「自粛期間中は花嫁修業してました！」伊藤沙莉 公開アフレコ収録＆記者会見 映画『小さなバイキング ビッケ』

6月29日、都内スタジオにて、伊藤沙莉による映画『小さなバイキング ビッケ』の公開アフレコ＆記者会見が行われた。（動画＆フォトギャラリー）

『小さなバイキング ビッケ』は、日本で最高視聴率20.5％を記録し、尾田栄一郎「ONE PIECE」のモチーフにもなった名作アニメのフルCG劇場版。
今作は、何でも黄金に変えてしまう魔法の剣の秘密を解き明かす物語で、原作にはない全く新しいオリジナルストーリー。
伊藤沙莉は、主人公ビッケ役の吹き替えを務め、また彼女にとって初の男の子役となる。

会見では、公開アフレコの感想のほか、同居する兄（芸人・オズワルド伊藤）に言い放った一言や、伊藤沙莉にとって人生最大の危機となった警察に連れて行かれたエピソードなどを明かした。
映画『小さなバイキング ビッケ』の日本公開は、2020年10月2日(金)より。

記者会見レポート

アフレコ風景、記者会見（ノーカット）は動画でも配信中！
フォトギャラリーは本記事最後にあります。

■男の子の声の仕事をやりたかった

– ビッケ役が決まった時のお気持ちは？

伊藤沙莉
いつか男の子の声のお仕事をいつかやらせていただきたいなって思っていたので、そこはすごく嬉しかったですし、海賊っていうのも夢があるなって思って。
私の母の世代の方々がドンピシャでビッケを観ていた世代なので、母に言った時が一番緊張しました。

– 作品を見ての感想は？

伊藤沙莉
すごく勇気をもらえる作品だなと思いましたし、心からビッケを応援したくなります。
それはビッケがまだ子どもで、周りからまだ早い、まだ早いって言われてるのところが、私たちのいろんなことにも置き換えられるなって思いました。まだ早いとか、まだそこまでじゃないとか、自分を決めつけられることでがんじがらめになっちゃうことってありますから。
そこをパーンって解き放って成長につながるっていうのがすごく温かい気持ちになれる作品だと思います。

■公開アフレコはやりづらかった（笑）

– 初めての公開アフレコはいかがでしたか？

伊藤沙莉
やりづらかったです（笑）
普通にアフレコするのもすごく緊張するのに、今日は特に緊張しました。
ふだんの撮影やお芝居と違って、声のお仕事は顔を出さないものなので、顔をOFFというか、けっこう見られちゃマズイ顔もしてたりとかするんですよ。でも今日は、見られてるので、それが出ないように気をつけました。

– 男の子の役づくりについて

伊藤沙莉
ビッケは男の子ですが、9歳なので、声的にはもうちょっと高い方がいいのかしらとか思ってたのが、そうでもなかったので安心しました。
活発な男の子なのでその点は演じていて楽しかったです。

■末っ子ならではの悩みがビッケと通じる

– ビッケは家族の中で成長していきますが、伊藤さんご自身の家族に置き換えて参考にしたことはありますか？

伊藤沙莉
私は３兄弟の末っ子なんですけど、子どもだと思われているとか、まだこれをするには早いとか、いつまでも子ども扱いされがちで、でも自分はもっと成長しているのにっていうもどかしさっていうのは、きっとビッケに共通するものがあるよなって思って。
そこはけっこう自分の家族のことがよぎりました。

– 主人公ビッケと自身との共通点は？

伊藤沙莉
認めてほしいところで、例えばビッケだったらお父さんにとか、自分がどうアプローチしたら認めてもらえるだろうと考えて、何かしらぶつけてみるみたいなところは、すごく気持ちがわかるなと思います。

■変なの。早く寝ろ！

– 同じエンタテインメントのお仕事をされているお兄さん（芸人・オズワルド伊藤）には相談されることはあるんですか？

伊藤沙莉
（同居している兄に）ビッケの声のお仕事をするんだって話したら、「えっ？また声やんの？」って聞かれて、「うん、今回はアニメって言っても吹き替えなんだけどね。」って答えたら、「吹き替えるねぇ～」って言われました（笑）
何言ってんだろって思いましたけど（笑）「変なの、早く寝ろ！」って兄には言いました（笑）

■石橋を叩いても渡れない大人になった

– 本作は少年が大人になる過程が描かれていますが、ご自身の少女時代を振り返っていかがですか？

伊藤沙莉
今考えるとゾッとするくらい怖いもの知らずでした。興味を持ったり気になったらすぐそこに一直線って感じのタイプでした。
でも今はかなり変わって真逆になっちゃいました。石橋を叩いても渡れない、みたいな（笑）
たぶん、大人になって失敗が怖くなってきたんじゃないですかね。失敗を覚えることは、良い方向に向かうこともあるし、逆に一歩を踏み出すのに時間がかかるタイプの大人になっちゃいました。

– 大人になって失敗を恐れるようになったのは納得されてますか？

伊藤沙莉
ダメなところだなぁと思っております（笑）
今日の公開アフレコも、「絶対みんな変だと思う」って考えちゃってぜんぜん動けなくなったりとかして。
でも現場はまいた方がいいと思うので、早く動かなきゃ！って頑張ってました。
でも、一歩踏み出す勇気っていうのは、この作品でビッケを通して与えてもらいましたし、次はこの手でいこう！ってすぐに私の頭の中に浮かぶようになったらいいなって思います。

■警察に連れて行かれました・・・

– 今まで伊藤さんにとって一番危機だったことはなんでしょう？

伊藤沙莉
一番の危機は警察に連れて行かれたことです（笑）
幼稚園くらいの時に、Dr.スランプ アラレちゃんのノートがスーパーあって、それがどうしてもほしくて。でも買ってもらえないだろうなって最初から決めつけて、一枚だけ破いちゃったんです。
そしたらお母さんに見つかって、お母さんはすぐに買ってくれたんですけど、そのままお母さんに警察に連れて行かれて「牢屋に入ることになるので、もうあなたとは二度と会えない」って言われました。
盗ったら牢屋なんだってそこで教育されました（笑）

■W受賞の感想

– 「第57回ギャラクシー賞 テレビ部門 個人賞」「第29回日本映画批評家大賞 助演女優賞」を受賞された感想と今後の目標は？

伊藤沙莉
頑張っていれば誰かが見てくれているんだなというのはすごく実感しました。でも賞をいただくということは、そこがまた新たなスタートだなというふうに感じておりますので、ここからが勝負、ここからもっともっと頑張っていきたいなと思います。

– これからチャレンジしてみたいことは？

伊藤沙莉
やったことないことができるっていうのが、毎回楽しいです。今回のように男の子の役を初めてやらせていただいたりとか。
そういう、自分が今まで想像つかなかったことや、自分にこんな役こないだろうと思っていた役が、いきなり舞い込んできたりする瞬間っていうのはすごく嬉しいです。いろんな人たちの頭の中にいる伊藤沙莉のまた違った一面を何かの役で表現することができたらいいなと思います。

■花嫁修業してました！これから出会う人とは・・・

– 自粛期間中はどのように過ごされてましたか？

伊藤沙莉
一生家にいました。ネットの映画を観たりとか、あと、自宅にカラオケを導入しまして、家でずっと歌ってました。
あとはなるべく料理したりとか、人間的な生活をしていました。花嫁修業みたいな期間でした。
ヒゲのおじさん（兄・オズワルド伊藤）と一緒に住んでいるんですけど、それはかなり鍛えられましたね。

– 花嫁になる予定は？

伊藤沙莉
花嫁になる予定はないんです！悲しいけれども。
今回、だいぶ鍛えられたので、これから出会う人とはうまくいきそうです！

■フォトギャラリー

[写真：Ichigen Kaneda／動画・記事：Jun Sakurakoji]

映画『小さなバイキング ビッケ』

進め！夢と希望の大海原へ！
完全オリジナルストーリーで贈る、新しい冒険と、新しいビッケの物語。

ストーリー
ビッケはバイキング・フラーケ族の族長ハルバルの息子。ハルバルは元気な力持ちだがどうも頭の回転が鈍く族長としては頼りない。
そんな父とは正反対にビッケは小さくて力もないが、知恵は誰にも負けませんでした。
ある日、母のイルバが魔法の剣の力で黄金に姿を変えられてしまいます。ハルバルは案内役のレイフと船員たちと海賊船で剣の秘密を解く旅に出発。おいてきぼりを食らったビッケはそっと樽に隠れ海賊船に乗り込みます。
知恵と仲間の力で困難を乗り越え、ビッケたちが辿り着いたのは謎の島。人間界に追放されたアズガルドに住む神、ロキが待ち受ける。ビッケたちの運命とは――！？

監督：エリック・カズ 「Vic the Viking」（TVシリーズ）
アニメーター：ティモ・ベルク 『SING/シング』『ペット』『怪盗グルーのミニオン大脱走』
出演：伊藤沙莉（ビッケ）
2019/ドイツ、フランス、ベルギー/77分/英題：Vic the Viking and the Magic Sword
(C)2019 Studio 100 Animation – Studio 100 Media GmbH – Belvision
配給：イオンエンターテイメント、AMGエンタテインメント
公式サイト：vic-movie.com

10月2日(金)よりイオンシネマ他にて全国公開