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窮鼠はチーズの夢を見る

成田凌「大倉さんカッコいいっすから、濡れたいって」映画『窮鼠はチーズの夢を見る』夏休み限定イベント

8月26日、都内にて、映画『窮鼠はチーズの夢を見る』の夏休み限定イベントが行われ、大倉忠義、成田凌、行定勲監督が登壇し、役づくりやクランクアップ後の打ち上げでのエピソードなどを明かした。

イベントレポート

窮鼠はチーズの夢を見る

成田凌/大倉忠義/行定勲監督

■原作コミックの印象

– 水城せとなさんの原作コミックを読まれた最初の印象は?

行定勲監督
BLの作品と聞かされていたので、最初は自分とどのように接点を持たせようかとは思いました。ただ、LGBTQという言葉があるとおり、世界の映画界ではもうあたりまえのジャンルとして成立しているので、そこに対しての違和感はありませんでした。
そして、原作コミックを読んで思ったのは、この作品はBLやLGBTQを言及しているわけではないということ。一人の人間が一人の人間を好きになって、好きになられた方がそれを受け入れられるのかというプロセスを描いている。
これって、今の時代の今日的なテーマだなってすごく思いました。特に今のコロナ禍になって、個人がいろんな選択を採らなくてはならないという状況になったのと同じように、自分がどのように生きるのか、自分がそれにどのように向き合っていくのかということが重要になってきているからです。
恭一という元々は女好きだったはずの男が、まさか男をどう好きになるのかということが丹念に描かれた作品です。男と女が対等に描かれてもいます。

行定勲監督

行定勲監督

■大倉忠義・成田凌、それぞれの役づくりについて

– 大倉さん、成田さんは最初に脚本を読まれた時にはどういう印象を持ちましたか?

大倉忠義(大伴恭一 役)
率直に、あぁ、こういうテーマなんだって思ったくらいですね。僕の周りにもそういうセクシャリティの方はいますし、特に不思議に思うとかそういうことはなかったですね。

大倉忠義

大倉忠義

成田凌(今ヶ瀬渉 役)
僕もです。とてもスッと入ってきました。
純度が高ければ高いほど、いろんな感情が溢れていくという矛盾をとても感じられたのと、どうやって役を作っていこうかなとすごくワクワクしたのを覚えています。

成田凌

成田凌

– 大倉さんはこの役をどのように分析して役づくりされましたか?

大倉忠義(大伴恭一 役)
分析というところまで考えるということはなかったですね。現場で監督と少し話するということはありましたが。
“流され侍”というキラーワードが本作に出てくるので、そこにどうやって向かっていけばいいのかっていうのは考えましたけどね。
物語では、恭一に向かってそれぞれの登場人物が事件を起こしてくれます。で、それにリアクションをしていれば自然と流されるんだなって思って、あまり深くは考えませんでした(笑)

■成田凌のウルウル瞳のヒミツ「濡れたい・・・濡れたい・・・」

– 本作を見て、成田さん演じる今ヶ瀬がむちゃくちゃ可愛いという瞬間があったんですけど、大倉さんはそういうのはありましたか?

大倉忠義
恭一としては、可愛いと思わないように逃げている部分があるんです。なので、今ヶ瀬のあの表情が可愛いとか、こんなにも目がウルウルしてるのかっていうのは、後で映画として観た時に気づきました。

– 成田さん、そのウルウル目がどうやって生み出されたのでしょうか?

成田凌
今ヶ瀬がまとっている空気やオーラがすごく濡れていたいなって思っていて、目をウルウルさせるのは、「潤えっ!」て目に力を入れる感じで(笑)

行定勲監督
それはやっぱり俳優だね。ひとつの要因は、大倉忠義という存在もあると思うんですよ。大倉くんは、人がわかり易くないんですよね。それがちゃんと恭一に反映されている。なんか曖昧で奥底がまだはっきりしていない。
それが、だんだん気持ちが開放されていくと、なんか成田の目が潤んでいくように見えるんですよね。

成田凌
やっぱり、変わっていくんですよね。最後の家の中のシーンで 2人っきりでいて気持ちが表に出ていくと、「濡れたい、濡れたい・・・」って思いながらやってましたね。カッコいいっすから、大倉くんは。

成田凌

■大倉「現場の空気は成田くんに任せます!」

大倉忠義
成田くんの役はほんとうに難しいだろうなって思います。役づくりもそうとう研究されてきたんだろうなって思いますし、俺がこんなんでいいのかなって申し訳なく現場ではいましたけど(笑)

成田凌
クランクイン前に、「現場の空気とかそういうのは成田くんに任せます!」ってハッキリ言ってましたもんね。気持ち良いくらいに(笑)

大倉忠義
ハハハ(笑)

成田凌
で、「わかりました!やっぱり現場はスタッフさんとも柔らかい空気でやりたいよね。ね、大倉くん!」って答えたら、「はぁ」って言ってどこかに消えちゃうみたいな。
「寂しいなぁ、寂しいなぁ」って思いながらも、「大丈夫、嫌われてない、嫌われてない」とも自分に言い聞かせがら。

– まさかの役同士のような関係だったんですね(笑)

成田凌
そうです(笑)

窮鼠はチーズの夢を見る

成田凌/大倉忠義

■成田「男同士って楽でいいな」

– 2人が部屋で一緒にいるシーンといえば、今ヶ瀬が恭一の耳かきをするシーンがありますが、これはどのように生み出されたのでしょうか?

行定勲監督
あれは自由演技ですよね。耳かきされて気持ち良かったですか?

大倉忠義
気持ち良かったですよ。

成田凌
やる方は怖いっすよ!人の耳の穴をかくなんてやったことないっすもん。

行定勲監督
でも耳かきのシーンとか、屋上で2人がジャレあうシーンとか、これが男女だったら、普通すぎて映画的にはカットしてるかもしれないね。
でも、男同士がやるとこうも違うのかって。2人が好き合っていくプロセスが鮮明に描かれいるように感じて、見てて楽しいね。
「男同士っていいな」って、現場でみんな言ってましたからね。

成田凌
男同士って楽でいいなって思いますね。言わなくても伝わるところが多い。
本作の取材受けてても、相手の方が男性の記者か女性の記者かで、本作の受け止め方が全然違っていて、やっぱり男女は脳みそが違うんだなぁって思いましたね。

成田凌

■「ピリオド・キス」

– 本作の打ち上げで、大倉さんは、成田さんからあることをされたとか?

大倉忠義
そのエピソード、生のラジオで僕が言ってしまって、もう広がっちゃってるんですけど(笑)、お酒がけっこう進んでいたのもあったと思うんですけど、帰りがけに成田くんにサヨナラのキスをされたという(笑)

成田凌
僕が大倉くんに「お先に失礼します。チュッ♪」って。当たり前かなって思ってやったんですけど。

大倉忠義
あれでね、作品が終わったんだなってね(笑)

成田凌
ピリオド・キス(笑)

成田凌

■2人の人間の恋愛の物語

– 試写会で見た方々から「大恋愛の映画だ」っていう感想があがってますが、これについて皆さんはどういうお気持ちですか?

大倉忠義
純粋に嬉しいです。キャラクターが男性同士っていうだけで、すごくピュアなラブストーリです。また、原作にもあるとおり、美しい言葉のセリフもありますし、シーン的にも綺麗なシーンがいっぱいあります。
多様性という言葉がありますが、今のこのコロナ禍だからこそ、いろいろ見つめ直すことのひとつとして、この映画が公開されるということが嬉しいです。自分にとって幸せなことです。

成田凌
これから公開されるのがワクワクしますね。皆さんからどんな意見が出てくるのかって。
よく聞くのが、この映画を観た後に誰かと話したくなるって。やっぱり人の数だけ見方があるし、恋愛だっていろんな形があるのは当たり前なので、他人事じゃなく観てほしいなっていうのはあります。

行定勲監督
皆さんの感想が熱いですね。僕が発見させられることが多い。
映画作品の脚本って、作る側が観る人にわかってほしいと思って作られるのが多い中、この作品では登場人物の気持ちがみんなすれ違っている。ちゃんと向き合う瞬間もありますけど。でもそれはけっして綺麗事ばかりではない恋愛。BLやLGBTQって言葉だと他人事になってしまう感じがありますが、決してそうではない2人の人間の恋愛の物語だということがこの作品では実証されていると思います。
2人が演じて真実味を持った作品になっていて、それが観客に届いているなって感じる反応がたくさんあります。皆さん、すごいわかっているなって。そういう意味で参加型の映画とも言えるかもしれません。

映画『窮鼠はチーズの夢を見る』

【イントロダクション】
僕たちはまだ本当の恋を知らなかった
原作は、人を好きになることの喜びや痛みをどこまでも純粋に描き、圧倒的な共感を呼ぶ心理描写で、多くの女性から支持を得た水城せとなの傑作コミック「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」。
ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を2度も受賞するなど、日本を代表する映画監督・行定勲。その繊細な表現力と確かな演出力で、様々な愛のかたちを写し取った『ナラタージュ』(17)、『リバーズ・エッジ』(18)に続き、本作では、揺れ動くふたりの狂おしくも切ない恋を、時に繊細に時に大胆に描きだす。主人公の大伴恭一を演じるのは、映画では『100回泣くこと』(13)に続き、単独主演を務める大倉忠義。そして、恭一を一途に想う今ヶ瀬渉役には、『愛がなんだ』(19)、『カツベン!』(19)など話題作への出演が絶えない実力派・成田凌。好きになってはいけないと頭ではわかりながらも、どうしようもなく惹かれてしまう葛藤や強い嫉妬心・・それらの複雑な感情を、痛いほどリアルに、時に涙がでるほど美しくスクリーンに焼き付けている。
これは、胸が苦しくなるほど誰かを愛したあなたへ贈る、忘れられない恋の物語。

【物語】
7年ぶりの再会 突然の告白 運命の歯車が動き出す―
学生時代から「自分を好きになってくれる女性」と受け身の恋愛ばかりを繰り返してきた、大伴恭一。ある日、大学の後輩・今ヶ瀬渉と7年ぶりに再会。「昔からずっと好きだった」と突然想いを告げられる。戸惑いを隠せない恭一だったが、今ヶ瀬のペースに乗せられ、ふたりは一緒に暮らすことに。ただひたすらにまっすぐな今ヶ瀬に、恭一も少しずつ心を開いていき・・・。
しかし、恭一の昔の恋人・夏生が現れ、ふたりの関係が変わり始めていく。

原作:水城せとな「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」(小学館「フラワーコミックスα」刊)
監督:行定勲 脚本:堀泉杏 音楽:半野喜弘
出演:大倉忠義 成田凌 吉田志織 さとうほなみ 咲妃みゆ 小原徳子
配給:ファントム・フィルム
(C)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会
映倫区分:R15
公式サイト:https://www.phantom-film.com/kyuso/
公式Twitter:@kyuso_movie

9月11日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

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