稲垣吾郎「別人格をずっと自分の中に持ち続けている」舞台「No.9 ‐不滅の旋律‐」100公演目!囲み会見【完全】レポート
2024年12月24日、東京国際フォーラム ホールCにて、舞台「No.9 ‐不滅の旋律‐」100公演目!囲み会見が行われ、主演でベートヴェン役の稲垣吾郎、マリア役の剛力彩芽、演出の白井晃が登壇。本日100公演目を迎える本舞台についての振り返りや、今回公演の意気込みなどを語った。
稲垣吾郎が全身全霊で挑む天才作曲家ベートーヴェンの半生を描いた舞台『No.9 ‐不滅の旋律‐』。音楽の進化&深化を数十年早めたといわれるドイツの音楽家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。彼の苦悩の人生と創作の深層に迫り、2015年の初演以来、多くの観客を感動の渦に巻き込んできた本作は、主演・稲垣吾郎×演出・白井晃の最強タッグで上演を重ね、今回で4度目の上演となる。2024年の今年は「第九」がウィーンで初演を迎えてから200年の節目にあたり、更に本日(クリスマス・イヴ)は、本公演の100回目の上演となる節目の日ともなる。
会見【完全】レポート
‐舞台「No.9 ‐不滅の旋律‐」100公演目おめでとうございます。
稲垣吾郎(ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 役)
ありがとうございます。
‐4度目となる今回の舞台はいかがでしょうか?
稲垣吾郎
初日開幕して、今日で3日目なんですけれども、そして今日この後、100公演目を迎えることになるんですけれども、本当にもうスイッチが入ってきてますし、今入っているんじゃ遅いのか(笑)
毎日たくさんのお客様に来ていただいているので、幸せを噛み締めながら、共演者の皆さんと共に、ベートーヴェンを大切に演じています。
‐100公演目となると、ご自身の中で、ベートーヴェンに対して深みが加わったということは感じていらっしゃいますか?
稲垣吾郎
だと、いいんですけどね。今回、4年ぶりに演じることになったんですが、自分の中でベートーヴェンのリモコンスイッチはオフになっているけど、主電源が切れていない感じで、常にベートーヴェンの火種みたいなものが自分の中にあるという感覚なんです。
そして、今回また蘇ってきている感覚なんですが、その上で本当に深みが出てきているといいんですけれども、それは皆さんに観ていただいて決めていただくことですから。
‐そのリモコンスイッチは、やはりお客様がいてこそオンになるという感じでしょうか?
稲垣吾郎
そうですね。僕はすぐにスイッチをオフにするタイプなので(笑)主電源は切らないんですけどね(笑)
‐剛力さんはマリア役として3度目ですが、いかがですか?
剛力彩芽(マリア・シュタイン 役)
マリアとしてベートーヴェンの前に居させてもらえるということ、年末に第九という素敵な音楽と共に皆様と一緒に過ごせるというのはとても嬉しいなと思っています。
‐剛力さんからご覧になって、吾郎さんのベートーヴェンというのはこの3回で変わったところとかありますか?
剛力彩芽
良い意味で、もうずっとベートーヴェンなんですよね。最初にお会いしたときからずっと変わっていなくて、ベートーヴェンそのものなんです。
でもやっぱり歳を重ねて、ストーリーの中のベートーヴェンの歳にどんどん近づいていく訳ですから、ベートーヴェンへの愛情が深まってきていると感じています。
稲垣吾郎
わかる。剛力さんのマリアもそう。この作品では、ベートーヴェンが、まだ20代後半くらいから、No.9を作る50代までを描いていて、その長い時間を演じますから。
なので、剛力さんもすごく変化を感じますし、その深い愛を、母性を感じていますよ。
それは初演の頃から目覚ましい成長で素晴らしいなと思っています。頼もしいお母さんみたい。
剛力彩芽
嬉しい!ありがとうございます!
‐白井さんから見て、お二人の変化はどういうところがありますか?
白井晃(演出)
吾郎さんのベートーヴェンは深みと落ち着き、そして重厚さが増してこられたなという実感です。
剛力さんのマリアは、永遠にマリアそのものという感じですし、物語後半の大人になったマリアの年齢に近づいていらっしゃるので、彼女にも深みを感じる。
お二人の演技には、長年やってこられた信頼も感じますし、そういった意味での落ち着きをすごく感じています。
稲垣吾郎
今回4回目ということで、少しずつ変えている部分もあります。音楽やセリフを少し見直したり、ピアノソナタも増やしたりとかして、やっぱり前回、前々回の成功体験をなぞる形だけだと良くないなと思って。そうするとマンネリ化してきたりしますし、何度も観てくださっているお客様もいらっしゃるので。
今回、スタッフもキャストも新たに参加された方いらっしゃいますし、いったん全て壊してまた1から作るという、そんな感覚でやってきました。
白井晃
そうですね。稽古の初日に思ったことは、本当にもう一度新しく「No.9」と向き合おうと思ってやってきました。
‐吾郎さんにとってはこの舞台は代表作となりましたよね。
稲垣吾郎
そう言っていただけると嬉しいです。僕にとっても本当に大切な作品ですし、ベートーヴェンって僕と全く真逆な人間なので、そういう別人格をもう一つ僕の中に持っておくというのもすごく面白いんですよね。何か不思議な感じがします。もしかしたらベートーヴェンみたいな人格になったかもしれないし、今まで違う環境で生きてきたとしたら。そういう資質があるのかなと思ったり。
‐人格とは違いますが、以前“ヒステリックゴロチ”な部分が似ているともおっしゃっていましたが。
稲垣吾郎
そうですね(笑)そういうところは隠しているつもりなんですけど、出てしまうところはあると思います(笑)
僕は、神経質なところもありますし、ヒステリックとたまに人に言われることがあるんですけれども、ベートーヴェンの天才的なところに似ることができればいいんですけどね。
‐どこが両極ですか?
稲垣吾郎
ベートーヴェンはやっぱりいつも感情をむき出しにして、情熱的に生きている人間ですが、僕はどっちかというと少しポーカーフェース気味というか、隠すタイプなので、ベートヴェンみたいな人には憧れがあります。だから、舞台の上では気持ち良いです。普段自分ができないことをやれているので。
白井晃
「舞台の上で一生分怒った」っておっしゃっていましたよね。
‐剛力さんも30代になってプロレスラーの役とかいろんなことを経て、今回またかなり違う部分がご自分の中にもあるんじゃないですか?
剛力彩芽
そうですね。この舞台に一番最初に参加させていただいた時が25歳だったので、ちょうど子供と大人の境目というか、自分自身もどっちにいったらいいか悩んでた時期でもありました。
そして30代に入ってからは、30代がとても楽しくて、20代の時よりも素直に感情を表現できている気がしていて、それをまた同じ役でどう自分の表現が変わるのか。
もちろん観に来てくださるお客様にもまた違うマリアだねって言ってもらいたいなっていうのも考えながらも、このベートーヴェンに素直に向き合った時の、自分の素直な気持ちを、3回目になると素直に出しやすくなったなと感じています。
‐改めてお伺いしますけれども、吾郎さん、初演当時を思い出して、この100回公演という数字はいかがでしょうか?
稲垣吾郎
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ちょっと計算してみたら、延べ10万人以上のお客様がご覧になったということで、そう考えるとすごいですよね。それほどの方々にこの劇場に来ていただいて、我々とお客さんが一緒になってベートーヴェンの世界、音楽を一緒に奏でているような、そんな感じがするんです。
僕らもいつも舞台上で感動しています。それはやっぱりベートーヴェンの音楽の力というものが大きくて、何回やっても、やっぱり第九が流れる瞬間は僕らもゾワっときますし、本当に音楽の力ってすごいなと思いながら演じています。
‐今日、100回記念ということで、何かあるのでしょうか?
稲垣吾郎
毎公演、来ていただいたお客さんに同じものをちゃんと観ていただこうという思いでやってますが、剛力さんが帽子被ったり?クリスマスということもあり。そういうサプライズがいくつかあるかもしれませんね。
‐今後、この舞台を何回まで続けたいという目標はありますか?
稲垣吾郎
やれる限りずっと続けていきたいですよね。もちろんこのメンバーで。という想いは僕の中であります。やれる自信もあります。
‐年末となりましたが、皆さん今年を振り返って、どんな1年でしたか?
稲垣吾郎
本当に充実した1年でした。新しい地図として。草彅剛くん、香取慎吾くんと一緒に活動している中では、ファンの方と一緒になって盛り上がることができる、とても幸せなファンミーティングがあって、全国を周りましたし、あとは個人としては、俳優として映像のお仕事もさせていただき、そして最後にこの舞台で締めくくることができて、本当に幸せな1年でした。
‐それを踏まえまして、今年1年を漢字1文字で表すとしたら?
稲垣吾郎
よくある質問ですね(笑)なんだろうな。“感じる”の「感」ですね。“感謝”の意味も含めて。思いつきで言ってますけどね(笑)
‐剛力さんはいかがですか?
剛力彩芽
今年は舞台で始まって、たくさん舞台に立たせていただきましたし、撮影自体は2年前ですが、プロレスラーを演じた作品が今年皆さんに観ていただけて、私のまた新しい一面を皆様に観ていただけたのかなと思っています。
そしてまたこうしてマリアとして舞台に戻れて、こうして新しいものを皆様に届け続けられることに、喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。まだまだやったことのない役がたくさんあるんだなっていうのを改めて実感しましたし、もっともっと挑戦したいことを増やしていこうって思いました。
そして、漢字1文字で表すとなんだろう?
稲垣吾郎
(役者として)ステップアップして跳んだということじゃない?
剛力彩芽
いただきました!「跳」です!
稲垣吾郎
ほんと素晴らしかったですよね。(プロレスラー役の)ドラマは観ましたし、ビックリでした。そしてまたマリアになってね。
剛力彩芽
(笑)
‐最後に、吾郎さん、皆さんにメッセージをお願いします。
稲垣吾郎
舞台『No.9―不滅の旋律―』の千秋楽まで、このカンパニー一丸となって、観に来てくださるお客様に深い感動をお届けできるように頑張っていきますので、是非劇場でご覧になってください。劇場でお待ちしております。ありがとうございました!
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[写真・記事:三平准太郎]
舞台『No.9―不滅の旋律―』
“鳴らせ。私の頭の中の完璧な音楽”
たとえ耳が聞こえなくなっても、私の頭の中には音楽が鳴り響いている……。作曲家として人間として、劇的な人生を送ったベートーヴェン。
最後の交響曲「第九」まで、彼はどんな時間を生きたのか。
その波乱と苦悩の生涯を、主演•稲垣吾郎×演出•白井晃の最強タッグで魅せる!
≪STORY≫
1800年、刻々と変化する政治情勢の影響を受けつつも、「音楽の都」として栄えるオーストリア、ウィーン。
ルートヴィヒ•ヴァン•ベートーヴェン(稲垣吾郎)は、豊かな音楽の才能に恵まれながらも、複雑で偏屈な性格のため、行く先々で騒ぎを起こしていた。さらに以前から不調だった聴覚の障害が深刻さを増し、身体のうちに溢れる音楽と不幸な現実の間で、その心は荒んでいる。
だが、彼の才能を深く理解するピアノ職人のナネッテ(南沢奈央)とヨハン(岡田義徳)のシュトライヒャー夫妻、ナネットの妹で後にベートーヴェンの秘書となるマリア(剛力彩芽)、ふたりの弟ニコラウス(中尾暢樹)とカスパール(崎山つばさ)らとの交流が、徐々に彼の内面を変えていく。
病に身をすり減らしながら頭の中に鳴り響く音楽をひたすら楽譜に書き留めるベートーヴェン。全身全霊をかけて取り組んだ「交響曲第9番」が、初演を迎えたその時、彼の心の内に響いたものは——。
出演:稲垣吾郎/剛力彩芽/片桐 仁、南沢奈央、崎山つばさ、中尾暢樹/岡田義徳、
深水元基、松田佳央理、小川ゲン、宮部大駿、正垣湊都・村山董絃(Wキャスト)、奥貫 薫、羽場裕一、長谷川初範
演出:白井 晃
脚本:中島かずき(劇団☆新感線)
音楽監督:三宅 純
ピアニスト:末永 匡、梅田智也
2024年12月21日(土)~31日(火)東京国際フォーラム ホールC
2025年 1月11日(土)~12日(日)久留米シティプラザ
2025年 1月18日(土)~20日(月)オリックス劇場
2025年 2月 1日(土)~ 2日(日)アクトシティ浜松 大ホール
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