回はステンレス素材を使用。包丁を作る時のように叩いた目がバングルの表面に加工されており、個性的なデザインです。バングルの内側にポイントでのんさんの作品の一部が表現されています。包丁は原料を火で溶かしながら形をつくっていくイメージから「火」の作品を選んでいます。
伝統工芸:越前打刃物 商品名:包丁
越前打刃物の包丁。女性にも使いやすい万能サイズで、あえて持ち手はシンプルにしました。また「越前打刃物」の文字もカジュアルなものを選んでおり、いつまでも使える飽きのないデザインデス。包丁の刃の部分に動きのある「火」の作品を配置しています。
伝統工芸:若狭塗 商品名:フェイスブラシ、チークブラシ
若狭塗の研ぎ出しの技術を使い、のんさんの作品「地」を表現した美容アイテム、フェイスブラシとチークブラシです。筆の加工は兵庫県神戸市の<USUI>で行っています。卵殻や螺鈿(らでん)を使って非常にきれいで深みのあるブラシに仕上がりました。漆の原料などは大地からとれるものとイメージし「地」の作品を選び、越前和紙の箱をつくりました。
伝統工芸:若狭塗 商品名:塗箸
若狭塗の研ぎ出しの伝統技法を使って、のんさんの作品「地」を表現しました。食卓のアクセントになるカラーリングが素敵で、直して使えば非常に長く使っていただける箸です。漆の原料などは大地からとれるものとイメージし「地」の作品を選び、越前和紙の箱をつくりました。
伝統工芸:若狭めのう細工 商品名:置物
長く根気のいる研磨作業でつくられる若狭めのう細工。天然石の光沢は職人技で輝きを増し、繊細な細工で最高級品となります。
今回、その若狭めのう細工の技術を余すことなく味わっていただくために、恐竜王国ともいわれる福井県を連想するトリケラトプスの置物をつくりました。
伝統工芸:若狭めのう細工 商品名:かっさ
今は取ることの出来ない北海道産のめのうを使った美容アイテム「かっさ」。福井県は「恐竜王国」ともいわれており、恐竜の足跡を象った、顔や身体のマッサージに使って欲しい癒やしアイテムです。のんさんの作品の一部をサンドブラストで表現しています。めのうといえば大地から生まれた石ということで「地」の作品を選んでいます。
伝統工芸:越前漆器 商品名:ネイルチップ
業務用漆器から伝統的な漆器まで幅広く作られている越前漆器の技法を用いたネイルチップです。カシューナッツから作られる「カシュー塗料」を使用し蒔絵で描きました。カシューは発色の良さや色数の多さが特徴で、のんさんの作品と相性抜群。TPOに合わせて付け足しのできるネイルチップで、気分が上がるポップなデザインです。
伝統工芸:越前漆器 商品名:三つ組椀
三つ組椀は入れ子にできるお椀のセット。「応量器」と呼ばれる修行僧が使用していた入れ子の器が元になっています。一番大きなお椀は、どんぶりなどに、中間のサイズは味噌汁椀やご飯椀に、一番小さいサイズは小鉢などあらゆるシーンで使えるセットです。
最終加工には漆を使用しており、螺鈿(らでん)や蒔絵などの伝統的な技術を使って、のんさんの作品を繊細に表現しました。漆のアイテムを日常で気軽に使えるポップで可愛らしいデザインです。
伝統工芸:越前箪笥 商品名:マルチデスク
越前箪笥の技術を使用してつくった「マルチデスク」。一見普通の箱のように見えますが、スライドさせるとテーブルに早変わり。一人暮らしの部屋にもぴったりのサイズ感で、シーンに応じてアレンジが可能。蓋をあけると中に物がしまえ、こちらものんさんの作品をプリントした越前和紙が貼ってあり、華やかです。
伝統工芸:越前箪笥 商品名:ハンドバッグ
越前箪笥の技術を使用して作った「ハンドバッグ」。別名“持ち歩ける箪笥”とも呼んでいます。
開けて閉めた時のすっと閉じていく感覚がとても気持ち良いです。中にはのんさんの作品をプリントした越前和紙が貼っており、開けた時の華やかさはとても気分があがります。バッグは留め具を含めて非常にシンプルなデザインに仕上げてもらったので、どんなスタイルにもぴったり。ドレスアップや着物の際にもおすすめです。
伝統工芸:越前箪笥 商品名:コスメボックス
越前箪笥の技術を使用して作った「コスメボックス」です。桐でできているので、非常に軽く女性の方でも扱いやすいです。蓋を開けるとミラーがあらわれ、その下の部分には細かくアクセサリーを入れることが可能。またサイドの引出しには秘密の隠し部屋が。中にはのんさんの作品をプリントした越前和紙を配し、見た目のシンプルさと開けた時の華やかさのギャップがとても良いです。じっくりと自分磨きをする時間にぜひ使っていただきたいコスメボックスです。
伝統工芸:越前箪笥 商品名:箪笥
昔ながらのパーツで作った小ぶりなサイズの越前箪笥。扉をあけると中に桐の引き出しがでてきます。引き出しの中にはのんさんの作品をプリントした越前和紙が貼っており、うちに秘めたかわいらしさをイメージしています。伝統的な作りの箪笥ですが、コンパクトな家でも十分置くことのできるサイズであり、かつ高級感を演出できます。
伝統工芸:越前和紙 商品名:和紙アート
越前和紙の技法の1つである「手描き」の技法を使って、のんさんの作品自体を表現しました。ひとつひとつ手で絵を描くように和紙の原料を乗せて色や柄などを原画に近づけて再現。サイズは現代の部屋にあわせやすいA2サイズ。額装などでお部屋などに飾っていただくととても華やかになります。
伝統工芸:越前和紙 商品名:シュシュ、ヘアバンド、巾着
越前和紙の技法の1つである「流し込み」を使った和紙によるシュシュ、ヘアバンド、巾着ポーチです。色ごとに紙の原料を型に流し込み、のんさんの作品の色や柄を最大限に表現しています。表面に加工を施しているため、和紙とは思えない強度や柔らかさがあり、大きめのシュシュやヘアバンドはファッションのアクセントやスキンケア時に、巾着はメイク道具入れやちょっとしたお出かけの際におすすめです。ふくいとらっどの商品箱はすべてこの越前和紙で作られています。
伝統工芸:越前焼 商品名:平皿、フリーカップ
越前焼の薄いのに強度がある特徴を活かして作った平皿とフリーカップです。福井県の地場産業でもある眼鏡の生産には欠かせない「レーザー」を使って、のんさんの作品の絵柄「火」を印しました。
伝統工芸:越前焼 商品名:ネックレス、バングル、ピアス
越前焼は鉄分の多い地元の土を使って、高温で焼きしめた赤褐色で強度が高いことが特徴です。その特徴を活かして、細かくて薄いアクセサリーのパーツを作りました。特にピザ型のアクセサリーはお皿を作るように薄くひいたものをカットして作っています。陶器と革を組み合わせた温かみのあるアクセサリーで、陶器は火で焼いて作られるというイメージから、のんさんの作品の「火」を使ったパッケージに入っています。
「風」をテーマにのんが描いた原画
[写真・記事・動画:Jun Sakurakoji]
「ふくいとらっど」概要
福井県には経済産業大臣指定の伝統的工芸品(越前漆器、越前和紙、若狭めのう細工、若狭塗、越前打刃物、越前焼、越前箪笥)が 7 品目存在する。これらの伝統的工芸品を、BEAMS JAPANと女優・創作あーちすと「のん」の手によって、現代の日常を豊かにする“暮らしのための伝統工芸”、美容やファッションに使える“美しさのための伝統工芸”とそれぞれ2パターンでアップデートした。
3月1日よりビームスジャパン(新宿)およびBEAMS公式オンラインショップにて全24アイテムからなる『ふくいとらっど』が販売開始となる。
販売期間:2021年3月1日(月)
販売店舗:ビームスジャパン(新宿)(4月25日まで販売予定)
住所:東京都新宿区新宿3-32-6 1F 12:00~20:00 不定休(当面の間、営業時間短縮)
電話:03-5368-7300
BEAMS公式オンラインショップ:https://www.beams.co.jp/(9月30日まで販売予定) 在庫がなくなり次第、販売終了となる。
FUKUI TRAD公式サイト:https://fukuitrad.jp/
「FUKUI TRAD」プロジェクトムービー
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