大泉洋「今では僕は吉永さんから生まれてきたとしか思えない」映画『こんにちは、母さん』大阪合同記者会見
2023年7月10日、ホテルニューオータニ大阪にて、映画『こんにちは、母さん』合同記者会見が行われ、吉永小百合、大泉洋が登壇。本作の撮影秘話などを語った。
合同記者会見イベントレポート
7月10日(月)、大阪にて本作の合同記者会見および舞台挨拶が実施され、まず行われた合同記者会見では、煌びやかな会場に多くのメディアが駆けつける中、主演の吉永小百合(神崎福江 / かんざき・ふくえ役)と大泉洋(神崎昭夫 / かんざき・あきお役)が登壇。それぞれ一言ずつ挨拶し、記者会見がスタートした。
主演を務めた吉永は、『母と暮せば』以来、8年ぶりの山田組参加となった本作。久しぶりの山田組の様子について、「前回よりももっと突き詰めて、新しいことを色々やってみようと監督はお考えでしたので、驚くことも多かったです」と印象を語った。
一方、今回が山田組初参加かつ、吉永とも初共演となった大泉。オファー当時を「私の世代ですと山田監督は巨匠で、さまざまな作品も拝見していたので、信じられないような気持ちでした」と率直な心境を回顧。
吉永との共演については、「当初は“吉永さんから大泉は生まれない”というコメントを出させていただきましたが、撮影を経て、今では吉永さんから生まれてきたとしか思えない。今やもう札幌に帰って自分の母親を見ると違和感を覚えるくらいです」と笑いを交えながらコメントし、充実な撮影ぶりをうかがわせていた。
さらに山田組の雰囲気について問われると、「常に山田監督も真剣でしたし、厳しい演出が入る場面もあったので、緊張感がある現場ではありました」と明かす大泉。「ただ、監督から台本にはないアイディアが出てくることもあって、それが全部面白いんですよね。セリフを変えられることもあったんですが、全部センスがあって。改めて山田監督作品は、監督のアイディアで面白くなっていくんだなと実感しました」と語り、現場での貴重なエピソードも披露していた。
その後、記者から登壇者への質疑応答に。
まずは記者から、孫を持つおばあさん役というこれまでにない新鮮な役どころを演じた吉永へ、「本作での役作りや気をつけたこと」に関する質問が。
吉永は「監督から“孫のいる役はどうですか?”と提案があって。“大丈夫です”とお答えしたものの、どうも最初は掴みきれずに、動作もテキパキしてしまって注意されたこともありました」と時には苦戦する場面もあったそうだが、「孫の舞(永野芽郁)とは友達のように接したり、息子に対しても元気づけてあげようとする優しさも持ち合わせているような、今までの山田組で描いてきた“お母さん”とは違う新しさを出せればと思い演じていました」と役作りの秘話を明かした。
続いて、二人に向け「もしも本当の親子だったら、お互いの魅力的なところ、苦労しそうなところはどこだと思いますか?」という質問。
お互いの魅力について、「いつも何かに興味を持って、楽しそうにしてらっしゃるところ」(吉永)、「なんと言っても、やはりチャーミングなところですかね」(大泉)とそれぞれ回答する二人。大泉は劇中で見せる吉永の姿にも魅力を感じていたそうで、「映画でも(吉永演じる)福江が失恋からお酒を飲んで酔っ払ってしまうようなシーンも登場するんですが、そのお姿がなんとも可愛らしい。恋をしてデートに行く姿もやはりお美しいですし」と力説。
一方、苦労しそうなところについては、「本当にないんですが…」と前置きしつつも、「元気すぎるところでしょうか。現場でもテキパキされていたのですが、私はついダラダラと過ごしてしまう方なので、もし本当の親子だったら怒られそうだなと」と明かし、会場の笑いを誘っていた。
続いての質問は、「お二人からみた本作の魅力は?」。
大泉は「私のような世代の方が見れば昭夫を応援したくなるような映画でもあると思いますし、もう一つの見所はやはり恋する母・福江の姿ですよね。好きな人ができた母親の姿にハラハラする場面もあれば、最後は親子が前に進んでいこうとする姿に勇気づけられるようなところもあって…」と魅力を語り、「ある種どこか新しくも思えるような作品だったので、まだこんな風に僕たちをドキドキさせるような作品を生み出せるのかと驚いた次第です」と山田監督の手腕を絶賛していた。
さらに吉永も、「手を取り合ったり語り合ったりすることが減ってきている時代の中で、この映画から心の温かさのようなものを感じてもらえたらとても嬉しく思います。世界的にも大変な時代になってきていますが、そのような本作の魅力を感じとっていただけたら」と語り、本作への想いを滲ませていた。
最後に「本作からどのようなメッセージが伝わって欲しいでしょうか?」という質問。
「私たち世代の方々には、年齢を重ねても前を向いて自分のできることをやっていく大切さが伝わればいいなと思います。劇中でも福江がホームレスの方へ炊き出しをするシーンも登場しますが、福江のように元気に歳を重ねていきましょうという想いが伝われば嬉しいです」(吉永)、「母、息子、孫、三世代それぞれの物語や悩みも描かれているので、どの世代の方が見ても共感したり勇気をもらえるんじゃないかと。老若男女全ての方に楽しんでいただける作品だと思います」(大泉)とそれぞれ想いを明かし、記者会見を締めくくった。
■フォトギャラリー
関連記事
映画『こんにちは、母さん』
【概要】
2020年、100周年を迎えた松行映画。『男はつらいよ」シリーズをはじめ、その長きに渡る歴史の中で松付が描き続けてきたのは、人の温かさを描いた人情の物語であり、【家族】の物語でした。
そして、2023年。変わりゆくこの令和の時代に、いつまでも変わらない【親子】を描く映画『こんにちは、母さん』が完成しました。
本作のメガホンを取るのは、時代とともに家族の姿を描き続けてきた山田洋次監督。
91歳にして90本目の監督作となる本作では、いまこの令和を生きる等身大の親子を心情豊かに描きます。
主演を務めるのは、1972年に公開された『男はつらいよ 柴又慕情』をはじめ、『母べえ』(08)『おとうと』(10)『母と暮せば」15)など約50年間に渡って数々の山田洋次監督作品に出演し、日本映画界を共に牽引し続けてきた吉永小百合。映画出演123本目となる本作で、下町に暮らす母・福江を演じます。
その息子・昭夫を演じるのは、数々の映画やNHK大河ドラマ「赤倉殿の13人」での好演が記憶に新しい、国民的人気作優・大泉洋。山田洋次監督映画への出演、吉永小百合との共演はともに初めてとなります。
「母べえ』『母と暮せば」に続く『母』3部作として、日本を代表する名女優・吉永小百合の集大成ともいえる本作。日本映画史に残る新たな名作が誕生致します。
原作は日本を代表する劇作家であり、演出家としても数々の名優と舞台を創ってきた永井愛の人気戯曲「こんにちは、母さん」。01年と04年に新国立劇場で上演され、07年にはNHK土曜ドラマにて映像化されるなど、多くの演劇ファンから人気を博した名作が現代の下町を舞台に映画になります。
【物語】
大会社の人事部長として日々神経をすり減らし、家では妻との離婚問題、大学生になった娘(永野芽郁)との関係に頭を悩ませる神崎昭夫(大泉洋)は、久しぶりに母・福江(吉永小百合)が暮らす東京下町の実家を訪れる。
「こんにちは、母さん」
しかし、迎えてくれた母の様子が、どうもおかしい…。割烹着を着ていたはずの母親が、艶やかなファッションに身を包み、イキイキと生活している。おまけに恋愛までしているようだ!久々の実家にも自分の居場所がなく、戸惑う昭夫だったが、お節介がすぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う“母”と新たに出会い、次第に見失っていたことに気付かされてゆく。
監督:山田洋次
脚本:山田洋次 朝原雄三
原作:永井愛
出演:吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、寺尾聰、宮藤官九郎、田中泯、YOU、枝元萌
撮影:2022年9月30日~11月17日
配給:松竹
©2023「こんにちは、母さん」製作委員会
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/konnichiha-kasan/
公式Twitter:@konnichihakasan
特報映像
2023年9月1日(金)全国ロードショー
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。