
【インタビュー】蒼戸虹子「俳優を始めたばかりの頃のオーディションでした」映画『白の花実』
2025年12月26日公開映画『白の花実』。突然、屋上から飛び降りて命を絶ってしまう、美しく完璧な少女・莉花を演じる蒼戸虹子(あおとにこ)。映画出演もダンスもほぼ初めての彼女の本作への取り組みについて話を聞いた(読者プレゼントあり)。
《映画『白の花実』あらすじ》
周囲に馴染めず、転校を繰り返す杏菜(演:美絽)が、新たな寄宿学校で出会ったのは、美しく完璧な少女・莉花(演:蒼戸虹子)。
しかし、莉花は突然、屋上から飛び降りて命を絶ってしまう。残されたのは一冊の《日記》。ページをめくるたび、莉花の苦悩や怒り、痛み——そして莉花の幼なじみ・栞(演:池端杏慈)との記憶と、言葉にできなかった“ある秘密”が浮かび上がる。
蒼戸虹子 インタビュー&撮り下ろしフォト
■俳優を始めたばかりの頃のオーディション
‐ 本作の脚本を初めて読んだ時の印象を教えてください。
蒼戸虹子(大野莉花 役)
この作品の脚本は、答えがない、分からないという部分が非常に魅力的だと感じました。他人の気持ちや自分の気持ちが分からない中でも、杏奈、栞、莉花が一生懸命誰かを知ろうとしたり、分かろうとしたり、そして自分自身と向き合い始めたりする、そういうところが読んでいてとても面白いと思いました。
‐ 演じられた莉花(リカ)というキャラクターに対して、どのような印象を持ちましたか?
蒼戸虹子
莉花は、周りのみんなが思い描いている完璧な存在であろうと、ずっと頑張っている子なのではないかと思いました。
‐ 莉花は周囲から慕われ、完璧な少女でありながら、自ら命を絶ってしまいます。この役と向き合う上での葛藤などはありましたか?
蒼戸虹子
莉花が抱えていたこと、感じていたこと、そして寂しさのようなものを一生懸命考えました。でも、実際に莉花を演じてみて、その内面の感情に強く引っ張られすぎてしまうと、莉花が普段周りの人たちに見せている明るい部分が消えてしまうのではないかと感じたんです。なので、莉花が外に見せる姿も意識しながら演じることを大切にしました。
‐ キャスティングはオーディションで決まったそうですが、どのような準備をして臨みましたか?
蒼戸虹子
このオーディションを受けたのは、俳優活動を始めたばかりの頃で、お芝居のオーディション自体をほとんど受けたことがなかったので、まずすごく緊張していました。
とにかくできることを頑張ろうとオーディション台本をとにかくたくさん読んで、台本の中に出てくる女の子たちのことを想像してみました。自分が思うことや、彼女たちがどういう存在なのかなどを、たくさんノートに書き出したのを覚えています。
■未経験で挑んだダンスシーン
‐ 莉花役に決まったと知った時、改めて何か感じたことはありますか?
蒼戸虹子
自分の内面を人に見せられなかったり、悩みを相談できなかったりする部分は、今の自分にも共感できるところがあったので、莉花を演じられるのはすごく嬉しかったです。
‐ 莉花は学校で一番ダンスが上手いという設定ですが、蒼戸さんはダンス経験がないと伺いました。どのように取り組まれましたか?
蒼戸虹子
劇中のダンスはコンテンポラリーダンスのような感じだったので、身体の柔らかさが必要だったんですが、私はすごく硬かったんです(笑)なので、家で柔軟を頑張りました。あと、呼吸や目線がとても大事だと教わって。振り付けを覚えるというよりも、踊っている時の感情と、目線や呼吸を意識して踊ることを大切にしました。
‐ 完成したダンスシーンの映像をご覧になって、いかがでしたか?
蒼戸虹子
見る前はすごく緊張したのですが、光がとても綺麗で…反省点が沢山あってまだ冷静に見られない部分が多いのですが、ホールの雰囲気や空気に助けられて印象的なシーンになっていて嬉しかったです。
‐ 初めての映画撮影を終えられて、いかがでしたか?
蒼戸虹子
撮影していた当時は、初めての映画撮影だったので、とにかく必死でした。目の前にあることに集中して、皆についていくという感じで、本当にあっという間に感じました。
■寄宿学校での撮影
‐ 主人公の杏菜役を演じた美絽さんとの共演で、撮影に臨むにあたってどのようなコミュニケーションを取りましたか?
蒼戸虹子
撮影に入る前の半年間、美絽さん、監督と一緒にワークショップやダンスレッスンを続けていました。長い時間をかけて一緒にいたので、美絽さんとの距離も近くなり、仲良くなりました。
監督が、自然に莉花と杏菜の空気感や距離感を作ってくださったんだなと感じました。
‐ 寄宿学校という閉鎖された空間での撮影は、役作りに何か影響を与えましたか?
蒼戸虹子
撮影中は、ずっと学校の近くに泊まって、スタッフやキャストの皆さんと一緒にいました。学校でみんなと同じ暮らしをずっと一緒にしている、という役と同じ空気感をそこで感じることができました。
‐ 撮影全体を通して、特に印象に残っているシーンやエピソードはありますか?
蒼戸虹子
クランクインがダンスのシーンだったことです。半年間準備してきたので緊張もあり、最初は身体が硬くなってしまい、思ったように踊れませんでした。その際、振り付けの寺杣彩さんや監督と一緒に、「この時のダンスはこういう感情で」ということを一つ一つ整理してから臨んだことが、とても印象に残っています。
■「莉花であること」を手放したくなった
‐ 坂本監督は、俳優からの自発的な提案を大事にするタイプだと伺っています。映画初出演でありながら、蒼戸さんから監督に何かアイデアを提案することはありましたか?
蒼戸虹子
撮影が初めてだったので、自分から何かを提案するということはあまりありませんでした。でも、ワークショップの時などに、監督は細かい指示を出すというよりも、莉花について「一緒に考える」という姿勢で接してくださり、「私がどう思うか」をよく聞いてくださいました。そのおかげで、莉花という役を深く掘り下げていく時間がたくさん持てました。
‐ 莉花が自殺直前に杏菜に残した「ねぇ、私になってみたら?」という印象的なセリフについて、どのような意味を込めて演じましたか?
蒼戸虹子
莉花が抱えているものと、外に見せている姿のバランスが取れなくなり、ひどく疲れてしまったのではないかと解釈しています。だから杏菜が持つ嘘のなさ、素直さといった部分に、莉花は少し憧れのようなものを持っていたんじゃないかなと…「莉花であること」を手放したくなったのではないか、と感じました。
‐ 撮影時と完成した映画で、莉花という少女に対する見方に何か変化はありましたか?
蒼戸虹子
撮影中は莉花が抱える寂しさや孤独みたいなものを一番強く感じていました。でも、完成した映画の中の莉花を見て、確かに莉花が輝いていた瞬間があったんだと感じることができて…自分が演じているんですけど、何だか嬉しかったです。
■日常の中にある一つ一つの感情に向き合いたい
‐ 俳優活動を始めてまもなく2年ですが、この『白の花実』での経験も含め、ご自身の中で変わってきたと感じる点はありますか?
蒼戸虹子
自分の感情と向き合う、ということを心がけるようになりました。今、自分が何を感じているのか、日常の中にある一つ一つの感情を通り過ぎずに、しっかりと向き合っていきたいと思っています。
‐ 映像の中でお芝居をしているご自身を客観的に見た時、どのような感情になりますか?
蒼戸虹子
最初はすごく恥ずかしさもありました。ですが、だんだん「もっとこういう風にやればよかったかな」と客観的に考えたり、悔しかったり…いろんな感情が出てくるようになってきました。それが俳優としてもっと頑張ろうという気持ちに繋がっていると思います。
■音楽に関わった作品に出演してみたい
‐ 今後、俳優としてチャレンジしたい役や作品があれば教えてください。
蒼戸虹子
ギターを弾いたり歌ったりするのが好きなので、音楽に関わった作品に出演してみたいです。小学3年生頃からギターをやっていて、アコースティックギターもエレキギターも持っています。最近は友達とスタジオを借りて、バンドっぽいことをしたりもしています。
‐ 現在、学生とのことですが、部活動はされていますか?
蒼戸虹子
部活動はしています。活動頻度はあまり高くないのですが、「フィットネスキックボクシング部」に入っています。アクション映画を見るのも好きなので、将来はアクションにも挑戦してみたいです。
‐ 最後に、『白の花実』をこれからご覧になる方へ、ご自身の役どころを含めたメッセージをお願いします。
蒼戸虹子
莉花の死を通じて、杏菜と栞が莉花の内面を知ろうとし、自分自身とも深く向き合い始める、という少女たちの感情の揺れ、動きが繊細に描かれています。映像の色合いや景色、衣裳、美術で彩られた美しい世界観も一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。
蒼戸虹子(あおと にこ)プロフィール
2009年生れ、16歳。2024年より俳優活動を開始し、シリーズ横溝正史短編集Ⅳ「悪魔の降誕祭」(24/NHKBS)でデビュー後、今夏クールのドラマ「DOPE 麻薬取締部特捜課」(25/TBS)では主人公の妹・結衣役を好演し、連続ドラマ初出演を果たす。RADWIMPS「正解」MVも話題になるなど、多岐にわたり活躍中。
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【インタビュー&撮り下ろしフォト】#蒼戸虹子「俳優を始めたばかりの頃のオーディションでした」
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■撮り下ろしフォトギャラリー
- 蒼戸虹子
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[インタビュー・写真:三平准太郎/ヘアメイク:石川奈緒記/スタイリスト:佐々木翔]
映画『白の花実』
「完璧な少女は、なぜ飛び降りたのか?」
これまでの少女映画が触れなかった、“死の向こう側”へ―—
かつて観たことのない奇妙で美しい“ファントム・ファンタジー”、誕生。
《INTRODUCTION》
本作を監督したのは、東京藝術大学大学院 映画専攻で編集を学び、2019年公開の短編オムニバス映画『21世紀の女の子』の一篇「reborn」を監督し、注目を集めてきた坂本悠花里。初の長編作品でありながら、第73回サン・セバスティアン国際映画祭New Directors部門に選出。なかでも、クロージング作品としてワールドプレミア上映され、上映後には熱い喝采を浴びた。
主人公・杏菜を演じるのは、本作で映画初出演にして主役に抜擢された、モデルの美絽。
莉花の幼馴染の栞を演じるのは、「ゼクシィ」15代目CMガールで話題となり、映画やドラマに多数出演している池端杏慈。
そして、莉花を演じるのはTBSドラマ「DOPE 麻薬取締部特捜課」で難役を鮮やかに演じ切った蒼戸虹子。
少女たちを取り巻く大人たちには門脇麦、河井青葉、岩瀬亮、伊藤歩、吉原光夫といった芯のある実力派が名を連ねる。
若き才能と次世代キャストの感性が交錯し、世界を魅了する鮮烈な映画がここに誕生した。
《STORY》
周囲に馴染めず、転校を繰り返す杏菜(美絽)が、新たな寄宿学校で出会ったのは、美しく完璧な少女・莉花(蒼戸虹子)。
しかし、莉花は突然、屋上から飛び降りて命を絶ってしまう。残されたのは一冊の《日記》。ページをめくるたび、莉花の苦悩や怒り、痛み——そして莉花の幼なじみ・栞(池端杏慈)との記憶と、言葉にできなかった“ある秘密”が浮かび上がる。
- メインカット
- 場面写真1
- 場面写真2
- 場面写真3
- 場面写真4
- 場面写真5
- 場面写真6
- 場面写真7
- 場面写真8
- 場面写真9
- 場面写真10
- 場面写真11
- 場面写真12
- 場面写真13
出演:美絽 池端杏慈 蒼戸虹子
河井青葉 岩瀬亮 山村崇子 永野宗典 田中佐季
伊藤歩 吉原光夫 / 門脇麦
監督・脚本・編集:坂本悠花里
プロデューサー:山本晃久
製作・配給:ビターズ・エンド
制作プロダクション:キアロスクロ
英題:White Flowers and Fruits
2025年/日本/カラー/DCP/5.1ch/ビスタ/110分
©2025 BITTERS END/CHIAROSCURO
公式サイト:https://www.bitters.co.jp/kajitsu/
公式X:https://x.com/shirono_kajitsu
2025年12月26日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開!
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