岡田惠和×銀杏BOYZ・峯田和伸が紡いだ青春と恋の物語『いちごの唄』完成披露試写イベント
数々の名作映画・ドラマを手掛けてきた脚本家 岡田惠和と、銀杏BOYZ 峯田和伸が紡いだ青春と恋の物語、映画『いちごの唄』。7月5日(金)の公開に先駆けての完成披露試写イベントが、6月4日、新宿ピカデリーで行われた。
舞台挨拶には、主演の古舘佑太郎、石橋静河をはじめ、和久井映見、岸井ゆきの、峯田和伸、宮本信子という豪華キャスト、菅原伸太郎監督が集結した。(フォトギャラリー)
岡田惠和×銀杏BOYZ・峯田和伸が紡いだ青春と恋の物語
物語
コウタは不器用だけど優しい心を持つ青年。たったひとりの親友・伸二は、中学生の頃2人が“天の川の女神”と崇めていたクラスメイトの千日(チカ)を交通事故から守り亡くなった。10年後の七夕、伸二の命日。コウタと千日は偶然高円寺で再会する。「また会えないかな」「そうしよう。今日会ったところで、来年の今日・・・また。」毎年ふたりは七夕に会い、環七通りを散歩する。しかしある年、千日は伸二との過去の秘密を語り「もう会うのは終わりにしよう」と告げる・・・。
『いちごの唄』は、銀杏BOYZの名曲たちをイメージソースに、一年に一度、たったひとりの親友の命日である七夕に会う約束をするふたりの青春と恋を描く。
主演は古舘佑太郎と石橋静河。共演は宮本信子、和久井映見、光石研、清原果耶、岸井ゆきの、蒔田彩珠、泉澤祐希、恒松祐里など超豪華キャストが集結。銀杏BOYZの「漂流教室」「ぽあだむ」などの恋と友情を歌う名曲たちと、本作のための描き下ろし新曲「いちごの唄」が本編を彩り、誰もがいつか経験した最高の友情と、切ない恋の想い出が、豪華なキャスト・スタッフによってキラキラと輝く青春映画となっている。メガホンをとったのは、本作が長編映画初監督となる菅原伸太郎監督。
舞台挨拶では、映画に使われている銀杏BOYZの曲を作っていた頃の自分に思いを馳せた峯田和伸は、「恋人と別れたとか、個人的に報われてない頃に作った1曲1曲。それがまさか数年後、ひとつの物語になって、錚々たる俳優さんが出演いただいて、こういう作品になってたくさんの人に観てもらえるとは、当時の僕は思いもよらなかったです。」と明かした。
コウタ役を演じた主演・古舘佑太郎は、自身が15歳の時に銀杏BOYZの曲を聴いて、「青春とは言葉にできなくて爆発するもの」と教わったという。映画『いちごの唄』を観た人にもそういった「言葉で説明できない衝動を感じてほしい」と言葉を締めくくった。
舞台挨拶レポート
石橋静河は女神!
– 石橋さんにお会いするまで役作りが大変だったと伺いました。
古舘佑太郎(笹沢コウタ 役)
コウタという役をどう演じるかぜんぜんわかんなくなった時期があって、何度も彼とケンカをしましたし、ある種絶交宣言を何度もしたくらいに。
でも撮影が始まる前に、石橋静河さんと台本(ホン)読みを始めてから、ガラッと自分の中で何かが変わりまして、「頭で考えるな、直感で演じろ」と石橋さんに教えてもらった部分がありまして、
劇中でも、コウタは石橋さん演じる天野千日に「女神だ」って崇めているんですけど、僕は石橋静河さん自身も女神だとずっと思っています。
石橋静河(天野千日(あーちゃん) 役)
私が古舘さんに初めてお会いしたのはこの作品の衣装合わせの時だったんですけど、私自身すごく不安だったんですが、古舘さんはもうコウタにしか見えなくて、チャーミングでユーモアのある動きをされるので、ほんとにそれが可笑しくて、それから二人の役の関係性が始まっていった気がしています。
銀杏BOYZの音楽に救われた
– 石橋さんご自身も撮影中は役に入り込みすぎて冷静になれなかったと伺っています。
石橋静河
抱えているものがすごく大きい役なので、考えすぎてしまったりとか。
そんな時は峯田さんの音楽を聴いて、ほんとに救われたなと思っています。
初恋の思い出
ドッペルゲンガーを愛した?
– 宮本信子さんは、本作を「とても静かな映画で、少し心が痛くなるような、でも最後には爽やかな気持ちになれる作品」とおっしゃってましたが、コウタを見ていて、ご自身の初恋の思い出と重なったりする部分はありましたか?
宮本信子(園長先生 役)
急に恋の話?(笑)
恋の話はほとんど忘れてますけど、小学生の頃素敵だなと思う先輩がいて、心臓がやたらドキドキしたこと、それだけは覚えています。
峯田さんはどう?
峯田和伸(ラーメン屋 役)
僕は、高校三年間、ずっと好きな子がいたんですけど、一言も話せないまま卒業を迎えました。
そして、40歳になって同窓会があった時に、その子が来ていたんです。事情を知っている僕の友達に急かされるように、「サトミさん、あなたがバイトしていた花屋さんのことも知っていて見ていたんですよ。」ってお話したんです。そしたら、「あ、たぶんそれは私のドッペルゲンガーです。私、時々、行ってもないところで見かけたって人に言われるんです。」って言われたんですよ。僕が見ていた彼女は誰だったんだと(笑)
– 和久井さんは女性として、コウタのようなキャラクターだったり、それこそ峯田さんのような男性からずっと想われるというのはどうですか?
和久井映見(コウタの母 役)
想われるのはいいですね。時々しか会えない関係でも、想いがそこにあるのはいいなって思います。
コウタと古舘佑太郎が重なる
– コウタと天野千日(あーちゃん)の関係性は、岸井さんからご覧になっていかがですか?素敵だと思いますか?
岸井ゆきの(アケミ 役)
いえ、あんまり思わないです(笑)
コウタくんには危うさがあるなと思っていて、占いを100%信じちゃうという純粋さだとか、あーちゃんのことを女神だと思っているところとか。あーちゃんは、女神だと思われていることの気持ち悪さみたいなのもあると思うし、そういうことをいろいろ考えたら、そこはちょっと難しいんじゃないかなと思ったんです。
– 峯田さんは、コウタと古舘さんが重なるところがると以前おっしゃってましたが、どんなところですか?
峯田和伸
喋ってくる時、目を大きくして顔を近づけてくるところとか。
古舘くんは「僕はコウタと違うんで」って言うんですけど、僕からすると一緒なんですよ(笑)そのままやってるなと。
– 宮本さんはドラマでも古舘さんとご一緒されていますが、どんな印象ですか?
宮本信子
半ズボンを穿かれる方で、それが似合っているんです。それがすごい素敵だなと思いました。
– 石橋さんは古舘さんとずっと一緒に撮影されていて、最初の印象が変わることはありましたか?
石橋静河
最初のイメージのまま、コウタのまま、そこから1ミリたりともブレることがなく撮影を終えて。初号の試写で久しぶりにお会いした時も「やっと古舘さんご自身とお話できるかな」と思って近づいていったら、すごくモジモジしてコウタみたいだったので(笑)私はまだ古舘さん本人を知らないなっていう感じがありますね。
– 和久井さんはお母さんとして見守っていらっしゃいましたけど。
和久井映見
私も別の作品で古舘さんとご一緒させていただいていて、その時はちょっと離れたポジションでしたがコウタとは違う印象で。今回は母の役で目の前で演じさせていただいて、その時の古舘さんのキラッキラとした目と、クルクルと変わる表情を初めて見た気がします。
どちらが本当の古舘さんなのかなと思いながら接してました。
岸井ゆきの
古舘君はもっと尖っていて、いつも怒っているイメージだったんですけど、今回の撮影ではコウタだったんですか?
古舘佑太郎
たぶんそうだと思います。でも自分でもよくわかんないな(笑)
岸井さんとは昔から友だちなんですが、10代の時に尖っていただけだと思います(笑)
岸井ゆきの
今回はの古舘君は、すごい目がキラキラしていて明るい印象だったので、もう怒るのやめたんだって(笑)
– 本作はコウタを存分に楽しんでいただくということですね。
映画をご覧になる方へのメッセージ
古舘佑太郎
僕が最初に銀杏BOYZの曲を聴いたのは15歳の時だったんですけど、その時、なんも説明できないんですけど、ウワーッって感情がこみ上げてきて、部屋で一人で大暴れしたんですね。本棚とかグチャグチャに倒したりとか。僕が思う青春って、説明できない感情、言葉にできなくて爆発するもの。僕はそれを銀杏BOYZから教わって、それ以降も小説だったりとか映画とかでそういう衝動を何度も味わってきて、自分が今回この歳で、この映画の主演をさせていただきました。皆さんにとっても言葉で説明できない衝動みたいなものを映画を観終わった後に感じていただけたらなと思っています。
石橋静河
今回私は、天野千日という素晴らしい役を演じさせていただきました。青春っていろんな意味があると思うんですけど、青春真っ只中の方も、そんな時もあったなと思い返す人も、自分と重ねてこの映画を観ていただけたらなと思います。
和久井映見
台本を開いた時に、大人になってからは体験することは二度とできないかもしれない青春の甘酸っぱいものを感じました。映画をご覧になった方もそれをギューっと体験してください。
岸井ゆきの
今日、いろいろお話させていただきましたが、いったん頭の中をまっさらにして楽しんでいただければと思います。
峯田和伸
映画化の前に岡田さんが書いた本が出版されて、銀杏BOYZの曲が物語の中に入っていて、
映画の中にも登場する銀杏BOYZの曲。それら1曲1曲を作っている時は、個人的には、恋人とうまくいかなくなったりとか、駅で別れて帰り道に見た景色だったりが歌詞になったりとか、どっちかというと報われていない時でした。その当時、曲を作っている自分は寂しさだったりを抱えていました。それがまさか数年後、ひとつの物語になって、錚々たる俳優さんが出演いただいて、こういう作品になってたくさんの人に観てもらえるとは、当時の僕は思いもよらなかったですし、いろいろ報われたなと感じます。今日はありがとうございます。
宮本信子
いつもテレビでご一緒させていただいている脚本の岡田さん、そして、『奇跡の人』(2016, NHK BSプレミアム)で共演させていただいた峯田さん。そのお二人が映画を作るというお話があって、是非参加させてほしいと思いました。
まず現場に行って驚いたことは、菅原監督が初めての演出なのに、ほんとに演出が細かくて、特に小さい子に対して細かくて、あぁ、素敵だなと思いました。
そして一番感じたことは、この映画は皆さんの想い、熱い情熱で作られた映画だなということです。
菅原監督
僕も10代の頃から銀杏BOYZの曲を聴いて救われてきました。
この仕事を始めてから、岡田さんとは何度かテレビでご一緒させてもらったんですが、1年半くらい前に声をかけていただいて、とにかく嬉しくて、そして同時にプレッシャーも感じて。
今日、こんなに素敵なキャストの皆さんと多くのお客さんがいらしてくれて、ほんとに嬉しいです。
フォトギャラリー
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映画『いちごの唄』
古舘佑太郎 石橋静河 和久井映見 光石研 清原果耶 小林喜日 大西利空
しゅはまはるみ 渡辺道子 ポール・マグサリン 山﨑光 蒔田彩珠 泉澤祐希 恒松祐里 吉村界人 岸井ゆきの/峯田和伸 宮本信子
監督:菅原伸太郎 原作:岡田惠和・峯田和伸「いちごの唄」(朝日新聞出版) 脚本:岡田惠和
音楽:世武裕子・銀杏BOYZ 主題歌「いちごの唄」(歌:銀杏BOYZ)
製作:「いちごの唄」製作委員会 製作プロダクション:ファントム・フィルム
配給:ファントム・フィルム (C)2019「いちごの唄」製作委員会
公式サイト: ichigonouta.com
Twitter:@ichigonouta
Instagram:ichigonouta.movie
7月5日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
[取材・写真:Ichigen Kaneda/記事:Jun Sakurakoji]
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